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大好きな人ができたら、
20代から子宮けいがん検診

コラム2024.3.19

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みなさんは子宮頸がんについて、どのくらい知っていますか? 子宮頸がんは20代でも罹患することがある、女性特有のがんです。性交渉によって感染するウイルスが主な原因となることから、パートナーと向き合って一緒に考えることが大切です。そこで今回は、子宮頸がん検診や子宮頸がんの予防について、一緒に学びましょう。


子宮けいがんってどんな病気?

子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)近くにできるがんです。

子宮頸がんって女の子だけの問題ととらえられがちだけど、パートナーの人にも重要なんだよ
うんうん、確かに。勉強して知ったんだけど、子宮頸がんの主な原因は性交渉によるHPVの感染なんだって

HPV(ヒトパピローマウイルス)は性交経験のある女性の約8割が一度は感染したことがあると言われる、ありふれたウイルスです。ほとんどの場合、感染は一時的でウイルスは自然に消える(検出されなくなる)と言われていますが、まれに、感染が長く続く場合があり、ごく一部で子宮頸部の細胞に異常(がんになる前の状態)が生じて、数年から数十年かけて子宮頸がんになっていくと言われています。

子宮頸がんになった人の割合(全国・女性) 2019年

  • 出典 : 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
子宮頸がんは20代後半から増えるんだって。このグラフでは、がんになる前の状態もピンクの棒線で表わされてるんだけど、20代後半から増えてるでしょ?私たちの年代も他人事じゃないね
POINT!
  • ・子宮頸がんの主な原因は性交渉によるHPV感染
  • ・子宮頸がんは20代後半から増えはじめる

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子宮頸がんって自覚症状はあるの?
子宮頸がんになる前の状態とか早期の子宮頸がんはほとんど症状がないらしくて、自分では気づかないんだって。でも早く見つかって治療したら、9割は助かるらしい
そうなんだ! でも検診受けないとわからないってことだよね?

定期検診はどうやって受ける?

検診も高いイメージあると思うけど、区市町村で無料~2,000円くらいで受けられるんだよ
お手軽に受けられるんだね

日本では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかっていますが、早い段階で治療することで9割以上が助かることがわかっています。初期段階ではほとんど自覚症状がありませんが、2年に1回、子宮頸がん検診を受けることで、早期のがんや、がんになる前の状態で見つけることができます。

子宮頸がんはどれくらい助かるの?

子宮頸がん検診は、各区市町村が指定する検診機関や医療機関で検診を受けることができ、女性医師のいる機関を選べる場合もあります。費用は自治体によって異なりますが、無料〜2,000円程度で受診可能です。受診券が届く場合と、ご自身で申し込む場合がありますので、詳細はお住まいの区市町村のホームページなどでご確認ください。

各区市町村のがん検診担当部署一覧はこちら

POINT!
  • ・子宮頸がん検診は、20歳から2年に1回、くりかえし受診することが大切!
  • ・検診は区市町村で受けられる

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この前受けた検診はどんな感じだった?
はじめは私も緊張したんだけど、意外とすぐに終わるんだよ。まず問診があってお医者さんの質問に答えていくの。そして椅子(内診台)に座って、子宮の入り口をお医者さんが確認して、専用のブラシで細胞をとる感じ。検診は台に乗ってから1~2分くらいかな?結構短い時間で終わるよ。
結果はだいたい1ヶ月以内に届くんだけど、そこに「要精密検査」って書かれていたら精密検査を受けるんだよ

検診の流れは?

子宮頸がん検診では、問診・視診・細胞診の流れで行われます。問診では、最近の月経についてや異常な性器出血などの症状の有無、これまでの検診受診状況などを聞かれます。
問診を受けた後は、内診台にて医師がクスコ(腟鏡)と呼ばれる器具を腟に入れて子宮の入口を確認(視診)し、子宮頸部を専用のブラシでこすって細胞を採取します(細胞診)が、それまでの時間はわずか1〜2分。また、必要に応じて内診を行う場合もあります。
検査結果は基本的には1ヶ月程度で受け取ることができます。検査結果が「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を実施できる婦人科医療機関を受診しましょう。

POINT!
  • ・内診台での検診にかかる時間は1〜2分
  • ・検査結果は1ヶ月程度で受け取ることができる
  • ・要精密検査となった場合は必ず精密検査を受けよう

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TOKYO#女子けんこう部 「子宮頸がん検診ってどんな検査?」

子宮頸がんになる前に予防できる方法があって、それがHPVワクチンっていう、原因となるウイルスの感染を予防できるワクチンなんだよ
ちなみにHPVワクチンって男の人も打てるの?
そう、打てる! HPVワクチンって子宮頸がんの予防だけじゃなくて、男性もかかるがんや他の病気の予防にもなるんだって

子宮けいがんを予防するHPVワクチンとは?

HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチンです。小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。また、小学校6年~高校1年の年齢で定期接種を受けられなかった女性は、令和7年3月31日までは「キャッチアップ接種」を受けることができます。

  • ※平成9年度以降に生まれた女性で定期接種の機会を逃した方が対象で、令和7年3月31日までに所定の回数の接種を終了する必要があります。

女性が受けることができるHPVワクチンは3種類あって、これらワクチンの接種によって子宮頸がんの原因になるHPV感染の50〜90%を防ぐことができると言われていますが、ワクチンだけで完全に予防することはできません。そのため、ワクチンを接種した人も20歳からは2年に1回、必ず検診を受けましょう。
また、HPVワクチンの中には男性にも接種が認められているものが1種類あります。HPVに感染する前の男性がこのワクチンを接種して自分の感染リスクを減らすことで、将来パートナーになった女性をHPV感染から守り、子宮頸がんの予防につなげることが期待できます。さらに、そのワクチンを接種することで、やはりHPV感染が原因とされ、男女ともにみられる肛門がんや尖圭コンジローマなどのリスクを減らす効果も期待できます。

  • ※現在、男性に対する接種が承認されているのは4価ワクチン1種類です

現在、小学校6年~高校1年の男子は定期接種の対象でなく、接種する場合の費用は保護者の方などが全額負担(1人合計3回の接種が必要なので5~6万円程度)することになりますが、男子の接種費用を助成している自治体もありますので、お住まいの区市町村へご確認ください。

POINT!
  • ・HPVワクチンで子宮頸がんの原因になるHPV感染の50〜90%を防ぐことが期待されている
  • ・HPVワクチンを接種した女性も必ず定期的に子宮頸がん検診受診を!

(監修)
国際医療福祉大学三田病院 予防医学センター 講師 医学博士
齊藤 英子

埼玉医科大学 医療人育成センター・地域医学推進センター
産婦人科 医学教育センター 助教
高橋 幸子

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