東京都障害者差別解消支援地域協議会 障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る検討部会(第4回) 平成29年6月30日(金) 東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課 午後5時00分 開会 ○高原部長 それでは、定刻となりましたので、まだいらしていない委員の方も若干いらっしゃいますが、おいおいいらっしゃると思いますので、ただいまから第4回の東京都障害者差別解消支援地域協議会、障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る検討部会のほうを開催させていただきます。  本日は皆様、お忙しい中ご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。障害者施策推進部長、高原でございます。  本日は、第4回目の部会開催となります。  まず、お手元に配布してございます議事資料につきまして、確認をさせていただきます。 ○下川課長 障害者施策推進部の共生社会推進担当課長の下川と申します。  本日お手元にお配りしております資料を確認させていただきます。  次第のほか、同じダブルクリップの中ですけれども、資料1、議事(1)ですが、検討部会第3回、前回における意見の概要というものが2枚ほどの資料です。その次に、資料2としまして議事(2)に関する資料が1枚、それから次、資料3として議事(3)相談・紛争解決の仕組みに関する資料が3枚ほどございます。その後、資料4、事業者ヒアリングの実施について、そして資料5、今後の検討スケジュール(予定)となっておりまして、そのほか参考資料といたしまして、参考資料ア、2枚ほどの資料です。そして、参考資料イ、これが何枚かホチキスどめになっています。そして、参考資料ウは、前回、第3回の部会の議事録でございます。  そのほか、本日予定しておりますゲストスピーカーの方々からの提供資料ということで、ゲストスピーカー提供資料@とAをそれぞれホチキスどめでご用意をしています。  それから、Aのほうで高山さん、ゲストスピーカーですけれども、高山代表からは、この黄色い冊子「Working Design Book」という冊子についてもきょうご提供していただいていますので、あわせて配布をしています。  それから、本日の資料につきましては、今回もルビ振り版の資料もあわせて机の上に置かせていただいておりますので、ご参照いただければと思います。  それから、これも前回までと同様ですが、ファイルです。緑のものと赤いものとファイルとじ込みの資料、それからイエローカードを机上に置かせていただいております。  資料の説明は以上でございます。落丁などございましたら、事務局までお声かけをお願いいたします。  資料のほうは、大丈夫でしょうか。  続きまして、議事に入らせていただく前に、本日の出欠状況についてご説明をいたします。  本日ですけれども、小池育英委員は、所用によりご欠席のご連絡をいただいております。また、秋山委員については本日ご欠席ということで、自立生活センター・日野事務局次長の藤田博文様に代理でご出席をいただいております。ありがとうございます。  そのほか、中島委員、それから小池委員、あと保坂委員につきましては、特段ご連絡をいただいておりませんので、遅れてお見えになるものと思われます。  それから、本日はゲストスピーカーということでお二人、中途失聴・難聴者協会の新谷理事長さんに後ろの席になりますけれども、来ていただいております。  もう一人、「大人のADHDストーリー」の関係でNPO法人えじそんくらぶの高山代表にもご足労いただくことになっているんですが、追ってお見えになると思います。  ご出席の確認については、以上です。  続きまして、進行上のお願いもあわせて申し上げておきたいと思います。  まずご発言される際には、どなたが発言されているのか確認ができるように、ご所属とお名前を最初にお願いをしたいと思っています。  それから、手話通訳が本日入っておりますので、ご発言の際には、少しゆっくりお話をいただければというふうに思います。本日は、ゲストスピーカーの関係で要約筆記も入っています。  また、本部会ですけれども、先ほど資料のところでお話ししましたイエローカードが皆さんのお机の上にあると思います。黄色いクリアファイルに入ったものです。こちらについては、議事の内容がわかりにくかったときなどに挙げていただくものですので、このイエローカードの掲示があった場合には、発言された方はもう一度ゆっくりわかりやすくご説明をいただければと思います。  最後ですけれども、本部会は資料、議事録、いずれも原則公開とさせていただきますので、発言に当たりましては個人情報などにご配慮ください。  また、本日は傍聴者の方もいらっしゃいますので、ご承知おきいただきますようによろしくお願いいたします。  私のほうからの説明は以上でございますので、今後の進行につきまして川内部会長にお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。 ○川内部会長 部会長の川内です。よろしくお願いします。  では、きょうは時間がないんです。いろいろな議論があります。  きょうの議事は3点あります。  1つ目は、「前回の議論の振り返り」です。それから、2つ目が前回に続いて「情報保障の推進」ということでご議論いただきたい。それから、3つ目が新しい項目ですけれども、「相談・紛争解決の仕組みについて」です。  まず、最初の「前回の議論の振り返り」について、事務局のほうからご説明をお願いします。 ○下川課長 それでは、ご説明させていただきます。  資料1をごらんください。  前回、第3回の部会の議事は3つ、「団体ヒアリングの結果について」と「前回の議論の振り返り」「情報保障の推進について」でした。  主な意見ですが、まず「団体ヒアリングの結果について」ご説明をさせていただいたところで、秋山委員のほうからでしたが、女性の障害者が受ける複合的な差別について事例を挙げてご説明をいただきました。  それから、議事の2番、「事業者の責務の内容に関して」ですが、枠に示しているのが部会のときにこちらから提示させていただいた論点です。  主な意見として、不動産、交通、宿泊施設などの分野は、生活への影響の大きさから決定的に配慮が必要なので、事業者を一くくりにせずに分類をして考える必要があるというようなご意見をいただきました。  それから、次のページにまいりますが、そのほかにも鉄道駅のエレベーターなど施設のバリアフリー化などに関するご意見が多くありました。  そこで参考までに、ここに図でお示しをしておりますけれども、障害者差別解消法とバリアフリー法との関係についてご説明をさせていただきたいと思います。  まず公共施設の整備基準については、不特定多数が利用することを前提にバリアフリー法などで定められています。この図では、下のほうに「ハードの対応」というようなことで示させていただいています。一方、その情報にかぶさっているような形で差別解消法ですが、ハードの整備などについては、「環境の整備」という規定の中に含まれていて、事業者などの一般的な責務として定められています。そして、個々の利用者さんに対する「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮の提供」に関して規定をしていますが、「合理的配慮の提供」には施設や設備の整備までは含まれていないというふうに考えています。  次に、議事の3「情報保障の推進」に関してですけれども、こちらは本日も継続して議論をしていただきます。  論点@「情報保障の推進について」は、佐々木委員と越智委員からそれぞれご発言をいただきました。  3ページです。ルビ振り版だと4ページにあると思います。その内容を少しまとめて書かせていただいています。その後の議論では、主な意見、1つ目ですが、情報保障においては、「受け手がその内容をわかるように」説明するという視点が大切とのご意見ですとか、下から2つ目ですが、手話などのコミュニケーション手段は、「障害のある人のため」だけではなく、障害のない人のために必要な支援でもあるというような意見をいただきました。  続いて、4ページ、最後のページになりますけれども、次の論点で「言語としての手話について」ということでご議論いただいております。ここでは、委員発表してくださった越智委員から、できれば独立した手話言語条例が望ましいけれども、この条例に趣旨を盛り込むことも考えられるといったご発言をいただいております。  説明については、以上でございます。 ○川内部会長 ありがとうございます。川内です。  バリアフリー法、私はそっちの専門なので、私のほうから少しご説明をしたいと思いますが、皆さんの資料1の2ページの図をごらんください。  ここにバリアフリー法と、それから障害者差別解消法の図がありますけれども、バリアフリー法というのは、基本的にはハードです。鉄やコンクリートをどうするかということを決めてあって、そこできちんと利用者が使えるようにということは言っていないので、ではきちんと使えるようにするにはどうするかというところで、もちろん、例えばスロープをつくれというのはバリアフリー法で、この角度でつくれというのは言っていますけれども、それが使えない力の弱い人がそのスロープに行ったときに、それを何とか助けて使えるようにしようというようなことはバリアフリー法では言っていないわけです。それは、差別解消法のほうの合理的配慮の提供ということになります。  しかも、バリアフリー法というのは面積の制限があって、一定の大きさのものよりも上でないと適用にならないということ、それからどんなに大きい建物でも、特に改造とか増築とか、もちろん新築もですが、そういう建築の工事が行われない場合にはバリアフリーだけをやれということは求めない法律なわけです。  ですので、いっぱい抜け道があるわけです。抜け道というか、バリアフリー法があっても、それが実際に動かない建物というのがたくさんあって、それをカバーするのが合理的配慮ということになります。  合理的配慮の場合は、建設的対話ということがとても重要になってくるので、実際にさまざまな問題が出てくるだろうと思いますけれども、そのときに差別解消法で想定しているのは両者でけんかにならないように、けんかが起きないようにうまく話し合って解決してくださいと。そのときには人の助けもあるかもしれないし、あるいはとても小さな木製のスロープをそこにかけてあげることが解決策にもなるかもわからないけれども、そういう詳しいことは何にも書いていないんです。両者の話し合いの中で決めてくださいというようなことを言っています。  ということで、バリアフリー法と差別解消法というのは、カバーする分野がちょっとずつ違っているというか、2つがうまく動かないと、きちんと使えるということにはならないというようなことになっています。  おおよそそのようなことでご理解いただければと思いますが、今の私の説明に対する質問も含めて、今事務局からご説明があった前回の議論の振り返りについて、ご意見、ご質問のある方はご発言をお願いしたいと思います。  先ほどの事務局からの説明であったように、前回いろいろな議論があった中で、単に情報発信するだけでなくて、受け手がきちんとわかるような情報発信の仕方が必要なのではないかとか、それから手話というの─まあ、ほかのものもそうですけれども、コミュニケーションの手段というのは双方にとって必要な支援であるというような視点、それから女性は特に重ねた差別を受けているんだというような視点というようなものが語られました。  それから、手話のコミュニケーション手段としての重要性、あるいは文化の継承としての重要性というようなことの越智委員からの発言がありました。  これらについて何かご質問、ご意見があれば、発言をお願いしたいと思います。  発言がないようですが……どうぞ、高見さん。 ○高見委員 東難連の高見と言います。よろしくお願いします。  今座長から説明がありましたバリアフリー法のことですが、バリアフリー法をカバーするのが差別解消法でいう合理的配慮であると言う事でした。僕は新たに認識したんですが、実際、二日前の話になりますけれども、各々事業所においてバリアフリー法に基いて取り組まれていると思うのですが、その事業者の内規で適用された場合にいろいろな問題が起きてくるような気がするんですが、例えばこの報道だと、行きは飛行機に乗れたけれども、帰ってくるときには乗れなかったという問題が出ました。あのような場面というのは、どうような解決策があるのか、両方の言い分をどのように解決されていくべきなのか、ちょっと僕にはわからないのですが、教えていただければありがたいです。 ○川内部会長 川内です。これは私が答えるんですか。ちょっとわからないです。じゃ、これは私の個人的な見解だと思ってくださいね。こちらの専門の池原さんとか関哉さんは別の考え方があるかもしれませんが。  まず差別解消法では、障害に基づく差別をしてはいけない。だから、歩けない人を飛行機に乗せないというのは、もう差別なんです。だけどバニラエアは─固有名詞を言っていいのかな、わからないけれども、あの便に車椅子を使う方がいる場合は事前に言ってくださいと言っていて、事前に言えばお断りしていると言っているんです。つまり、歩けないから断るという、これはもう差別です。だから、断っちゃいけないんです。これは差別解消法に違反しています。ただし、受け入れますよ。だけど、あなたを運ぶのは大変なので、それは過重な負担なので運ぶことはできませんということになると、これは合理的配慮の分野になってきて、これは義務ではないので、合理的配慮を提供するように努めることということに決まっているので、だから、バニラエアはそういう運ぶということについて、職員の腰痛の心配があるから運びませんでしたということを言うことはできるというのが差別解消法での枠組みになっていると思います。  今回ややこしいのは、行き道は友人の介助で行けて、帰り道はそれを認めなかったという、これは明らかに従業員が悪いのか、マニュアルが悪いのかわからないけれども、どっかその辺の内部のものに、内部での決まり事に問題があるんだろうというふうに思いますけれども、それを、ではバリアフリー法でチェックするというような仕組みはバリアフリー法にはないので、今おっしゃったように内部で決められてしまうと、こういう問題が表に出ない限り、なかなかわからないというようなことになると思います。  物すごくすっきりしないお顔をされていますけれども、どうでしょうか。 ○高見委員 やはり流れてくることというのは、それぞれの立場で当事者を批判する人もいれば、それこそ我々仲間同士だと当たり前だなというふうに思ったりもすることがあって、そういうところでいろいろ問題が起きてくるということが日常あるんです。  僕自体も、この前押上に行ったときに、町屋の地下鉄から北千住で乗りかえて押上へ行ったときに、すっと帰れたんですが、帰りになると、乗りかえるときに町屋まではこの切符では行けませんって。行くときは行けたのに、帰るときは帰れなかったりという、そういう問題が日常生活の中で多々あるので、どうやって周知をしていってもらえばいいかということが何かいつも感じることなんですけれども。 ○川内部会長 では、中島さん。 ○中島委員 私も車椅子の子供がいて、今は一緒に暮らしていないですけれども、こういう経験もいろいろしたのでわかるんですけれども、私のここにいる立場として、経済学をやっている人間から言うと、結局配慮するということは、それなりのコストをかけるということになるので、誰がどれだけコストを負担するかという話になってくるんです。これは、あけすけな話で言うとです。もちろん、それが善意に基づくものだったり、親切に基づくものだったりするものもあるんですけれども、そういうものをしていくには人手が必要だったり、設備が必要だったり、ほかの何か人のシフトを変えなきゃいけなかったりということで、要するに金がかかってくると。  では、それを誰がどれだけ負担するかという話になってくると思うんです。そのときに、恐らくさっき言われたような配慮というのは、配慮しなきゃいけないことは確かなんですけれども、その配慮を誰がするのかというときに、今回の場合だと当事者の方がかなり配慮のコストを払っちゃったみたいな感じになっていて、それが払い過ぎだったのか、もう少し航空会社がどうすべきだったか、あるいは周りのお客がどうすべきだったかと。では、それを今度料金に乗っけてくるということになれば、その料金はほかの乗客が負担する、配慮のコストは負担する。あるいはそれを税金でやるということになれば、国民が広く負担する。要は、いろいろな人が何らかの形で負担しないと、配慮というのはできないわけなんです。  それを今回、この最初のところで交通等のインフラ系というのは、かなり高レベルな配慮が必要だと僕は思うんです。だけど、ではそのコストを誰が負担するかという話になったときには、そこはある程度開かれた問題で、国民的な議論が必要なのかなという感じがします。  この間も御茶ノ水駅の話が出て、あれはとんでもないんです。だけど、あの狭さのところで、ではどうやってエスカレーターをつけるのかとか、エレベーターをつけるのかという問題があって、あれを全部やろうとしたら莫大なコストがかかってくると。あえてそれをやるかどうかというのは、それは乗客が運賃の形で負担するというやり方もあるし、いろいろな方法があるんですけれども、そこをこの条例に書き込んでいく際には、ある程度開かれた問題で、議論が必要だということは、僕はある程度必要かなと思います。  つまり、インフラ系は絶対バリアフリーにとって責務は重いんだけれども、だけど、その配慮のコストを誰が負担するかというところは少し開かれているという形にしておかないと、一方的に誰かが負担しなきゃいけないということになると、非常に不幸な結果になるような気が私はします。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。そういうことも含めて、障害のある方が社会参加する必要性、あるいは希望というものと、それから世界的なそういうものに対する考え方、そういうものも社会に理解してもらわないといけない。全体の社会の理解の中で、では、それはお金を払おうとか、負担しようというような話になっていくんだろうというふうに思います。  ということで時間が来ているんですが、何かご意見はありませんでしょうか。  では、どうぞ。 ○山下委員 青梅学園の山下です。  本当は今の件についてもあるんですけれども、別の件で、手話の話なんですけれども、この間、日本手話と日本語対応手話があるということを初めて知ったところなんですが、私は大学のときに友達が手話サークルで覚えてきた手話を覚えたんです。自分の自己紹介ぐらいはできます。それから、指文字ぐらいはできます。もう手話については、僕は日本語対応─まあ、ここのところは越智さんや何かの意見を聞かないとだめなんですけれども、今回の法律でそうなるのかどうかはわかりませんけれども、日本語対応手話のイロハ的なこと、この間配られたパンフレットぐらいのことは全都民が知っていてもいいんじゃないかな。少しぐらい、せめて自分の名前とか何歳であるとかというのを手話で表現ができる、あるいは手話で表現されたことが少しわかるというようなところというのは、この辺、合理的配慮になるのかどうかわかりませんけれども、この法律でも定められないかどうかわからないんですけれども─この条例でですね。でも、そのぐらいのことは、もう手話法ではなくても必要なんじゃないかなというふうにこの間の話を聞いていて考えました。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。今のは感想というふうに受けとめてよろしいでしょうか。 ○山下委員 そうですね。どう扱うか、よくわからないですけれども。 ○川内部会長 そのようなことも含めての─鳥取でしたか、手話言語条例というのをつくったりというような動きも出ているというところだと思います。  ほかにありませんでしょうか。 ○越智委員 東聴連の越智です。ご意見、いろいろありがとうございます。  手話の場合は言語でもありますが、大切なコミュニケーションでもあります。都民にもコミュニケーションとしての手話を覚えてもらう。それはとても重要なことだと思います。先日配ったパンフレットを使って手話の啓発をやっております。そのあたりもぜひ含めていただければと思います。  それから、また別に、今回の論点の中でB番目について少々補足をさせてください。  こちらに書いてありますが、情報保障というのは、聞こえない立場から言えば、聞こえない立場の者だけが必要ではなくて、相手、例えば病院に行った場合には、患者を診る医師の立場でも必要なわけです。必ずしも当事者だけが必要なわけではない。  五、六年前に自立支援法が始まったときに、一律10%負担という問題が起きました。私たちにとっては、コミュニケーションについては当事者だけが負担するというものではないと思っています。自己負担がないようにというふうに思い、運動を進めてきました。  全国のほとんどの自治体では負担はなしということになりましたけれども、ごく一部ですが、結局負担になってしまったという地域もございます。東京の中でも、残念ながら二、三地域、自己負担が必要なところがあります。  ぜひ見直して、自己負担はなしというふうにしていただきたいと思っております。 ○下川課長 すみません、事務局からよろしいでしょうか。  多分、今の越智さんのご発言は、資料2のほうに入っているかと思います。時間のこともございます。できれば、先に進めていただいてもよろしいでしょうか。申しわけございません。 ○川内部会長 情報保障の推進のほうに入っていますので、そちら、資料2のほうに進んでいこうと思いますけれども、この件を議論するときに現場の声というか、当事者のお話で、今越智さんは手話を主な言語とされていますけれども、もう一人、難聴の方というような方がいらっしゃって、きょうは新谷さん、東京都中途失聴・難聴者協会の新谷理事長がいらっしゃっていますので、新谷理事長からご発言をお願いしたいと思います。 ○新谷様 今ご紹介いただきました新谷です。  私は声を出していますけれども聴覚障害、いわゆる中途失聴者です。40ぐらいから聴力がずっと低下していきまして、50歳ぐらいでほとんど聞き取りが難しくなったという、いわゆる中途失聴者。聴覚障害の中には、ろう者、それから難聴者、それから中途失聴者という大きなグループがあるんですけれども、中途失聴者、もしくは難聴者の立場でちょっとお話をしたいと思います。  資料の1枚目の下のスライドですけれども、私たち中途失聴・難聴者が求める社会というのはどんなものかというと、1対1のコミュニケーションの場合には、聞こえることもあるけれども、聞こえない場合には筆談で対応してほしいということがあります。それは、意味は、誰でも、日本人であれば書くことはできる。日本語で書くことはできるということで、1対1のコミュニケーションの場合には筆談で何かサポートしてくれないかと、そういう社会が1つのイメージとしてあります。  そうしたら、1対1じゃなくて多人数、1対多数とか、それから多数対多数のコミュニケーションの場ではどういう配慮が欲しいかというと、ここに書いておりますように、全ての音声の情報を文字化してほしいと、ここが私たちのいつも訴えるところなんですけれども、とにかく全ての音声の情報になっている部分は文字化してほしいということです。  そういう社会の文化の中で私たち中途失聴・難聴者自身は、自分の聞こえをとにかく直そうと個人レベルでは非常に努力をしています。補聴器を使ったり、いろいろな治療を受けて自分の聴力を戻そうという努力を個人的には非常にやっていると。  それから、そういう聴力の回復が難しい場合は、新しいコミュニケーション手段を身につけようと。例えば、手話でコミュニケーションするとか、口形を読む、読話の能力をつけるとか、こういうコミュニケーション学習の努力も私たちはやっております。  こういう私たちの努力、それから社会のそういう文字化の環境、それと同時に本当に困ったときは、ここに書いています制度としてのコミュニケーション支援というものが背後で支える。具体的には手話通訳の準備であったり、要約筆記の準備であったり、そういう社会を私たちはイメージしております。  このイメージしている社会は、きっとここに書いていますけれども、私たち難聴者にとって住みやすい社会というのは、多分いろいろな人、全ての人の住みやすい社会につながっていくのではないかなというふうに思っております。  それで、今回の障害者差別解消法が切り開いている大きな違いというのは何かというと、1つは障害者差別を訴えることができる障害者の範囲というものが大きく見方が変わったということです。それは障害者権利条約とか障害者基本法のレベルでは早くから社会モデルということが言われて、障害者手帳にこだわらない、社会的障壁と機能障害の間に障害を見ようというような考え方はあったわけですけれども、私たちの身近な障害者福祉の世界というのは何かというと、障害者手帳を持っている人だけがそういう世界の対象なんだと。障害者というのは、要するに手帳を持っている人だということでずっと進められていました。  それで、障害者差別解消法で差別を解消してほしいというふうに言う人は、手帳を持っている必要がないということで、障害の範囲が大きく広がった。  次、2ページの上の漫画で言いますと、非常に多くの人が障害者差別を求めることができるということになったということは非常に大きなポイントではないかなと思います。  逆に言えば、障害者差別をしてはいけない人というのは、解消法は「事業者」とか「行政機関等」という言い方をしておりますけれども、国民の責任まで広げて、全ての人が障害者に対して差別をしてはいけないんですよということを差別解消法は言い出している。それから、合理的配慮の提供というのも、事業者、行政機関等という法律の規定になっておりますけれども、実はもっと広い範囲の人が合理的配慮を提供していく。そういうことで差別を受ける側、それから差別をしてはいけない人の範囲が障害者差別解消法で大きく広がっているということが大事な点ではないかなと思います。  その下のこの図は、先ほど私は中途失聴者というふうに言いましたですけれども、今障害者手帳を持っている聴覚障害者の数というのは、わずか45万人です。それで、聞こえの困難を自覚している人。まあ、いろいろな調査がありますけれども、600万人ぐらいの人が聞こえに困っているだろうと。もっと聞こえの障害を自覚していない高齢者の方まで含めれば、1,000万のオーダーは超えるだろうというふうに考えられています。  障害者差別解消法の対象とする聴覚障害者というのは、45万人ではなくて1,000万人を超える人が対象になるんだと、こういうことは頭の中に入れておく必要があるかなというふうに思います。  それで、次のページに移りますけれども、先ほどから繰り返し言っていますけれども、従来の私たちが受けているサービスというのは、いわゆる障害者福祉サービス。これは法律上の行政義務として、サービスを受ける人の範囲、それからサービスを提供する事業体、行政とかが具体的には障害者総合支援法という法律の中でかなり厳密に決まっている。こういう障害者に対する支援というのは、従来は福祉サービスがほとんど面倒を見てきたという流れがあると思います。  先ほど中島先生からちょっとお話がありましたけれども、合理的配慮等々という問題は、従来の福祉サービスを超えたいろいろな障害者に対する支援を一体誰が負担していくのか。それで、考え方としては、社会全部でそういうものを負担していきましょうと。従来は全部税金で面倒を見るんだという社会をイメージしていたのが、もうそうじゃないでしょうと。社会全体が障害者を支えていくんだというふうな見方を打ち出したのが障害者差別解消法ではないかなというふうに思います。  具体的には、熟さない言葉ですけれども、福祉サービスと社会サービスというふうに切り分けておりますけれども、福祉サービスは法律上の行政義務だとすれば、社会サービスというのは、あるいは合理的配慮であり、あるいは環境整備という形でこれからは提供されていくのではないかなと思います。  もう少しコミュニケーション支援のところに限定して考えますと、従来の福祉サービスの世界では、個人に対して情報保障していく、コミュニケーション支援をしていくということが非常に大きなテーマだったわけですけれども、障害者差別解消法になってくると、個人に対する支援も、福祉サービスを超えた合理的配慮という形で個人に対してコミュニケーション支援をしていく。  一方、きょうのここの場もそうですけれども、いろいろな人が集まっている場というのはコミュニケーションが行き交っているわけですけれども、こういう場に対してもコミュニケーション支援というのが必要になってくる。これは、従来は総合支援法の中では非常に不明確、個人に対する支援ということが非常に強く出ていますので、場に対するコミュニケーション支援の観点はかなり薄かったと思いますけれども、この問題は障害者差別解消法では第5条で「環境を整備する」ということがはっきり打ち出されましたので、こういう場に対する情報保障、コミュニケーション支援は、環境整備として明確な形でサポート、フォローしていく道筋がついたのではないかなと思います。  結論部分に移りますけれども、私たちの障害者を取り巻く不平等・差別を解消していく、なくすためには、まずは1つ、従来からの福祉サービスの充実整備、この問題は欠かせないと思います。  一方、全ての障害者に対する差別的な取り扱いというのは、これは絶対的に禁止なんですと。事業者、行政機関等と書いていますけれども、それ以外にも市民社会においても、障害者に対する差別というのは許されないんだということははっきり押さえておく必要があると思います。  それ以外に差別解消法が持ち出しています合理的配慮、それから環境整備、こういうものが組み合わさって障害者の差別解消、不平等待遇の是正というのは進められていくというふうに明示しています。  だけど、これの背後で支えるものは何かというと、合理的配慮の水準を決めるのも、どういうものが差別かということを決めるのも、やはり社会全体の障害、もしくは差別に対する意識のレベルがどういうところにあるのかということで決められる部分が非常に多いと思います。  障害者権利条約は第8条、一般原則に続く総則の非常に大事な規定として、社会における障害に対する理解、意識の向上、差別に対する意識の向上を明確に書いています。この意識の向上なくしては合理的配慮の水準も上がってこないということがありますので、背後ではこの問題をいろいろなところで考えていく必要があると思います。  それで、私たち障害者のイメージするインクルーシブな社会というのは、1つは、先ほどの繰り返しになりますけれども、このピラミッドの図の一番上の福祉サービス、これの充実というのは、これは必ずやっていかないといけない。それと、対極的な部分になりますけれども、私たちの日常生活、個人生活、交友関係では、そういう難しい言い方ではなくて、気配りとか配慮とかサポート、こういうものが私たちの日常生活の基盤を支えているのではないかと。  それで、実は合理的配慮とか環境整備という差別解消法が持ち出してきた考え方というのは、この福祉サービスと私たち日常生活の気配り、配慮の間にあって機能するものではないかと。こういうふうに社会のそれぞれのサービスと配慮の役割、位置というのを総合的に捉えて、私たちはインクルーシブな社会の実現にそれぞれ努力していく必要があるのではないかなと思います。  以上、私からの意見です。 ○川内部会長 新谷理事長、ありがとうございました。  引き続いて、NPO法人えじそんくらぶの高山代表にお願いしたいと思います。 ○高山様 NPO法人えじそんくらぶ代表の高山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  私自身、発達障害の中のADHD、注意欠陥多動性障害を持っている当事者でございます。  こちらに「大人のADHDストーリー」というゲストスピーカー提出資料Aというところで、えじそんくらぶのホームページでダウンロードできるものを提出させていただきました。  ADHDのほかに、発達障害は自閉症スペクトラム、そして学習障害などがあります。詳しいところの分類と内容に関しては、参考資料の中の45ページと46ページ、47ページのところに詳しく書いていただいています。  今まで発達障害というのは障害の区分に入っていなく、多くの場合、当事者の努力が足らない、もしくは親のしつけが悪いということで大変苦労をしていました。欧米に比べて、支援のところが30年ぐらいおくれているということはずっと言われてきたところです。  この「大人のADHDストーリー」の13ページのところに、皆さんもご存じのWHOのICF(国際生活機能分類)の障害のモデルが書かれています。  身体機能、身体構造のところでは、発達障害の人たちは一見軽い障害のように思われるわけですけれども、環境因子のところで認知度が低いということがあり、専門家でさえ、例えば小児科医とかドクターの中でも発達障害の特徴をよくご存じのない方がいらっしゃり、ドクターがそうですから、医療従事者、看護師さんとか薬剤師さんとかいろいろありますけれども、まず保健師さんがなかなかご存じないということがあったりします。  このWHOのICFのモデルの環境因子の中に「専門家の態度」という項目が入っているわけで、専門家の態度で、「あなた、お母さんのしつけが悪いからこのような状態になっていますよ」みたいに言われてお母様のほうが鬱になるとか、そういう状況があったりするわけです。  それで、健康状態というのは身体機能、身体構造だけで決まるということではなく、活動に制限、参加に制約がある、そういうところをトータルで見るということがあると思います。  いろいろな点で一般の人たちと同じことができないというところで不登校になったりして、そこから鬱になったり、あとほかの障害と全く同じだと思いますけれども、差別ということでいじめ、これが本当に一番の問題ではないかなというふうに思います。  何か基本的な障害が一時的にあったとしても、活動に制限、参加に制約が起こるということで二次的に鬱病になってしまったり、そういうことが本当に問題になってくるところであるというふうに思います。  この活動に制限、参加に制約のところでは、情報をきちんと受けられるかどうかということは大変重要なポイントになってくると思います。  そして、今回、「Working Design Book」ということで追加で配布資料を皆様に提供させていただいたんですけれども、本当に発達障害はわかりにくく、自閉症、学習障害、そしてADHDなどは、なかなかカミングアウトをするということも知的障害がない場合は少ない場合もあります。でも、非常にいろいろなことで困っていますので、それをわかりやすくつくったものがありますので、こちらをご説明させていただきたいと思います。  合併があって、1つだけの障害を持っているということもないので、新たに別のタイプで分類していますが、こんなことはありませんかということなんですが、タイプAです。耳は悪くないのですが、集中し過ぎて、1つのことに集中するということで話しかけられたことに気がつかないということがあったりします。あとは周りがうるさいと人の話に集中できないということがあったりするということなんです。それで聞こえないという状態になる場合があります。  あとタイプBのことは、いろいろやることがあって忘れてしまう。特に口頭で言われたことは忘れてしまうということがありますので、視覚的に書いていただくといいわけなんですけれども、うっかり忘れてしまうという特徴を持っている方がいます。  あとタイプCのところは、話を聞いても相手の言いたいことが、相手の意図がわからない。これが知的障害がないのにもかかわらず、そういう場合があるわけです。言葉を言葉どおりに受け取るという、これが障害の特徴になりますので、暗黙のルールがわからないとか、書いていないルールがわからない、そして本音と建て前のところでギャップが大きいと、相手の意図がわからないというようなことがあります。  これそれぞれお願いしたいことを書いてありますが、4ページ、6ページ、8ページというところに詳しく書いてあります。  4ページのところ、集中し過ぎて話が聞き取れない、雑音が気になって集中できないということで、5ページのところでこのような対応ということが書いてあるわけです。  過集中で聞こえないことがあるということなどは、本当に特徴としてご理解いただかないと、耳のほうでの聞こえないということではなく、集中し過ぎてしまって聞こえないということがあるということなので、その切りかえのところが大切であるということをご理解いただけるとありがたいなと思います。  タイプBですけれども、7ページのところ、「やることリスト」などで視覚化の情報が大変必要になってくると思います。  あとはやることが多いと優先順位がわからない。こういうことを追加で情報として提供していただければと思います。  あとは時間の概念がわからないということがあり、時間のことなども情報提供の一つとして、「あと何分ですよ」みたいな形でリマインドをお願いしたいというふうに思います。  あとタイプCで、言っていることがわからないということですけれども、ここが知的障害の方と大きく違うところは、意外とテストの点などではよかったりするんですが、一般のコミュニケーションのところがわからないということがあったりします。  そこで、省略された指示がわからない。当然だと思われることは省略されやすいので、「早くやってください」とかは何を早くするのかわからないというような、省略しないで指示を出していただくというのをお願いしたいということがあります。  あとは「こんなところでそんなことしないでください」というような「こそあど言葉」がわからないということがあります。  常識というのは人によって違うということがあると思いますが、知的障害がないんですけれども、コミュニケーションのところで具体的に指示を出していただかないとわからないところがあるので、サポートをお願いしたいと思います。  あと…… ○川内部会長 高山さん、すみません。ちょっと時間が厳しいので、この「Working Design Book」というのを見ていただくことでADHDの、特に今コミュニケーションとおっしゃっていましたけれども、社会で暮らしていく上で誤解を招きやすい点というのをまとめてくださったわけですね。 ○高山様 そうですね。ここで説明は終わりですので、ありがとうございました。 ○川内部会長 それでよろしいでしょうか。 ○高山様 はい、結構です。 ○川内部会長 すみません、せっかくの機会に時間をはしょってしまうような形で、おわびします。 ○高山様 いえ、大丈夫です。この9ページのところで終わりですから、大丈夫です。ありがとうございました。 ○川内部会長 それでは、引き続いて、資料2について事務局からご説明をお願いします。 ○下川課長 それでは、資料2についてご説明をさせていただきます。  ここでは、前回からの引き続きで「情報保障の推進について」ご議論をいただきたいと思っています。前回の議論を踏まえて、論点を4つに整理してございます。  1つ目、「事業者による情報保障の取組について」ということで、前回、ここの部分、具体的なご意見はありませんでしたので、本日改めてご意見をいただければというふうに思っております。  次に、「情報保障の手段について」ということで、情報保障には点字ですとかDAISYその他さまざまな方法がありますけれども、条例の中では多様な方法については例示にとどめて、「障害特性に応じて、障害のある人がわかるように説明する」─先ほどもちょっとお話が出かけておりましたが、「わかるように説明するということが重要」というような規定をすべきではないかというところ。  それから、次に「情報保障の必要性」ということで、これも先ほど出ていましたが、前回の議論を踏まえた、双方にとって必要だという視点。  そして、最後「言語としての手話について」ということで、改めましてこの取り組みについて都の役割とすべきかというようなことを論点で挙げております。  先ほどのお二人からの委員発表も踏まえて議論を深めていただければというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○川内部会長 ありがとうございます。とはいえ、時間がかなりオーバーしておりまして、まず最初の論点、4つありますけれども、「事業者による情報保障の取組について」ということで、事業者に期待される役割・責務を規定すべきであろうかというようなことが書いてありますけれども、事業者の取り組みで、こちらに東京商工会議所の杉崎委員と、それから東京経営者協会の山鼻委員がいらっしゃっていますので、本当に手短でお願いしたいんですが、ちょっとご意見があれば言っていただきたいと思います。 ○杉崎委員 東京商工会議所の杉崎と申します。  情報保障についてなんですが、事業者サイドの立場で感じることとして、資料1の1ページ目のところに、これは前回の議論であったかと思いますが、資料1の1ページ目の下のところに「お店等における配慮が必要になるだろう。事業者を一くくりではなく、多段階で分類していく必要がある」という記載がございます。  事業者といいましても、いろいろな規模ですとか業態がございますので、こういった事業者の実情、特に中小企業ですとか非常に規模が小さい、これは「小規模事業者」という呼び方をしているんですが、中小企業、小規模事業者の実情ですとか実態を考慮していくことが必要ではないかと思っております。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  山鼻委員。 ○山鼻委員 東京経営者協会の山鼻でございます。  杉崎さんとほぼ同じなんですけれども、事業者と言っても、一概にどのようなサービスを提供しているか、これによっても情報保障のところは違うのではないかなというふうに思っております。  資料1の2ページに例示されているように、最後の3ポツです。「同様に、事業者は、手話、筆談、点字、触覚を使った意思疎通云々」とございますけれども、先ほども先生から手話にもいろいろな種類があるというのを初めて知ったというようなこともございますので、まだ事業者のほうでは、なかなかここまで情報に関するリテラシーのほうもまだ少ないということもございます。事業者といたしましては、差別禁止というのはもちろん当然ですし、合理的配慮、そちらのほうも皆さん努力はしているんですけれども、事業者の業態、また規模、どのような仕事をしているか、また財力によっても提供できるものがかなり違うということ。また、障害者雇用促進法のところでも合理的配慮というものはやられていますけれども、こちらのほうでも従業員とよく話し合ってどのようなものを提供できるかというようなことが書いてあります。非常にそこのところで事業者は求められれば応えようとするところは、姿勢としてはかなりあるかと存じますので、一概に「責務である」というふうにやってしまうと、かなり事業者としては頑張って、今発達障害のほうでもいろいろなタイプがあるというふうなお話がありました。これでいいと思ってやっても、特に事業者ということは初対面の方への提供ということを考えますと、これでよかれと思ってやったことがあだになるということも考えられると思いますので、こちらのほうは、よく皆様でご議論いただければと存じます。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。同じことをやっても、事業者の規模によっては負担が大きくなり過ぎることもあるというようなことだろうと思います。  なお、事業者というのは、目的の営利、非営利、あるいは個人、法人というのを問わず、同種の行為、同じ行為を反復、継続する意思を持って行う者を言っているんです。つまり、個人事業者とか、1人でやっている人も含みますが、それから非営利の社会福祉法人とかNPOとかというようなところも対象になってくるというので、あらゆると言ってもいいかもしれませんが、同じような行為をずっとやっているところは事業者というふうに法律で考えられているということになります。  ということで、今のお話だと、受け入れる側の規模というのも考えた文言にしてほしいというようなことだろうと思います。  ここに4つの論点が出ています。ほかに何かつけ加えたいこととかご意見があれば、挙手を。  まず佐々木さん、その後に森山さん。 ○佐々木委員 東京都盲人福祉協会の佐々木です。  私たちは、前回のときに情報保障ということで点字、あるいは音声化、あるいは事前に資料とか、そういうことを申し上げて、ここで提案させていただいて、今事業者さんのほうからのお話も伺ったんですけれども、それで、前回私のほうからも、そこまで言っていなかったんですけれども、こういう情報保障とか合理的配慮について、事業者さんが合理的配慮するにはどうしたらいいのかということを相談するような窓口というのもぜひ必要じゃないかと思いました。  予定で伺っているのは、障害者が合理的配慮がなされなかったときについて、どこに話を持っていったらいいかとか、そういう窓口についての討議は予定されておる、次回以降あると思いますが、東京都条例の中に事業者さんがこういう場合にはどういう合理的配慮が可能だろうかということを相談するような窓口というか、そういうのを設ける必要があるんじゃないかと特に感じました。  先ほどお話に出ましたバニラエアの件でも、多分事前にどこかそういう相談する窓口があれば、あんな見苦しいことがなかったんじゃないかなと。見苦しいというのは航空会社のほうの見苦しさで、別に動きのことではありませんが。  そういうことがなかったと思いますので、ぜひ事業者さん、あるいは合理的配慮をする側の相談窓口が結構必要だなというのを、私も自分のほうに、合理的配慮をお願いする立場から言うと、事前に言ってもらえば、いろいろなことが言えるし、むしろ合理的に話ができると思います。  いろいろな合理的配慮がないということで窓口折衝から建設的な対話というもので話が大きくなってからですと、そこで初めて建設的対話の中でこういうことをやってください、あるいはこういうことができればいいというようなことになるよりも、事前に察知していただいて、合理的配慮という東京都条例が制定されれば、その辺のところに事業者さんが相談できる窓口がぜひ必要だなということを痛感いたしました。 ○川内部会長 ありがとうございます。事業者へのサポートもあるんじゃないかというお話でした。  では、森山さん。 ○森山委員 育成会の森山です。  知的障害の人は本当に個別性が高くて、どのような合理的配慮が必要かというのもさまざまだと思うんですけれども、今回情報ということで、情報が多過ぎても困るんです。知的障害の人たちは混乱します。自分の思いや考え、またはSOSを表出するというのは、とても難しいことだと思います。一方で、それをまたわかるように、何か支援をわかるように説明するということも意外に難しいんです。「障害のある人がわかるように説明することが重要」と書いてあるんですけれども、これをわかるように説明するのも意外に難しい。そして、また障害者のほうも積極的にこのことを要求する。こういう支援をしてくださいとか、こういう説明をしてくださいということを積極的に要求できる人も少ないわけです。こういったことが障害特性になるわけですが、情報提供をおくらせる1つの理由ではないかなというふうに思います。  手話とか、そういった方法が今まで議論されてきましたが、前回、コミュニケーションボードの話題も1つ出ておりました。わかりやすい文章やルビを振っていただいたり、または話し言葉による情報提供のほかに、さらにピクトグラム、絵文字ですね。こういったものを活用していただければなというふうに、1つの情報保障の提供する手段になるのかな。これはISOの国際標準化のものとか、またJIS規格のものとかあって、案内というところもインフォメーションの「i」のマークがあったり、「?」のマークがついていたり、これもちょっと多様化しているわけですけれども、こういうことを踏まえて、1つ、知的障害、または発達の方等も簡単にわかる方法、思いを伝える方法、伝えられる方法というのを考えていったら、取り入れていただければなと思いました。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  ほかにありませんでしょうか。  では、越智さん。 ○越智委員 東聴連の越智です。  情報保障だけに限らずに、さまざまな支援、法的配慮、合理的配慮をすべきだと思います。細かな配慮になってきて、盛り込んでいくと混乱する場合もあるかと思います。かといって曖昧な表現をすると、結局、支援する立場ではどうしていいかわからないと思うんです。  例えば、大きな目的を示す上で具体例を別に出していくという方法も必要なのではないかと思われます。  例えば、文字による情報保障の際にどうするのか、知的障害者の場合にはどう配慮するのか、精神障害者にはどう配慮するのか。聴覚障害者にとっても文字が苦手な人もおります。わかりやすく変えて示す必要があると思います。中途失聴・難聴者の場合には変えてほしくないという、そのままあらわしてほしいということもあります。さまざまな配慮が必要だと思います。そのあたりを具体的に説明していく必要があろうかと思います。 ○川内部会長 ありがとうございます。提供側も受け取る側も非常に多様であるというようなことが、何らかの表現が文言の中に入るということだろうと思います。  すみません、ちょっと急いで申しわけないんですけれども、次の「相談・紛争解決の仕組み」という、とても大きな問題が控えていますので、そちらに進みたいと思います。  事務局から説明をお願いします。 ○下川課長 それでは、資料3のご説明をさせていただきたいと思います。  本日と次回の2回に分けまして、「相談・紛争解決の仕組み」について検討させていただきます。すみません、「資料3」と申し上げました。その前に、参考資料のほうの説明を先にさせていただこうと思います。  まず参考資料のアをごらんください。  こちらについては、これまでの部会やヒアリングにおいて、相談・紛争解決の仕組みに関して出された意見をまとめたものです。個別の説明はちょっと割愛させていただきますが、「相談体制」のところについては資料の1ページから2ページにかけて、それからその後に「紛争解決の仕組みについて」、そして最後4ページの後半には「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮」について意見をまとめてありますので、きょうの議論の参考にしていただきたいと思います。  次に、参考資料のイをごらんください。  こちらは、他県の条例において相談・紛争解決の規定がどうなっているかをまとめたものです。  1の「相談体制に関する規定」ですけれども、多くの条例が具体的に規定をしています。例えば、埼玉県では広域専門相談員というような規定をしているのを1ページの下段に書いています。  それから3ページ、(4)のところでは、専門の相談機関がどのような対象範囲を相談を受けているかというようなところもまとめています。  「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」というところを相談対象にしているところが多いんですけれども、(5)のところに書いてあります「具体例」、大阪府ですけれども、この例だと、事業者による差別等について障害者等と事業者の双方から相談を受けるというようなことを規定しておりまして、4ページのほうでは相談員の職務についても具体的に規定をしています。  次に、紛争解決についてですが4ページ、ルビ振り版だと5ページになりますが、ごらんいただきたいと思います。  他県条例では第三者機関の規定を設けているところが多いということになっています。例えば、具体例は愛知県ですけれども、障害者等が知事に対して解決のために必要な助言やあっせんを求めることができるというようなことで、そのための機関を設けているというような状況です。  次に、5ページになります。ルビ振り版だと6ページですが、紛争解決の手段としてどのようなものを規定しているかというところでは、「助言・あっせん・勧告」に加えて、それに従わない場合の「公表」というような規定を設けているところもあります。  6ページ、ルビ振り版では7ページ、Aですけれども、大阪府の事例をちょっとご紹介すると、広域支援相談員が対応しても解決が見込めない場合にあっせんの求めができるというふうにして、その内容、勧告から公表まで結構細かく規定がされています。  なお、公表ということに関しては、この部会においても懲罰的なものではなくて、むしろ、紛争が解決した事例を公表して合理的配慮についての情報を共有することが大切だというようなご意見もいただいていますので、このあたりについても検討をお願いできればというふうに思います。  それから8ページ、ルビ振り版の9ページでは、紛争解決の第三者機関でどういったところを対象にするかというようなところもまとめています。  例えば、何人による「不当な差別的取扱い」ですとか、「合理的配慮の不提供」を対象としている条例も多いんですけれども、事業者によるものだけに限定しているところや「不当な差別的取扱い」に限定をしているという条例もあります。  それから、次に9ページ、ルビ振り版の10ページには「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の提供」の当事者というんですか、主体をどこまで、どういうふうに制定するかというところでまとめていますが、これで(2)のところの表を見ていただくと、例えば埼玉県については「不当な差別的取扱いの禁止」を「何人も」というふうに規定、@に入っているわけですが、8ページへ戻りますが、「紛争解決の対象範囲」というところを見ると、実は埼玉県は上から2つ目で、事業者による「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」のみを対象としています。  同様に栃木県でもそういったずれといいますか、が見られまして、9ページの(3)の表を見ますと、「合理的配慮の提供」について「県民の義務」というふうな規定がありますけれども、紛争解決については、事業者による「不当な差別的取扱い」のみを対象としています。  こういったところで紛争解決の仕組みに入っていない県民等の義務については、一般的、宣言的な義務規定として条例で規定をしているというふうに解釈ができるのかなというふうに思います。  改めまして、資料3をごらんいただければと思います。  こういった状況も踏まえまして、今回、相談・紛争解決の仕組みについて論点を設定させていただいています。  論点@は「相談体制について」ということで、法は、新たな機関は設置せずに、既存の相談機関の活用・充実をという考え方ですけれども、今までの議論で相談機関の必要性ということが出ていることを踏まえまして、論点を3つに整理させていただいております。  1番目はちょっと割愛しますが、2番目、「既存の相談窓口や区市町村との役割分担について」ということで、専門相談機関を設ける場合に、各分野の既存の相談窓口や身近な区市町村との役割分担をどう考えるかということ、それから3つ目は専門の相談機関の役割ですとか受け付ける相談の内容や対象者の範囲をどういうふうに考えるのかというようなところでご議論をいただければと思います。  それから、次のページですけれども、論点のAは紛争解決のところでございます。  専門相談機関における対応を経ても、なお解決が望めない場合、困難な場合に、本件において規定すべき紛争解決の仕組みについて、3点に整理をしています。  1つは第三者機関の設置をするべきかどうかというところ、それから2つ目は第三者機関の設置をする場合の機能について対象とする事案の範囲ですとか、対象、紛争解決を図るための第三者機関が持つべき機能、権限をどうするかというようなところです。  そして、「区市町村との役割分担」というところでは、特に既に条例を持っていて、もしくはこれから条例を制定するということで紛争解決の仕組みが明確化されている区市町村との役割をどうするかというようなことが論点になるかと思っています。  3ページをごらんいただきますと、イメージ図のようなものがあります。こちらについては現時点で相談・紛争解決の流れということでイメージをしたものをつくってみています。  左側が東京都、右側が区市町村で、それぞれ上から下に事案が流れていくイメージです。  相談者は地元の区市町村、もしくは場合によっては東京都ということで、どちらかに相談をします。  また、相談機関のところで横の矢印が入っていますけれども、区市町村から東京都に困難事例のご相談があったり、東京都から助言などをしたり連携をしながら対応していくというようなイメージです。  その相談機関で対応が難しいものについては、下に流れますけれども、東京都の相談機関で難しいものが都の第三機関のほうに流れていくイメージですが、ここでは相談をしている障害者などがあっせんの求めを行うというようなイメージを想定しています。  その第三者機関が入ることであっせん、勧告というような流れになっていますけれども、公表というところまで行くのかどうかというようなところも、本日ご議論をいただきたいというふうに思っています。  次に、5ページをお開きください。ルビ振り版では6ページです。  論点のBは、「不当な差別的取扱いの禁止」及び「合理的配慮の提供」について、その範囲についてということになります。  論点の下の表が法律での規定を図示したものですけれども、黒く反転しているところが条例の中での適用範囲をご検討いただきたい部分です。論点のところに記載の文字とも重なりますけれども、事業者による「合理的配慮の提供」を努力義務にするのかどうするのかというところ。それから一般私人の規定については、法律上は特段の明確な規定がありませんけれども、条例上はどういうふうにしていくのかというところです。  この部分は法律で「環境の整備」が規定されている部分と同様に一般的な努力義務として規定をするという考え方もあると思いますので、そのあたりも含めましてご議論をいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。 ○川内部会長 ありがとうございます。  論点が幾つかありますので、まず絞っていきたいと思います。  論点@の「相談体制」、3つ論点があります。「専門相談機関の必要性」、それから「既存の相談機関や区市町村との役割分担」、それから「専門相談機関の機能について」ということがありますが、これについてご意見、ご質問のある方は挙手をお願いします。  佐々木さん。 ○佐々木委員 これは質問です。先ほどの下川課長の説明の中で、流れでわからなかったところがあったんで質問です。  都の第三機関のほうという、その部分のところがちょっと。第三機関というのは専門相談機関から離れてどこか別のところに相談を流すという意味ですか。ちょっと図がわからないものですから、それを聞きたかったんですけれども。 ○川内部会長 第三者とは何かということだと思います。 ○下川課長 すみません、ちょっと説明を焦って急いでしまったので申しわけありませんでした。  第三者機関というのは、まずは相談窓口を設けるという前提で今お話をしますと、専門の相談機関で相談について調整なり、先方への確認などをします。そこでなかなか理解が得られないと、合理的配慮なり差別の改善が図られないというときに、ほかの県の条例では「調整委員会」というような呼び方をしているところが多いようですけれども、相談窓口とは別の第三者機関、別の機関を会議体のようなものを設けて、そこにあっせんの求めなどを相談者のほうから持ち込んでいただいて、そこで改めて第三者の立場で事業者に対するあっせんですとか、助言ですとかしていただいて、それでもだめな場合には、この条例に基づく勧告というような形で、ある意味強制力を持つような取り組みをしていくというような、そのための機関を「第三者機関」というふうに呼んでいます。よろしいでしょうか。 ○佐々木委員 そうすると、第三者機関を通すということは、あっせんとかの効力を高めるという効果を考えていらして第三者機関に流すということですか。 ○下川課長 そうです。 ○佐々木委員 わかりました。どうもありがとうございます。 ○川内部会長 佐々木さんには見えないんですけれども、この図では、「都の相談機関」で「相談機関による調整を経てもなお解決が図られない場合」に「都の第三者機関」にあっせんを求めるという形になっているので、まさに今佐々木さんがおっしゃったような、あっせんの効力を高めるというような目的で考えられています。 ○佐々木委員 わかりました。 ○川内部会長 ということで、論点@の最初の丸です。「専門相談機関の必要性」について「設けるべきか」というふうなことが書いてありますが、どうも流れからすると設けるべきであるということだろうと思います。  あとは区市町村との役割分担とか、それから相談機関でどんな相談内容を受けるかと。1つ出てきたのは、事業者からの相談というようなものも出てきています。それから、当然当事者からの相談というようなものも出てきているというようなことは、今までの議論で出てきています。ほかに何かつけ加えたいこと、あるいは区市町村との役割分担について何かご意見のある方があれば。  では、橋本さん。 ○橋本委員 東京都育成会のゆうあい会の橋本です。  私たちの立場から言わせていただくと、私たちは新しい場所とか初めて会う方になかなかなれていかない。やっぱり会話ができないのもあります。それ以前に人になれないのもいっぱいあって、いきなりそこへ行ってお話しするなんていうのは到底難しいと思うんで、市町村にしても、東京都にお邪魔するにしても、その辺のまずは私たちの一番の理解を、こういう人間ということもわかっていただいた上でのそういう支援者をまずはつけていただいて、そして自分たちが何を言いたいのかということを支援者がまずはご理解をいただかないと、ちょっと一歩目が入っていけないかなというのもあると思うので、その辺のことも含めて、そういう準備をまず一歩目からしていただかないと、私たちはちょっと難しいかなと思います。 ○川内部会長 ありがとうございます。  それは先ほどの発達障害なんかも同じだろうと思うんですけれども、それぞれの方の特性に対して、相談を受ける側がきちんと理解してほしいということだろうと思います。  ほかにありませんでしょうか。  どうぞ、清水さん。 ○清水委員 ありがとうございます。奥多摩町の清水と申します。  こちらにある丸の2番目の「既存の相談機関や区市町村との役割分担について」の中で、先ほど事業者団体の代表の方からもお話がございましたけれども、身近な区市町村という立場ではありますけれども、やはり自治体の規模というものも当然ありますし、なかなかこれは─まあ、相談機関を設けないということではないんですけれども、その辺のある程度の人的な資源のところもありますので、その辺のこちら側の配慮というものも必要かなというふうに考える次第でございます。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  では、どうぞ。 ○伊藤委員 精神障害者団体、都精民協の伊藤です。  障害の関係で言うと、相談支援機関というのは非常に多くあるのかなというふうに思います。それによって障害のある方、相談をされる方が逆に言うと混乱をしているんではないかなと。この問題はどこへ行って相談していったらいいんだ、どこの場所で相談をしていっていいんだかというのがわからないんではないかなというふうに思っています。  そういう中で障害が多様化している中、程度もいろいろ、さまざまな中で、身近なところで総合的に相談をできる窓口があったらいいなというふうに一番思います。各区市に総合相談窓口みたいなものを設置、そこにきちんと行けば、何でも相談をできて、その中で対応できない場合は相談員の方がきちんとほかのところと相談をし、情報を得、解決に向けるというところで、相談に行った方が総合相談窓口である程度対応してもらえるような窓口が必要ではないかなと。やはり敏速な対応と、たらい回しにしないということが大事かなというふうに思っています。  1つ、東京では基幹相談支援センターというのが都内に今20カ所ほどというふうに聞いていますが、そのようなものの総合的な相談窓口が広がって、そこの中での相談が充実していく。そこに行けば、どの障害のことも専門相談員がいて話を聞いてくれて対応してくれるというところがあったほうがいいなというふうに思っております。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。いわゆるワンストップサービスということになろうかと思いますけれども、先ほどの清水さんのご意見もありましたけれども、区市町村がそれをやるに当たっての支援ということをおっしゃったと思います。そのようなことが1つ文言の中に表現されると、表現していただきたいというようなご意見だったろうと思います。  ほかにはない……いっぱい挙がりますね。すごく時間が困っているんですけれども、まず越智さんお願いします。 ○越智委員 越智です。手短に申し上げます。  私のほうでも区市に支部協会がありまして、区市に何かありますと、次にそこで解決ができないときには私どものところに相談が来るということになっております。区市で相談を受けたとしても解決できない場合、どうしたらいいかというときには、やはり東京都として相談を受け付けるということがあります。地域で解決できないものを受けるという立場として、専門的な組織を構築していく必要があると思います。  それと別に、長期的に考えますと、相談支援の場合の支援した解決の内容の積み重ね、これが必要なのではないかと思います。その積み重ねの内容を公開していくことでさまざまな問題をさらに解決できる。その前例を見てまた対応していくと、わざわざ相談の必要もないということもあるかもしれません。相談の内容を公開していくということも改めてつけ加えて検討をお願いしたいと思います。 ○川内部会長 ありがとうございます。情報の蓄積だろうと思いますが。  藤田さん。 ○藤田様 自立生活センター・日野の藤田です。秋山から預かっている意見を発言させていただきたいと思います。  何度も出ていますけれども、区市町村だけではなくて、都にも総合相談窓口としての機能が必要ではないかという意見と、それから相談の方法もこれは事業者の情報保障の取り組みにも同様に言えるんですけれども、電話のみに限定せずに最初からファクス、メールなどもその仕組みとして、相談できる仕組みとして必要ではないかということがあります。  それから、区市町村の役割ですけれども、都に相談が来た場合には区市町村に相談機関がある場合には適宜適切に紹介をする。その際、相談者をフォローするなどの仕組みが必要かなというところ。それから、本人が望む場合には、市町村に限らず、都に直接相談することもできるといったような仕組み。  それから、専門機関の機能についてですけれども、相談窓口の役割の中で、受ける内容の、相談内容の範囲については限定すべきではないのかなというところがあります。そして、その職務に当たる人材は、都の通常業務を兼務するには少し難しいのではないかなというふうに思っております。なので、独立した機関の設置ですとか人員配置がふさわしいのかなというところです。  それから、相談員の研修についてですけれども、あらゆる相談・紛争解決に当たる人員は、その見識と知識、姿勢を培う研修を受ける必要があるかと思います。福祉の増進に熱意を持って行動できる人材育成が必要ですということで意見を預かってきております。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  ちょっと急ぐようですみませんが、次の紛争解決の仕組み……あっ、まだいらっしゃる。すみません、ではどうぞ。 ○山梨委員 すみません、簡単に。精神障害当事者の山梨です。  基本的なことに戻るんですけれども、あっせん、勧告、公表となると法律的な権限が必要だと思うんですけれども、この条例で規定しないとできないことなんでしょうか。あるいはほかで代替できるようなことなんでしょうか。  それと、区市町村で紛争解決手段で「あっせん」と書いてあるんですけれども、こういう差別解消法の条例、定めていないところも多いと思うんですけれども、そういうところではほかで何とか代替できているということでしょうか。 ○下川課長 すみません、事務局の下川です。  差別解消法のほうでは、ここに当たる権限行使というのを主務大臣がそれぞれの個別の法に応じた、法分野に応じた主務大臣が権限行使をするという仕組みがありますが、それだけですと具体的な紛争解決になかなかつながりにくいということで、今回、この条例の中でも個別に規定が必要なのではないかということで今議論をしていただいています。  ですので、あっせんですとか勧告ということは、この条例に盛り込まれれば、この条例を根拠として権限行使を行うことができるようになるという理解です。  区市町村のほうでも、まだ都内、数は少ないですけれども、条例を既に制定しているところがありますので、そういうところでは、その条例に基づいた権限行使を行うということは当然想定されていると、そういうことです。 ○山梨委員 ないところはどうする方向なんでしょうか。 ○下川課長 ないところも、相談・紛争解決の仕組みをつくるというのは法律の中で求められていますので、相談に当たって調整をしてというようなことは法律の仕組みの中で可能です。  それから、主務大臣の権限行使のところでは、法律によっては都道府県とか区市町村に権限がおろされているものもありますので、そういうものについては、例えば障害者総合支援法ですと、福祉サービス事業者の運営指導とかというものは都道府県の責務になっています。権限がおろされていますので、そこはそちらの法律によっても動くことはできるということになっています。ちょっと複雑なんですけれども。 ○山梨委員 わかりました。 ○川内部会長 ややこしいですが、可能であるということだろうと思います。  次の論点A「紛争解決の仕組み」に進みたいと思うんですけれども、まず最初に弁護士の池原さん、関哉さんにちょっとご意見をお伺いしたいと思います。ちらっと。  では、まず関哉さんから。 ○関哉委員 関哉のほうからお話しさせていただきます。  既存の条例では、相談体制から始まって、助言、またはあっせんという手続、そしてその後、勧告、あるいは公表という手続が規定されているわけですが、この「第三者機関」と書いてあるところが結局あっせん等を担うことになると思うんですが、この体制に乗っかったところで一番避けなければいけないのは、この法律、あるいは作ろうとしている条例が対話を重視して、調整というところをメーンでやっていかなきゃいけない、そんな機関になると思うので、あっせん手続に乗ったら、あっせんに至るまで、あるいは助言に至るまで何もできないという体制だけは絶対あってはいけないと思っています。せっかく相談して、調整がある程度進んでいたのに、そこからストップして、また調査が始まって、すごく時間がかかって結論が出る。こういうことは避けなければいけないと思うので、例えばですけれども、相談体制の中で広域相談員、広域専門相談員や広域支援相談員、こういった方が規定された場合は、あっせん手続に入っても、引き続き調整活動ができるようにするとか、あるいはあっせん機関内に少人数の部会みたいなものを設けて、その部会がアウトリーチをしながら並行して調整活動や適宜助言ができる、そういった体制が必要になってくるんじゃないかと。そのほうがこの法律や条例の趣旨に合致するのではないかと思います。  論点の中の「区市町村との役割分担」ということですが、条例がある区市町村、あるいはこれから条例ができる区市町村で、同じく助言、またはあっせんの機能を持たせているところがあったとしても、現状では、あっせんのための要件、手続、効果、いろいろ異なる部分がありますので、並行して区市町村と東京都ということで両方とも規定せざるを得ないんじゃないかというのが私からの意見です。 ○池原副部会長 副部会長の池原ですけれども、今関哉委員が言ったことと大体似た部分だと思うんですけれども、できれば八王子市の方がいらっしゃいますよね。ちょっと教えていただきたいというか、みんなで少し頭を整理したほうがいいかなと思うのは、いわば二段階になっているわけですよね。相談、助言という枠組みの部分と第三者機関に移るという枠組みがあって、例えば、何か私自身よくわかっていないのは、相談員の相談のところで相談、助言という、助言もできるわけですよね、調査して助言をする。第三者機関に行くと、また助言というのがもう一回ワンステップ入ってきて、助言、あっせん、勧告、公表というふうになっていくので、何かその2つの枠組みが少しオーバーラップしているのかというところが少し八王子の例を教えていただきたいなと思っていて、もうちょっと別の、かえって混乱しちゃうかもしれないんですけれども、全く逆転させた考え方からすると、むしろ、行政庁として出すべき結論を出してしまうと。例えば、相談員レベルのところで─相談員という位置づけがいいのかどうかわかりませんけれども、要するに行政庁として、いやあ、もうこの事案は勧告しますとか、こういうあっせん出しますというふうに言って、その行政庁の出した判断に不服があれば、第三者機関でどちら側も審査を求められる。例えば、勧告が出ちゃったんだけれども、この勧告は、いや、我々差別について正当な理由があるのに何で勧告されちゃうんだろうと思えば第三者機関に言って、もしかしたら逆転するかもしれないし、逆に障害のある人の側が当然勧告してもらえるだろうと思ったら、行政庁は、いや、これは正当理由がある事案なので「不当な差別的取扱い」に当たらないということで勧告を出さなかったと。勧告を出さないのはひどいじゃないかと言って第三者機関にもう一回考え直すようにしてくださいという、ある種行政不服審査的なシステムになるかもしれませんけれども、そういう枠組みのほうが、ある意味迅速に結論が、一旦は結論が出ると。その結論に不服がある人は第三者機関に、いや、不服なんですけれどもと言えるという枠組みのつくり方もあると思うんです。  今のところの枠組みのつくり方は、最初に結論はまだ出していなくて、やんわりと助言と調整をやって、そのやんわりじゃちょっとうまくいかないときは第三者機関に持っていって、助言か、あっせんか、勧告という、もっと厳しい次のステップに移りますよというやり方、2つつくり方はあり得て、どっちがいいかというのは私自身は今ちょっとわかってはいないんですけれども、1つの参考事例とすると、今申し上げたように、まずは行政庁として責任持って結論を出してしまって、もちろん、その前座でいろいろな調査だとか調整はするわけですけれども、でも、結論は出しますと。出された結論に対して不服があったら、第三者機関が再審査しますというやり方なのか。  今やっているのは、とりあえず前座は調整と助言をしますと。でも、これでうまくいかなかったら第三者機関に持っていって、もうちょっと厳しいやり方を考えてくださいという、どっちがいいのかなというのはちょっと考えていただいたほうがいいかもしれないし、八王子市でやっているのはどんなふうなのかなと教えていただければと思います。 ○川内部会長 八王子市の方は来ていらっしゃいますか。 ○下川課長 八王子の方がきょうご欠席なので、申しわけありません。 ○川内部会長 ちょっと情報を、今の池原さんの疑問に答えられる─答えられるというか、情報をちょっと集めていただけますか。次回でもご報告いただければ。 ○下川課長 わかりました。 ○川内部会長 今のようにいろいろな考え方がありますが、関哉さんは対話を重視するような方向で、相談というのを本当に重点を置いていくべきではないかというようなご意見だったろうと思います。  ほかに何かご意見はありませんでしょうか。  どうぞ、山下さん。 ○山下委員 青梅学園の山下です。  「不当な取扱い」、それと「合理的配慮」、その辺、県によって、先ほども見ましたけれども、対応が違うんだけれども、やっぱり取り扱いが違うんじゃないのかなと聞いていて思う。紛争の解決の方法についても、合理的配慮については基本的には助言とか調整とかというところで対応していくべきだし、不当な対応については、これはやはり─まあ、もちろん最初は助言をしたり調整をして、修正してもらえますかということでいけるんだと思うんですけれども、それでもなおかつ不当な取扱いをし続けることについては、先ほど池原さんのおっしゃったように、もう勧告するみたいなことってあっていいと思うんですけれども、その辺の整理というのはどういうふうになるのかなって質問を含めてなんです。部会長に質問することなのかどうかよくわからないんですけれども。 ○川内部会長 それというのは、この資料3の5ページの、もういきなり論点Bのほうにもちょっと入っていっているんですが、論点の最初の丸です。「法が努力義務としている、事業者による合理的配慮の提供について、どのように規定すべきか」。つまり、例えば、都が義務としてしまうと、今ので言うと、かなり厳しい扱いになっていくし、それから努力義務だったらばお互いにやんわりと何とか解決していきましょうというような感じになっていくしということで、この事業者の「合理的配慮の提供」というのを義務と考えるかどうかというところと連動してくるんじゃないかという感じがします。  ということで、3のほうを先に議論しないと進まないという感じになってきているんですけれども、どうでしょうか。その辺何かご意見はありますか。  義務づけというのは、なかなか厳しいものがあるだろうという感じもするんですけれども、何か皆さんの中でご意見というのがあれば出していただきたいと思います。  何か重いですね。急に重くなりましたけれども。  では、池原さん。 ○池原副部会長 多分─まあ、努力義務か法的義務かという議論は1つ置いておいて、とりあえず法的義務だというふうに考えたときには、例えば勧告を、要するにいろいろ議論を、調査とか、議論とか、あっせんとかやってきた中で、最終的にはこの場合にはこういう合理的配慮をするのが適当だろうという結論に至れば、多分こういう合理的配慮をしなさいという勧告を出すんだろうと思うんです。その勧告は、ただ、では従わなかったらどうなるかと言っても、それは多分条例レベルだと公表しますとかというレベルになるんだろうと思うんですけれども、あとはその勧告を受けた障害のある人の側が、ここまではっきり「合理的配慮をすべきだ」と言われているのにしていないので、それは結局、今度は差別をしているのと同じ結果になるので損害賠償請求をしますという裁判に進むという解決の仕方になるんじゃないかと思うんですけれども。  それは裁判に持っていったときに、そういうある自治体で一定のこういう具体的な特定の合理的配慮をすべきだという結論が出ていることは大きな判断ファクターになるので、裁判所もかなり違法だという前提で損害賠償を認める可能性は出てくるだろうと思うんですけれども。  もう一つ、法的義務と努力義務のことに関してなんですけれども、これは解消法もそう─まあ、努力義務というのを事業者はしているわけですが、ただ努力義務というと、何かすごく緩くなっちゃうような感じはするんですけれども、法的な努力義務なんです。だから、努力をしていない場合は法律違反、あるいは条例違反なので、そこは結構厳密に判断してもいい部分だとは思います。  例えば、同種同規模の事業者ができていることをしていないとすれば、それは努力していないのではないかという強い推定が働くので、ほかでできていることを何でお宅でできていないんですかという話に対して適切な弁明ができなければ、法的な努力義務違反なので、条例違反とか法律違反というふうな判断はできるだろうと思うんです。 ○川内部会長 佐々木さん。 ○佐々木委員 ただいま意見を言われたのは、どなたですか。 ○川内部会長 弁護士の池原さんが今意見を。 ○佐々木委員 では、池原さんに質問なんですけれども、裁判のことで見通しをちょっとおっしゃったので見通しで結構なんですけれども、この都条例の中で、恐らく障害者差別解消法に対して上乗せとか横出し─横出しというのかな、範囲を広げるの。横出しをもしかするとするかもしれないんですけれども、上乗せとか横出しした部分も裁判した場合、訴えた側が勝ちそうですか。 ○池原副部会長 副部会長の弁護士の池原ですけれども、解消法自体が条例での横出しとか上乗せを期待しているというか、条例にかなり期待している部分があるので、条例で横出しとか上乗せをした場合には、それは一定の法規範ですから、それに違反していれば違法だという判断は出る根拠にはなるわけです。  ただ、個別の事例で、例えば合理的配慮とか不当な差別というあたりをどう当てはめたり解釈するかというのは、その場合場合ですから、全て勝つとか負けるとかって単純には言えないですけれども、ただ、違法性の評価をするに当たって重要なファクターにはなると思います。 ○佐々木委員 都盲協の佐々木です。  その辺が別に何でも裁判に訴えればという話じゃないんですけれども、ただそういう可能性、都条例の持つ可能性について判断する材料として伺いましたので、どうもありがとうございました。 ○川内部会長 では、関哉さん。 ○関哉委員 関哉です。  事業者の合理的配慮の努力義務か義務かということについては、池原さんのほうから言われたとおりだと思うんですが、一般の市民から見れば、努力義務と義務というのは大きなイメージの違いがあると思います。そして、そもそも権利条約が事業者の合理的配慮を努力義務としているわけではなくて、むしろ義務まで求めていること、差別解消法自体も先ほど池原さんがおっしゃったように上乗せを期待しているというか、許容しているということ、多くの自治体が事業者の合理的配慮の義務化を、議論をした上で上乗せをしてきているという現状、その結果、大きな不都合があることは聞かれないこと、またおそらく合理的配慮を義務化することによって啓発が浸透化して調整も進んでいくと思いますので、ぜひここは、個人的意見ではありますが、合理的配慮の義務化については条例でぜひ上乗せしていただきたいなと思います。 ○川内部会長 差別解消法の合理的配慮─まあ、努力義務と言われていますけれども、これには2つ安全装置があります。安全装置という言い方はおかしいけれども、クッションがあります。  1つは、努力義務であるということが1つのクッションでして、もう一つのクッションは過重な負担でないということです。ですから、たとえ義務になっても過重な負担であるということであるならば、それはやらなくてもいいよということになっている。そこで1つ、既にクッションはあるということなんです。  今弁護士のお二人からご意見が出ましたけれども、ほかの方から何かご意見はありませんか。  では、越智さん。 ○越智委員 越智です。  この話し合いは次回も続くと思いますので、ちょっと確認をさせてください。事業者の範囲ということについて確認をさせてください。今話し合っているのは、直接障害者にかかわる事業者だと思うんです。窓口ですとかサービス事業者とか移送業者とか。でも、間接的にかかわる部分もあると思うんです。製造業者の場合、障害者にとって使いやすい、あるいは逆に使いにくい商品を出した場合、不当と言えるのか。法的な努力義務みたいなものを盛り込むことができるんでしょうか。 ○川内部会長 つまり、障害のある方のために使いやすいような商品を開発するように努めなくてはいけないというような規定ができるのかということですね。 ○越智委員 そうですね。 ○川内部会長 ちょっと想定以上に話が広がってきていると思いますが、とりあえずは─とりあえずはという言い方はまた誤解を招きますが、障害のある方が日常生活で接する部分での問題というところに絞って考えていただきたいなというふうに思います。  というのは、マーケットの中でそれしかないというわけではなくて、買うか買わないかというのは、相変わらずこっちの消費者のほうにあるわけなので、製造業の向こう側で使いにくい品物ばかりつくっているからだめじゃないかという言い方はちょっとできないんじゃないか。ある方には使いにくくて、ある方には使えるものばかりだと思う。そうでないと売れないわけですから。ですから、ちょっとそこは議論から除きたいと思います。 ○越智委員 わかりました。 ○川内部会長 これはさっきの義務化するかどうかというようなこと、それからその後の紛争解決の仕組みです。この図がついてきていますけれども、これについては来週も少しお話を、議論しなくちゃいけないと思いますが、きょうの段階で皆さんどうされますか。少しお持ち帰りになりますか。入り口としてというか、議論の根本として努力義務、事業者の合理的配慮の提供を義務とするかどうかというところが後の体制を決めてくるんじゃないかというところまでははっきりしました。  努力義務の場合だと、割とふんわりとしたところになりますけれども、義務になるともうちょっと厳しくいくんじゃないかというようなところまではわかってきました。なので、ではその根本となる義務にするのか、「義務」と条例で書くのかどうかということについて、ちょっと皆さんお持ち帰って、ご自身の団体なんかとも少しご相談いただければと思います。 ○中島委員 ちょっと1つ聞きたいことがある。いいですか。  さっき池原先生ですか、努力というのがほかの事業所はやっている、似たようなところがやっていてここがやっていないのは努力していないからじゃないかということでしたけれども、それって過重な負担とどこが違うのかなという。つまり、過重ではないでしょうと、ほかがやっているからということになってしまうんで、純粋に努力不足というのは法的にどう証明できるのかというのをちょっとお聞きしたいんですが。 ○池原副部会長 副部会長の池原ですけれども、やや単純な議論の仕方かもしれませんけれども、どんな事例がいいか余り浮かばないんですけれども、同種同規模の事業者でAという事業者はある合理的配慮を行っているという事実があって、全くそれとほとんど変わらないBという会社が、いや、うちではそれはできないんですとか、していないんですというときに、していないという事実、要するにそれは確かにおっしゃるように、そもそも過重な負担にも当たらないだろう、同種同規模でできているんだからということでもあるかもしれませんけれども、少なくても努力をしていないという推定が働くというふうに考えていいのではないかというふうに思っているわけです。 ○中島委員 だから、そこがはっきりしないと、この文言を入れるか入れないかがはっきりしないと思うんです。これはもう本当に条例に書くというわけだから、確かに裁判まで場合によっては行ってしまう話なんで、そこを弁護士の方にはっきりと、これが努力不足だ。しかも、それは全ての人に目に見える形でしっかりと立証できるという形にまで持っていっていかないと、この文言を入れるかどうかというのは議論できないと思います。考えてはきますけれども。 ○池原副部会長 副部会長の池原ですけれども、そういう意味で言うと、過重な負担の抗弁があるという前提のもとで努力義務化するということ自体が、ある意味で法律のつくり方としては少し変なんです。むしろ、過重な負担の抗弁がなければ努力義務化しておかないと逃げ道がなくなるわけですけれども、過重な負担の抗弁がくっついていれば、わざわざ努力義務にしなくても、それはうちの事業者としてはもう規模から考えて過重な負担になるのでできませんと言えば済む話になるので。 ○川内部会長 今の議論というのは、結局のところ、過重な負担というのがあるんだから、義務にしても、努力義務のままでも余り違わないということになるんですか。 ○池原副部会長 かえって混乱するということだと思います。 ○川内部会長 だから、クッションが2つあることがかえって混乱するということですね。 ○池原副部会長 ええ。 ○川内部会長 今のは池原さんの個人的な意見ということでとめていただければと思いますが、皆さん、ちょっと時間も来ていますので、私は授業で宿題を出すのは大好きですけれども、宿題で皆さん内部でちょっと議論をしていただければというふうに思います。  ということで、これでいいんですね。では、事務局にお渡しします。 ○下川課長 本当に活発なご議論をありがとうございました。次回も引き続き相談・紛争解決は議題になってきますので、今お話のあった事業者の部分、それからできれば都民のところもどう規定すべきかというようなあたり、ご検討いただければと思います。追加のご意見なども事務局のほうにいただければというふうに思っております。  続きまして、最後になりますけれども、事務局から事業者ヒアリングなどについてご案内をさせていただきたいと思います。  資料4をごらんください。  事業者ヒアリングですけれども、5月に障害者、当事者団体の皆さんからのヒアリングをしましたけれども、今回は事業者の皆さん方からのヒアリングをしたいということで、ここに書いてあります7月13日と14日、2日間の日程に分けて事業者のヒアリングをしたいというふうに考えています。  場所は前回と同じく東京都社会福祉保健医療研修センターということになっております。もし、ご都合がつきそうな委員の方、聞いてみたいという方がいらっしゃれば参加が可能ですので、よろしくお願いいたします。  それから、今後の部会の日程につきましては、資料5のほうにも掲載をさせていただいておりますけれども、少し間があきますが、8月21日月曜日の16時から18時までです。午後4時から6時までを予定しておりますので、また議事の詳細につきましては確定次第、ご案内をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、これで会議を終了とさせていただきますが、配布資料の中でファイリングをしてあります緑とピンクのもの、それからイエローカードについては、そのまま机の上にお残しいただきますようお願いいたします。そのほかの資料については、お持ち帰りいただいて結構です。もし、郵送をご希望の方がいらっしゃいましたら、事務局のほうまでお声をかけていただければと思います。  では、ありがとうございました。 ○川内部会長 ありがとうございました。  先ほどの宿題ですけれども、可能であるならば、団体としてのご意見がもしまとまったところは、できれば事務局のほうに文書か何かを送っていただければ、これこれこういう理由でこう考えるというようなところを出していただければと思います。無理なものは無理で結構ですけれども、出せればということでお願いします。  では、どうもありがとうございました。 ○下川課長 本日はどうもありがとうございました。 午後7時02分 閉会