保健所だより第11号 カンピロバクターQ&A
近年、カンピロバクターという細菌を原因とする食中毒が多く発生しています。この食中毒は、調理や食事のときにちょっとした注意をすることで防ぐことができます。
でも、食中毒は、苦しくていやなものです。カンピロバクターの特徴を知って食中毒を防ぎましょう。 カンピロバクターの特徴をクイズ形式にまとめましたので、トライしてください。
Q1 主にマグロなど、魚についている菌は、カンピロバクターである?
(1)はい (2)いいえ
【解説】カンピロバクターは、牛、豚、鶏、犬、猫、野鳥など様々な動物の消化管の中に潜んでいます。特に、流通している「鶏肉」からは、60%から70%でカンピロバクターが検出されているとの報告があります。
【答え】(2)
Q2 鮮度が良ければ、鶏のささみや牛レバーは、生で食べても安全である?
(1)はい (2)いいえ
【解説】最近のグルメブームで、あまり加熱処理をしないか、あるいは生のまま、食肉やレバーが食べることが見うけられます。
しかし、カンピロバクターは、鶏や牛、豚など、食肉の加工や処理の過程において、かなりの割合で汚染されていると考えてください。それをさしみや湯をくぐらせる程度で食べると、カンピロバクターが生き残り、食中毒になる恐れがあります。
【答え】(2)
Q3 カンピロバクターによる食中毒は、どのくらいの量で発症するの?
(1)100個前後 (2)数十万個 (3)数億個
【解説】一般には、細菌性の食中毒は、大量の食中毒菌を体内に入れないと発症しませんが、カンピロバクターは、少量の菌数(100個前後)で発症します。
従って、カンピロバクターに汚染された食品では、菌を増やさないという予防対策は通用しません。
【答え】(1)
Q4 カンピロバクターは、熱に強い?
(1)はい (2)いいえ
【解説】カンピロバクターは、熱に弱い菌なので、食品を十分加熱すれば、菌は死んでしまいます。食中毒予防には、中心部までしっかり加熱することが必要です。
特に鶏肉は、肉の中心の色が変わるまで加熱されていることを確認してください。
【答え】(2)
Q5 カンピロバクターの食中毒では、食べてから直ぐ(1日位)に発症する?
(1)はい (2)いいえ
【解説】カンピロバクターに汚染された食品を食べると、通常の場合、食後2日~7日(平均2~3日)と比較的長い潜伏期を経て発症します。
主症状は、下痢、腹痛、発熱で、他にだるくなったり、頭痛、めまい、筋肉痛などが起こることもあります。
【答え】(2)
カンピロバクター食中毒の予防のポイント
- 肉類の調理は、中心部が65℃・1分以上になるよう十分に加熱する。
- 調理の際、生肉を扱うまな板、包丁などの調理器具は、出来るだけ専用のものを使用する。調理後は、洗浄した後、熱湯により消毒をする。
- 生肉を扱った際は、他のものに触れる前に、必ず手指の洗浄、消毒をしっかり行う。
- 生肉を冷蔵庫で保存する時は、他の食品に接触、汚染しないように努める。
- 肉類やレバー類は、生で食べない。
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このページの担当は 多摩府中保健所 生活環境安全課 食品衛生第一担当 です。
