視覚障害

どんな障害?

ひとことで視覚障害と言っても、様々な見え方があります。まったく見えない、文字等がぼやけて読めない、物が半分しか見えない(図A)、望遠鏡を通しているようにしか見えない(図B)などです。
そのため、文字を読むことはできても、歩いているときに障害物にぶつかってしまう方や、障害物を避けてぶつからずに歩くことはできても文字は読めない方もいます。

正常な見え方
図A:物が半分しか見えない
図B:望遠鏡を通しているようにしか見えない

サポート方法

こんなことに困っています

視覚障害のある方の声をもとに、いくつかの例をご紹介します。

乗り物で……

【困ったこと】

列が動いたことに気づかず、
取り残されてしまった。

【対応の方法】

電車、バスやタクシーを待っていて、いつのまにか列が動いて取り残されてしまうことがあります。
後ろから黙って押したりせず、乗客の列が動いたことを「前に進めます」「列が動きました」などと知らせてください。

お店で……

【困ったこと】

初めて入ったトイレで、
水洗レバーが見つからない。

【対応の方法】

トイレの入り口ではなく、個室まで案内し、室内の様子を説明してください。
特に、初めて利用するトイレでは、水の流し方、洋式か和式か、便器の向き、トイレットペーパーや鍵の位置、汚れている部分などが分からなくて困ります。
異性の場合は、近くにいる同性の方に案内をお願いしてください。

街中で……

【困ったこと】

横断歩道を渡るタイミングが難しい。

【対応の方法】

信号の色が変わったときに「青になりました」「渡れますよ、ご一緒しましょうか」などと声をかけてください。
歩くときは、本人の希望を確認の上、介助者の腕や肩をつかんでもらい、歩く速さを相手に合わせ、小さな段差についても情報提供してください。なお、 信号待ちをしているからといって、必ずしも渡ろうとしているとは限りません。
誘導するときはまず声をかけ、意思を聞いてから誘導してください。

街中で……

【困ったこと】

誘導用ブロックの上に物が置かれていて通れない。

【対応の方法】

道路などに設置されている黄色いブロックは、視覚障害者のための歩行補助の設備です。その上に自転車が置かれていたり、立ち話をしている人がいると視覚障害者はとても困ります。誘導用ブロックの上に立ち止まったり、物を置いたりしないようにしましょう。

街中で……

【困ったこと】

盲導犬に声をかけたり、触ったりしてしまう人がいる。

【対応の方法】

盲導犬がハーネス(胴輪)をつけているときは、仕事をしているときです。
触ったり、声をかけたりせず、温かく見守ってください。

街中で……

【困ったこと】

レストランで、盲導犬同伴の入店を拒否された。

【対応の方法】

公共の施設、デパート、スーパー、飲食店などは、盲導犬や介助犬、聴導犬などの補助犬を同伴する方の受け入れを、法律で義務づけられています。
飲食店で盲導犬同伴の方を席に案内する場合、補助犬がテーブルの下などで待機できるように、足元にスペースのある席をすすめましょう。

街中で……

【困ったこと】

道順を確認する際に、「あそこに」「むこうに」などの代名詞や指さし表現で説明されると、分かりにくいことがある。

【対応の方法】

方向や位置を説明するときは、視覚障害者が向いている方向にあわせて「あなたの右です」「前方に看板があります」というように、具体的に説明してください。
また、目印となる建物を伝えても良いでしょう。他の人にもう一度道を尋ねるときや、援助を受けるときの手助けになります。

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関連用語
全盲 視覚障害の中でも、まったく見えない状態のこと
弱視 眼鏡などで矯正しても視力が弱い状態のこと
視野狭窄 見える範囲(視野)がせまい状態のこと
視覚障害者用
誘導ブロック
視覚障害者の歩行を補助する黄色いブロック