保健所だより第26号(「うつ病」とは?)
なんだか気分が落ち込んでしまう。元気が出ない。
いつもからだがだるい。寝ても疲れがとれない。
食欲がない。 眠れない・・・・。
こうしたこころの不調や体の不調は、日常生活の中で誰もが経験することです。
でも、こうした不調が長い期間続いたり、仕事や家事など生活に支障をきたすようなら・・・
それは、うつ病などの心の病気が原因かも知れません。
「うつ病」とは?
○ うつ病は、子どもから高齢者まで、誰もがかかる可能性のある一般的な病気です。一生のうちに一度以上この病気を経験する人は、なんと7人に1人という統計結果もあります。
また、うつ病は単なる「怠け病」で「こころの持ちよう、気の持ちよう次第」だと思う人もいるかも知れませんが、治療が必要な、れっきとした病気です。「こころの風邪」といわれることもあり、脳の神経伝達系のトラブルで起こることが医学的に明らかになっています。
○ うつ病は、治療を受ければ治る病気です。早期発見・早期治療が重要で、適切な治療を行えば、一般的に6ヶ月から1年ほどで回復すると言われています。薬物療法と充分な休養が大切です。
○ うつ病は、こころの不調をともなわずに、からだの不調としてあらわれる場合もあります。からだにあらわれる症状は体重減少、頭痛、頭重感、胃部膨満感など、さまざまです。からだの不調が続いているにもかかわらず、病院に行って検査などをしても原因がわからない場合は、そのかげにうつ病がかくれていることもあります。自分でも「身体的な問題」だと思い込んで、うつ病を悪化させてしまう場合があるので、注意が必要です。
○ うつ病は、本人にも自覚症状がないことがあります。また、自覚症状はあっても、症状を否認したり、家族や周囲の人々に気づかうあまり本人から助けを求めないこともあります。また、適切な治療がなされないと、自殺を図る危険性もあります。家族や周りの人が「うつ」のサインに早く気付いてあげることが大切です。
うつのサイン・・・こんな症状があると要注意
からだの症状
頭痛・頭重感、胸や背中の痛み、手足のしびれ、胸が苦しい、不眠・早朝に目覚めて眠れない、便秘・下痢、食欲がない・体重減少、性欲がない等
こころの症状
元気がなくなる、集中力がなくなる、気分が落ちこむ、寂しがる、イライラ・そわそわして落ち着かない、朝方がつらい、死にたいと思うようになる等
※うつ状態と、元気が出すぎる状態(躁[そう])が交代で出現することもあります。
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多摩府中保健所の精神保健福祉相談のご案内
多摩府中保健所における精神保健相談は、医療につなげるための相談(未治療・治療中断している方の受診相談等)や専門医相談(薬物・アルコール、児童・思春期、老人精神疾患等)を主に行っています。
相談は本人に限らず、家族・関係機関の方からもお受けしています。(なお、平成15年度から生活相談等は市町村でお受けするようになりました。)
精神保健福祉相談利用までの流れ
(1)「うつ病かしら?」「精神科にかかった方がよいだろうか?」「精神科の治療をやめてしまったみたいで調子が悪そう」など
(2)地区担当保健師への相談(まずはお電話でご相談ください)
(3)要に応じて、専門医による相談(来所相談)や、保健師による家庭訪問での相談等
精神保健福祉に関する相談は、保健師がお受けしています。電話・面接・必要に応じて訪問も行います。お住まいの地域により担当保健師が決まっていますので、まずは電話で担当保健師にご相談下さい。
また、保健所では専門医による精神保健相談を設けています。精神保健医療一般(統合失調症やうつ病等)、思春期相談(ひきこもり等を含む)、老人精神保健相談(認知症など)、酒害相談(アルコール依存症など)です。専門医による相談は全て予約制になっていますので、事前に担当保健師にご相談ください。
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このページの担当は 多摩府中保健所 保健対策課 地域保健第一担当 です。
