東京都障害者差別解消支援地域協議会 障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る検討部会(第8回) 平成29年11月30日(木) 東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課 午後3時00分 開会 ○高原部長 それでは定刻となりましたので、条例制定に係る検討の部会を開催させていただきます。  本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日、第8回目の部会開催となります。  まず冒頭、事務局よりお手元に配付してございます会議資料及び委員の出欠状況について確認をさせていただきます。 ○島倉課長 共生社会推進担当課長の島倉でございます。よろしくお願いします。  本日お手元にお配りしております資料につきまして、次第のほか資料1−1、議事(1)障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る検討部会(第7回)における意見概要(前回の議論の振り返り)、それから資料1−2、前回の議論に関する基本的考え方について、それから資料2、パブリックコメントの実施について、それから資料3−1、「条例の構成概要(たたき台)」に対する事前提出意見について、資料3−2、「事業者による合理的配慮の提供」の義務化について、資料3−3、事前提出意見に関する基本的考え方について、資料3−4、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(仮称)【案】構成概要の考え方について、それから資料4、今後の検討スケジュールとなっております。  また、参考資料といたしまして、参考資料のア、障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る追加ヒアリングの結果について、それから参考資料のイ、これまでの議論の詳細、それから参考資料のウで、第7回検討部会の議事録ということで配付させていただいております。  なお、参考資料につきましては、議事の都合上、ご説明等は割愛させていただきますが、ご不明点等あれば、事務局までご連絡いただければと考えております。なお、今回もルビ版資料もあわせて配付しておりますので、ご参考いただければと思います。  資料の説明は以上でございます。落丁等がありましたら、事務局までお声がけをお願いしたいと思います。  続きまして、本日の委員の出席状況でございますが、小池巳世委員、それから山下望委員、小池育英委員、清水信行委員は、所用によりご欠席の連絡をいただいております。また本多委員は、所用により遅れて見えられると、それから山鼻委員は所用により早目に退室されるということで、ご連絡をいただいております。  続いて、進行上のお願いを申し上げます。  まず、どなたが発言されるのか確認できるよう、ご発言の前に所属及びお名前をお願いいたします。  次に、手話通訳を行うため、ご発言の際は、少しゆっくりお話しいただければ幸いです。  また、本部会では、皆様の前にイエローカードをご用意しております。議事の内容がわかりにくかったときなど、掲げていただくものでございます。イエローカードの提示があったときは、ご発言者はいま一度ゆっくりわかりやすくご説明いただければと思います。  最後に、本部会は資料、議事録、いずれも原則公開とさせていただきますので、ご発言に当たっては個人情報などご配慮いただければと思います。  また、本日傍聴者の方もいらっしゃいます。ご承知おきいただきますようお願いいたします。  それでは、今後の進行は川内部会長のほうにお願いいたします。よろしくお願いします。 ○川内部会長 部会長の川内です。きょうもよろしくお願いします。  前回までに、これまでの議論の整理というのを行いまして、今回は条例の構成概要というのが資料の中に入っています。それとパブリックコメントについての検討になります。  具体的な議事は3点で、1つ目が、前回の議論の振り返り、それから2つ目が、パブリックコメントの実施について。それから3つ目が、条例の構成概要の考え方についてです。  まずは議事(1)の前回の議論の振り返りについて、事務局からご説明、お願いします。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  それでは、議事(1)前回の議論の振り返りについて、資料1−1をご覧ください。  前回の部会における主な意見についてまとめております。なお、次の資料1−2で、本議論を踏まえた主な論点について、考え方をご説明いたします。  ではまず、1−1について説明させていただきます。  まず、2の議事(1)振り返りについてということで、合理的配慮の提供場面として、災害時も含むことを意識的に明記すべきという意見のほか、障害者権利条約19条の内容を加えるべき。あるいは助成金制度、それから区市町村との相談・紛争解決の仕組みにおける連携方法。それから、難病や外見についての形態障害。あとは間接差別・関連差別、意思の表明の扱いに関するご意見のほか、改めて事業者にとっては合理的配慮の提供の義務化は負担等が大きいということで、努力義務とすべきというような趣旨のご意見がありました。  続いて、2ページ目をご覧ください。続いて議事の(2)で、条例の名称の考え方についてですけれども、こちらの主な意見といたしましては、視覚障害者としては合理的配慮をしてもらうことで、一緒に生きられるという視点があると。それから、地域社会での共生社会、一人の人間であるという視点があるとよいというご意見。それから、都民にとってわかりやすいよう、なるべくシンプルに、差別をなくすための条例等とすべきとのご意見。障害者への理解促進と差別の解消の2点を踏まえたものがよいのではないかというような意見がございました。  続いて議事の(3)これまでの議論の整理についての第2回でございますが、「(1)基本理念等」というところで、共生社会は人間の多様性や、差異の尊重というような視点を含めるとよいというご意見や、区市町村との連携といった規定を設けるべきという意見。それから、前文を設けるべきというようなご意見がありました。  続いて、3ページ目をご覧ください。「都民及び事業者の理解促進」というところでは、責務規定と紛争解決の対象となる都民の意味、それから条例の効力の属地主義について、さまざまなケース等も想定して整理すべきというようなご意見がありました。  それから「(3)相談、紛争解決の仕組み」でございますが、権限行使に当たっての手続面のわかりやすさ、あるいは紛争解決の中立性の確保といった視点が重要というようなご意見のほか、改めて合理的配慮の提供については努力義務とすべきという意見、あるいは義務とすべきというような意見がありました。  続きまして資料1−2をご覧ください。前回の議論に関する主な論点に対して、改めて考え方を整理しております。まず(1)議論の振り返りというところで、まず「「合理的配慮の提供場面」として災害時を含むことについてです。本条例においても、合理的配慮の提供の場面というのは、日常生活、社会生活全般に及ぶということで、災害時も含まれるというふうに考えておりますが、個別のケースを想定した具体例については、事例の蓄積を踏まえて、適時啓発施策等の中で理解促進を図っていくということが重要であるというふうに考えております。なお、障害者を含む災害時の要配慮対策については、災害対策基本法における区市町村向け指針において、要配慮者の把握ですとか個別支援プランの作成、情報伝達手段の整備、防災訓練等を規定しておりまして、これらの具体的な取り組みについては、災害対策の枠組みの中で、総合的かつ専門的に検討するという必要があるものというふうに考えております。  続いて、「合理的配慮の提供に係る負担軽減のための事業者への補助制度について」でございますが、合理的配慮の提供は第一義的には事業者が行うものとなっております。また、合理的配慮の提供は、過重な負担のない範囲で移動等をサポートするなどの個別対応を想定しておりまして、不特定多数に向けた施設整備というようなこととは違うということで、まず正しい考え方や、好事例といったものを広く周知することで理解促進を図っていくことが重要だというふうに考えております。  それから、「区市町村の相談機関が都に紛争解決を依頼する事案の考え方について」ですが、原則として、地域住民の抱える課題については、身近な地域において解決されることが望ましく、各区市町村は地域の実情に応じて、紛争解決の体制整備を進めることが重要であると考えています。また区市町村が対応した事案については、事実確認の状況や助言等の取組状況等に一定の差異があるということは考えられるので、区市町村と都の相談、紛争解決の仕組みの連携については、相談機関同士で対応状況等を確認の上で引き継ぎを行って、都の相談機関としても事実確認、助言・調整等を行った上で、なお解決が難しい案件等に対して、紛争解決機関に図っていくことが必要になると考えているところでございます。  それから、「「間接差別、関連差別」、「意思の表明」の扱いについて」は、後ほど資料3−3において別途ご説明をさせていただければと思います。  続いて、裏面2ページ目ですけれども、条例の名称の考え方についてです。前回の議論の中で、端的にまとめることが重要である、それから差別をなくすためには理解促進の視点も重要である、そのほか、合理的配慮によってともに生きるという視点が重要であるというような意見がありました。こうしたご意見踏まえまして、条例の趣旨である差別の解消と理解促進を端的にまとめて、「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」という例を参考に検討していきたいというふうに考えております。  続いて「これまでの議論の整理(第2回)」についてのところでございますが、まず「区市町村との連携や区市町村格差の是正等に関する規定について」というところですが、ご意見ありましたとおりで、障害者への理解促進や差別解消のためには、区市町村と連携して啓発、体制整備進めていく必要があるということで、都としても、区市町村が行う体制整備を支援していくという視点も重要であることから、点線の枠内にある他県条例等を参考に、条例に盛り込むことを検討する必要があるというふうに考えています。  それから最後ですけれども、前文につきましては、条約の内容や、これまでの検討経過を踏まえて、前文を設けることを検討する必要があると考えているところでございます。  事務局からは以上となります。 ○川内部会長 ありがとうございました。  では、今ご報告のあった議事(1)について、ご意見、ご質問のある方、ご発言をお願いします。どこからでも結構です。  じゃ、中島さん。 ○中島委員 前回ちょっと欠席したので、議事録を読んだんですが、努力義務と義務のところで、やっぱり議論が結構されていたようなのですが、私もいろいろ考えたんですけれども、やっぱり納得できる説明としては、過重な負担ではないけれども、しかし努力もしているができないという状況を明示してもらわないとわからないんですよ。私もちょっと考えてみたところ、例えばこういう事例なんですかね。  お店に入ろうとしてとか、あるいはビルに入ろうとしてエレベーターがないとか、あるいは介助がないといったケース。そのときに、恐らくそれほど現状では、そういう介助とか、それからエレベーター等は過重な負担ではないんだけれども、だけれども、今すぐそれを手当てするのもできないし、若干時間がかかると。だとすると、例えば何カ月後かとか、次に行ったときまでには用意できているとか、あるいは用意できるように話を進めているというのは、まあ努力だというふうに考えて、それをやっていなかった場合は、努力をしていないという判断。この理解でよろしいのでしょうか、ということをちょっと確認したくて。  それでよいのであれば、「努力」という言葉をそのくらいしっかりと明示できていればそういう文言が、つまり義務化じゃなくても、努力義務という形であっても、まあいいのかなとちょっと思いました。この議事録を読んでいて、かなり議論が噴出していたようなので、自分の意見をちょっと述べさせていただきました。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。今のはどなたにお聞きになっていますでしょうか。 ○中島委員 全体。 ○川内部会長 全体に。何か、かなり、どういうんですか、「特殊な」と言ったらあれだけれども、こう。 ○中島委員 まああれですかね、やっぱり、努力義務にどうしてもしたいという人からのコメントもいただきたいし、努力義務じゃどうしてもだめで、義務化しなきゃいけないという人にもちょっと意見を聞きたいと。僕の解釈で双方が納得していただけるのかどうかということです。 ○川内部会長 では、まず努力義務にしたいとずっとおっしゃっている杉崎さん、山鼻さん、何か今のことについてご意見ありますか。 ○杉崎委員 東京商工会議所、杉崎でございます。ただいまの先生のご発言、非常に現実的な対応なのかなという印象を持っております。  それで、事業者による過重な負担であるかどうかの判断については、事務、事業への影響の程度、実現可能性の程度、費用・負担の程度、事務・事業の規模、財政、財務状況によって、事業者が判断することが求められている。これを義務化するのか、努力義務にするのかという議論であるかと思います。  そうした中で、できるだけ事業者として、私は努力義務であるべきだと思っていますけれども、過重な負担でないならば時間をかけてできるだけのことを講じていくという姿勢は大事なんじゃないかなと思います。 ○山鼻委員 東京経営者協会の山鼻です。今の杉崎委員の意見と同じようなんですけれども、やはり努力義務ということはやはり、そこに向かって事業者のほうも努力をしていかなければいけないというふうなことに対する義務化だと思っております。なので、今の先生、中島委員の提起されたことに関しましては、やっぱりその時点に至っても、まだ何も手をつけようとしていないというのは、明確に努力義務違反というふうな形で、やはりその時点では、いろいろ話し合って、お互いに建設的な対話の中で1つの解決策を導いたということであれば、やはりそれに向かってきちんと事業主のほうも誠意を持った行動を伴うべきだというふうに考えております。  以上でございます。 ○川内部会長 ありがとうございます。今のが努力義務支持派のご意見ですけれども、義務支持派のほうで何かご意見ありませんか。  じゃ、佐々木さん。  あ、ちょっと待ってください。 ○島倉課長 すみません、事務局なんですけれども、また後ほど資料3−2で義務化、努力義務のところについてはペーパーも用意しているので、そちらで議論していただいたほうがよいかなと思っております。 ○川内部会長 まあ、確かにそうですね。ちょっと時間配分としてもそちらのほうにとってありますので。 ○島倉課長 途中ですみませんでした。 ○川内部会長 じゃ、中島先生はそれでオーケーと。佐々木さん、ためておいてくださいね。 ○佐々木委員 わかりました。 ○川内部会長 じゃ、ほかの方のご意見ありませんでしょうか。  よろしいようでしたら、あと議事(2)の「パブリックコメントの実施について」に進みたいと思います。 ○島倉課長 島倉です。  それでは議事の(2)パブリックコメントの実施について、ご説明させていただければと思います。資料2をご覧ください。  これまでの議論を踏まえて検討しているこの条例の構成概要についてですけれども、広く都民に公開し、意見を聴取することを目的としてパブリックコメントを実施していきます。  パブリックコメントの対象ですけれども、追ってご説明する条例の構成概要として、資料3−4ですけれども、実施の時期は12月の下旬から1月の下旬の30日間ということで予定をしております。  3番、実施の方法ですが、プレスの発表やホームページ等で広く都民に対して告知をして、郵送、メール、ファクスにて意見を受理するということで想定しております。なお、点字資料等については個別に対応するということで考えております。  4番、結果についてですけれども、平成30年2月ごろに、都としての考え方を示した上で、ホームページ上に公表するとともに、平成30年の3月ごろを想定している次回の部会において、結果を報告させていただければと思っております。  事務局からは以上になります。 ○川内部会長 ありがとうございます。  パブリックコメントの日程というか、やり方というふうなご報告ですが、ここで注意しておきたいのは、条例の一字一句の公表ではなくて、条例の構成概要について公表してパブリックコメントを求めるという点だろうと思います。  何かこれについて、今の資料2全体についてご意見、ご質問ある方はご発言お願いします。  佐々木さん。 ○佐々木委員 都盲協の佐々木です。これは質問なんですけれども、点字については別途対応するような、今ご報告があったんですが、これは条文の概要も点字化し、なおかつ点字でパブリックコメントの内容も受けるという、そういう意味で、両方点字があるという意味でしょうか。 ○川内部会長 事務局、いかがでしょうか。 ○島倉課長 点字で条例の構成概要、見ていただくところを点字でつくるというのはもちろん対応します。  結果については、まとめたような形で、要は個別に回答するものではないので、検討が必要かなと思います。 ○川内部会長 いや、ちょっとずれているような気がします。佐々木さんの質問は、構成概要の点字資料と、それからパブリックコメントの、広報されたのと同様の資料が入手できるかということですよね。 ○佐々木委員 それとあと、パブリックコメント、要するにコメントを提出する場合のその提出文が点字でもよろしいかという。 ○島倉課長 失礼しました。それは出していただければと思います。 ○川内部会長 そうすると、両方オーケーなんですか。 ○島倉課長 対応させていただきます。 ○川内部会長 これは個別対応ですから、点字の資料が必要な方が事務局のほうに点字が要るということを伝えて、それからの対応ということのようです。うなずいていらっしゃるのでそうだと思います。 ○佐々木委員 わかりました。 ○川内部会長 ほかにありませんでしょうか。  じゃ、橋本さん。 ○橋本委員 東京都育成会のゆうあい会の橋本ですけれども、今の佐々木さんと同じような意見になってしまうんですけれども、パブリックコメントというホームページで流すんですというお話なんですけれども、ちょっとこれは私たち、この知的障害の段階では、ちょっとこれはわからない、まあ同じような質問になるんですけれども、やっぱり個別に流していただく、やっぱり内容がわからなければ、言っていることがわからないのはそれはおかしいと思うので、その辺のところをやっぱりわかりやすく、こういうことですというふうに出していただきたいなと思います。 ○川内部会長 ルビがついているだけではわかりにくいので、もっと簡単に書いた文章ということですかね。 ○橋本委員 このパブリックコメントということがどういう意味なのか、どういう内容なのか。 ○川内部会長 パブリックコメントそのものの意味から始まってということですか。それをお願いした人に、一人一人に個別に対応してくれないかということですか。 ○橋本委員 はい。だから今の佐々木さんと同じような質問になってしまうんでしょうけれども、個別になってしまって申しわけないけれども、わからないままでいてはいけないのかなと思います。 ○川内部会長 わからないままではよくないのではないかということですが。 ○島倉課長 島倉です。個別にご相談いただいたことについては、個別でできる限り対応させていただきたいというふうに思っております。 ○橋本委員 よろしくお願いします。 ○川内部会長 では、事務局に申し出てくださいということだろうと思います。  ほかに。  あ、越智さんが手が挙がっていましたね。 ○越智委員 都聴連の越智です。流れについての確認ですけれども、今回は構成概要についてのパブリックコメントということですけれども、いろいろな意見をもとに条文をつくっていくと思うんですけれども、条文についての公開または2回目のパブリックコメントをやるという予定はおありでしょうか。 ○川内部会長 具体的な条文をどのように知らしめるかということです。 ○島倉課長 島倉です。パブリックコメントについては、2回目というのは予定はしていません。今回の1回と考えております。  それから、条例の文章ということですけれども、文章につきましては、内部で法令所管課との調整がありますので、細かいところの文言についてご意見をいただいても、なかなか沿うことができないと考えておりますので、今のところ、細かい文章全体をパブリックコメントにかける予定はないということでご理解いただければと思っております。 ○川内部会長 川内です。つまり、この部会の構成員に対しても、条例ですので、表現上の修正とかというのがいろいろ出てくるであろうから、最終の文章という、条例の文章というのは、この部会の構成員にも示されないというふうに理解してよろしいですか。 ○島倉課長 現実的にスケジュールの中で、次回がパブリックコメントの結果概要について報告という話になるんですけれども、条例案としては来年の日程のほうに出していく形になって、その前の段階で内部の調整過程の中で様々な調整が行われていくスケジュールがありますので、最終の文案をお見せするということにはならないかと思います。 ○川内部会長 つまり、最後は議会ということになりますけれども、議会に出す直前の、というんですか、都庁の内部で調整した最後の文章というのは示されないというふうに理解していいんですね。  ほかにご意見ありませんでしょうか。  秋山さん。 ○秋山委員 今のに関して、それだと私たち意見は言って、パブリックコメントの意見も聞くけれども、こうなったけれどもどうなるかは、あけてみないとわからないという結果になってしまって、もちろん東京都が私たちの意見を無視したものをつくるとはもちろん思っていないんですが、それでもこう、一つ一つ、これだけ議論してきたというのは、例えばどういう言葉を使うかとか、どういう方向性にするかとかということをとても大事にして、ここで議論してきたはずなので。それをこう、じゃ、どれを結果として採用されているのかが全く見えずに、それが結果としてぽっと出てくるというのでは、これまで議論してきたことがどういうふうに、本当に反映されているのかということも含めて、見えないというのはちょっと残念なことなので、ぜひどこかでそれが検討できる機会をもう一度つくっていただきたいというふうに思います。 ○川内部会長 事務局、いかがでしょうか。 ○高原部長 障害者施策推進部長の高原でございます。ご意見はもっともだと思いますけれども、少なくとも最終的に責任持って都民の、言ってみれば権利義務を拘束する可能性のある条文については、やはり私ども行政機関のほうで正確につくる必要がありますので、趣旨だとか、いわば義務化だとか義務化じゃないかとか、そういった部分についてはしっかりとご意見を頂戴をして、その上で議会のほうに条例案という議案として提出することになりますので、それを事前にまたご意見をいただいて出すという事態はちょっと難しいのかなというふうに思いますので。  それよりもむしろ、本日たたき台として出しているこの資料の3−1で示されている、ほぼ条文になっていますけれども、これをしっかりとご審議いただいて、ご意見を頂戴をいただくことが肝要かなというふうに思っております。 ○川内部会長 きょうの議事の(3)で「条例の構成概要の考え方について」というのがあって、ここでカチッと固めるということがまず一番なのかなというふうに思っています。それを踏まえて、なおかつ煮え切らないところがあるならば、その時点でちょっと秋山さん、ご発言いただけないでしょうか。きょうの3を終えたところでちょっとご判断いただけたらと思います。 ○秋山委員 だとすれば、このパブリックコメントの今この時期、もちろん基本的にはこれで進めたらと思うんですが、きょうの議論がどういうふうにきちっとこの時間でまとまるのか、それとも結果的にきょうが最後、意見を言える場がきょうが最後ということなので、それを見て、じゃ、このパブリックコメントのこの時期でやることが正しいのかを、もう一度検討していただきたいというふうに思います。  これは基本的にはいいと思うんですが、例えば時間がなかったけれども、でもこう決まったからパブリックコメントこれね、というふうにならないように、最後もう一度確認していただけたらと思います。 ○川内部会長 ありがとうございます。生煮えにならないようにというお話だろうと思います。それは私の責任にもなるわけですけれども。ちょっとそれは3番の構成概要の考え方というところをしっかりと議論の時間をとってやりたいと思います。  ほかにご意見ありませんでしょうか。よろしいでしょうか。  じゃ、続きまして、次の議事として、「条例の構成概要の考え方について」、事務局からご説明をお願いします。 ○島倉課長 島倉です。それでは資料3−1「条例の構成概要(たたき台)に対する事前提出意見について」をご覧ください。前回お示しました条例の構成概要(たたき台)に対して、事前に提出いただいた意見をまとめたものとなっております。点線の枠内には、前回提示した条例の構成概要を記載しておりまして、関連するご意見について、その枠線の下に主な意見としてまとめております。  なお、次の資料3−2及び3−3で主な論点についての考え方をご説明させていただきます。  まず、資料3−1の1ページの2、「定義」に関してですけれども、ご意見としては、障害には発達障害、難病を含むことを明記するべきとのご意見。それから、骨折や風邪等の一時的機能障害の人も含むべきとのご意見。それから間接差別や関連差別も含めた、あらゆる形態の差別を「差別」として定義すべきといったようなご意見がありました。  続いて、3の「基本理念」ですけれども、障害のある女性や児童等に対する複合差別について明記すべきという意見と、削除すべきというような意見がありました。  続いて、次のページに移っていただきたいんですが、2ページ目の5のところ、「都民及び事業者の責務」でございますが、こちらにはよりわかりやすくするため、「自己啓発に努める」といった文言を「自ら積極的に関心と理解を深める」に修正するとよいのではないかというようなご意見がありました。  次に6、「障害を理由とする差別の禁止」では、合理的配慮の提供の義務化について、それぞれの立場からご意見をいただいております。義務化すべきと考える意見としては、既に雇用促進法の中で合理的配慮の提供が義務化されている。過重な負担の考え方も一定の理解や対応が進んでいる。社会参加の実現や事業者への啓発を進めるために義務とすべきというようなご意見。  一方で、努力義務とすべきと考える意見としては、中小企業等の中には人員が不足している中で対応が難しい、過重な負担の判断が難しい、係争になった際の負担が大きいというようなことから、努力義務とすべきというような意見もありました。  また、意思の表明に関して、みずから意思の表明を行うことが難しい人がいることを踏まえて、合理的配慮の前提とすべきではないというようなご意見。それから、仮に事業者にとって負担の大きい義務化を検討するのであれば、意思の表明があった場合であることや、過重な負担のない範囲であることは条文上明確にすべきであるというようなご意見もありました。  次に、7、「障害を理由とする差別に関する相談体制」では、都に相談機関を設置することを明記すべきとのご意見。それから、広域支援相談員には、障害当事者のほか、女性や難病の専門知識のある人を配置すべきというようなご意見がありました。  次に、3ページで8のところですが、意見としては4ページです。「障害を理由とする差別に関する紛争解決のための体制」については、公表前の任意の協力に基づく紛争解決の手続に、さらに調停等を加えるべきというようなご意見。それから、迅速な問題解決に向けたあっせんの手続や、あっせんの求めができる範囲の限定等についてのご意見がありました。  続いて9の「情報保障の推進」のところから11の「教育の推進」についてまで、こちらは語尾の表現をより積極的な表現とすることができないかというようなご意見がありました。  また、10の「言語としての手話の普及」についてですけれども、言語の1つであることをよりわかりやすくするため、「独自の文法を持つ手話は一つの言語である」といった表現にすべきではないかというようなご意見がありました。  続いて、5ページになりますが、12の「交流の推進」につきましては、交流という発想そのものが共生社会の実現の理念に反しており、削除すべきというようなご意見があるほか、「交流の推進」ではなく、「共生社会の推進」とすべきというような意見。それから、精神障害者との接点を持つことで、差別や偏見のイメージを取り除くことが重要というようなご意見など、さまざまなご意見がありました。  続いて13、「事業者による取組支援」ですが、事業者の取り組みを進める上での助成制度を設けるべきというようなご意見。それから、事業者への周知に当たっては、先進事例の収集、公表に加え、一律の対応が求められるものではないというような旨の周知も必要というような意見もありました。  最後、「自由意見」というところですけれども、障害者権利条約との関係に関する前文、それから区市町村との連携に関する規定。あとは災害時の合理的配慮の提供に関する規定、財政上の措置に関する規定は設けるべき。それから、条例に基づく専門相談機関と調整委員会を監視するための規定、条例の見直しに関する規定というようなことで、ご意見をいただいております。  なお、このほかさまざまなご意見につきましては6ページ目、こちらのほうに「参考意見」ということでまとめさせていただいております。全部紹介するのは時間の関係で省略しますが、例えば「総則」関連では、上から4点目のポチにあるように、改めて都の責務は芸術、文化、スポーツではないかというようなご意見。  それから、「相談及び紛争解決のための体制」整備の関係では、「あっせんから勧告に移行する」という言葉はなじみづらい面があるというようなご意見。調整委員会の委員には、当事者団体の代表を選任する旨、明記すべきといったご意見。  それから、「共生社会実現のための基本的施策」関連では、2つ目ですけれども、障害理解の授業が重要であるというようなご意見。改めて事例の有効活用を進めていく視点が重要であるなど、さまざまなご意見がありました。  続きまして、資料の3−2のほうに移りますが、改めて本条例の核となる部分といたしまして、資料3−2で、事業者による合理的配慮の提供の義務化について、考え方を整理させていただきたいと思っております。  この点については、法律で上乗せ、横出し認めている中、他県の条例においても上乗せ、横出し規定を設けているというような例があることから、都条例においても扱いを検討しているということでございます。  これまでの議論の中で、左下ですけれども、それぞれの立場の主な意見を検討状況としてまとめております。  まず、義務とすべきという立場からは、法が上乗せ・横出し認めていて、他県でもそういった規定がある、義務化しても事業者の規模を踏まえた「過重な負担のない範囲」での対応ということで、中小企業にも配慮されている。それから、「過重な負担のない範囲」かつ「努力義務」という規定はわかりづらくて、事業者の理解、取組が進まない要因になっているということを理由に義務化すべきというようなご意見がありました。なお、中小企業ヒアリングの中でも、合理的配慮の提供は通常の接客の範囲で対応していて、啓発と合わせた義務化であれば問題ないというようなご意見もございました。  次に、努力義務とすべきという立場からは、施設、設備の改修等を求められた場合、技術面、費用面から対応が難しい場合がある。業種、規模等の違い、それから混雑時の状況、対応が難しいケースがある。過重な負担の判断基準が曖昧であるというようなことで、努力義務とすべきというようなご意見がありました。  以上を踏まえまして、本条例上の基本的な考え方でございますが、まずやはり、多様な人が集まる東京2020大会というのを見据えまして、事業者による合理的配慮の提供を進めていくことが重要であるという考え方に立って、さらに差別の解消に向けた実効性のある条例とするというためには、事業者の不安や負担に対応するような措置を講じつつも、合理的配慮の提供を義務化することを考えていく必要があると考えております。  事業者の不安、負担に対する対応ですけれども、下のほうになりますが、1つ目ですけれども、「事業者の不安解消に向けた啓発、理解促進」ということで、具体的には事業者及び障害当事者に対して、合理的配慮の提供というのは不特定多数に向けたハード整備ではなく、あくまでも個別的な対応であるということ。それからまた、企業の規模や混雑時等の状況を勘案せずに一律の対応を求めるというものではなくて、個々の状況に応じた過重な負担のない範囲での対応であるということについて、理解促進を進めていくという必要があると考えています。  もう一つがAですけれども、「事業者の負担軽減に向けた相談体制の整備」ということで、現に事業者が障害者への「過重な負担」の説明ですとか、その判断に困った際には、条例によって設置する専門機関の役割として、助言等を行う体制を整備しますので、そのことを広く事業者に対しても周知していくという必要があるかと考えております。  資料3−2につきましては以上でございます。  最後まで説明のほう、続けさせていただきます。資料3−3「事前提出意見に関する基本的考え方について」ということで、資料3−3をご覧ください。  まず、「定義について」でございます。「「障害」に、発達障害や難病を含む旨を明記することについて」でございますが、法律において定義規定、基本指針においても、発達障害や難病を含むということを示していますが、いまだ認知が十分に進んでいない面がありますので、本条例においても、発達障害及び難病を含むということを示す必要があると考えているところです。  次に、「「骨折や風邪等の一時的機能障害」の扱いについて」ですが、現時点では、骨折や風邪等による一時的な機能障害のある人が、他の障害と同様、現に理解不足等により権利利益の侵害と考えられる程度の差別を受けていて、条例に基づいて義務として解消を図ることが不可欠な問題であるかどうかということは必ずしも明確ではないということで、今後の事例蓄積や国の動向、都民の意識等を踏まえて検討する必要があるかと考えています。  次に、「「間接差別、関連差別」の扱いについて」ですけれども、法は、間接差別・関連差別について、どのような事例が該当するのか必ずしも定かではないということで、現時点で一律に判断することは困難であるというふうにしております。共生社会の実現を目的とする本条例においては、障害者との交流に対する萎縮が起こらないよう、十分留意する必要があるものの、現時点で関係者間において明確な共通認識を持つというのはなかなか困難である中で、さらに事業者に対して禁止を義務づけるような差別に位置づけるということは、結果として萎縮を招く懸念が大きいということで、今後の事例や判例の蓄積、国の動向等を踏まえて検討していく必要があると考えているところです。  続いて、「「基本理念」について」でございますが、基本理念における「女性や児童等に対する複合差別」の扱いについて」、本条例の趣旨として非常に重要な視点の1つであり、女性や児童等に対する複合差別への配慮が重要であるということを規定する必要があるというふうに考えております。  続いて、「「都民及び事業者の責務」について」ですが、表現を「自ら積極的に関心と理解を深める」とするということで、こちら、よりわかりやすくするために、この提案を踏まえて検討する必要があると考えております。  それから「「障害を理由とする差別の禁止」について」でございますが、事業者による合理的配慮の提供の義務化については、資料3−2で説明したとおりでございます。  それから、「「意思の表明」の扱いについて」でございますが、法及び条例の趣旨からは意思の表明にかかわらず、本人が望む合理的配慮の提供が実施されることが望ましい一方で、合理的配慮の提供は、障害特性や、社会的障壁の除去が求められる具体的な場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであると考えております。従って、事業者等がみずから進んで行った配慮が、本人が望んでいる対応とは限らないケースもあると考えています。さらに、本条例が共生社会の実現を目指す中で、事業者による合理的配慮の提供を義務とし、公表を含む権限行使の対象とする方針であるということも踏まえると、事業者の立場も踏まえ、過度な萎縮が起こらないよう、十分留意する必要がある。従って、現時点では意思の表明は、本人のほか、家族、介助者等が行うものも含むということや、意思の表明がない場合でも、自主的な取り組みに努めることが望ましいという考え方を啓発し、理解促進を図っていくことが重要だというふうに考えております。  続いて、「「障害を理由とする差別に関する相談体制」について」でございます。まず、「専門相談機関を都に設置する旨を明記することについて」は、本提案を踏まえて検討をしていきたいと思っております。  次に、「広域支援相談員に障害当事者や女性、難病者等を含むことについて」でございますが、都に設置する広域支援相談員として、障害種別や女性等、さまざまな属性の方を網羅的に配置するということは、現実的に難しいところがあります。また、都の専門相談機関は事業者と当事者に対する第三者的立場からの調整を担うという必要もあるものと考えております。一方で、当事者の視点を踏まえるということも重要でございますので、障害当事者、家族団体、事業者団体、学識経験者等により構成される、調整委員会が、専門相談機関の対応を定期的に確認して助言を行う仕組みとすることで、相談、紛争解決の仕組み全体の中で検討していくことが、必要であると考えております。  続いて、「「障害を理由とする差別に関する紛争解決のための体制」について」でございますが、まず、あっせん等の手続と迅速な紛争解決についてでございます。本条例は、差別者と被差別者を分けて、一方を非難して制裁を加えるというようなものではありません。まず相談機関によって問題解決を図るということが重要であるというふうに考えております。それでも解決しない事案について、本人の意向を踏まえて、速やかにあっせんの手続に入れるよう、運用の中で迅速性については確保していきたいというふうに考えております。  それから、「任意の協力に基づく紛争解決手続の追加について」でございます。現在、公表に至るまでは、相談、あっせん、勧告という3段階の手続を設けるということで想定しています。事業者にとって影響の大きい公表は、丁寧な手続を経て行う必要がある一方で、悪質な事案に対しては、迅速に解決を図るということも重要でございますので、公表を行う前に事業者等から意見聴取の機会を設けるということで、丁寧な手続を確保していきたいというふうに考えております。  それから、「「あっせんの求め」を行うことができる対象範囲について」ですけれども、意思表明が難しい人もいることから、広く対象とする視点が重要であるというふうに考えています。現時点では、対象者そのものを法定代理人等など、厳格に限定するのではなくて、事務手続の中で本人の希望を確認するということで対応していくことが重要であると考えております。  続いて3ページ目でございますが、「「交流の推進」について」でございます。こちらの規定については、部会における議論を踏まえて、障害及び障害者への理解促進に向けて、障害のある人とない人が直接交流することが重要であるということをまとめたものでございます。なお、この規定そのものが差別的であり、削除すべきというような意見もあることから、改めて本日ご意見いただければというふうに考えております。  それから、「「事業者による取組支援」について」でございますが、補助金等の助成制度ですが、現時点ではまずは条例の内容や合理的配慮の提供等に関する正しい考え方の周知、好事例の共有、技術的助言等を進めていくということが重要であって、助成制度については、条例施行後の事例の蓄積等を踏まえた上で検討していくということが必要と考えております。  それから、最後自由意見でございますが、「前文」、それから「区市町村との連携」、災害時の合理的配慮」に関する規定については、資料1−2で説明したとおりでございます。  続いて、「相談機関や調整委員会を監視する役割に関する規定」についてのご意見ですが、まず相談機関については、第三者機関である調整委員会に対応状況等を報告して、調整委員会から助言を得られるような仕組みを検討していきます。この第三者機関である調整委員会の委員につきましては、障害者差別解消地域協議会と同様で、障害当事者、家族等団体、事業者団体、学識経験者等により構成することを想定しております。  続いて、資料3−4まで説明させていただければと思います。これまでの議論を踏まえた条例の構成の概要の考え方について、繰り返しになりますけれども、本資料についてパブリックコメントを行っていく予定でございます。あくまでこれまでの議論を踏まえた条例の構成概要の考え方をまとめたものであって、先ほど申しました、今後条文として詳細検討していく中では、法令所管課等とのさまざま調整が入ることになりますので、そちらについてはあらかじめご理解いただければというふうに思っております。  まず、「目的、定義、基本理念等について」でございますが、丸の1つ目ですが、条例の構成と法律の関係を示して、丸の2つ目で差別の解消と共生社会を目指すということを目的とするということでまとめています。  それから2の「定義」の規定ですけれども、障害、障害者、社会的障壁、共生社会、障害の社会モデルについて定義していくということで考えております。  それから3の「基本理念」ですが、障害者の人権、社会参加の促進、情報保障の推進、障害及び障害者への理解、女性であること等の性別、年齢等による複合差別への配慮を設けるということで考えてございます。  それから4の「都の責務」としては、主に本条例の2つの柱に対する責務をまとめています。1つ目の丸が、相談、紛争解決のための体制整備に関する責務。それから2つ目の丸が、理解促進に向けた啓発の責務でございます。  5の「都民及び事業者の責務」としては、障害、障害者、障害の社会モデルについて、みずから積極的に関心と理解を深め、都の施策に協力するよう努める責務があるということでまとめています。  それから6ですけれども、ご意見踏まえまして、新たにこちら設けました、6の「区市町村との連携」でございます。1つ目の丸で、都が体制整備や啓発を行うに当たっては、区市町村と連携して行うよう努めるということ。それから2つ目の丸でございますが、区市町村が体制整備や啓発を行う際には連携するとともに、情報提供や技術的助言等の支援を行うよう努めるということと記載させていただいております。  続いて2ページのほう、ご覧ください。「障害を理由とする差別に関する相談及び紛争解決のための体制について」でございます。  7の「障害を理由とする差別の禁止」としては、不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供について、本部会における議論を踏まえまして、都及び事業者について、しなければならないといった方向性を示した表現となっております。  なお、丸の2つ目の合理的配慮の提供に関する記載につきましては、ご意見ありましたとおりで、考え方についてより詳細に記載することとしております。  続いて8でございます。「障害を理由とする差別に関する相談体制」については、都に広域支援相談員を置くこと。広域支援相談員は、知識、経験を有する者とすること。広域支援相談員の役割として、区市町村を支援するため、助言調整を行うこと。本人、家族、その他関係者が、都に直接相談できるようにする。それから業務上知り得た個人情報等の秘密の保持に関する規定というのを想定しています。なお、記載のとおり、事業者からの相談についてもここで受け付けるということで考えております。  次に9の紛争解決のための体制整備ですが、調整委員会について、公正中立な判断をするための第三者機関として設ける。それから調整委員会を構成する委員についても、公正かつ中立な判断が求められること。それから秘密保持に関する規定ということでまとめています。  それから2つ目の丸、「あっせんの求めについて」ですが、広域支援相談員が対応しても、なお解決が見込めない事案について、当該障害者の意に反する場合を除いてあっせんを求めることができると。ただし、行政処分等の他の法令において対応が整備されているものは除くというようなことでまとめています。  それから3つ目、「事実の調査」として、あっせんの申し立てがあった場合、事実関係を整理するための調査を行うことができると。  それから4つ目、「あっせんについて」では、事実関係に基づき、必要な場合、調整委員会にあっせんを求め、調整委員会は原則あっせん案を作成し、提示すると。調整委員会としても、必要に応じて調査できること、あっせんは問題が解決された場合のほか、解決の見込みがない場合にも終了するということを記載させていただいております。  3ページですけれども、「勧告について」でございますが、あっせん案を正当な理由なく受け入れない等の場合において、調整委員会が知事に対して勧告するよう求め、必要に応じて知事名で勧告することができるということを記載しております。  それから公表ですが、事業者にとって非常に影響が大きい規定でありますが、関係者の意見陳述の機会等を十分に確保した上で公表ができるということで記載をしております。  黒丸のほう、「共生社会実現のための基本的施策について」のほうに移りますが、情報保障の推進や、理解促進のための施策等々について記載しております。  10で「情報保障の推進」ですが、情報保障は障害当事者だけでなく、障害のない人にとっても必要であるという基本認識に立って、手話や筆談、点字、拡大文字、読み上げ、わかりやすい表現等による情報提供が普及するよう、啓発施策に努めるということを記載しています。  次に11の言語としての手話については、ご指摘を踏まえまして表現の一部修正しておりますが、独自の文法を持つ手話は、1つの言語であるとの認識に基づき、その認識を広めるとともに、手話の利用が普及するよう努めることということで記載しています。  12、「教育の推進」ですが、都としては、障害、障害者、障害の社会モデルについての正しい知識を持つための教育が行われるよう努めるということを記載しております。  13の「交流の推進」については、障害及び障害者の理解促進に当たって、相互に交流することが重要であるということを踏まえ、その促進に努めるということを記載しておりますが、さまざまご意見いただいている規定になりますので、改めてご意見いただければと思います。  14の「事業者による取組支援」ですが、都として事業者の自主的な取り組みを促進するため、情報提供や助言、連携の促進等に努めるということを記載しているものでございます。  長くなりましたが、事務局からは以上となります。 ○川内部会長 ありがとうございました。  早速検討に入りたいと思います。資料の3−1から3−3までが事務局あるいは私たちの思考の今までの過程の記録みたいな感じになっていまして、パブリックコメントに出すのは3−4のような体裁のものということで、この3−4をどういうふうに煮詰めていくかというのがきょうのポイントだろうと思います。  議論には1時間ぐらい時間とってありますが、それでも足りないかもしれませんけれども、とにかくご意見を出していただければと思います。  まずは、先ほどからちょっと議論になっていました義務化については、資料の3−2において、義務化ということにしていこうというのが基本的考え方の中にあります。先ほどから義務化だとか努力義務かというようなことがあるんですが、ちょっと部会長としてではありますが、ちょっと個人的な意見を申し上げると、3−2の左側の検討状況というところの、「努力義務とすべき立場の主な意見」というのが、どう読んでもやはりちょっと誤解があるかなという感じがしていまして。ここに出ているもの、「費用負担が重すぎる場合があるため」とか、「状況によって対応が難しい場合があるため」とかいうようなことというのは、まさに過重な負担で、義務であろうと、努力義務であろうと除外になる規定なわけですね。ですから、正しい理解のもとでの義務化とか努力義務化の意見ならばともかく、ちょっとこういう誤解のもとでの議論の展開というのはよくないのではないかというふうに思います。  それを踏まえて、ちょっと、一番多分この部会で大きな争点だったのは義務化、努力義務化だったと思いますので、ご意見をいただければというふうに思います。  佐々木さん。 ○佐々木委員 都盲協の佐々木です。私の立場から言えば、努力義務ではなくて義務化を求めている立場でありまして、そこからの話なんですけれども。  それで少し気になったのが、いただいている、今の本編の資料じゃなくて、参考資料アというのがあって、その中に追加的ヒアリングで、結果というんですか、事業者さんに聞いて。そのシーのところに、過重な負担というような言い方で受け取っているところが、建設的対話に要する時間もちょっととれないというような表現もあるんですけれども。この相談にも応じるのが難しいというようなのは、これは私たちの立場からいって、そんなことはあってはいけないとは思いますが、まあ事業者としてはそう思うかもしれないけれども、この辺は努力義務であったとしても、少なくとも相談には対応しなければいけないんじゃないかとは思うんですけれども。  この義務化以前の話で、努力義務の段階であっても、この建設的対話にも時間も人も割けないというのは、今、部会長のおっしゃった誤解があるのか、ちょっと私が誤解していて、たとえ努力義務であっても、建設的対話には乗らなければいけないんじゃないかなとは思うんですけれども、この辺どうなんでしょうか。 ○川内部会長 参考資料アの1ページの一番下のほうですね。「建設的対話を義務付けられても、そもそも人がいないため、対応が困難。」というようなご意見のところですね。  今の佐々木さんのご意見としては、義務とか努力義務とかということの以前の問題として、それはどちらかは置いておくとしても、建設的対話まで応じないのでは、全くこの条例の趣旨から離れるのではないかというようなご意見だったかと思います。  これも含めて、何かご意見がありますでしょうか。ちょっと杉崎さんと山鼻さんにお伺いしたい。建設的対話を、人がいないために困難というのは、これはやっぱり言い過ぎの意見だと思われますか。 ○杉崎委員 商工会議所、杉崎でございます。ただいまのご発言、拝聴させていただきまして、やはり対話をすることはしなければいけないと思いますし、対話を通じてでき得る限りの対応をしていくというのは非常に大事だと思います。  今回の条例案に対するいろんな認識の差があるかと思うので、いずれにしましても、こういった対話をしていくというのは非常に大事なこと、やらなければいけないというふうに考えます。 ○川内部会長 ありがとうございます。  山鼻さん。 ○山鼻委員 先ほどの意見なんですけれども、建設的対話ということが非常に重要ということはこちらのほうも承知しております。先ほどおっしゃったように、例えば非常に忙しくて、忙しい場合であっても、今はこういう状況で対応できませんというふうな一言はあってしかるべきだと思います。それによって、じゃ、また後ほど対応いたしますというようなことで、そういうところが生まれはする、建設的な対話というふうなことがもうそれで1つなされているのではないかというふうには考えておりますので、全く問答無用といいますか、対話に応じませんというものは、努力義務であっても、義務であっても、これは全くこちらのほうも想定していないことでございます。 ○川内部会長 参考資料アの文言だけでははっきりわかりませんが、どうも何か建設的対話というのはどこかの法廷みたいなところに引きずり出されて、時間をかけてやれというふうな、物すごく大層なことを思っていらっしゃるような気がして。そうであるとしたら、これも誤解に基づくものかな。やっぱり現場であったことについて、そこでけんかをせずに丸くおさめてくださいというぐらいな理解でいいんだろうと思いますよね。その点はまあ多分、皆さん一致していると思うので、ここまで話を大きくする必要はないだろうというふうに思っています。  佐々木さん、そんなところでよろしいでしょうか。 ○佐々木委員 この条例の目的の1つだと思うんですけれども、そういう誤解を生まないような形で条例をつくるし、できたらそういう誤解がなくなればいいなと思って、私としては意見を申し上げました。 ○川内部会長 そもそもあれですかね、条例案に「建設的対話」という言葉、出てくるんですかね。まあまだ未定だとは思いますけれども。 ○島倉課長 今のところ、「建設的対話」という言葉については、条例の中には出てこないというふうに考えています。 ○川内部会長 差別解消法なんかにも出ていないですよね、条文そのものには。 ○島倉課長 条文そのものには出ていなくて、解釈とかその説明という中で、そういった言葉をもって、お互いに建設的に対話をしていきましょうという話はある。従って、普及啓発の中では、資料の中にはそういった話も盛り込んでいくということは十分あるとは思います。 ○川内部会長 じゃ、佐々木さん。 ○佐々木委員 「建設的対話」って言葉じゃなくても、相談とかそういう障害者と事業者、あるいは合理的配慮をする側との交渉、相談に、お互いに乗って、障害者差別解消のための社会をつくっていきたいという、そういう形をもっていってもらいたいですけれども、「建設的対話」という言葉がなくてもいいんですけれども。お互いにそういう話し合う、相談をするという言葉は当然入るわけですよね、相談体制が載っているわけですから。それの拡大解釈として、というか上乗せみたいな形で、そういう文言を入れられないでしょうか。 ○川内部会長 事務局、いかがでしょうか。 ○島倉課長 「建設的な対話」という言葉自体を条例の中に入れると、それはまた何ぞやみたいなお話とかがやっぱり出てきたりとかしていて、なかなか現実的に条文の中に入れていくのは難しいのかなという印象なんですけれども。 ○川内部会長 今の佐々木さんのはそうではなくて、言葉はどうであれ、相談窓口に持っていく前に、現場で事が起こったというか、サポートしてくれ、それ今ちょっと無理ですといったところが、けんか腰にならずに、というようなニュアンスのことが入れられないかということですよね。 ○島倉課長 それは、「合理的配慮」の言葉の解釈の中で読み込まれている内容なのかなという印象を持つんですけれども、そういうことではないですかね。 ○川内部会長 だから、「合理的配慮」という中に、今の島倉課長のご意見だと、合理的配慮というところに、合理的と、お互いに理屈に合ったというか、理にかなったということなので、もうその時点で「合理的配慮」というそのものが、けんか腰の対応というのは想定していないというふうに見られるのではないか、そういうことですよね。 ○島倉課長 そうですね。 ○川内部会長 佐々木さん。 ○佐々木委員 佐々木です。それが見られないから、先ほどの意見が、何というか、参考資料にあるような意見が載っているんじゃないかと思うんですけれども。ですからぜひ、載せてほしいなと言ったのはそういうわけなんですが。 ○川内部会長 これは条文なんかだとどうしても割と客観的な文章になりますので、後の広報とか、理解促進のところでパンフレットなんかをどうせつくっていかないといけないわけで、その時点であくまでもけんか腰は想定していませんよというようなことをきちんと述べていくという形かなというふうに思うんですけれども。条文そのものは本当にニュートラルな表現になるだろうというふうに思っていますけれども。  どうでしょうか、佐々木さん。 ○佐々木委員 佐々木です。今部会長おっしゃった内容が具体的にどこを指すかちょっとわからないんですけれども、まあ趣旨は、言われていることはよくわかりますので。ですからまあ、合理的配慮の提供をするんだということを前提になった文章でしたら、そういう今、部会長のおっしゃった含みになるかなと思います。そういう形にしていただければいいかなと思っております。 ○池原副部会長 副部会長の池原ですけれども、まあどこまで参考になるかということはありますが、例えば障害者雇用促進法が定めているのは、もちろん合理的配慮についての規定も、差別禁止規定もあるわけですけれども、その差別禁止と合理的配慮に関して、雇用促進法の36条の4というのは、その「前二条に規定する措置」というのは均等待遇とか合理的配慮のことですけれども、それを「講ずるに当たっては、障害者の意向を十分に尊重しなければならない」というのが第1項にあって、第2項は「事業主は、前条に規定する措置に関し、その雇用する障害者である労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」というふうになっていて。言ってみれば、このあたりがまず自主的に建設的な対話をしなさいという書きぶりにはなっているんですね、雇用促進法上は。単純に合理的配慮しなさいというふうに書いてあるだけではなくて、そういうまず意向を尊重しろとか、相談に乗りなさいとか、それでどういう配慮をしていったらいいかということをやっていきなさいという、このプロセスを建設的対話のプロセスと呼んでいるのかなと思いますけれども。 ○佐々木委員 今のお話を伺いましてよくわかったんですけれども、やはり、じゃ、同じような形で条例の中にも、相談に応じる、事業者が相談に応じるべきだというような、受け取れるような表現のことが入れてもらえるといいなとは思っております。 ○池原副部会長 ただ、池原ですけれども、1点難しいのは、これ、雇用促進法と差別解消法の違いでもあるわけですけれども、雇用促進法というのは、要するに雇用の場面というすごく限定された領域についての規定なので、かつ、既に雇われている労働者の人というのは、事業主とのそれなりの継続的な関係を持っているわけですよね。だから、そういう関係を前提にすると、まず自主的に問題を解決するというふうに、会社の中でそれやりなさいよという話があって、それがうまくいかない場合は、今度は外の調整機関に相談に来てくださいなという、2段構えの仕組みになっているわけですよね。  ところが、解消法はあらゆる生活分野に適用されるので、一見のお客さんじゃないけれども、初めて来たお客さんみたいな人もいれば、ずっと、例えば賃貸借関係でアパート借りている大家さんと、たな子の関係みたいなのもあったり、非常にバリエーションがいっぱいなので、雇用促進法と全く同じ仕組みとしてつくれるかどうかということは、若干検討する余地はあるかもしれないですけれども。 ○佐々木委員 今これ以上申し上げてもなかなか対応、事務局も難しいと思いますので、一応私たちの立場としては、一応障害者等からの、少なくとも合理的配慮の提供を求めるような話が出たら、事業者は少なくとも話は聞くというような形に受け取れるようなことをぜひ入れてもらいたいという要望を出して、私としては終了させていただきたいと思います。 ○川内部会長 先ほどの確認でもありましたが、参考資料アの一番下のようなことはちょっとどう考えてもおかしいということは、この部会全員としての合意はとれていると思いますので、今の表現上の工夫というのはあろうかと思いますが、佐々木さんの趣旨というのは、事務局ともどもしっかりと受けとめたというふうにご理解いただければと思います。  中島さん。 ○中島委員 中島です。先ほどちょっと議事録だけ見て発言しちゃって申しわけありませんでした。資料の3−2を拝見して、ここで義務とすべき立場の意見とそうでない意見を見たところ、私が提案したのというのは、どっちかというと努力というもの自体がちゃんと定義できればそれでもいいのかなと思って、ちょっと問題提起をしたんですけれども。結局、過重な負担というところに、すぐにはできないということとか、あるいは今のこの話し合いに応じるとかというのは、過重な負担じゃないときに努力をしているかどうかというあたりの判断になってしまうのか、若干ちょっとわかりにくいのかなという感じもしたので。  ですので、私はまあ、相談に応じるということはそんなに過重な負担になるとは思えないわけですよ、どう考えても。だからやっぱり、過重な負担というところに全てを持っていって、説明を持っていって、そこの定義をはっきりさせることで、企業の方にも納得いただくという、まあこの資料3−2の方向でよいのではないかというふうに思います。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  山鼻さん。 ○山鼻委員 東京経営者協会の山鼻です。よろしくお願いいたします。  合理的配慮の提供の義務化につきましては、繰り返しになりますけれども、東京都のヒアリングにおいても、ほぼ全ての事業主から合理的配慮の義務化には反対の声があったということは、やはりかなり事業主側が不安とか懸念というものを示しているのではないかなというふうに思っております。  こちらの合理的配慮というのは具体的な場面によって、求められる内容が異なり、また多様で個別的なものであり、先ほど中島先生からもご指摘があったんですが、過重な負担ということがありましたら、それでできませんというわけでおさまらず、その場によってどのようなことが、ではできますかというふうな選択を、やはり事業主とは迫られる立場になります。このような状況ですと、やはり現在の状況を考えますと、やはり努力義務にいたしまして、事業主の自主的な取り組みを促すことが、効果的でやはり現実的ではないかなというふうに思っております。  また、合理的配慮は第一義的には当事者間により、建設的対話の中から生まれてくるものが本筋なので、まず当事者間が対話を促すような仕組みづくり、周知というものを、関係者に理解促進していくのが一番ではないかというふうに思っております。  また、実効ある条例とするには、事業主がこれだけヒアリングによって懸念や不安というものが表明されたのは、やはり実態のないものではなく、いろいろこれまでの経験から出てきたものではないかなというふうに思っておりますので、それを解消するような対応策を提示していただければというふうに存じます。  あとまた別件なんですけれども、すみません、ちょっと中座をしてしまいますので、2点指摘をさせていただきたいんですが、資料3−4の8番及び9番の、8番ですと3番目の丸、9番ですと2番目の丸なんですが、「広域支援相談員は、以下の職務を行う。」というところの2ポツ、「障害者、その家族、その他の関係者、事業者からの相談に応じ」というふうにあるんですが、「その他の関係者」というのが非常に範囲が広いのではないかというふうに思っております。これに関しまして、事前に事務局の方に聞いたところ、こちらのほうは法定代理人を想定しているというふうな回答をいただきましたので、その場合でしたらこちらの「その他の関係者」ですと非常に広くなってしまいますので、「法定代理人」というふうな形で明記していただいたほうがわかりやすいのではないかなというふうに思っております。  この「あっせんの求めについて」についても同じように、「障害者、その家族、その他の関係者」ではなく、「障害者、その家族、法定代理人」というふうに明確にしていただければというふうに思っております。  以上でございます。 ○川内部会長 じゃ、杉崎さん。 ○杉崎委員 ただいまの山鼻委員のご発言と考えを一にしておりますが、改めて事業者による合理的配慮の提供の義務化につきまして、努力義務であるべきという立場から意見を申し上げます。  東京都事務局の要請に基づいて実施いたしました中小企業へのヒアリングですとか、東京都自身が行いましたこの団体ヒアリングにおいて、努力義務とすべき旨の意見が多くあったことは、これまでもこちらの会議で発言をさせていただきました。  特に事業者に判断が委ねられる状況では、判断自体に苦慮するケースですとか、判断自体やそれに基づく対応にばらつきが出てしまう可能性があることから、義務化されると困るという生の声があったこと。また係争になった際の事務ですとか費用面の負担、また、企業規模や業種業態による特性などを十分に考慮していくことが必要である旨も申し上げてきました。そうした中で、これらの意見が反映されずに、今回この「実効性のある条例とするため」との理由で義務化の方向性が打ち出されたことに困惑いたしております。  加えまして本日の資料の1−2、また同じようなことが資料3−3に書いてございますが、補助制度についてでございます。この補助制度について、資料1−2には、「費用負担が主要課題となる不特定多数に向けた施設・設備整備とは異なることも踏まえ、まずは周知により理解促進を図る」との考え方が示されておりますが、義務化を打ち出すのであれば、なおさらハード面の補助はもちろんのこと、研修費用の補助ですとか、講師派遣などのソフト面の支援をしていくことは、これは東京都の責務であると考えております。  これは実効性の確保を意図するならば、東京都は義務化について、事業者の不安ですとか、生の声を真摯に受けとめていただくとともに、対応策を含めて再考すべきと考えます。  また、周知につきましても、山鼻委員の発言がありましたとおり、これも非常に大事なことでございますので、東京都が主体的かつ責任を持って取り組み、汗を流していく必要があるかと思います。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  じゃ、関哉さん。 ○関哉委員 弁護士の関哉です。義務化の件ですけれども、最大の問題は過重な負担の判断基準が不明確だという声が多く出ているところで、一方で努力義務というのはもっともっと不明確なものだというところが最大の問題だと思っています。過重な負担については、できる限りその要素を抽出して基準化されていて、またその基準の解釈については、これから積み上げが必要になってくることは当然だと思いますけれども、努力義務ということに関しては、全く基準も明確化されていなくて、個々の判断に委ねられてしまう。そういったところで、努力義務にとどめては果たして合理的配慮が実現されるのか、大いに疑問があるところです。  もっと言うと、努力義務の、例えば客観的な側面、客観的にそれが努力したかどうかというのは、過重な負担の要素の中で恐らく判断できることなんだと思います。一方で主観的な側面、すなわち達成度が事業者側の判断に委ねられているという側面ですけれども、そういった側面については、やはり事業者側の判断で提供されるかどうかが決まってしまうので、そもそも合理的配慮の建設的対話に求められている、当事者の意向を十分に尊重するというところが全く反映されない結果になるんじゃないかと、懸念しています。  言ってしまえば、合理的配慮を努力義務にしてしまうと、絵に描いた餅になってしまうので、やはり義務化が必要と考えています。先ほど来、実効性ある条例というのがありましたけれども、実効性の議論が、どうも現実的に可能かどうかというところで議論が進んでいるように思いますが、この実効性というところはあくまで権利保障が実現されるというところに求められ、目的が置かれるべきところであって、どうもここでずっとされている議論が、当事者の人権や権利を保障するという観点に立っていないような、そんな気がずっとしていまして。あくまで基本的人権を共有するための法律であって条例なんだというところに立ち戻って、実効性ある条例をつくっていくという、そういった議論をしていただければなと思っています。  ぜひ東京都のほうには、そういった不安なところの解消に向けて、ここに対応策として書いていただいている、啓発とか相談体制の整備を積極的に進めていただきたいなと思っております。 ○川内部会長 ありがとうございます。  いっぱい手が挙がっていますね。じゃ、左からの順番で、越智さん、山梨さん、宮澤さん。 ○越智委員 都聴連の越智です。事業者の不安だということはよくわかるんですが、わかります。例えば、参考資料のアですね、アのほうを拝見しますと、2の(1)にあります、その次のページの最後になります。2の(1)、次のページの最後のところに、こういうクレームがあると書いてありますね。悪用されるおそれもあると書いてあります。そういう心配もあるんではないかなと感じられます。  実際に私も、つい先日相談を受けたことがあるんですが、これは差別じゃないかということで聞こえない方から相談がありました。話を聞いてみますと、差別ではなくて、聞こえない方の誤解、知識不足だけだったんです。そういう誤解もございます。事業者にとってもそういうわからないこともたくさんあるかと、事業者にとってもわからないこともあると思います。  私たち当事者の体感として、昨年の差別解消法の施行の状況を見ますと、行政はまあ変わってきていると思うんです。けれども、やはり事業者とか一般社会はあまり変わっているということが実感できません。やはり、努力義務というところが大きいんじゃないかなと感じます。そのあたり、やはりきちっと都としては、義務になると。ただ、企業の負担、事業者の負担も考えて、きちっと事業者からの相談を受けるという体制をつくっていくということが大事なんじゃないかなと思っています。 ○川内部会長 事業者をサポートする体制というご意見だったと思います。  じゃ、山梨さん。 ○山梨委員 精神障害の山梨です。一番最初の中島先生の話に戻っちゃうんですけれども、そもそも私は努力義務じゃなくて義務化してほしいと思っている立場なんですが、義務化といっても、条例が施行されたから即時に何が何でも全て実現しろというイメージを持っているわけじゃなくて、例えばものによっては実現するのに1年かかるか、半年かかるか、そういうものも当然あると思うんですよね。努力義務だと、「努力しています」だけで、永遠に努力だけで終わってしまうかもしれないので、いずれは実現されるという見込みが大事だという解釈でいるんですけれども。 ○川内部会長 ありがとうございます。努力義務だとゴールが見えないというお話だと思います。  じゃ、宮澤さん。 ○宮澤委員 都身連の宮澤です。資料3−1で、前回のたたき台に対する意見提出ということで、事前にメールを出しておりました。ここにも載っている文面もあるんですけれども、「目的」ですね。1番の「目的」のほうに、ちょっとこれ、「差別の解消」という文言入っていますけれども、「差別の禁止」という明記は入っていないと思いますね。この「禁止」を入れることによって、理解を深めることによって、長崎県条例、長崎県の条例には、「障害のある人に対する差別を禁止し、差別をなくすための施策の基本となる軸などを定めることによる」という文言がありますので、「差別の解消」だけでなくて「禁止」という文言を入れていただきたいなと思っております。  それから、先ほど杉崎委員さんが都の責務ということでありました。私もこの検討会で、東京都は事業者をサポートするか、助成金制度のようなものをということをずっとお話ししてきましたけれども、これもお金を出すのがいいんでは、というのではないですけれども、4番の「都の責務」という、3−1にありますけれども、ここに「財政上の措置」というものが、文言が入っていないんですね。だから私言いましたけれども、実はこれも、ここの富山県条例の中に、「障害及び障害のある人に対する理解を深め、障害を理由とする差別を解消するための施策を推進するため、必要な財政上の措置を講じるものとする」という、富山県条例にはあるんですね。東京都はなぜここに文言が、「財政上の措置」という文言が何も入っていないのかということが、ずっと前から私、ちょっとおかしいなと思っています。  このお話をしましたら、事務局の方からは、これはちょっと金銭的な問題だから、なかなか一文、簡単に入るものではないというお答えがあったかと思いますけれども、これ、どんな総則でも、定義、基本理念、都の責務、いろんな文言にも「財政上の措置」がなければ、これ、要するに必要な体制整備を実施するということは書いてありますけれども、必要な体制整備を実施するのは、何を必要な体制整備するのかということになってしまうんですね。ここに「財政上の措置」が何もないと、何も僕は始まらないのかなということをずっと考えてきました。きょう最後のものと思いまして、やりました。  それで、この中で最後の14番ですね。自由意見になりますけれども、14番の5ページですけれども、「障害者権利条約との関係等を謳った前文を設けるべき」だということをずっと申し上げてきました。この前文に対しての、ちょっと具体的な、この3−1の結果が3−4の構成概要の考え方の文言になると僕は思っていますけれども、これを見ますと、前文のことも余り入っていませんし、先ほどちょっと秋山委員からもお話ありましたけれども、構成概要の考え方を、ここでもう4時半になりますから、ここでもう皆さんが納得したような構成概要を決めないと、実際この目的、定義、都の責務、区市町村の連携、いろんな勧告、公表についてのものが、いつやるのかなと。終わってから事務局と部会長さん、いろんな方々との結論で出てくるのかなと。それを我々は納得して、検討部会は終わりというふうになるのかなと思うんですね。もうこれ以上、今後のスケジュールに余りありませんから。  これで私はいいのかなと思いますが、そこの、それは全ての皆さん方の意見が、ここに文言として入るものと私は思っていませんけれども、合理的配慮の賛成の方、いや、義務化、努力義務の方、いろんな方いらっしゃいますでしょうけれども、もう少しまとまるような最後のこの検討会になるのかなと私思って来ましたけれども、いまだかつてここ、山梨さんもお話ししましたけれども、これどういうふうに対処するんですかということを、この残り30分で今、考えて、今おります。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  百家争鳴状態の中でまとめろというのはかなりなところですけれども、例えば私は都の事務局の立場ではありませんけれども、補助金が要ること自体が、もう既に過度な負担である。補助金がないとできないという状態が、過度な負担であるというふうな考え方をするならば、補助金というのは企業に対して出すという筋にはならないということになりますよね。  合理的配慮というか、障害のある方の社会参加を促進するための環境整備ということであるならば、それは例えばハードの整備のための補助金とか、そういうふうなのはあるかもしれませんけれども、この条例において、過度な負担ということを容認している以上、補助金がないとできないというようなことならば、それはもうその時点で過度だというようなことも判断になるんじゃないかというふうに私は思っているんですが。 ○杉崎委員 商工会議所、杉崎ですが、宮澤委員からもこの補助、金銭面でのいろんな支援について重要であるという旨のご発言をいただきまして、私もそういった考えでございます。  先ほどの発言でも申し上げましたが、ハード面の整備も重要でありますし、経営資源としての資金が乏しい中小企業ですとか、規模の小さい企業において、例えば自分の会社の従業員向けに研修をするための費用ですとか、講師の派遣などの費用ですとか、ソフト面での補助制度もあるかと思います。  何も各企業の資金負担が乏しいから補助をつくるという側面のみならず、よく東京都さんもいろんな政策の中で、政策誘導するための補助制度をたくさん持っておりますので、政策誘導、周知の意味合いも兼ねた補助制度というのはあってしかるべきだと思います。 ○川内部会長 ありがとうございます。  事務局、いかがですか。 ○高原部長 部長の高原です。  1つ、今議論になっているのが、補助金のお話です。確かに関西のほう、明石市だったかな、合理的配慮の推進に係る条例もあって、その中に補助制度、条例で定めているわけではないと思いますけれども、実施しているところもあることはあります。ただ、ここで言っている、我々の政策、東京都の政策だと例えばホームドアの整備、これは国庫補助金もあり、都の補助金もあり整備をやっています。またそれと同様の低床バスの整備についても補助金を出している制度、それを推進をしていますし、また一方でバリアフリー法、あるいは都のバリアフリー条例、上乗せをしていますけれども、そこでも、その場合にはもう既に補助金ということではなくて、一定の整備することがもう義務づけをされた上で実施をしています。  ですので、杉崎委員のおっしゃられているようなソフト面というのは確かに重要なことでありますし、それをやっていくこと自体が、やはり義務化ということについても通じることがあるのだろうと思いますけれども、それは個別の企業に補助金を出してやっていただくというよりも、都のほうで施策としてそういった政策を打つことによって、バックアップしていくことのほうが、進める上では重要なのかなというふうに考えて、現時点では思っております。  あともう一点、宮澤委員のほうからの「財政上の措置」というご意見がございました。そういった条例あるところもありますけれども、ただ、それも具体的に何に対しての財政上の措置なのか、すなわち、一定のこの条例を課すことによって、何らかの特定の負担が生じることについてであれば、そういう議論はあってしかるべきかと思うんですが、一般的にこの差別の解消を進めていく上での一般的な財政上の措置をというのは、かなり大きな大まかな話で、ちょっとどうかなというふうには思いますけれども。 ○川内部会長 川内です。時間も来ていますが、別に時間が来て焦っているわけでもないんですけれども、かなり、例えば義務化については、いろんな意見がもう出ているというふうに私は理解しています。それで、私のほうで、まあ部会長預かりというとまた信用されないので、いかに皆さんに信用されていない部会長かということになりますが、すごく言いにくいですけれども、まあ部会長の判断としてはですよ、義務化でいこうと。ただし、先ほどから申し上げているように、どうも事業者の方々の誤解とか懸念というのが非常に強いというのも、物すごくはっきりわかりますので、これについては都と協議の上、都のほうには啓発ということに対しての責任がありますから、ですからそちらのほうできちんとやっていく。それから、先ほどの講習会の講師派遣とかというようなものも、都の啓発の事業の中で、1つの事業者に対してお金をどうのこうのではなくて、都の啓発事業のプログラムの中で考えていくものとして、事務局と私のほうでちょっと協議をしていきたいなというふうに思います。  それと同じように、今の補助金の関係ですけれども、個別の企業に対して物理的なものをというのは、先ほど、高原部長さんがおっしゃったように、これはバリアフリーの範疇に入るものが非常に多くなると思います。それについてではなくて、啓発という活動の中で、いかにして広めていくかというようなところで扱えるようなプログラムがないかということについて、都のほうと私のほうで協議をしていきたいということで、その点、以上のことで私は今回のことを引き受けたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。  中島さん。 ○中島委員 私もそれでいいと思うんですけれども、ただ財政上の負担が、宮澤委員のおっしゃることがよくわかるんですけれども、財政上の負担のところで東京都がここに一文入れると、結局過重な負担ということの意味がよくわからなくなってしまって。結局、何でもやっぱり行政の補助金でやってもらうという形になると、やっぱりある程度ここでリーズナブル・アコモデーションと過重な負担という言葉が入っているのは、その事業者の中である程度合理性を持った負担というか、配慮なんですよというところだと思うんですね。  だから私は、財政上の補助というのは、かなり、もし仮に文言を入れるにしても、慎重であるべきだというふうに思います。 ○川内部会長 部会長、川内ですが、私が懸念しているのは、お金が必要であるということになると、議会でなかなかこの条例の検討というのに重くなってくるかなというような感じもしていて。今の段階で、とにかくこの条例をつくるということが非常に重要だろうというふうに思っていますので、そのようなことも考えて、条文の中に明示化はしない、これから後の啓発の中で、担当部署がそのような予算をとっていくというのはあるかもしれませんけれども、条例の中では明文化しないほうがいいのではないかというふうに思っている次第です。  ということで……高見さん。 ○高見委員 都難連の高見です。毎回参加させていただいて、なかなか発言できなかったんですが、今義務化か努力義務かということについては、僕、当初参加していたときは、事業者が努力義務であったほうがいいなというふうにはちょっと直感的に考えました。なぜかというと、やはり禁止法ではないので、差別禁止法ではないので、解消法という中で考えていけなければいけないことになると、やっぱり禁止という、そういう義務ということはちょっと過酷かなというふうには思いました。  ただ、やはり今まで議論してきた中で、自分の中で変化してきたことについては、やはり共生社会をつくっていこうという社会を、何十年もかかってやってきた中で、ある程度権利条約が認められて、採択されて、日本もそういうふうな方向性でいくという中で、どうしても何十年もかかってなかなか社会の中が変わっていかない。ある程度施策に反映していこうというとこういう問題が起きて、それで一定のラインを引かれた。その一定のラインを引かれたことによって、皆さん方が、社会の中が混乱し始め、あ、どうしよう、こうしようという不安ばかり考えられて、今まで発言されているような気もするんですね。大事な問題にしても、何もかもがそうだとは思うんです。  でもやはり今言われたように、施策に反映していくということであれば、やはり義務ということを文言化した、認めた上で、それに従っていろいろやっていく。ただ、それをやったからといって、1日や2日では変わらないと思うんです。やはり10年、20年で世の中は変わっていくとは思うんですが、やはり施策に反映していく以上は、やはり義務という基本をもってやっていけるほうが、僕は妥当かなというふうには考えています。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。秋山さん。 ○秋山委員 やはりこの、私たちがこれだけ議論しているこの条例が、どこを目指しているのかとすると、やはり障害のある人もない人も当たり前に、ともに生きられる社会というところを目指している中で、努力義務というのは、先ほどアンケートの中で、事前ヒアリングで全員が、事業者が反対していたようなおっしゃり方をされましたが、アンケートを見ると、事業者が賛成しているケースもあるというふうには、私は思っています。  努力義務というのは、いつまでも事業者側の善意、好意に頼っているという形での合理的配慮の範疇を超えない、努力義務でいる限りは、それが事業者側のやるかやらないかの好意によっての判断での範疇なので、そこに本来は差別が生じている、障害のある人が、障害のない人と同じ立場や権利に立てていない状況があって、それを合理的配慮という形で、何とか同じ権利を選べるようにするというのが、本来の形なので、それを事業者側の好意、善意、考え方でどうにかするとしているこれまでのやり方は、やはりそれでは全く変わっていかない。  そこにやはり、もちろん事業者が感じている不安や恐れというところは、きちっと考慮して、この条例の中でそれをきちっと担保した上で、やはり義務化していく必要が、私はあるというふうに思っています。 ○川内部会長 ありがとうございます。  先ほど申し上げたように、この義務化についてはもう一定の議論が出ているというふうに思いますので、先ほど私がご提案したところでご理解いただければというふうに思います。  もちろん、この後パブリックコメントというのがありますので、そこではまたいろいろな意見が出てくるだろうと思います。そのことも見ながらということになるだろうと思います。 ○池原副部会長 副部会長の池原ですけれども、もう一つ別の論点をちょっと申し上げておきたいんですけれども、資料3−3の「定義」の中で、これ、法制定のときにも、解消法の制定のときにも議論になったところですが、間接差別とか関連差別とか、いろんな差別形態というのが含められるのかどうかという議論なんですね。  差別解消法自体は別に、直接差別に限定するとはどこにも書いていないんですけれども、障害を理由とする差別という規定の仕方が、まあまあ理由とするんだから、はっきりあんたが障害があるから差別、区別しているんだよというイメージに読み取られやすいので、とりあえず直接差別を禁止しているのではないかという見解が多いわけですけれども、ご承知のように、障害者権利条約はあらゆる形態の差別を禁止するというふうにしているので、本来は条例よりも下の規範というか、条約に従わなければいけない法律とか条例というのが、条約よりも差別禁止の範囲を狭めていいということにはならないわけですよね。  だから、正しく考えるとすれば、間接差別とか関連差別とか、まあその名前の呼び方はともかくとして、あらゆる形態の差別がこの条例でも禁止される対象になるというふうにすべきだというふうに私は思っているんですね。それはだけれども、「関連差別」とか「間接差別」という言葉を使う必要はなくて、例えば「障害に基づくあらゆる形態の差別」というふうに言えばそれで、規定としては済む話だと思います。  このペーパーのほうでは、まあそういうふうにしてしまうと、随所に萎縮的効果が出ちゃうんじゃないかということが指摘されていて、余り厳しくしちゃうと萎縮して、かえってうまく共生社会でみんな仲よくすることできなくなっちゃうからという懸念が示されているんですが、この辺はもうちょっと実証的に考える必要があるというふうに思っているんですね。というのは、障害者差別解消法が制定されて1年経過したところで何が変わりましたかというアンケートをとってみたら、ほとんど変わっていませんというのが、まあ東京新聞とか幾つかの新聞で公表されていて、つまり幸か不幸か、法はそれほど萎縮的な効果を持つほどの作用を持っていなかったということですよね。  それからもう一つは、条例はいろんなところでも先行事例があって、先ほど、この手元のピンクのファイルにはとじられていないんですけれども、例えば長崎県の差別禁止条例では、障害に関連した理由によって差別することも禁止するというふうに、禁止の範囲を広げているというか、はっきり広げているわけです。あるいは、この資料の中に出ている栃木県条例というのもすごく詳しく差別の類型を書いているんですね。じゃ、果たしてそういう条例をつくった地域で、萎縮的効果が発生して、共生社会の実現がむしろ逆行する方向に行っただろうかということは調査可能な話なので、多分そうなっていないと私は思いますけれども。だから余りここで厳しくし過ぎると萎縮しちゃってうまくいかないから、優しくしておきましょうという配慮が、どっちかというと必要ない、杞憂ではないかと思うんですね。だとすれば、権利条約に従った、漏れのない差別禁止をすることが正当だと私は思います。 ○川内部会長 ありがとうございます。  具体的に言うと資料3−4の構成概要の考え方で、例えば1の「目的」の2つ目の丸で、「障害を理由とする差別を解消し、共生社会の実現に寄与することを目的とする」というのがありますが、ここが今の池原さんのご意見だと、「障害を理由とするあらゆる種類の差別を解消し」というようなことにすべきだということですか。 ○池原副部会長 これは、もともと「障害を理由とする」という表現がどこから出てきたかというと、権利条約は「on the basis of」だと思いますけれども、だからいろんな、「on the basis of」って「base」というのは「基礎」とか「理由」とかっていろんな訳し方があるので、その中で「理由とする」という解釈に基づいてこれ、書いてあるわけですけれども、ただ、日本語的には「理由とする」ということは何か、意識的に頭の中で、こういうことを理由にして差別しているんだというイメージにとられやすいので、日本語の表現としては「基づく」というほうが、要するに「障害に基づくあらゆる形態の差別」というふうな表現、規定ぶりにすれば、一番権利条約に近いものになるかなというふうに私は思います。 ○川内部会長 じゃ、関哉さん。 ○関哉委員 別の論点になって恐縮ですが、構成概要資料3−4の2ページの9の、「あっせんの求めについて」ですが、これまで余り議論されていないところなので、あえて問題提起なんですが、「あっせんの求めについて」は、「広域支援相談員が対応しても解決が見込めない事案について」というふうに、広域支援相談員への相談が前提にあって、その次にあっせんという2段階の構えになっていますけれども、事前意見で申し上げたんですが、そもそも広域支援相談員は地域性が強い場合が多いので、利害関係があってなかなか相談ができない事案とか、迅速性の観点、あるいは事案の性格上、あえてあっせん申し立てをするのが望ましい事案というのもあると思います。ですので、あっせん、勧告、公表という段階が設けられるのはいいと思うんですけれども、広域支援相談員への相談とあっせん申し立ては、並列的に、選択的に設けたほうが望ましいんではないかと思っています。  もう一点なんですが、4ページの13「交流の推進」で、「都は、全ての都民が障害者と交流することを推進し」については、「都民が障害者と」という書き方をすると、ノーマライゼーションに反するんじゃないかという意見があったと思いますけれども、やはりそういう印象を受けられる方も多いと思いますので、「全ての都民が障害の有無にかかわらず」とか、何か表現をもう少し工夫していただけるといいのかなと思いました。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございました。  今、関哉さんのおっしゃった後者のほうについては、私のほうからこれは変えましょうということを申し上げるつもりでした。障害のある方と都民があたかも別の2つの団体であるかのように書かれるのはやはりおかしいということですね。  今、関哉さんがおっしゃったのが1つは、先ほどの広域支援相談員では余りにも近過ぎて言いづらいというようなこともあるだろうということで、ここでは広域支援相談員の相談で、その後にあっせんということになっているけれども、そうではなくて、この相談ということを必須の条件にしないほうがいいのではないかというようなご意見だったと思います。これについても余り異論はないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。ありますか。  森山さん。 ○森山委員 知成会の森山です。異論ではないです。交流の推進のところなんですが、千葉の条例で、意識調査が28年にインターネットであったんですね。29年の3月に公表されているところを見ると、「障害者と接していますか」で「よく接している」というのと「たまに接している」、合わせて52%の人、回答者の中で52%。それが「この差別解消法を知っていますか」というのが、ちょっと割合は違うんですが、その2つを足しても同じ52%ということになっていました。ですが、千葉のその条例自体を知っていますかというところで、「知っている」が今の時代でも9.8%と、非常に少ないんですね。「多少は知っていた」を合わせても37.9%というふうに考えると、やはりこの条例が、絵に描いた餅にならないように、やはりこの交流の推進」という言葉は、ちょっと先生がおっしゃったように、分け隔てをしているのを交流しましょうというような印象になるから、ちょっと私も反対ですが、理解啓発ということで、このような障害者の人たちの生きづらさとか、特徴とか、そういうところを啓発していくという、そういう2段構えになるのでしょうか。 ○川内部会長 ありがとうございます。どうも今までの議論で、啓発というのに物すごく重いものが重なってきているかなという感じがします。  越智さん。 ○越智委員 都聴連の越智です。交流について、私なりの意見を申し上げたいと思います。  私もこのあたりはちょっと違和感を感じております。なぜ違和感があるかと申しますと、「都民が障害者と」といったところ。上から目線のような感じがいたします。都民が上、障害者が下と、そのような感じがします。やはり平等を考えますと、「都民と障害者が」というふうに変えるべきじゃないかと思います。先ほどご意見のありました「全ての都民」というような曖昧な言い方をしますと、やはり障害者と都民が、交流の場というのが曖昧になってしまう。はっきりとする必要があると思います。  もう一つ、交流だけが接する方法ではないと思います。交流以外にもいろいろな場で、障害者と接する方法はあるのではないかと思いますので、ちょっと長くなりますけれども、「全ての都民と障害者が交流などの接点を持つ場を設けることを推進する」というような書きぶりはいかがかと思いますが。 ○川内部会長 ありがとうございます。この交流については、文言についてちょっと事務局と精査したいと思いますので、少し預からせてください。  それで、実は時間がもう来ていまして、例えば先ほどの池原さんの、障害を理由にする差別というところに「あらゆる形態」というのが入るのか入らないかとか、そういうのというのは、きょうも実は、ずっと生煮えなんですけれども、これ、パブリックコメント出すときに、これ1つの思案ですけれども、例えば1の2つ目の丸の「障害を理由とする差別を解消し」という文言に対して、括弧でもして、部会ではこういう意見もあったというような、まだ結論を見ていないものについて、そのようなことも並列して、併記してパブコメに出すということは無理ですか。 ○高原部長 こういうパブコメをしなければならないというルールは特段にはないので、ちょっとその辺の工夫ができるかどうかは検討してみたいと思います。 ○川内部会長 皆さん非常に、というんですか、論点が多岐にわたって、しかも時間がないということで、まあ皆さんもたくさんの文章を事務局に提出されていると思いますし、これからもパブコメのチャンスというのはあるわけですけれども、そのように煮詰まっていないところは煮詰まっていないというような形で出すのも1つの考えかなというふうに、きょうの議論を聞いていて思いました。  その中で、私がちょっと皆さんに確認しておきたいのは、ちょっと時間が延びて申しわけないんですが、3−4の8番と9番で、先ほどの事務局の説明でもあったんですが、「その他の関係者」というのを「法定代理人」というふうにはっきり狭めるということについて、皆さんはどうお考えかということをちょっとお聞きしたい。「その他の関係者」では何でもありじゃないかということがあって、ただ法定代理人というのについては、まあいろいろとあるので、あるのでという言い方もあれですが。こんなに狭めていいのかという気持ちもあるんですね。これをどう、皆さんお考えかというのをちょっとお聞きしたい。  秋山さん。 ○秋山委員 まず、相談は広く誰からも相談を、正直言えば受けられる形をとるぐらいの広い、つまり誰が対象じゃないと、この人の相談は受けるよとか、受けないよではなくて。その中で、基本的にはもちろん、最終的には本人、差別を受けた本人に聞き取りが必要になってくるわけですから、例えばこういう場合を見たけれども、これって差別なんじゃないですかというところとかの問い合わせも含めた、つまり第三者的な人からの相談も含めたというところを、それをどう、その後どう解決していくかはまた違ってくると思うんですけれども、相談を受け付けるのを限定しないというのは必要かというふうに思っています。 ○川内部会長 間口は広く、だけれども、具体的な相談業務に入っていけば当然絞られてくるだろうというお考えですね。  ほかにありませんか。  佐々木さん。 ○佐々木委員 やはり窓口、絞られると困るのは私……都盲協の佐々木です。視覚障害者は、自分が差別をされているか、例えば入れるところを閉じられて入れなくされている、まあ例えばの話ですけれども。そういうの、見えないとわからないんですよね。ですから、当事者ではわからないように差別をされるということもあるので、それを当事者に言って、当事者がするということもありましょうけれども、同行を、視覚障害者の同行者もそういう差別を、何というのか、障害者差別だけではなくて、合理的配慮がなされなかったことについて、同行者が求めることができるような形にしていくように、幅広くしていただかないと、ちょっと視覚障害者は困るなと思っております。 ○川内部会長 障害特性の上からも、間口を広げたほうがいいのではないかというご意見。これは多分、知的障害とか、ほかの発達障害の方、本人にその自覚がなかなか得られにくいというような障害種別の方も、そういう意見があるんだろうというふうに思いますね。  ということで、法定代理人に絞るということはちょっと慎重に考えようということでよろしいですか。  ほかに、時間がない中で、時間延びて申しわけないですが、3−4が最終的に出ていくものですから、ここでこれのことについてはちょっと最後申し上げたいというものがあれば、ご意見をいただきたいんですが。  秋山さん。 ○秋山委員 自立生活センター日野の秋山です。1つがタイトル、条例の名称なんですが、「障害者への理解促進」という、何か一方的に「障害者への理解」という言葉が、少しこの条例の目指しているところにはちょっとそぐわないんではないかと。もちろん、障害がある人に理解の促進が必要ということは理解できていますが、これが条例のタイトルになることは、少し違うのではないかと思っています。例えば、共生社会を実現していくことを目指しているわけですから、例えばそういう形で盛り込むとかという形で、少しこの言葉を変えてほしいことと。  もう一つは、この条例、今回も議論がまだ、多分まだまだ本来ならたくさん必要になってくるところですが、今まだこの部分での条例を目指していて、この条例の中にきちっと見直し規定、例えば3年後にきちっと見直しをしていく。その過程では、障害当事者が入っていくという、この条例の案の中に、きちっとした見直し規定を入れてほしいというふうに思っています。 ○川内部会長 ありがとうございました。見直し規定については、どこかの資料にあったと思います、この3−4には載っていないようですけれども。事務局と検討して、見直し規定については重要なことですので、入れるように考えたいと思います。  それから、先ほどのタイトルですね。ただ、今の秋山さんの案だと、もともとが障害者差別解消法の下にぶら下がる条例として、「障害者」というのを抜くと、「共生社会」ということになったら何でもありというか、守備範囲ぐっと広がりますけれども、かえってこの条例の目的がぼんやりしませんか。 ○秋山委員 そうですね、だとすると、ただ、この「障害者への」という、何か一方的なというか、その部分を少し検討していただけたらと思います。 ○川内部会長 わかりました。「障害者」という言葉が問題なのではなくて、この「障害者」という言葉の扱い方にちょっと違和感があるということですね。了解しました。  ほかにありませんか。  橋本さん。 ○橋本委員 14番の事業者による取り組みなんですけれども、事業所の義務とするなら、一番下の施策のほうをする、ここ、ちょっと変更が必要ではないのかなというふうに。 ○川内部会長 「よう努めるものとする。」というのは、事業者に対しては「講ずる」というふうに、都としてきちんと約束したほうがいいと。 ○橋本委員 はい。ちょっとそこが、文字的にはちょっとおかしいんではないかなと思います。 ○川内部会長 これ、いかがでしょうか。都の義務として、先ほどから事業者に対しての誤解をなくすというのは非常に重要なことであるし、事業者がどうしていいかわからないといったところに、ここの14番だと「技術的助言」とかというのもあるので。まあ事業者としては非常に、今の橋本さんの提案は妥当なところだろうというふうに思いますが、ほかの方、いかがでしょうか。  何となく、「努めるものとする」というのはもっとはっきりさせようと、「講ずる」というようなことでもいいのではないかということで、皆さんの同意があるような感じがします。  ほかにありませんか。  宮澤さん。 ○宮澤委員 都身連の宮澤です。資料の3−4ですが、先ほどちょっと言い忘れたものですから。7番です。「都及び事業者は」、丸ですけれども、「不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。」とありますけれども、これ我々、ちょっと団体としては、ここに「何人も」と、「都及び事業者」だけではなくて、何人も障害者の権利を侵害してはならないということを、少し大きく間口を広げてやって考えております。  それはなぜかというと、「何人も」ということで入ることによって、差別禁止を免除されるような立場の人をつくらないということで、例外をつくらない、つくらせないということが大事なのかなと思っています。これはいかがでしょうか。 ○川内部会長 これは、差別解消法そのものが、事業者と都とかの公的機関でしたっけ、に対しての努力義務と、それから差別的取扱いの禁止ということがあるので、今の宮澤さんのは、その差別解消法の枠組み自体を逸脱させろということですか。 ○宮澤委員 いや、ここの7番ですかね。 ○川内部会長 7番って、これはあれですよ。合理的配慮の提供の義務の話ですから。つまり、「何人も合理的配慮を提供しなさい」ということですか。 ○宮澤委員 すみません、資料3−4ですね。そこの……ごめんなさい。たたき台ですね。たたき台の中のほうの、すみません、6番ですね。3−1のところの6番で…… ○川内部会長 ごめんなさい、資料3−1ですか。 ○宮澤委員 はい、すみません。間違えました。たたき台に対する事前提出意見の中で、6番の「障害を理由とする差別の禁止」というふうになりまして、これはいいんですけれども、「都及び事業者」はということで、ここを「何人も」という言葉に変えたほうがいいんではないかと。  要するに、東京都のこれ条例ですが、東京都の事業者、あるいは都民全て、何人もということにしたほうが、都民及び事業者以外にいるのかというとちょっとわかりませんけれども、ちょっともうちょっと広くしたほうが、この効力は権利利益を侵害してはならないという、少し大きくなるんではないかと。 ○川内部会長 これ、でも6番は、これは差別的禁止の取扱いの禁止と合理的配慮の提供義務という、先ほどの差別解消法の枠組みの中での規定ですよね。ですからちょっと時間もないので、あと、放課後にやりましょう、宮澤さん。  ということですみません、お時間が来てしまいましたので。  じゃ、高原さん。 ○高原部長 すみません、パブリックコメントについてなんですが、先ほど部会長のほうから、出し方については工夫をされたいということで、その点について考慮するというふうに申し上げましたけれども、ただ、そういう中で曖昧な出し方もあるんではないかということですけれども、申しわけないですけれども、やはりパブリックコメント、都民に対してこういうふうにしますということを示した上でご意見をいただくものなので、AかBかわかりませんが、というような出し方はちょっとできないので、議論の経過だとか、そういった部分についてはあわせて出したりするというような、そこで出た意見だとかも含めて、そういうところは工夫はできますけれども、案というレベルでは、申しわけないですが、そこは都としての考え方を示すという出し方になろうかというふうに思います。 ○川内部会長 では、まあ煮詰まっていないものについて、今のおっしゃっている議論の経緯とか、そういうようなものがもしもあらわせるものであれば、それも含めてのパブコメと、それも附属資料として出していただければというふうに思います。  ということで、最後は例によってというか、駆け足になってしまいましたけれども、一応事務局のほうにお返ししたいと思います。 ○島倉課長 本日、貴重なご意見ありがとうございました。いただきましたご意見、今後参考にさせていただきたいと思います。  今後の部会の日程については資料4でございますが、最終となる次回の第9回部会は、パブリックコメント実施後の2月下旬から3月上旬ということで予定しております。開催場所等の詳細につきましては、またご案内いたしますのでよろしくお願いいたします。  それでは、本日の会議はこれにて終了させていただきます。  どうもありがとうございました。 午後5時14分 閉会