保健所だより 令和2年度 第4号
新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
小笠原村の皆様には良き新年を迎えられた事とお慶び申し上げます。
また、日頃から島しょ保健所小笠原出張所の事業等に多大なるご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
昨年は全世界及び日本で、新型コロナウイルス感染症が流行し、いまだに収束が見えず、大変な年となりました。保健所では村や医療機関等関係機関と協力して、感染症の発生や感染拡大防止に向けて全力を尽くしているところです。対策の一環として、本土で毎年開催していた「島しょ地域保健医療協議会」を書面開催とさせていただきました。
自然災害に対して戦前の物理学者・随筆家・俳人である寺田寅彦が「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが正当にこわがることはなかなかむつかしい」と述べ、有事の際に「正しい知識を得て、状況を理解し対応する事」の大切さを示しています。新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高いのは高齢者や基礎疾患(糖尿病・高血圧等)のある方々です。日頃からの生活習慣(バランスの取れた食生活、運動等)の見直しが大切です。喫煙は重症化リスクの報告があり、この機会に禁煙にチャレンジされることもお勧めです。
今後は、新型コロナウイルス感染症対策として、更なる感染予防、健康づくり、支え合う社会づくりの持続が必要不可欠と思われます。
本年も何卒、ご協力・ご支援の程よろしくお願い申し上げます。
令和3年 元旦 島しょ保健所長 木村博子
あけましておめでとうございます。
おととし12月に中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界中に広がり、昨年はその対応に明け暮れた一年でした。新しい感染症であったため何一つ情報の無いまま広がり、医療崩壊が懸念されました。幸いなことに小笠原村では発生はあったものの、島民の皆様と関係機関のご協力により広がることなく収束しました。ご協力に感謝します。本土から1000キロメートル、移動に24時間かかる超遠隔離島であるにもかかわらず、この大きな健康問題を解決に結びつけられたことは、今後も発生しうる問題にも一致協力して解消していけるという自信につながりました。引き続き感染症予防の徹底をお願いいたします。
また、本年6月には、食品衛生法によるHACCP(ハサップ)制度が完全施行となります。これは、食品製造工程を管理し、食中毒汚染や異物混入等の除去、低減を目的とするものです。村民はもとより観光客の方々にも安全安心な食を提供することで、世界遺産の美しい自然に加え、楽しい食事の思い出や心に残るお土産品を提供できることと思います。食品事業者の皆様にはご協力をお願いいたします。
保健所は、島民の皆様が健康に生活していくお手伝いをしています。心のこと、栄養のこと、食品や環境衛生、もちろん感染症も、心配なことがありましたらご相談ください。
令和3年 元旦 島しょ保健所 小笠原出張所 副所長 岩崎圭子
冬将軍ノロウイルスに気を付けよう
ノロウイルスによる感染性胃腸炎が猛威をふるう季節です。ノロウイルスは少量でも発症したり、まん延したりすることがあるので、ウイルスが存在する可能性のある場所は徹底的に消毒し、食品も十分加熱することが重要です。
消毒方法
インフルエンザウイルスやコロナウイルスとの違いは、 ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくいことです。 塩素系の漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を適切な濃度で使用しましょう。無症状保菌者の糞便中にもウイルスが排出され、感染源となります。そのためトイレはとくに、便器内だけでなく便座・水栓レバー・ドアノブなどもしっかり消毒しましょう。
目的 | 塩素系漂白剤の濃度 | 注意点 |
普段の消毒 | 0.02% | 金属など腐食しやすいものは、消毒後に水拭きする。 |
おう吐物の処理、ふん便が付いた場所の消毒 | 0.1% | 使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着用し、換気を行う。 |
調理のとき
食品(とくに二枚貝)は、中心部までよく加熱しましょう。調理器具も加熱するか、漂白剤を使って消毒しましょう。
飲食店では
お店で発生するノロウイルス食中毒の8割は、調理従事者による二次汚染と言われています。体調不良時は従事しないのはもちろんのこと、無症状でも感染している場合があるため、手洗い、調理場・トイレの消毒や加熱調理の徹底をお願いします。衛生管理ファイルの記録もつけましょう。
身近なものをさわったら・・・
スマホ(スマートフォン)やタブレット端末は音楽や動画の視聴、料理の際のレシピ検索など今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。スマホを操作しながら料理や食事をすることはありませんか?様々な場所に触れた手で操作をするスマホはウイルスや菌で汚染されやすいです。せっかく手洗いや消毒をしても、そのあとで汚いスマホを触ると手を汚染してしまいます。調理中や食事中のスマホの操作は避ける、もしくは操作をしたら再度手を洗いましょう。どうしても調理中に操作をする必要があるときは事前に除菌クリーナー等で表面をふき取るなど、汚染しない対策を取りましょう。
感染症予防の基本は 手洗いです。手洗いを習慣づけて、感染症予防に努めましょう。
新型コロナウイルス感染症について
年が明け、新年会など大人数での会食の機会が増えるのではないでしょうか。会食の際は以下の「5つの小」を取り入れて楽しみましょう。
小人数 大人数での会食は避ける。
小一時間 注意力が低下しないよう短時間で。
小声 大声での会話は控える。
小皿 料理は小皿にとり分ける。
小まめ 定期的に手洗い、喚起、消毒を。
これまで通り体調の悪いときは無理をしない、手洗いや消毒、換気、マスク着用等の対策を徹底し感染予防に努めましょう。
新型コロナウイルス感染症に関連して、感染者やその家族、医療従事者に対して不当な差別や誹謗中傷があってはいけません。公的機関の提供する正確な情報を入手し、冷静な行動に努めましょう。
検便検査
食品取扱従事者の方を対象に、感染症・食中毒等の発生予防を目的とした検便検査を実施しています。
1月12日(火曜日)、13日(水曜日)
2月1日(月曜日)、2日(火曜日)
3月1日(月曜日)、2日(火曜日)
料金 480円(O-157検査は+480円)
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お問い合わせ
このページの担当は 島しょ保健所 小笠原出張所 庶務担当 です。
