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1「適切な治療を開始して皮膚の状態が良くなった例」

最終更新日:令和3年10月28日 | 公開日:令和3年10月28日

受診時の状況

3歳の子の母です。
息子は生後間もなくから乾燥肌で皮膚も赤みがあって「ほかの赤ちゃんと見た目が違う」ことが気になっていました。
皮膚が弱くすぐにただれてしまうので、かかりつけ医から処方された軟膏を使用していましたが、生後6か月で保育園に入園したとき園医さんにアトピー性皮膚炎のスキンケアをしっかりするように言われてしまいました。「アトピー性皮膚炎」とはっきり言われるのは初めてだったのと、処方された薬を一生懸命塗っているのに努力を否定されたようでショックでした。身体を活発に動かせるようになるにつれて掻き壊しがたくさん出来てシーツや衣類が血で汚れてしまうほどでした。痒くて眠れず夜中にシャワー浴をしてようやく親子でウトウトできるといったことも度々で保育園でもあまり眠れていないようでした。何とか治してあげたいと思い、ネットの情報を頼りにドクターショッピングを繰り返しましたが良くならず、医療機関によって指導が違うので頭の中が混乱して、治療を頑張っているにもかかわらず疲弊する一方でした。

             

その後の状況

そんな時、アレルギー専門医によるアトピー性皮膚炎の勉強会があることを知り、藁をもすがる思いで受講しました。そこで初めてアトピー性皮膚炎は良好なコントロールが可能な疾患であることを学び、いままで正しいスキンケアや治療方法を知らないまま漫然と薬を使っていたことに気づきました。
そこでアレルギー専門医のいる医療機関を受診し、

  • 石鹸をよく泡立てて身体や患部を泡で洗うこと
  • すすぎ残しがないようにきれいに洗い流すこと
  • 水分を拭き取るときはタオルで優しく押さえるように水分をふき取ること
  • 炎症の部位ごとに処方された軟膏を「適切な量(フィンガーチップユニット)」「(すりこまないで)のせるように」使用すること

を指導していただきました。
いままでは、圧倒的に軟膏の量が少なかった、火事を起こしているのにコップの水で火を消そうとしていた、そういう状態だったとわかりました。軟膏がベタベタ衣類にくっついて大変に思いましたが、それよりも日ごとに症状が改善していくのをこの目で見て、安心感と達成感でさらに頑張ることが出来ました。いまは症状がなくても毎日スキンケアをし、かゆみを訴えたときは軟膏を使うようにすることで治りも早く、ぐっすり眠れる毎日を過ごしています。

           

医師からのワンポイントメッセージ

アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、慢性的に経過します。薬剤でしっかりコントロールすることで、症状がないか、あっても軽微な状態にすることができ、支障なく日常生活を送れます。治療にあたっては、長期に使用する各薬剤の長所・短所および正しい使い方を十分に理解することがとても重要です。治療の継続にあたり、アレルギー疾患のことをよく知る小児アレルギーエデュケーターやアレルギー疾患療養指導士の資格を持つ、看護師・栄養士・薬剤師にもお尋ね下さい。

(公立昭和病院 小児科 副部長 大場邦弘 先生より)

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独立行政法人環境再生保全機構

このページは東京都 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当が管理しています。

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