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事件No.18 怪しい二人組(1)
近所のおっちょこちょいで有名な喫茶店のマスターがやってきた。
店に来た黒服の二人組が、怪しい会話をしていたらしい。
相談者:登坂 香之介(とさか きょうのすけ 喫茶店のマスター)
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マスター
シャロクくん、店に怪しい二人組がいたんだ。
どうしたらいい?! やっぱり交番に届けたほうがいいかな?! - シャロク どう怪しかったのですか。
- マスター ちょうどお客さんがいない時間だったから話している声が聞こえてしまったんだけどね...
「イギリスで死者…」「脳の中に…」「骨をくだいて…」「日本でも…」
- マスター なんだか怪しい事をひそひそ話していたんだ。どうだい、大事件のニオイがしないかい? 脳の中に秘密のデータが隠されていて、頭の骨をくだいて中のものを取り出す計画だと思うんだ。
- シャロク なるほど。会話のなかに「牛」とか、アルファベット三文字の言葉は出ませんでしたか?
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マスター
「牛」? あ、そういえば何度も出てきたな!
それに「B」なんとかって言葉もあった! - 園子 マスター、それ大事件よ!
-
マスターえ! やっぱりそうか!
つつ、通報するね! あれ、なな、何番だっけ!? -
シャロク
マスター、安心してください。
その二人組は悪巧みをしていたわけではないでしょう。 - マスター へ!? ホント? だって「死者」「脳」「骨をくだく」だよ!
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シャロク
では、ある事件についてお話しましょう。
マードくん、スライドをお願いします。
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シャロク
マスターの聞いた言葉は「BSE」、正式には「牛海綿状脳症(うしかいめんじょうのうしょう)」の事でしょう。
牛の脳の組織がスポンジ状に変化し、立てなくなって、最後には死んでしまう病気です。 - シャロク BSEは1986年にイギリスで最初に発見され、やがて、BSEになった牛の肉や内臓を食べると、人にも脳障害が起こって死亡する可能性があることが分かり、大きな問題となりました。
流行した原因は、牛や羊のくず肉、皮、骨などを加工した「肉骨粉(にくこっぷん)」という家畜のエサにあると考えられています。 - シャロク BSEは、感染してから症状が現れるまでに長い時間がかかります。感染したことが分かる前に、感染した牛から肉骨粉が作られ、それを食べた牛がまた感染するというくり返しで病気が広まってしまったのです。
- シャロク さらに、問題のある牛の肉や肉骨粉などが輸出されたことで、イギリス国内だけではなく世界中に広まってしまいました。
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マスター
思い出した! 日本でも同じ病気になった牛がいたってテレビで見たな。BSEね。知ってた知ってた。
それホントはくわしいよ、うん。 -
園子
くわしいー? マスターがぁー?
へーほんとぉ。 - シャロク では、クイズを出してみましょうか。