保健所だより第46号 アルコール依存症について
保健所には、アルコール依存症の当事者や家族の方が相談に見えます。
昨年、アルコールに関する総相談件数は855件でした。
相談者の多くは圧倒的に家族がしめ、当事者の飲酒にふりまわされて体も心も憔悴しきって来所されます。
アルコール依存症は「当事者と家族の病気」でもあり、当事者だけではなく家族の方も回復することが必要なのです。
アルコール依存症の経過
酔いを楽しむことが習慣化し、徐々に飲酒のコントロールができなくなります。やがて生活や家族よりも飲酒が中心の生活になり、あらゆる場で人間関係が悪化します。
それでも「自分はアルコール依存症ではない」と言われる方が多く、体調の悪化を自覚してやっとやめようと試みますが、もはや当事者だけではどうにもならなくなっています。残念なことに、自暴自棄になる方もいます。一方、家族の協力や当事者自身の自覚で支援機関に助けを求めて、回復される方もいます。
当事者の取り組み
- アルコール依存症と言う病気を知ること。
- 相談できる専門医を見つけ、治療を継続すること。
- 回復の基本である「完全断酒」を徹底すること。
- 仲間をつくろう。
- 飲酒や飲酒する言い訳に振り回されないこと。
- 決して「性格の問題、生まれつき」ではありません。
- 自分を大事にすること、自分にとって大切なことに取り組み始めよう。
家族の取り組み
・アルコール依存症と言う病気を知ること。
・飲酒を認めない、勧めない。
・相談機関に相談しよう。
・家族が困らず、当事者が困るようにしよう。
・決して当事者の言いなりにならないこと。家族の考えや言葉を大切にしよう。
・子供には、真実を伝えよう。
・当事者が家族の一員であることを忘れず、不信感を克服する努力を続けよう。
・あきらめず、回復を期待しよう。
・仲間を作ろう。
相談機関の紹介
保健所
各保健所で、専門医相談(予約)や保健師による相談を行なっています。
・多摩府中保健所 電話042-362-2334
精神保健福祉センター
東京都には3ヶ所のセンターがあります。
・東京都立多摩総合精神保健福祉センター
電話 042-371-5560
・東京都立中部総合精神保健福祉センター
電話 03-3302-7711
・東京都立精神保健福祉センター
電話 03-3842-0946
その他の機関
・AKK(エイケイケイ)アディクション問題を考える会
電話 03-3329-0122
・断酒会(社団法人 全日本断酒連盟)
電話 03-3863-1600
・AA(アルコホーリクス・アノニマス)
日本ゼネラル・サービス・オフィス
電話 03-3590-5377
関東甲信越セントラルオフィス
電話 03-5957-3506
・アラノン(Al-Anon)家族グループ
電話 03-5483-3313
お問い合わせ
このページの担当は 多摩府中保健所 保健対策課 地域保健第一・第二担当 です。
