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昨今、児童虐待が増えていると感じる人は約85%であり、前回(平成27年12月)の調査時より約8ポイント上昇した(Q1)。また、虐待相談対応件数が増加している理由として考えられるものは「虐待に対する意識が高まり、通告(通報)する人が増加した」が約69%と最も多く、次いで「法律の改正等により『虐待』の定義が明確になった」が約56%、「昔に比べ、虐待をする親や大人が増加した」が約53%の順であった(Q2)。 |
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「面前DV」(子供の前で配偶者らを暴行したり罵倒したりする等の行為)が虐待(子供の心を傷つける「心理的虐待」)に当たることを知っている人は約69%であった(Q3)。 |
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近所で児童虐待に気付いた場合、もしくは虐待を疑われる場合に通告(通報)をすると思うと回答した人(「必ずすると思う」と「すると思う」の合計)は、80%を超えていた(Q4)。 |
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実際に虐待(疑いを含む)を見聞きした人のうち通告(通報)したことがある人は46%であり、前回(平成27年12月)の調査時より8ポイント上昇した(Q6)。 |
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子育てに悩んだ時の相談先としては「配偶者・親・親戚」が約60%で最も多く、次いで「知人・友人・同僚・地域のサークル」が約46%であった。一方で、誰(どこ)にも相談していない人も約17%いた(Q11)。 |
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虐待の未然防止のために特に有効だと思うことを聞いたところ、「保健師や保育士等が乳幼児のいる家庭を定期的に訪問」が37%、「親が短期間休息できるよう、子供を一時的に預かるサービスの実施」が約31%、「親同士が交流できる場所や機会の提供」が約27%であった(Q16)。 |
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虐待防止のシンボルマーク「オレンジリボン」、東京都児童虐待防止推進キャラクター「OSEKKAIくん」を知っているか聞いたところ、「両方とも知っている」または「どちらか一方を知っている」人は、約53%であった(Q18)。 |
1 | 関係機関によるネットワーク作りに関すること |
| ● | 虐待が疑われる、起きているときには行政の専門的な職員の介入が必要になると思うので、職員の人数の増加、研修の強化をしてほしい。未然に防ぐには、経済支援、発達障害支援、教育、医療、民間サポート団体などの相談窓口がプラットフォーム化し、連携していくことも大事。(女性、自営業、50代)
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| ● | 行政、警察、学校、幼稚園、保育所、保健所、医療機関など児童と日常的に接触する機会のある機関が地域ごとに(例えば小学校の学区域ごとに)ネットワークを作って、情報を連絡し合う仕組みが必要であり、その中心を担う機関を明確に定めておくこと、そして定期的に会合を開いてネットワークが機能しているか否かを自己点検していくこと、かつ関係機関の担当者の洞察力を高めるための研修を行政の責任において持続的に実施していくことが肝要と考える。(男性、無職、80代)
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2 | 地域の見守り・地域への参加に関すること |
| ● | 社会福祉協議会や児童相談所、民生委員を巻き込んでの積極的な訪問活動がよいと思います。事件になってしまってからでは遅いのです。日頃の活動の中で子供たちをもっと見守ると言う時間的な余裕を持ち、少しでも子供たちに接する機会を多くしていくことが重要と思います。(男性、無職、70代)
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| ● | 親同士が話し合えるサロンに気軽に参加できる制度があるとよいと思う(女性、主婦、80代)
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| ● | 町内会等で、地域の子供たちを見守るような組織は出来ないでしょうか。(男性、会社員、70代)
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| ● | 凡そ小学校圏域に一つを目標に子ども・親が自由に集える常設の居場所があると良い、そこには常駐者がいて顔の見える関係を築くことが大切。小地域の様々な情報が入ってくる可能性があるので児童虐待等の察知したら関係部署に繋ぐことができる。(男性、団体職員(NPO含む)、70代)
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3 | 行政によるサービス・支援に関すること |
| ● | 親が孤立しないように、親子で集まれる場所を作る。1日のうち短時間でも子どもを安心してあづかれる場所を行政が作っていく。(女性、主婦、70代)
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| ● | 私自身も、幼稚園生から小学校低学年まで父の再婚相手である母から虐待を受けて育ちました。幼い子どもは当然「虐待」という概念がないですし、具体的に表現できないと思います。私も担任の先生から「お母さんのこと怖いと思う?」「お母さんから叩かれたことある?」と一問一答形式で少しずつ聞いて下さったことで事実を伝えることが出来ました。教育現場でのカウンセリングの充実化を望みます。対子どもだけでなく、親が校内のカウンセラーに相談できる機会があればよいと思います。相談機関が分からない、精神科の門を叩くのは敷居が高いと感じる親も多いと思うので・・・。私の会社でも児童発達支援事業を立ち上げ予定ですが、いわゆる「親が育てにくいと感じる子」を育てている保護者を対象に、施設のスポット利用やお試し利用の機会があれば、少しでも保護者が息抜きを感じたり、子どもへの早期療育(第三者機関による子育て支援)の必要性を感じたりと効果があるのではないかと考えます。(女性、会社員、20代)
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| ● | 児童相談所職員の大幅増員。(男性、無職、60代)
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| ● | @産後の母親をサポート:食事を作る、オムツをかえる、沐浴する、部屋の中を整える、抱っこをする、お母さんの話を聞く、お母さんの身体のケアをする、買い出し、育児をすることで滞りがちな家庭の事務作業をする、など。産後の母親が、原則1ヶ月から、1ヶ月半は食事と授乳以外は寝ていていいようにする。そんな、丸ごと引き受けるような支援サポートが必要。 A産後に赤ちゃんと泊まり込めるような施設の整備:世田谷区にありますが、区外の人は使えないし、高額です。ホテルに泊まれるような、産後レスパイト制度もありますが、高額。 B助産師の派遣:慣れない沐浴などを、母親に代わって行う。授乳のサポートをする。泣いている赤ちゃんを、ちょっと抱っこしてくれる人が、そばに1人いるだけで、その後の虐待は止められるかもしれません。出産は、経験した人はわかるのでしょうが、体を一度バラバラにするようなものだそうです。お母さんは、そんな大変なところから、待ったなしで子育てをしないといけない。啓発や教育も大事ですが、これだけ、機械化できないところで、人の手が必要なところかなと思う。費用がないなら、ボランティアを募集するのでもいいと思う。子育ては、人と助け合わないと、キツイし辛い。でも、助け合えれば、楽しくなれる。(男性、会社員、40代)
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4 | 普及啓発や教育に関すること |
| ● | 行政(学校・警察署・区役所等)による積極的なPRと行動 学校(教員)と家庭(親と児童)との親密な連絡と定期的な話し合い 警官による自宅訪問(虐待防止のPR) 区役所(担当課)で積極的に行動をする、また、している事案を積極的に広報する。政治家は関心を高めるとともに積極的に行動する。(男性、無職、80代)
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| ● | 子どもが一歳の時のことです。「日曜日なのにゆっくりできない」という理由で、夫が子どもに大声で怒鳴り続けていました。大人の私でも恐ろしく感じるすごい叫び声で怒っていたので、私が震えながら「それは虐待だからやめて」と止めに入ったら、「躾だ」「子育てをやめろと妻に言われた」と言うようになりました。地域差があると思いますが、どういうことが虐待なのかを、大人に、親なる人に、教えるべきだと思います。小学生の頃から、それこそ道徳の授業で扱ってもいいと思います。(女性、主婦、50代)
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| ● | 大金をかけて動画等を作っても、見てほしい人ほど見ないものです。地味ではありますが、親であればだれでも行くような場所(公共機関や公共交通機関)にポスター等を貼り続けることは重要と思います。また、むしろ小中高等学校で「児童虐待とは」といった出前授業をするのも一案ではと思います。(もちろんテーマは「児童虐待」ではなく、イジメや一般的な暴力・ハラスメントについての授業)家の中のことは子ども同士の方がよくわかったりして情報交換しあってますし、親になったときに役に立ちます。(女性、福祉サービス提供事業従事者、40代)
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| ● | 地域住民の交流や町会・自治会活動の中に児童虐待に関する啓発活動を取り込むことも有効ではないだろうか。地域防災活動に準じた取り組みが必要に思います。(男性、無職、60代)
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5 | 様々な創意工夫に関すること |
| ● | SNSでの相談。虐待に関するセンセーショナルなyoutubeを用いた動画配信。(女性、その他、30代)
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| ● | 子育てヘルパーさん、小児科の相談支援強化。(男性、福祉サービス提供事業従事者、20代)
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| ● | 子供にわかりやすいPRをし、子供本人がSOSを出せる仕組みを整備すること。コンビニや駅などにそのような機能があれば良い。(男性、会社員、50代)
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