<主な意見と基本的な考え方> 項目、条例の構成と基本的な考え方への主なご意見、基本的な考え方 イ)目的、定義、基本理念等について 1 目的 a) 障害があるなしに関わらず、分け隔てられることのない共生社会の実現を目指すことを目的に明記してほしい。 b) 目的には、障害、障害者に対する理解を深めることを規定してもらいたい。 c) 差別の具体例を情報提供し、共有していくことで、定義を補っていく必要がある。 d) 障害及び障害者については、障害者基本法と同じ条文ではなく、身体障害、知的障害、精神障害、に加えて発達障害、難病を明記し、社会的障壁により障害が発生していることを明らかにするべき。 e) 誰もがその人格を尊重しあえる共生社会の実現の一歩であることを明記すべきではないか。 f) 障害者への差別は、障害及び障害者に対する誤解や偏見、理解の不足が原因となっている、故に差別をなくすために、全ての都民が障害者と障害への理解を深めることを目的の1つとして明確に記述する必要がある。 g) そもそもどんな差別でもしてはいけないということが前提にあるということを押さえておく必要がある。まずは、障害に基づくあらゆる差別を禁止すること。それでもなお起きてしまう差別をいかに解消していくかをこの条例で解決していくこと。 (基本的な考え方) 本条例は、障害者差別解消法(以下「法」という。)を踏まえ、都として、法第14条に定める体制整備や法第15条に定める普及啓発に関する取組を進めることにより、差別を解消し、共生社会の実現を進めていくために策定するものであり、その趣旨を踏まえた目的規定としている。なお、目的規定の具体的内容については、条例全体の中で法令として整理、検討する必要がある。 2 定義 a) 障害の定義として、骨折等のけがや病気等で一時的に障害の状態にある人や特に身長が高い人など、幅広く規定すべき。 (基本的な考え方) 現時点では、骨折やけが、病気等による一時的機能障害のある人や、特に身長の高い人が、他の障害と同様、現に理解不足等により権利利益の侵害と考えられる程度の差別を受けており、条例に基づいて義務として解消を図ることが不可欠な問題であるかは必ずしも明確でなく、今後の事例蓄積や国の動向、都民の意識等を踏まえて検討する必要がある。 b) 間接差別、関連差別(不均等待遇)も含めて差別の定義を明確にする必要がある。 (基本的な考え方) 本条例上の差別の定義は、法に沿ったものとしている。法は、間接差別、関連差別について、どのような事例が該当するのか必ずしも定かではなく、現時点で一律に判断することは困難であるとしている。また、共生社会の実現を目的とする本条例おいて、事業者等が障害者との接触機会に委縮等しないよう十分留意する必要がある。現時点では、関係者間において明確な共通認識を持つことは困難である中、事業者等に対して禁止を義務付ける差別に位置づけることは、結果として萎縮等を招く懸念が大きいことから、今後の判例等の蓄積、国の動向等を踏まえて検討する。 c) 差別の具体例を情報提供し、共有していくことで、定義を補っていく必要がある。 (基本的な考え方) 多様な分野が対象となる中、個別のケースに応じて具体的にどのような対応をとるべきか、指針となる具体例を共有することは非常に重要であると考えている。そのため、これまで都は、各府省庁が示している事業分野ごとのガイドライン(対応指針)を踏まえ、様々な場面における対応の例等もまとめた「東京都障害者差別解消法ハンドブック」の周知を図ってきたほか、本年度は事例集も作成しているところである。今後は条例の施行に向け、相談事例等も踏まえハンドブックの改定等を行い、参考となる事例周知を更に進めていく予定である。 d) 障害及び障害者については、障害者基本法と同じ条文ではなく、身体障害、知的障害、精神障害、に加えて発達障害、難病を明記し、社会的障壁により障害が発生していることを明らかにするべき。 (基本的な考え方) 法は、定義規定及び基本指針において、発達障害や難病を含むことを示している。一方で、未だ認知が十分に進んでいない面があることから、条例施行に合わせた啓発等においても、発達障害及び難病を含むことについて啓発していく必要があるものと考えている。 e) 難病は様々な解釈があり範囲が限定される恐れがあり、「難治性疾患」等にすべきである。 f) 権利条約のように、障害とは発展的概念であるということと、機能障害がある人に対しての態度や環境との相互作用によって生まれるとするいわゆる社会モデルの考えに基づいていることを意識すべき。 (基本的な考え方)e)及びf)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 3 基本理念 a) 障害のない人との平等を基本とし、障害者の権利、人権を認めるものとすることを基本理念にする必要がある。 b) 女性であることや年齢等による複合差別の規定は非常に重要である。 (基本的な考え方)a)及びb)共通 基本的人権の尊重や複合差別に関する規定については、障害者基本法等の関係法令と本条例の関係や、本条例が目指す共生社会の実現においても重要な考え方の一つであることから、基本理念等において定める必要があると考えている。 c) 基本理念にある項目は、具体的な取組であり、定義の中に含める方がよいだろう。 d) 目的で共生社会の実現について書いてあるが、大事なことなので基本理念にも含めること。 e) 前文で障害者権利条約との関係、経緯を謳い、基本理念で障害のない人との平等、機会均等、社会参加、地域生活、教育、複合差別の禁止と解消、施設から地域生活できるようにすることを明記すること。 f) 複合差別の例として、医療的ケアの有無、人種、国籍を明記することが必要である。 (基本的な考え方)c)からf)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 4 都の責務 a) 都民や事業者に対する条例の理解を継続的に啓発することは都の責務である。啓発し続けなければ浸透していかないので、積極的に推し進めるよう規定すべき。 b) 都は、障害及び障害者に対する理解を深められるような、適切な情報提供をすべきである。 (基本的な考え方)a)及びb)共通 差別の解消に向けて、都民や事業者に対する啓発は非常に重要であり、啓発活動を進めることは本条例の目的の一つと考えている。具体的な取組として、これまで都は、法施行に関するパンフレット、動画、ホームページを活用した啓発や、シンポジウムの開催等を通じた啓発を進めてきた。今後は、条例の施行に向け、特に事業者への説明会を新たに行うほか、条例の啓発パンフレットを新たに作成るなどし、都民や事業者に対して更に周知を進めていく予定である。 c) 予算、財政上の措置を講じることを明記する必要がある。 (基本的な考え方) 「体制整備」、「普及啓発」については都の責務として定める予定であり、将来の社会の状況等を踏まえながら予算要求を行い、必要な財政措置を講じていく。 d) 「共生社会の推進」も都の責務とするべき。 e) 都の責務には、研修を加えるべき。 f) 都の責務は、全ての都民があらゆる機会において、障害の有無によって分け隔てられることがないよう、共生社会の推進に必要な施策を講ずるとするべき。 (基本的な考え方)d)からf)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 5 都民及び事業者の責務 a) 「都の政策に協力するよう努める」となっているが、「協力するものとする」とするべき。都の政策に協力することは当然の責務である。 (基本的な考え方) 共生社会の実現に向けた啓発等の施策を進めていく上では、都民や事業者への理解促進を通じ、理解を得ながら進めていくことが重要であると考えている。 b) 事業者は、障害者に対し、障害の多様性及び特性を理解し、合理的配慮及び環境調整をすべきである。 c) 事業者の責務の後半は「都が実施する障害を理由とする差別の解消の推進に関する〜」ではなく「都が実施する障害を理由とする差別への関心と理解を高め、共生社会の実現を推進する施策に協力するよう努める」ではないか。 (基本的な考え方)b)からc)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 6 区市町村との連携 a) 「体制整備や啓発活動」にあたっては、区市町村独自の取組や区民への働きかけなども必要なことから、都と区の連携、協力が不可欠であり、「区市町村と連携して実施するよう努めるものとする」ではなく「区市町村と連携、協力して実施する」と明記していただきたい。 b) 都と区市町村との密接な連携があってこそ実効性のある条例づくりになっていく。「努める」とあるが「努めなければならない」などとすべき。 (基本的な考え方) 体制整備や普及啓発を進めるにあたっては、区市町村の理解を得ながら、都と区市町村が連携して進めていくことが重要であると考えている。 c) 区市町村との関係は「連携」だけでは不十分ではないか。都が先導し、積極的に指導することで障害のある人の「実際の生活の場」である区市町村での差別の状況が解明され、状況分析を経て、差別解消を通じた共生社会の実現につながるものである。予算、マンパワー、状況などがあまりにバラバラである区市町村の「自主性」を重んじるのではなく、旗振り役としての都の役割に期待し、それについて明記して欲しい。 (基本的な考え方) ご意見について、参考とさせていただく。 ロ)障害を理由とする差別に関する相談及び紛争の解決のための体制について 7 障害を理由とする差別の禁止 a) 東京2020大会の開催や、社会における事業者の役割の大きさ等を踏まえ、事業者の事業者の合理的配慮は義務とすべき。 b) 「過重な負担」の考え方が明確に確立されていない中、事業者の合理的配慮の義務化を推し進めることは、かえって障害のある方々の多様な実情に応じた柔軟かつ着実な取組みを萎縮させるものであるから、努力義務とすべき。 (基本的な考え方)a)及びb)共通 東京2020大会を見据え、事業者による合理的配慮の提供を進めていくことが重要である中、事業者の不安や負担に対応する措置を講じつつ、合理的配慮の提供を義務とする方針で考えている。事業者の不安や負担に対応する具体的措置としては、(1)「合理的配慮の提供」は、あくまで施設の構造の改善及び設備の整備、研修等の「環境の整備」(法第5条)とは異なり、社会的障壁の除去に対する過重な負担のない範囲での個別の対応であること、(2)企業規模や混雑時等の状況を踏まえずに一律の対応を求めるものではなく、個々の状況に応じた過重な負担のない範囲での対応であることについて、説明会やシンポジウムの開催、条例啓発パンフレット等を活用し、事業者、障害当事者双方に向けて啓発を図っていく。また、現に事業者が「過重な負担」の判断や説明に困った際には、公正、中立な立場で職務を遂行する広域支援相談員が助言等を行う相談体制を整備し、事業者に対しても広く活用してもらえるよう、周知を図っていく。 c) 合理的な配慮の実施も大切だが、それ以上に「建設的な対話」が非常に重要だと考える。仮に過重な負担があって、配慮が実施不可の場合でも、建設的な対話があれば、双方の理解やコミュニケーションが進み、お互いの事を知る貴重な機会を得ることが出来る。配慮が実施される場合でも、建設的な対話がなければ、実施する側にも義務負担感が残り、要求した側にも、罪悪感が残る恐れがある。 d) 「建設的な対話」という用語は、それが指すところの意味が不明確であり、かえって事業者に混乱をもたらすおそれがあることから、使用は避けるべき。 (基本的な考え方)c)及びd)共通 合理的配慮の提供にあたっては、相互理解を通じ、お互いが納得できる対応を見出していくことが重要である。そのため、「建設的な対話」の考え方を取り入れながら、条文検討や啓発を進めていくことが重要であると考えている。 e) 意思の表明については、意思の表明が困難な人がいることを踏まえ、慎重に検討すべき。 (基本的な考え方) 「合理的配慮の提供」は、障害特性や社会的障壁の除去が求められる具体的な場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであるため、事業者等が自ら進んで行った配慮等が、本人が望んでいる対応とは限らないケースもある。現時点では、「意思の表明」は本人のほか、家族、介助者等が行うものも含むこと、意思の表明がなくても自主的な取組に努めることが望ましいということを啓発し、理解促進を図ることが重要であると考えている。 f) 都民に向けて「合理的配慮」を求め、事業者による合理的配慮として自宅勤務を含めるべき。 g) 「都及び事業者は、ありとあらゆる分野において不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。」にした方が良い。 h) 義務化を目指すべく事業者の不安・負担を軽減するための措置として、ソフト面のみを想定して良いのでしょうか。個別対応であろうと、ハード面の合理的配慮も想定されると思います。あくまでも過重な負担のない範囲ということで不安、負担は避けられるのではないでしょうか。 i) 差別の禁止規定における「都」について、地方独立行政法人の取扱いが明確でないので、その点を明確にすべきである。 (基本的な考え方)f)からi)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 8 障害を理由とする差別に関する相談体制 a) 広域支援相談員には、障害当事者や複数人の女性を配置すべきである。 b) 広域支援相談員には、障害、女性、教育、保育、就労の問題について知識や経験を有する人が必要。 (基本的な考え方)a)及びb)共通 広域支援相談員は、障害を理由とする差別の解消に関する知識、経験を有し、様々な当事者に対して、公正、中立な立場から、助言や調整等を行う必要があるものと考えている。 c) 広域支援相談員にも守秘義務規定を設けること。 (基本的な考え方) 広域支援相談員の身分は地方公務員法上の一般職に属する地方公務員となり、秘密保持が規定されている地方公務員法の適用を受ける。 d) 広域支援相談員は、研修を受ける必要がある。 e) 関係者に相談段階での調査に協力する義務を持たせるなどの工夫が必要。 f) 広域支援相談員は、地域の身体障害者相談員、知的障害者相談員等の既存の多様な相談体制と連携することが必要ではないか。 g) 東京都の相談窓口は直接に相談を受けられる体制が必要です。 h) 相談あるいは紛争解決のための体制は、障害当事者にとって身近な存在となるようにしていき、差別を受けた時、権利回復等が速やかに有効に働くような仕組みづくりを心がけ、実効性がある条例にしていただきたいと考えます。 (基本的な考え方)d)からh)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 9 障害を理由とする差別に関する紛争解決のための体制 a) 「公正」「中立」を担保するために、調整委員会は独立性の高い第三者機関とする必要がある。 b) 調整委員会の構成員は、障害当事者やその家族、障害当事者団体の代表、事業者などを含めるべき。 c) 調整委員会の委員の守秘義務規定を明確にしてください。 (基本的な考え方)a)からc)共通 調整委員会は、「公正」、「中立」にあっせん等の調査、審議を行う必要があることから、構成される委員は、公正かつ中立な判断をすることができ、かつ、障害者の権利擁護について優れた識見を有する者とし、障害当事者等関係団体、事業者等関係団体、学識関係者等により構成する予定である。なお、調整委員会は、知事の附属機関に該当し、調整委員会の委員は地方公務員法の適用を受けない特別職に属する地方公務員と考えられるため、秘密保持規定及び秘密保持規定違反に対する罰則規定を個別に設ける予定である。 d) あっせんの求めについて、「行政不服審査法等に基づく不服申立て等をすることができる行政庁の処分」を除くとしている趣旨が不明確である。 (基本的な考え方) ご意見について、参考とさせていただく。 ハ、共生社会実現のための基本的施策について 10 情報保障の推進 a) 「努めるものとする」ではなく、「施策を講ずる」とすべき。 (基本的な考え方) 条文化の際に参考とさせていただく。 b) 一人一人に合った情報保障が必要と明記して欲しい。 (基本的な考え方) ご意見のとおり、「手話、筆談、点字、拡大文字、読み上げ、分かりやすい表現その他の障害者が分かりやすく利用しやすい方法による情報提供」が普及するよう努める旨規定している。 c) 障害者が円滑に意思の疎通及び情報の習得ができるようにするためには、意思疎通を仲介する者の養成が必要である。都は、関係機関と連携し、意思疎通を仲介する者の養成の推進を行うべきである。 (基本的な考え方) 意思疎通を仲介する者の養成について、都はこれまでも手話通訳や点訳・朗読奉仕員指導者等の養成研修を行ってきている。引き続きこれらの施策を進めていくことが重要であると考えている。 d) 情報保障の推進の中に「手話」があるが、次の「言語としての手話の普及」との区別が分かりにくい。「手話」についてはまとめて規定してはどうか。 e) 情報保障を具体的に進める条例を制定してほしい。 f) 音声認識、パソコンテイク、マークなどによるシンボルの活用、手話通訳を介した電話対応も情報保障手段の1つとして入れる必要がある。 g) 「分かりやすい表現」は不要ではないか。 h) 日頃から手話通訳、要約筆記、点訳、音訳グループ等との連携に努めること。 i) テレビの字幕は普及したものの、生のニュースやCMにも、そして邦画にもすべてに字幕をつけるべきだと思う。 (基本的な考え方)d)からi)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 11 言語としての手話の普及 a) 「努めるものとする」ではなく、「施策を講ずる」とすべき。 (基本的な考え方) 条文化の際に参考とさせていただく。 b) 言語としての手話の普及に賛成であるが、今後具体的な施策推進のためには手話言語条例についても検討するべき。 c) 「言語としての手話の認識を広げるよう、教育の場で正式な教科としての手話の学習を進めるため、手話を使う聴覚障害のある教員や職員を配置していくよう講ずる」ことを求めます。 (基本的な考え方)b)及びc)共通 都議会において、国に手話言語法の制定を求める意見書が採択されており、国が法として定めるべきと考えている。加えて、本条例の中で、「言語としての手話の普及」に努めていく旨規定している。 12 教育の推進 a) 「努めるものとする」ではなく、「施策を講ずる」や「行う」とすべき。 (基本的な考え方) 条文化の際に参考とさせていただく。 b) 教員の社会モデルへの理解、差別の考え方への理解が進むよう情報提供や研修を行うことも明記する必要がある。 (基本的な考え方) 障害、障害者及び障害の社会モデルや差別に関する正しい知識を持つための教育を実現するためには、教員が人権課題についての理解と認識を広めることが重要であり、都は人権教育を推進する中で、引き続き教員への研修等を実施していく。 c) 人権尊重や権利保障などの教育を年齢に合わせて行う必要がある。 d) これからは、障害者権利条約の考え方に基づき、障害のある子とない子が、同じ学校で学ぶことが重要であり、それ自体が子どもの権利である、という認識が必要である。その権利が侵害された時は、この条例で、相談あるいは紛争解決の場によって、救済されることも必要である。 e) 子どもの頃からの教育こそインクルーシブ社会の構築に重要であることから、@子どもと教員に障害の理解の提供と研修、A障害をもつ子どもの学ぶ場と方法の支援、B障害のある子どもとない子どもの共に学ぶ仕組みの構築の3つに分けて規定することが必要である。 f) 人権尊重や権利保障など、差別を解消していくための取組などを小、中、高等学校の教育に位置づけること。 (基本的な考え方)c)からf)共通 ご意見について、参考とさせていただく。 13 交流の推進 a) 「努めるものとする」ではなく、「施策を講ずる」とすべき。 (基本的な考え方) 他の意見も踏まえ、条文化の際に参考とさせていただく。 b) 二つのグループが分かれて存在している状態を前提としている印象を与えるため、本条文は削除すべきである。 c) 都民や事業者の理解促進のためには、障害者との交流の機会をより多く持つことが必要である。 d) 「交流の推進」ではなく「共生社会の推進」とするべき。 (基本的な考え方)b)からd)共通 本規定は、検討部会における議論を踏まえ、障害及び障害者への理解を深める上では、障害のある人とない人が交流し、直接話を聞くことが重要であることから設けているものである。しかし、今回のパブリックコメントのとおり、「交流」という言葉そのものが、分断等を前提としている印象を与えるため削除すべきという意見もあり、ご意見を踏まえて検討する。 14 事業者による取組支援 a) 「努めるものとする」ではなく、「施策を講ずる」や「努める義務がある」とすべき。 (基本的な考え方) 条文化の際に参考とさせていただく。 b) 事業者の合理的配慮の提供を義務とすることは重要であり、そのための情報提供と補助を行うべき。 c) 事業者へも合理的配慮を義務化するうえで環境整備(事前的改善措置)に対する財政支援等も検討する必要があると思います。 (基本的な考え方)b)及びc)共通 合理的配慮の提供は、第一義的に事業者が行うものである。また、合理的配慮は、過重な負担の無い範囲で移動やコミュニケーション等をサポートするなどの個別対応を想定しており、費用負担が主要課題となる不特定多数に向けた施設、設備整備とは異なる。都として、「合理的配慮の提供」に関する正しい考え方や好事例等を広く周知することにより、理解促進を図っていく。 ニ、その他(自由意見など) 99 その他(自由意見など) a) 障害者権利条約との関係や条例制定の経緯等を謳った前文を設けるべきである。 (基本的な考え方) 本条例の制定の経緯や障害者権利条約との関係等を踏まえた前文を検討する。 b) 条例の見直し規定を設けるべき。 (基本的な考え方) 社会環境の変化や条例の施行の状況等を踏まえ、必要があるときは条例の規定を見直す条項を設けることを検討する。 c) 都独自の差別解消に向けての事例集を公表してほしい。 d) 全体を通して文言に具体性が欠けていると感じた。条例の文章をもっと具体的にするか、解釈の仕方を詳しく記した文書を別途出さないと解釈の仕方がわかれてしまうのではないか。 (基本的な考え方)c)及びd)共通 条例の内容を分かりやすく周知することは重要であり、今年度は事例集を発行予定である。今後は、条例の解説等も盛り込みながら、様々な場面における対応例等をまとめた「東京都障害者差別解消法ハンドブック」を改定し、啓発していく。 e) 相談専門機関と調整委員会が正しく機能しているか監視する機能が必要である。そのため、第三者機関の設置をするか、あるいは東京都障害者差別解消支援地域協議会に相談や調整に関する報告機能をもたせるなどとすること。 (基本的な考え方) 相談機関や調整委員会が対応した事例等については、東京都障害者差別解消支援地域協議会にも情報共有していく予定である。 f) この条例の対象者や対象地域を狭い範囲に限定せず、東京都内で起きた事例はすべてこの条例の対象にすること。 (基本的な考え方) 条例の効力は、原則として居住者であるか否かを問わず、都の区域内に及ぶ「属地主義」の考え方を取っており、仕事や観光等で流入する人も本条例の対象者となるものと考えている。このような考え方を広く周知していく。 g) 東京都が率先的に主導して都民、企業、各種団体等に、この配慮の必要性をPRしていただくことを祈願します。 h) 電車とホームの間を埋めるよう条例でも定めてもらいたい。 i) 様々な分野で何が差別に当たるのか規定することが必要であり、検討部会で検討がなされていないのが問題といえる。指針を設けるべきである。 j) 啓発活動についての一般規定は、障害者差別解消法第15条によるとする考え方もあり得ようが、障害者への理解促進に力点を置く条例にすることが予定されていることに鑑みると、啓発活動についての一般規定を条例でも書き下ろしておいたほうがよい。 k) 障害を理由とする差別を解消するために必要な体制整備については相談体制と紛争解決体制以外に、障害者差別に関しての情報収集と集積、その研究を踏まえ差別解消に向けて政策提言をする機関が必要となる。 (基本的な考え方)g)からk)共通 ご意見について、参考とさせていただく。