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適塩生活のススメ

コラム2024.2.29

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塩分を意識したことはありますか?

普段食事をとる時、どのようなことを意識していますか?
健康的な食生活を送るうえで、意識したいことの一つに「適塩」(日々の食事の中で、自分に合った適切な食塩摂取を心がけること)があります。
「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、日本人女性(成人)の1日当たりの食塩摂取量の平均値は9.3gですが、「健康日本21(第三次)」の目標値や「東京都健康推進プラン21(第二次)」の目標値と比べて、食塩をとり過ぎている傾向にあります。

日本人女性の年代別食塩摂取量の平均値(20歳以上)

  • 出典/厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」
  • 成人1人1日当たりの食塩摂取目標量(目標値)は、計画や基準により異なります。
  • ・「東京都健康推進プラン21(第二次)」: 男女とも 8.0g/日 以下 ※令和6年3月に次期計画である 「東京都健康推進プラン21(第三次)」 が策定・公表される予定です。
  • ・「健康日本21(第三次)」 : 男女とも7.0g/日 未満
  • ・「日本人の食事摂取基準(2020年版)」: 成人男性で7.5g/日 未満、成人女性で 6.5g/日 未満、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量の量として、男女とも 6.0g/日 未満

なぜ食塩をとり過ぎてはいけないの?

食塩をとり過ぎると、以下をはじめとした病気のリスクを高めます。
食塩のとり過ぎは都民を含めた日本人の食生活における課題の一つとなっています。

・高血圧、高血圧症
高血圧とは血圧が高い状態のことを言い、高血圧症とは、繰り返し測定しても血圧が正常よりも高い場合を言います。血圧が高い状態が長く続くと、血管が厚く硬くなる動脈硬化を引き起こし、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、大動脈瘤などの病気の原因となります。
※140/90mmHg以上(家庭で測定した場合135/85mmHg以上)
・胃がん
胃の粘膜にできる悪性腫瘍(悪性のできもの)のことです。早期発見・早期治療による5年後の生存率は95%以上です。50歳になったら、2年に1回、定期的に胃がん検診を受けましょう。
※公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2022」
<女性に発症リスクが高い疾病や女性特有の疾病>
・骨粗しょう症
骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気のことです。高齢女性で発症しやすい傾向にあります。
・妊娠高血圧症候群
妊娠時に高血圧を発症することを言います。症状が重くなると、お母さんの肝臓や腎臓の機能に障害が生じる可能性や、赤ちゃんの発育が悪くなる可能性があるなど、母子に負担がかかります。妊娠高血圧症候群になりやすい要因の一つに高血圧症があります。妊娠前から、血圧が高くならないよう、適塩を心がけるなど高血圧予防のための生活習慣を取り入れましょう。

日々の食事で食塩のとり過ぎを防ぐポイント

食塩(ナトリウム)はからだに欠かせない栄養素の一つですが、普段の食事のなかでついとり過ぎてしまいがちです。以下を参考に、食事を楽しみながら「適塩」を心がけましょう。

商品を選ぶときの工夫

・食材の買い物や外食時には、栄養成分表示を活用する
スーパー等で惣菜や食品を購入する時は、袋や容器に表示されている栄養成分表示の食塩相当量を確認しましょう。食塩相当量を見ることで、その食品にどのくらいの食塩が含まれているか分かります。また、「◯%減塩」「塩分控えめ」のような表示も参考になります。
外食時は、メニュー表や企業のホームページに食塩相当量などの栄養成分の含有量が表示されていることがありますので、参考にしましょう。

調理の工夫

・汁物は具だくさんにする
味噌汁やスープなどは具材をたくさん入れ、汁の量を減らすことにより塩分量を抑えることができます。

・スパイスや香味野菜を活用して味に個性をつける
こしょうや七味唐辛子などのスパイス、しょうが、にんにく、しそなどの香味野菜を使い、味に変化をつけることで、塩分控えめでも美味しく仕上がります。

・食材(素材)の味を生かす
料理をする際は、食材の味を生かしましょう。味付はうす味とし、まずはその味付に慣れましょう。調味料は酢、ケチャップ、マヨネーズなど塩分少なめのものを使うなど工夫しましょう。

・だしを効かせる
昆布やかつお節などでとっただしの旨味を効かせることで、塩分控えめでも美味しく仕上がります。

食べ方の工夫

・麺類は汁を残す
麺類の汁には、食塩が多く含まれています。食べる時はできるだけ汁を残すように心がけましょう。

・ドレッシングは少なめに
ドレッシングを使用する時は、一度に全部をかけずに、味を確かめながらかけると塩分を抑えられます。

・しょうゆやソースは“かける”より“つける”
しょうゆやソースなどは、かけて食べるより、あらかじめ小皿に適量とって、つけて食べたほうが食塩の摂取量が少なくなります。

食生活全般については、こちらをご覧ください。
TOKYO#女子けんこう部「食生活のこと」

(監修)
駒沢女子大学 人間健康学部 健康栄養学科 教授
公益社団法人東京都栄養士会 会長
公益社団法人日本栄養士会 常任理事
西村 一弘

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