知的障害・精神障害・発達障害の方への情報保障

対応のポイント

知的障害・精神障害・発達障害のアイコン
  • 考える・理解する・読む・書く・計算する・話す等が難しい人、見通しが立たないと不安になる人、感覚刺激に敏感な人、ストレスや環境の変化に弱い人など、一人ひとり状況は様々です。
  • ゆっくり、丁寧に、分かりやすく話すとともに、視覚的な情報が有効か、聴覚的な情報が有効か探りつつ、本人に合った情報提供が行われるよう配慮しましょう。
  • 感覚過敏がある場合は、音や肌触り、室温、明るさなど感覚面の調整を行う配慮が必要な場合があります。
  • 本人が不安に感じている様子の場合は、まずは落ち着いてもらうことが第一です。本人の様子を見ながら、適宜休憩を入れましょう。また、本人の返答や返事をじっくり待ち、焦らないで話ができるようにしましょう。
  • 必要な情報保障の方法は、その都度、本人に確認して対応するようにしましょう。

情報保障ツールの紹介

ルビ版、分かりやすい版の作成
  • 「ルビ版」は、漢字にひらがなのルビを振って、漢字がわからない方も読めるようにした資料を指します。
  • 「分かりやすい版」は、図やイラストを使用したり、簡単な言葉に書き換えることで、分かりやすくした資料を指します。
東京都の障害者差別解消条例パンフレットの分かりやすい版のイラスト
コミュニケーション(支援)ボード
  • 文字やイラストが載っているボードで、文字盤やイラストを指さしてコミュニケーションをすることで、障害者の意思や要望を確認することができます。

参考:東京都障害者IT地域支援センター
画像出典:明治安田こころの健康財団

私の伝えたいことというタイトルがあり、トイレや食べる・飲む、〇・×などのイラスト書かれたコミュニケーションボードの画像
イエローカード
  • 会議で用いるカードルールの1つで、「ちょっと待って、もう少しゆっくり分かりやすく」を意味します。レッドカード(パーの手の絵、「ストップしてください」の意)、ブルーカード(指がグッドサイン、「同意します、分かります」の意)のカードもあります。
  • 国際的な知的障害者団体等で使われはじめ、日本では、平成21年、障害者権利条約の締結に向けての会議で初めて導入されました。
東京都福祉保健局障害者施策推進部の会議で使用しているイエローカードのイラスト。上部のイエローカードと記載があり、下部に「もう一度説明してほしい」「話の内容がわからなかった」など困ったときにつかってくださいとルビ振りがあり書かれている。

情報保障の具体例

日常生活
コミュニケーションボードを用いて会話をする人のイラスト
  • 説明する際に、身振り手振りを交えて、コミュニケーションボードなどを用いて内容を伝える。
  • 一度に多くの情報が入ると混乱する場合があることに配慮し、伝える情報は紙に書くなどして整理して、ゆっくり具体的に伝える。
イヤーマフをつけて安心している人のイラスト
  • 学校で、聴覚過敏がある生徒に対し、イヤーマフの使用を認める。説明する際に、大声で話さずホワイトボードで内容を伝える。
カームダウンエリアに座り、下を向いてリラックスする人のイラスト
  • 説明をするにあたり、適宜休憩ができるよう、カームダウンエリアやクールダウンエリアを用意する。
会議で、障害者と本人の理解を援助する者が並んで席に座っているイラスト
  • 事前に話し合う場を設け、分かりやすく補足説明を行い、意見を聞く。
  • 会議の非公開情報がきちんと守られることを前提に、理解を援助する者の同席を認める。
イエローカードのイラスト
  • 「イエローカード」を用意して、会議の進行が分からなくなった際に、必要に応じてストップできるようにする。
文書作成・HP 作成
記入例を持って記入をお願いする係員のイラスト
  • 書類作成おいて、記入例を作成し、どこに、何を記載すればよいのか分かりやすくする。
記入例を持って記入をお願いする係員のイラスト
  • 漢字に、ひらがなのルビを振った資料や、図やイラストを使用した資料、分かりやすい版の資料を作成する。
PCにヘッドフォンを繋いで資料を音声で聴く人のイラスト
  • 耳からの情報だと文書内容を理解しやすい人に対し、本人の希望を確認の上、電子データを事前に送付し、音声読み上げソフトで聞くことができるようにする。
写真付メニューを使って店員が説明しているイラスト
  • 飲食店で、メニューに写真も載せるとともに、店員が分かりやすく説明する。
災害時
生徒の目の高さの位置に設置された「非常口」の案内板とそれを確認する先生と学生のイラスト
  • 学校で、予定外のことなどで不安やパニックになる場合がある人に対し、避難場所や避難時の注意点などを分かりやすく伝える掲示をする。
  • 学校内の避難経路は分かりやすいように、生徒の目線の位置に目印を設置し、避難訓練の際も活用し、避難の仕方を経験することで、本人の不安を和らげる。