東京都障害者差別解消支援地域協議会 障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る検討部会(第2回) 平成29年4月21日(金) 東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課 午後3時59分 開会 ○高原部長 皆様、お忙しいところ、ありがとうございます。では、定刻になりましたので、ただいまから第2回東京都障害者差別解消支援地域協議会、障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る検討部会を開催いたします。  若干2名ほど、委員の方、遅れていらっしゃるようですけれども、始めさせていただきます。  改めて、本日は大変お忙しい中、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。障害者施策推進部長、高原でございます。新年度を迎えまして、新たに本部会の委員に就任していただいた皆様には、誠にありがとうございます。御礼を申し上げます。  本部会は、3月7日に第1回を開催いたしまして、本日は第2回の開催となります。  まずは、お手元に配布してございます会議資料について、確認をさせていただきます。 ○下川課長 障害者施策推進部共生社会推進担当課長の下川と申します。本日もどうぞよろしくお願いいたします。本日は会議室が狭くて恐縮ですけれども、ご協力よろしくお願いいたします。  まず、本日お手元にお配りしております資料について、確認させていただきます。次第のほか、資料1−1がこの検討部会の委員名簿でございます。  資料1−2が、同じくこの検討部会の幹事の名簿でございます。  資料2が、本日の議事になってまいりますが、まず、1つ目の議事の資料として、先だって第1回の検討部会における意見の概要でございます。  そして、資料3−1が、議事(2)の資料になりますが、「都民及び事業者の理解促進 本日の検討事項」でございます。  そして、資料3−2、【参考1】と書いてありますけれども、「法及び基本方針の主な関連規定について」、それから資料3−3が、【参考2】ということで、「都民及び事業者の理解促進に関する他県条例について」という資料でございます。  続いて資料3−4が、【参考3】となっておりますが、「各種調査結果について」という資料でございます。  続きまして、資料4として、「今後の検討スケジュール」が1枚物でございます。  その後ろですけれども、別添資料1ということで、「(報道)成田空港で路線バスに乗ろうとした車いす男性、乗車拒否」という、これは川内部会長からの提供資料でございます。  それから、別添資料2−1で、「八王子市における障害者差別解消に係る取組について」という八王子市さんからの提供資料、それからもう一つ八王子市さんからの提供資料として、別添資料2−2で「八王子市における差別相談事例」があります。以上が、本日の配布資料となっております。  また、今回もルビを振りました「わかりやすい版」の資料を皆様方の机上に、あわせて配布させていただいておりますので、ご参考ください。  それから、本部会の設置根拠となります要綱、「東京都障害者差別解消支援地域協議会設置要綱」につきましては、机上の赤いファイルのほうに、参考資料6として、新たに追加してとじ込ませていただいております。なお、赤いファイルにとじてある資料の一覧については、次第の裏面に記載しておりますので、ご確認ください。  あと、もう一つ緑のファイルが机上にあると思いますが、こちらは親会である東京都障害者差別解消支援地域協議会のときにも机上に置かせていただいているもので、差別解消法ですとか、東京都が作成したハンドブック、パンフレットなどをとじ込ませていただいております。  資料の説明は以上でございます。落丁などございましたら、事務局までお声がけをいただければと思います。 ○高原部長 それでは、議事に入ります前に、今回の検討部会から新たに委員にご就任いただいた委員のご紹介、並びに本日の出欠状況等についてご説明申し上げます。 ○下川課長 それでは、まず、新たにご就任いただいた委員の皆様について、ご紹介申し上げます。  お手元の資料1−1をご覧ください。私がお名前をご紹介いたしますので、着座のままで結構ですので、一言ご挨拶いただければと思います。  まず、特定非営利活動法人東京都難病団体連絡協議会より、副理事長の高見和幸委員です。 ○高見委員 高見と申します。今回、前回出席された方の後任として、今日出席させていただきました。何もわからないことばかりですが、よろしくお願いします。 ○下川課長 続きまして、東京商工会議所より、産業政策第二部副部長の杉崎友則委員でございます。 ○杉崎委員 東京商工会議所で、労働政策を担当しております杉崎と申します。よろしくお願いいたします。 ○下川課長 特別区の課長会より、目黒区健康福祉部障害福祉課長の保坂春樹委員でございます。 ○保坂委員 4月より、目黒区障害福祉課長を拝命いたしました保坂と申します。皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○下川課長 続きまして、市の課長会より、八王子市福祉部障害者福祉課長の小池育英委員でございます。 ○小池(育)委員 4月より、八王子市福祉部障害者福祉課長に着任いたしました小池でございます。よろしくお願いいたします。 ○下川課長 続きまして、町村の課長会より、奥多摩町福祉保健課長の清水信行委員でございます。 ○清水委員 奥多摩町の福祉保健課長の清水でございます。西多摩郡の町村を代表してまいっております。よろしくお願いいたします。 ○下川課長 新たに就任いただいた委員の皆様の机上には、委嘱状を配布させていただいておりますので、ご確認をお願いいたします。  なお、本部会は、幹事として、福祉保健局及び関係局の職員が出席しております。資料1−2をご覧ください。恐れ入りますが、時間の都合上、幹事につきましては、この名簿をもってご紹介にかえさせていただきます。  次に、本日の委員出席状況でございますが、池原委員につきましては、所用によりご欠席のご連絡をいただいております。それから、越智委員と山下委員については、特段、ご連絡をいただいておりませんので、この後遅れてお見えになるものと思われます。よろしくお願いいたします。  ご紹介は以上ですけれども、改めまして、本部会の進行上のお願いを申し上げておきたいと思います。  まず、どなたが発言されているのか確認ができるように、ご発言の前に所属及びお名前をお願いいたします。本日、手話通訳も入ってございますので、そういった意味でも、お願いいたします。  また、手話通訳を行うため、ご発言の際は少しゆっくりお話しいただきたいと思っております。  また、本部会では委員の皆様の資料の中に、イエローカードをご用意しています。クリアファイルに入っていますけれども、これは、議事の内容がわかりにくかったときなどに上げていただくものです。もしも、このイエローカードの提示があった場合には、ご発言いただいた方は、いま一度、ゆっくりわかりやすくご説明いただけたらと思います。  最後に、本部会は、資料、議事録、いずれも原則公開とさせていただきますので、発言に当たりましては、個人情報保護などにご配慮をいただければと思います。また、本日は傍聴者の方もいらっしゃいますので、ご承知おきくださいますよう、あわせてお願いいたします。  それでは、今後の進行については、川内部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○川内部会長 皆さん、こんにちは。部会長、東洋大学の川内です。よろしくお願いします。  では、議事に入りたいのですけれども、議事を進める前に、1点、私からの情報提供として、別添資料1をごらんください。  これは、TBSのテレビのニュースで報道したらしいのですけれども、私はインターネットで知ったのですけれども、去年12月、成田空港で、路線バスに乗ろうとした車椅子の男性が、リフトが故障している、リフトはついていたのですけれども、故障しているという理由で、乗車を拒否されたということが起こったようです。  ところが、どうもリフトは故障していなくて、運転手は操作方法がわからなかったので、故障していると言い逃れをしたわけです。それを聞いて、サポートに回ったほかの社員も、リフトの操作方法がわからなかったので、次のバスにも乗れなかったというようなことがあったので、千葉県の条例、千葉県には日本で最初につくられた条例がありますので、それに基づいて申し立てをして、千葉県のほうからは、社員へのリフトの操作方法の研修やマニュアル策定を行うような助言が行われた。それを受けて国土交通省も、乗務員教育の改善の指導をしたというようなことです。  これは、紛争解決については、この部会でも、もうちょっと後に議論することになりますけれども、こういうふうに条例があることによって、このような差別事例が表に出てくるし、それから、それに対して解決のルートも明らかになるというところで、一つの条例の効用かなということで、ご紹介しました。  それでは、議事に入りたいと思います。  本日の議事は2点しかないのです。その分、しっかりと議論しなくてはいけないというのがありますけれども、前回の議論の振り返りとして、議事(1)として、第1回の条例検討部会における意見の概要というのが取りまとめてありますので、事務局から説明をお願いします。 ○下川課長 それでは、資料2をご覧ください。  こちらの資料は、第1回検討部会の振り返りということですけれども、3月に開催した第1回の検討部会では、今後の議論を進めるに当たり重要と考える論点など、条例全般について、また、今後の進め方についてもご意見をいただきました。その内容を項目ごとに整理したものが、この資料となっております。  まず、議事@「検討における主な論点について」に関してのご意見です。ここでは、部会において、事務局からお示しした大きな論点ごとに括弧つきの数字でまとめまして、具体の論点となる事項を白丸で分類して、その上で、議論を予定している時期などもお示しして、整理しているものです。  基本理念に関する事項につきましては、かかわる人が読み解けるようなわかりやすい理念としたいなどの意見、それから、女性や子供、貧困等との複合差別について、丁寧に検討する必要があるとの意見、それから差別解消法は、義務者、行政や事業者からの視点で書かれているけれども、障害者の側からの視点が必要というような意見、それから、東京都の条例においては「都民」という表現は少し狭いというふうに感じるというようなご意見などもいただいております。  それから、障害者の定義に関しましては、明確化したいというようなご意見が出ております。  それから、都民・事業者の責務ということで、これは、本日の検討事項になるものですけれども、合理的配慮は社会的なコストなので、社会(都民)の理解があれば、事業者の心理的コストが下がるということで、誰がどの程度コストを負担すべきかということを考えることが重要だというご意見。  それから、八王子市が先行して条例をお持ちですけれども、その取り組み事例から、当事者の役割も大切というようなご意見もいただいております。  それから、区市町村と都の連携・役割分担に関してですけれども、こちらでは、区市町村の役割も重要だという意見。それから、事業者の相談先について、都が対応できるようにしてもらいたいというようなご意見もいただいております。  そして、次に「不当な差別的取扱い」の定義・範囲というところですけれども、具体的な規定が必要だというご意見と、具体例などを示すと、それだけが差別と捉えられる危険があるという両方の意見が出ております。  それから、次に、「合理的配慮の提供」の範囲、定義ですけれども、こちらについては、一律に定めることは難しいというようなご意見ですとか、雇用促進法では、合理的配慮は、事業者についても義務規定になっておりますので、そことの整合性という観点からのご意見、それから、過重な負担の考え方を提示すべきではないかという意見、それから、合理的配慮の提供の前提となる意思の表明がしにくい障害者がいることに配慮が必要という意見などが出されております。  次に、(2)都民及び事業者の理解促進ということで、これも本日、検討事項でございます。都民・事業者の理解促進の方法や範囲に関して、事例の共有が重要とのご意見、それから、当事者と事業者の相互理解を進めていく必要がある、重要であるとのご意見、それから、理解促進の中では、公務員も対象と考えるべきとのご意見も出ておりました。  それから、次に、教育現場等における理解促進というところですけれども、これも普及啓発、理解促進ということで、本日の検討事項になると思いますが、普及啓発に関して、学校教育の取り組みが重要である。その中には、教育者への理解促進も含めるべきであるというようなご意見、それから学校教育だけではなくて、インターンやボランティアなどなど、さまざまな機会を活用していくべきとのご意見も出されております。  次に、(3)事業者による取組の推進ですけれども、こちらについては、中小企業が主体的に取り組めるような配慮などが必要だという意見、事業者支援の財政措置のお話、それから寄附なども活用して、都民や民間事業者の活用ということを検討できるとよいという意見も出ておりました。  それから、(4)情報保障の推進ということで、これは次回、第3回、第4回の検討事項ですけれども、情報保障という意味では、知的障害ですとか発達障害のある人などにわかりやすく伝えることも必要というご意見や、手話だけではなく、点訳や音訳などの情報保障も重要だという意見。それから、手話に関しては、コミュニケーションとしての手話と、言語としての手話という二面性があるということで、そうしたことを踏まえて、今後、議論していきたい、検討していきたいといったご意見も出されております。  それから、(5)相談・紛争解決の仕組みに関しましては、相談受付体制については、身近な地域、基礎自治体での取り組みが必要ということと、行政相談窓口については、事業者の相談先としての機能、事業者が相談できる機能も必要とのご意見、それから、対応に当たっては、苦情処理という視点ではなくて、サービス改善のきっかけとする視点が重要という意見、それから知的障害の方は、日ごろおつき合いのある人などに相談ができることがよいといった意見も出ておりました。  そして、実行性の確保につきましては、相談・紛争解決機関には、機動性の確保が重要であるというご意見、それから、相談結果や紛争解決結果の公表によって、皆さんが知識として共有していくことが重要だという意見、それから、罰則に関しては必要だという意見と、慎重なご意見、両方が出されている状況でございます。  その他、条例の啓発についてもご意見をいただいているところですが、こちらは地域協議会のほうで検討を進めていければ、親会のほうでの検討事項とさせていただけたらというふうに思っております。  最後に、議事A「検討の進め方」に関しては、団体ヒアリング、これは来週実施する予定で準備を今進めておりますけれども、ヒアリングの実施に関して、ある程度、論点を示して行うベきなどの意見をいただいております。こちらにつきましては、今回、お配りしているこの資料2を中心に、部会の資料を提示した上で、論点を少し整理して、ヒアリングするような形で、今、準備を進めているところでございます。  資料の説明は以上でございます。 ○川内部会長 ありがとうございます。川内です。  前回の議論では、都条例に期待することなどという、全般的な意見というのをいただいて、それを整理していただいたわけですけれども、きょうからは、条例の個々の部分についての議論が始まります。  そうはいっても、今までの経験というのをお聞きするというのが、重要かと思いますので、平成23年に条例を制定して、差別解消のための取り組みを先行して進められてきた八王子市の小池委員に、「八王子市における差別解消に係る取組」などについてご説明をお願いしたいと思います。  小池委員、お願いします。 ○小池(育)委員 八王子市福祉部障害者福祉課長の小池でございます。着座にて話をさせていただきます。失礼いたします。  すみません。私も4月から配属になりまして、きょうもこの後、市のほうに戻って別の会議が入っていますので、20分ほど先に、これを退席させていただきます。申しわけありません。  では、ご指名をいただきましたので、八王子市の取り組み等について簡単にご説明させていただきたいと思います。  この検討部会のほうの次第の一番後ろのほうに、別添資料2−1というもので、「八王子市における障害者差別解消に係る取組」という資料がございます。全部で6枚物になっています。そちらを見ていただきながら、お願いしたいと思います。  八王子市は、平成29年1月1日、ことしの1月1日現在で、56万弱の人口で、手帳の所持者数は2万4,333人でございます。内訳としては、以下3つの人数となっております。  まず、1番目として、「障害のある人もない人も共に安心して暮らせる八王子づくり条例」(通称:障害者差別禁止条例)の制定及び改正についてお話をさせていただきます。  平成16年に障害者基本法の改正がありまして、そこからずっと、18年ですとか23年にありまして、先ほどお話もありましたが、千葉県さんが自治体で初めて差別の禁止条例を施行されたということもありまして、八王子市のほうも、声が上がったのは平成22年12月に、議会のほうに条例制定に係る請願が提出されまして、会派も全会派一致で採択されたところでございます。  その後1年間かけて、時間的にはかなりタイトだったのですけれども、何とか24年4月に八王子市障害者差別禁止条例を施行することができました。当時つくったものですから、もうぼろぼろですけれども、前任者が持っていた資料を持ってきたのですけれども、最初は手探りのところもありましたので、すかすかのところもありますが、何とか一般市で先に先駆けて、当時の担当者であり、今、私の随行で来ています永松も一生懸命やってくれたところでございます。  24年10月に障害者虐待防止法が施行になりまして、その後、28年4月、障害者差別解消法の施行に伴い、八王子市も24年4月に施行した八王子市障害者差別禁止条例を改正いたしました。そのときに職員の対応要領というものも策定してあります。障害者の雇用の促進等に関する法律の改正ですとか、そういうものを受けて、市のほうも着々と今、進めているところでございます。  Aとして、制定当初の条例の規定ですが、基本理念、市の責務、市民等の責務を規定しました。ここで差別禁止というものを明記しております。あと、合理的配慮の提供を明記、市ですとか市民の方、あとは事業者とともに努力義務を掲げております。  差別事案についての相談体制を整備して、解決につながる仕組みを設けました。窓口としては、障害者福祉課及び市の委託で、相談支援事業所を5カ所設けました。差別があったときには、ここに相談に来てくださいというところで、窓口を設けてあります。  そのときに八王子市の障害者の権利擁護に関する調整委員会を設置しました。委員の構成は7名です。市長への申し立てに係る助言ですとか、あっせん等の答申です。メンバーの構成については弁護士の方、人権擁護委員の方、学識経験者の方とか、今、記載されているさまざまな方たちにお願いしてあります。  2枚目をお願いいたします。  昨年28年に、条例の改正をいたしました。その改正の理由としましては、そこに2つほど書いてあります。1番目として、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」と、市の条例の整合を図るということです。2番目は、市が条例を施行して3年以上経過した中で、検討した結果、今後も取り組むべき施策を明記し、また、これまで課題となっていた事項の見直しを図りました。  速いですか。すみません。緊張していまして、申しわけありません。  改正点については、ここから5点ほど記載してあります。  まず1番目ですが、合理的な配慮の義務化です。「障害者差別解消法」では、行政については、義務化されることから、市は、合理的な配慮をするよう努力義務から義務としました。  あわせて、市が事務をお願いしている指定管理者は、市の施設の管理運営などの事務事業をしていることから、市の外郭団体は、市と同様のレベルでの対応が求められるということで、合理的な配慮をするよう努力義務から義務としました。指定管理者は、ある種、市であるという形になりますので、努力義務から義務化したということであります。  ちなみに、委託事業者についてですが、委託業務の範囲が広大で、なかなか全てにおいて、条例で義務化することはできませんでしたので、必要に応じて契約の中で明文化するという形にしてあります。  あと、2番目です。女性や児童への配慮についてです。女性の障害者の方は、複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害のある児童には、成人とは異なる支援が必要となる場合があることから、市が差別をなくすための取り組みをするときには、障害者の性別、年齢、障害の状態に十分配慮する旨の条例を明記しました。複合的に困難な状況というのは、例えばDVだとかセクハラの関係のことです。  3つ目として、障害理解教育に関することについてです。条例施行以降の活動の中で、障害者に対する差別をなくすためには、障害及び障害者を理解することが必要であり、特に子供のころから理解を進めることが大切であると認識したことから、児童(小学生)及び生徒(中学生)の障害理解教育に教育委員会と連携して取り組む旨を条例に明記しました。差別解消法の国基本方針に準拠しております。  具体的には、小学生向けの障害理解のガイドブック及び学習指導案並びに障害理解教育に参加してくれる事業者や障害団体の方のリストを作成して、準備を進め、今年度、4月から、29年度から授業の中で活用できるようにしてあります。  先日も、八王子市の小学校長会の中で、きょう、持ってきたのですが、「みんなちがってみんないい」という小学生用のガイドブックを作成しまして、これは、八王子の小学校の4年生に毎年全員に配るようにしてあります。中身は、いろいろな障害に関する、こういういろいろなテキストというか、いろいろなものがあるのですが、小学生にわかりやすいように、障害の状態を先に書いてあります。例えば視覚障害の方については、「視覚障害」と書く前に、目が見えない、見えづらい人というものを先に、児童にわかりやすいように書いて、授業の中で使っていただけるように工夫して作成いたしました。  次に4番目です。保育の確保に関することについてです。制定当初の条例には、市の施策として「療育」と「教育」について取り組むことが規定されていましたが、同様に「保育」についても、今まで取り組んできたこと、これから取り組むべきこととして、障害のある乳児、幼児、児童について、必要な保育を確保するため、必要な措置を講ずるよう努める旨を条例に明記しました。今までもやってきたのですけれども、明記しておりませんでしたので、ここで記載を明らかにしたところでございます。  次のページです。5番目です。差別の解消のための体制強化について。制定当初の条例の規定では、差別の相談をした方が何らかの理由で取り下げたときに、差別をしたと思われる方への対応ができない、という課題があり、これを解消する必要が生じました。  また、差別解消法では、「地方公共団体は、差別相談に的確に応ずるとともに、差別に関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう必要な体制の整備を図ること」が求められ、また、そのために関係機関により構成される「障害者差別解消支援地域協議会」を組織することができるとされたことから、八王子市も「八王子市障害者の権利擁護に関する調整委員会」の体制を、次のように強化し、より差別の解消に取り組むことができるようにしました。  今まで、委員の構成は7名だったのですけれども、20名以内、現在16名ですけれども、16名に増員してあります。その中で民生委員さんですとか商工会議所さん、不動産関係の団体の方、東京都宅地建物取引業協会の方、後で、事例とかにも書いてありますけれども、アパートとかの契約の際に、不当にそういうものの扱いを受けることの事例とかを、なるべく事前に防ぐために、この不動産業界の方にも入っていただいております。あとは市の委託の相談支援事業者の3人の方とかもろもろ、八王子市の教育委員会の職員にも入っていただいています。  あと、所掌事項の拡大ですが、対象事案に係る申し立てについて調査審議に関すること、これは現行事務です。  情報の交換、協議、情報の提供、意見の表明、その他の必要な協力を求めること、差別解消支援地域協議会の事務でございます。  あと、相談者が何らかの理由で相談を取り下げた場合、その事案への対応協議及び事実調査に関すること、課題解決のための新しい事務として、このあたりの所掌事項を拡大してあります。  実際、調整委員会の開催の状況ですが、28年度については第1回が、ちょうど昨年の今ごろですか、4月20日です。委員の委嘱と説明、あと、27年度までの市内の差別相談事例の紹介とか検討をしております。あと、2回目に9月、ちょうど上半期が終わった後で、28年度上半期の市内差別相談事例の報告をしてあります。  3番目として、現在までの差別相談事例を別紙「差別相談事案」のほうで載せてあります。  3つ目です。横書きになっているものです。平成24年4月23日、相談支援事業所というところから、八王子市としては、こういうものが起きましたということを事例として載せてあります。プライベートなことですので、一部、名前と固有名詞とかは載せてありませんが、こういう状況が起きているということを、相談内容で載せてあります。  私からは以上になります。ありがとうございます。 ○川内部会長 ありがとうございました。  では、今、八王子市の取り組みのご説明をいただいたわけですけれども、質疑の時間を取りたいと思います。  何か、今の八王子市の取り組みについてご意見、ご質問のある方、ご発言をお願いします。挙手なりなんなり、意思表明をしていただければ。  では、越智さん。 ○越智委員 越智です。東京都聴覚障害者連盟の越智と申します。きょうは遅れまして、申しわけございません。  質問なのですが、委員の構成の中で、障害者団体の代表というのが、具体的にはどの障害者団体なのかを教えていただけますか。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松と申します。小池は着任して短いものですから、担当者の私のほうからお答えさせていただきたいと思います。  今のご質問は、調整委員会の委員の障害者団体の障害者のことでよろしいでしょうか。 ○越智委員 はい、そうです。 ○永松氏(随行者) 八王子市の中に、障害者団体のいろいろ複合した連絡会というのが、八王子市障害者団体連絡協議会という協議会のところから、障害当事者の方に、今、委員になっていただいております。 ○越智委員 具体的にどの団体、要するに、障害者団体名、具体的に教えてくださいますか。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  その障害者団体というのが、八障連と言われていて、八王子市障害者団体連絡協議会というところになります。 ○越智委員 そういう意味ではございません。例えば車椅子だったり、見えない方もいらっしゃったり、いろいろな障害がありますが、どの障害者の方が代表として委員になっていらっしゃいますかということです。 ○永松氏(随行者) わかりました。すみません。八王子市の永松です。  今回、今、委員になっていただいている方は、肢体不自由の方です。言語障害もあわせてお持ちの方に委員になっていただいております。 ○越智委員 お一方だけですか、障害者の当事者は? ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  そうですね。今、当事者として委員になっていただいているのは、1名ということになります。  ただ、実は今、16名の委員の方がいらっしゃるのですが、市の委託相談支援事業者の3名の方の中にも障害当事者の方、いらっしゃいます。その方も肢体不自由の方ではありますが、そういう形になっております。 ○越智委員 わかりました。 ○川内部会長 ありがとうございます。  多分、越智さんのおっしゃりたいのは、もうちょっとさまざまな障害があるのではないかと。その人たちの意見も反映されるべきではないかというようなことだろうと思います。きょう、遠慮されていますね。  では、佐々木さん、手が挙がりました。 ○佐々木委員 東盲協の佐々木と申します。  今、お聞きして、これは質問の前の話で感想なのですけれども、何か当事者がやけに少ないなと思いました、委員会に参加している方が。16名委員がいらしたのなら、せめて8人ぐらい当事者のほうがいいのではないかと思って。それは、こちらの感想です。  質問させていただきます。先ほど差別があったのではないかな。あるいは、そういう障害者が訴えるということで、相談のことで、相談事業所として、相談事業所、それを指摘されたのですけれども、これは障害者差別解消法に関する相談専門の窓口というか事業所でしょうか。というのは、私たち視覚障害者は、ガイドヘルパーなんかの時間を契約する際に、サービスと計画相談事業というのがあって、その中に計画相談事業所があるものですから、名前が似ていたので、兼ねているのか、それとも単独なのかなと思ってお聞きしたいのです。 ○川内部会長 では、八王子市のほう、お願いします。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  すみません。1点目の障害の当事者の方が少ないのではないかというご意見をいただいております。そこのところについて、補足で説明させていただきます。  調整委員会の中には、当事者の方は1名ではあるのですけれども、我々、もともと、この差別禁止条例をつくったのは、自立支援協議会というところが、もともと大もとになっておりまして、そちらと連携して、権利擁護の推進をずっと進めてきております。何か問題が、大きな問題が起こったときとか、ほかの事業者に対応が必要になったとき、団体に対して対応が必要になったときには、調整委員会を使うのですが、今までも、これからもそうなのですが、実際の権利擁護の推進については、障害者自立支援協議会も一緒に連携してまいります。  その障害者自立支援協議会の中には、聴覚障害の方、視覚障害の方、それから難病の方、それから、精神障害の方、知的障害の方、いろいろな障害の方も含んでおりまして、そこでも、その場でも差別に関しての検討などをしてまいっております。  それから、ご質問いただきました市の委託事業者、相談支援事業者については、一般的な相談支援をする事業者について、差別の相談と、あと、虐待の通報窓口にもなっていただく。プラスアルファで、そこの部分を担っていただいているというような形になっております。  以上です。 ○佐々木委員 では、サービスと計画相談の事業所とは違うのですね。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。異なります。 ○川内部会長 川内です。佐々木さん、それでよろしいですか。 ○佐々木委員 わかりました。 ○川内部会長 今、佐々木さんがおっしゃったのは、こういう組織というのは、割と国際的には、過半数が障害当事者である。つまり多数決をしたときに、障害のある方のことを決めるのに、もともとの体制として、障害のある方が主導権を握れないような委員構成というのは、そもそもおかしいという考え方があって、過半数を握っているかどうか。さまざまな障害がありますから、さまざまな障害のある方をまとめてでいいのですけれども、過半数を握っているかというのは、かなりこのような委員会をつくるときの重要な論点として、世界的には考えられているということです。  そういうことですよね、佐々木さん。 ○佐々木委員 そういう意味でお聞きしたのです。初め、半分いるのかなと思って。 ○川内部会長 では、ほかにご質問ありませんか。  山梨さん。 ○山梨委員 ありがとうございます。生活支援センターMOTAの山梨です。  教育に着目されて、小学生向けにガイドブックをつくられて、配られたというのは、非常にいいことだと思うのですけれども、ここには、授業の中で活用できるようにするとしか書かれていないのですが、具体的に、どのような形で、どの程度の頻度で授業に使うようにすると考えられているのか、その辺をご説明いただければと思います。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  小学校4年生に全員、全部で70校あるのですけれども、全体で5,000部ぐらい配布するのですが、授業での取り組み方というのは、学校にある意味、お任せというか、学校独自のスタイルだとか、今までやってきた経過だとかというのがありますので、例えばこういった授業をしてくださいというような形ではなくて、学校の中でいろいろ取り組みについては考えてくださいというようなスタンスで考えております。  なので、小学校4年生でガイドブックをお配りするのですが、学校によっては5年生で扱うかもしれないし、6年生で扱うかもしれない。それで、授業の中でも道徳で扱うかもしれないし、社会の時間で扱うかもしれないし、というところで、それは学校の特色でお任せしているところです。 ○山梨委員 頻度とか時間とかはどのくらいを考えられているのですか。 ○永松氏(随行者) そこのところも学校にお任せですね。障害者福祉課としては、例えば年何時間やってくださいとかというお願いがなかなか難しい部門になっていて、ここまでが限度だったかなというところです、実際。 ○山梨委員 なるほど。わかりました。 ○川内部会長 川内です。ありがとうございます。  ほかにありませんでしょうか。  では、橋本さん。その後、伊藤さん。 ○橋本委員 東京都育成会、ゆうあい会の橋本と申します。  私もここに来て、何か、できないながら、ここに、委員会にいるのですけれども、八王子の中にもそういう当事者の知的、難しいかもしれません。きょう、この差別の相談の事例の中にも名前が入っているのですけれども、ここは、お父さんの言葉として入っているということで、できれば、そこに本人のこんな思いをした、という、そのたった一言でも構わないので、そういう言葉が本人から出てこないのかな。こんなこと言っては失礼かもしれないのですけれども、そういう言葉が本当は上がってこなければいけないのに、ここには、お父さんが本人にかわって言葉が載っかっているので、もしこの委員会の構成にも、そういう方を加えてくださるお願いができるのならお願いしたいと思うのですが、そういうのは難しいのでしょうか。 ○永松氏(随行者) 八王子の永松です。  貴重なご意見をいただいたところで、ここは勉強させていただくところもあるのですが、今後の検討として、八王子としては前向きに検討させていただきたい。 ○川内部会長 橋本さん、それでいいですか。 ○橋本委員 はい。 ○川内部会長 では、伊藤さん。 ○伊藤委員 精神障害者の団体として、民協の伊藤といいます。  八王子の事例をちょっと見させてもらって、24年度から事例が載っているのですが、その中で、よく精神障害者等で見ると、やはり不動産の関係の拒否というところがあるのだと思いますが、この5年ほどやられた中で、不動産屋等に働きかけというのは何か具体的にされているかどうか、お聞きしたいのですが。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  確かにおっしゃっていただいたように、精神障害のある方の不動産賃貸の拒否、そういった事例が、やはり今まで多いケースになっています。  個別の対応でいいますと、そういったような不動産会社の方に、例えば個別にお電話をして、実際に拒否されているのはオーナーさんだったりするので、「オーナーさんに連絡をさせてください」と言うと、不動産会社の方が「そこは教えられません」と。オーナーさんは差別をしているつもりはありませんみたいな感じで、お断りされるケースって結構あって、オーナーさんにたどり着くことができないというような、ちょっと苦慮したケースもあります。  こういった相談事例があると、個別に対応するのはもちろんなのですけれども、それだけでは足りない部分もありますので、調整委員会の中に入っていただいている宅建協会さんの機関誌のほうに、精神障害の方には限らないのですけれども、差別解消の記事を掲載させていただいて、周知を図るとかという活動を、今、しているところです。  個別の事案については、結構相当難しい部分があると感じています。 ○川内部会長 川内です。伊藤さん、それでよろしいですか。  ほかにありませんでしょうか。  では、秋山さん。 ○秋山委員 自立生活センター・日野の秋山です。  改正のところで、2番の女性や児童への配慮についてとあるのですけれども、実際にどのような議論がされて、それで改正に至ったのかとか、その辺もう少し詳しくお話をお願いします。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  今、ご質問いただいた部分について、先ほども論点になっていたかと思うのですけれども、八王子市で、ここの部分を明記したというのは、やはり国の差別解消法の基本方針の中にそういった考え方が盛り込まれていたというところが、まず1点、一つ大きなところがありまして、深く検討したというのは、「深く」のレベルがどの程度かというのはあるのですけれども、八王子市役所の中にも、男女共同参画課という男女の問題を取りまとめる課がありまして、そういったところといろいろ検討しました。  中には、DVの話が出てきて、差別はちょっとあれかもしれないですが、DVの話が出てきたりとか、性差の話が出てきたりとかというのを、いろいろな検討経過の中で明文化するにはこういった文章でというところで性別、年齢、そういったものに応じて、対応しますよというような規定の書き方に今、なっているところです。  以上です。 ○秋山委員 ありがとうございます。 ○川内部会長 ありがとうございます。  最近は、DVも男性から女性だけでなくて、女性から男性というのもかなりいろいろあるので、もちろん女性というのが複合的に困難な状況に置かれているというのは確かですけれども、そこにだけ焦点を絞っていると、見えなくなるものもあるという点で、非常にこの辺は複雑な問題があるだろうというふうに思います。  ほかに何かありませんでしょうか。  清水さん。 ○清水委員 奥多摩町の清水でございます。  2ページの4番目のところについて、詳しくお聞かせください。  保育の確保についてというところなのですけれども、保育については、今まで取り組んできたけれども、これを条例に明記したということなのですが、例えば保育所での障害児保育ということもありますけれども、それを例えば、就学した後の学童保育なんかも含めての取り組みを明記したということでよろしいのでしょうか。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  保育、学童保育所も含めての保育を指しています。ただ、幼稚園は含んでいない、逆に言うと、教育になりますので、という線引きはありますけれども、そういった市でできる保育、市の保育園、そういったものとか、学童保育所を含んで、この保育という表現にしております。  以上です。 ○川内部会長 よろしいでしょうか。  川内ですが、私のほうからちょっとお聞きしたいのは、今の保育のところが、私も実は疑問だったのですけれども、これは市が市の施策として、療育と教育に取り組むということがあって、障害のある乳児、幼児、児童について必要な保育を確保するため、必要な措置を講ずるというのは、これはまさに合理的配慮ではないかと。そうすると、これは義務なのではないか。それがなぜ努めるなのかというのが、わからないのですが、その辺、どう解釈されたのでしょうか。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  今のところの検討について、詳細に覚えていないのですけれども、一定程度、合理的な配慮というところにも含まれるのかなという部分でもあるのですが、八王子市としては、差別をなくすための取り組みの一つというような形で例示させていただいています。  なので、後から読んでみると、そういった疑問を持たれる方もあるのかもしれないのですが、そこのところについて今後、八王子市としても検討課題かなと思っております。 ○川内部会長 妙に突っ込んだ形になってすみませんが、この辺は、合理的配慮の定義というのが非常にややこしいので、しかも、先ほど指定管理者の話が出ましたけれども、行政が直接やっているもののほかに、指定管理者のようなものとかということも出てきて、合理的配慮をどこまでを義務化として判断するかというのは、結構難しい問題だろうというふうに思っています。  これは今後のところでの議論で、いろいろ議論が沸騰するのではないかという感じがしていますが、この八王子市の取り組みは、それのヒントを与えていただいたということだろうと思います。  すみません。55分までの枠なのですが、あと1つぐらいお受けできるのですが、何かご質問ありますか。  では、佐々木さん。 ○佐々木委員 東盲協の佐々木です。  お聞きしたいのですけれども、この市の条例に対する区民の方の評価というか、そういうものは、何か反応は取っていらっしゃるのでしょうか。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  なかなかやはりこういった条例の認知度ですとか、実際に、ある意味手応えというのですかね。そういったものはなかなか地道な活動をしていく中では、はっきりと明確に上がってくるものというのは、なかなか感じてはいない部分ではあるのですけれども、ちょっと前の調査で、障害者計画を、現行の障害者計画をつくるとき、平成26年度にアンケート調査をした中の回答の中で、障害当事者の方2,000名にアンケートを取って、そのうちの半分1,000名ぐらいから回答があった中で、障害者、当時は解消法がなかったので、差別禁止条例があることを知っていますかという質問をしたところ、障害当事者の中だけでも、知っている方が3割しかいらっしゃらなかったという状況があります。  それを踏まえて、いろいろ周知活動をしていかなければならないということで、八王子市としては思ったところではあるのですけれども、そういったところで、24年からかなりの期間、条例制定してから活動しておりますけれども、まだまだ、手応えといったものは、これからなのかなというふうには感じているところです。 ○佐々木委員 障害者の方でも3割ぐらいということで、低いなと思いましたけれども、お聞きしたかったのは、障害者に認知されているより、例えば今のだったら、合理的配慮をする側、差別をしてはいけないと考える、そちらの方の、言い方は言いにくいのですけれども、一般の方というのですか。要するに障害者ではないほうの方のこの条例に対する受けとめ方のほうをむしろ知りたかったのですけれども、というのは、今、我々もここで東京都の都条例を設けようかなというところですので、それが、一般の方がどういうような受けとめ方をするのかなと思って知りたかったものですから。 ○永松氏(随行者) 八王子市の永松です。  すみません。先ほど答えがずれた方向へ行ってしまいまして。  先ほどお伝えしたアンケート調査みたいなことを、一般の方に調査してはいなかったので、具体的な数字が挙げられませんでしたので、そういった意味でお答えできませんでした。  この資料の中の4ページのところ以降にも、八王子市が今までいろいろと取り組んできた経過、こんなことをやってきましたという経過などあります。平成24年から、年に1回ホールを借りてイベント、周知イベントとかしていたのですけれども、ここに書いてあるとおり、来場者が、最初は270人だったのが132人、93人と、どんどん、年々減っていって、しかも参加される方が、福祉施設の例えば従事者の方だとか、そういった関係者の方ばかりになってきてしまったという経過があったので、翌年27年度から、八王子の大きな50万人ぐらいの参加者のある「いちょう祭り」というお祭りのほうに出て、周知活動をしています。  そういった中で、手話体験、点字体験をする中で、いろいろな方とお話ししていると、やはり条例の周知というのは、またなかなか足りていないかな。合理的な配慮という言葉自体も、なかなかご理解はまだ認知もされていないかなと思っています。  ただ、合理的な配慮という言葉を知らなくても、それに向かった気持ちというのは持っていたりとか、そういった方は多く、ふえてきている……ふえてきているかどうかはわからないですが、多くいらっしゃるなというのが、数字にはあらわれないのですが、実感として考えているところです。  以上です。 ○川内部会長 川内です。すみません。先ほど55分までと言いましたが、もう一つやらなくてはいけないことがありました。ごめんなさい。  資料2ですが、この資料2の先ほど都のほうから議論の振り返りということで、こういうふうにまとめましたということがありましたけれども、これについて何かご質問とかご意見ある方、挙手をしてご発言いただければと思います。  高見さん。 ○高見委員 東京難病団体連絡協議会の高見といいます。  障害者の定義というところなのですが、障害者の定義を明確化できるといいという、やはりこういうのはいいのですが、そこに難病というものが入っていますか。  よく言われるのは、就労の問題で、今はそうでもないのですが、ハローワークへ行っても難病であれば、手帳を持っていないからとかと言われてしまって、いろいろ問題が起きているということを聞いていますし、障害者の差別というところで、どうしても障害者という言葉を入れてしまうと、手帳取得者というふうに特定されてしまうのです。  それで、これ、前のを読んでいたのですが、国の考え方としては、国民全て障害あるなしにかかわらず、という文言が入っているにもかかわらず、障害のところのほうを、こうやって、このように定義を明確化すると、何か狭いような気がする。何かにも書いてあったと思うのですが、障害の中に難病患者も入るということで、今、議論されているのか、確認しておきたいのですけど。 ○下川課長 事務局をしております、共生社会推進担当課長、下川です。  難病が、障害者の定義というところで、今、考え方として入っているかというご質問です。  まず一つ、この資料については、前回の議論の中でのまとめをしたペーパーということですので、ご意見をまとめたというレベルの資料だということで、ご理解をいただければというふうに思っております。  それから、難病ということについては、現在、差別解消法の考え方も含めて、障害者手帳の取得者に限定するということではなくて、幅広く捉えられているということが現状かと思っておりますので、この条例の検討につきましても、委員にお入りいただいていることもそうですけれども、幅広く捉えて、検討は進めていくというふうに事務局としては考えております。 ○川内部会長 川内です。これは今、下川さんのご説明にあったように、前回の発言の整理ということなので、これについて、このままでやるか、どういうふうに考えるかというのは、この障害の定義だと、第4回、第5回の検討で行うということになりますので、これからの議論でどんどん発言していただければというふうに思います。  それから、もう一つ定義が、一つ議論になっていたのは、「都民」の話ですね。ですから、そのことについても、これからの議論の中で煮詰めていきたいというふうに思います。  それでよろしいですね。  ほかに何かありませんか。  では、これについては、前回の発言の整理ということでご理解いただいて、皆さんお持ち帰りいただいて、それぞれの第3回、第4回という部会のときに、これらのことも含めて検討するわけですから、皆さん、どの部分でどういうことの発言をしなくてはいけないかというのを少しお考えいただければというふうに思います。  それでは、本日の主要議題になりますけれども、「都民及び事業者の理解促進」ということに移りたいと思います。  事務局から説明をお願いします。 ○下川課長 事務局、下川よりご説明させていただきます。  まず、資料3−1ですけれども、資料3−1は、この議事(2)で、検討をお願いしたい、「都民及び事業者の理解促進」について、検討の論点をまとめたものでございます。  すみません。この資料の説明に入ります前に、この論点の参考とすべき資料のご説明をさせていただきたいと思います。資料は前後しますけれども、まず、資料3−2のをご覧いただければと思います。  資料3−2は、差別解消法及び基本方針から、本議題に関連する規定を抜粋したものです。重要と思われるところには下線を引いてございます。  まず、差別解消法ですけれども、こちらでは第4条国民の責務に関するところ、それから第7条行政機関等における差別の禁止、第8条事業者における障害を理由とする差別の禁止、そして第5条普及啓発というところをまとめております。  次のページで、基本方針ですけれども、基本方針は、法の考え方ですとか、国民や事業者、行政機関の役割、普及啓発について、解説されている部分を抜粋しております。ここで一つ一つ説明すると長くなってしまいますので、議論の必要に応じて、ご参照いただければと思います。法の考え方、基本方針を読むと、読み解けるという部分がたくさんあろうかというふうに思って、つけさせていただいている資料でございます。  なお、ここで不当な差別的取扱いですとか合理的配慮の提供の定義に関して、基本方針に抜粋していますけれども、定義に関しては、都民や事業者の責務というようなところを、本日、議論していただく際の参考として、資料に入れさせていただいておりますけれども、この部会では、8月上旬ごろになろうかと思いますが、第5回の検討部会でも条例の理念等、総則ということで検討を予定しておりますので、本日、全て議論するということでもないというところで、ご承知おきいただければというふうに思っております。  続きまして、資料3−3ですけれども、こちらも参考ということで、既に制定されている他県の条例につきまして、本議題に関連する部分を整理しております。  まず、一つ、責務規定ということで、他県の条例を分類しますと、大きく3つに分類されるということで、県民の責務のみを規定しているもの、それから、県民及び事業者の責務として規定を設けているもの、それから、県民及び事業者、障害者の責務を規定しているものと3つの類型に分かれるかなというふうに思っております。  そして、分類については、表で、どこの県の条例がどういう規定になっているというのを整理させていただいておりますけれども、多いのは都民(県民)のみの規定の8カ所ということです。責務として規定している内容について、(2)で書かせていただいていますけれども、これについて、2ページ目に表で分類しています。細かい表で恐縮ですけれども、多いのは、障害及び障害者への理解促進というようなことを責務として規定している条例が、20の条例で規定されています。同様に、次に多いのが、県及び市町村の施策への協力を規定しているところが19、それから、障害当事者が自らの障害特性などを伝え、理解を得られるようにするが6ということで、比較的多くなっています。  次に(3)では、具体例として、項目ごとに特徴のある他県条例の本文を紹介しています。例えば、次のページ、3ページになりますけれども、Bのところでは、自らの障害特性等を伝え、理解を得るように努めるということで、茨城県の条例を参考に引かせていただいています。  また、次のC、これは宮崎県の条例ですけれども、県民の役割として、障害のある人が必要な支援を気兼ねなく求めることができる社会環境の実現に寄与するよう努めるというような記載がございます。  次に、同じく3ページの下のほう、2番ですけれども、「不当な差別的取扱い」及び「合理的配慮の提供」の対象範囲についてまとめています。  この部分は、今回だけでなく、今後の検討部会でも議論する紛争解決の仕組みや理念、総則に関する論点に関係しますけれども、重要な部分なので、その都度ご提示ができればというふうに思っています。  (2)では、「不当な差別的取扱い」の対象範囲を分類していますけれども、他県では22条例のうち15県で「何人も不当な差別的取扱いをしてはならない」というようなことを規定しています。  また、4ページの(3)では、今度は合理的配慮の提供を行うべき対象範囲ということで分類しています。  こちらは、法の定義と同様に、行政機関は法的義務、民間事業者は努力義務としているところが多いのですけれども、「何人も合理的配慮を提供しなければならない」というような形で規定しているところも7カ所あります。  次に、理解促進に向けた都道府県の基本的役割ですけれども、こちらについては、県民等の理解促進のための普及啓発を規定しているところが19カ所、それから交流機会の拡大による相互理解の推進が13、理解促進等のための教育の推進が11カ所というふうに多くなってございます。具体例については、5ページに記載しておりますので、同様にご参照いただければと思います。  すみません。参考資料の説明が続きますけれども、資料3−4でございます。  これは、平成28年度に東京都が幾つかの調査を行っておりまして、年度末に調査結果が公表されておりますので、条例の検討にかかわる部分を抜粋しておりますので、ご紹介させていただきます。  まず、1つ目ですけれども、東京都福祉保健基礎調査です。この調査は、毎年、福祉保健局がテーマを決めて行っているもので、平成28年度は、都民の生活実態と意識として、東京都内における各世帯及び世帯の生活実態と、福祉のまちづくりなどに関する意識を調査しておりまして、その中で、法が施行されたということで、障害者差別解消法の認知度なども聞いてございます。  図のU−28−1という、中ほどのところ、棒グラフのようになっている、帯グラフというのでしょうか、なっていますけれども、見ていただきますと、差別解消法が不当な差別的取扱いを禁止していることを知っている人が47.2%、そしてその下のグラフを見ていただきますと、法が合理的配慮の提供を求めていることを知っている人が38.2%というような結果になっています。  続きまして、裏面になりますけれども、重要だと思う施策というところでは、図U−29で、グラフが細かいですが、本文もあわせてお読みいただければと思いますけれども、障害のある人への理解を深めるための教育及び啓発・広報活動というものを挙げた方が42.7%ということで、最も多い回答になっております。  続きまして、2番で、心のバリアフリーに関する事例収集及び意識調査でございます。この調査は、福祉のまちづくりの一環として、昨年度初めて実施したものですけれども、町なかで手助けが必要な場面をイラストで示して、どのようにするかというようなことを尋ねたという、この@のところですが、「積極的に手助けする」というふうに回答した方が約2割にとどまっているという、ちょっと残念な結果が出ています。  以下、細かいのですけれども、困難事例の対処ということで、属性別のグラフなども載せていますが、なかなか、「今の東京は、困っているときに見知らぬ人に声をかけて、助けを求めやすい社会だと思う」というAの設問について、「そう思う」というふうに回答した方も約2割ということで、なかなか厳しい現状もあるのかなというようなところが回答からは見えるのかなというふうに思っております。  ちょっと飛びますけれども、6ページをお開きください。  6ページは、インターネットで福祉保健モニターに登録している方を対象にしたアンケートの結果を抜粋しておりまして、親族以外に身近に障害のある方がいる方で、障害のある方とのおつき合いの中で、戸惑ったり悩んだりした経験がある方について聞いたところ、「ある」というふうな回答が約7割というようなことで、回答がありました。  どのようなときに迷ったり悩んだかというところで、一番多かった回答は、困っているようなのに、「どのように手助けすればいいのかわからなかった」というようなことで回答が出ております。  すみません、長くなりましたが、これら参考資料も踏まえまして、また、先ほど議事(1)でご説明させていただいた前回の議論も踏まえまして、今回の議事(2)について、検討事項について論点を整理したものが、資料3−1ということで、お戻りいただければというふうに思います。  本日の議事(2)では、都民及び事業者の理解促進をテーマにご議論いただきたいというふうに考えておりまして、その中で、大きな論点を2つ挙げております。  論点の1つ目は、都民及び事業者の責務ということで、障害及び障害者への理解を深め、差別の解消を進めるという観点から、都民や事業者などの責務として規定すべき内容について、ご意見をいただきたいというふうに考えまして、そのための素材として、事務局として、幾つかの事項を、仮説を立てさせていただいております。  まず、論点@の中の1つ目として、都民等の責務の内容について、4つほど挙げさせていただきました。  障害者差別をなくすためには、全ての事業者などが、障害及び障害者の理解を深めるように努めること及び、都や区市町村が実施する障害者差別解消のための施策に協力することが必要ではないか。  そして、その際、障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解することが重要ではないか。  その上で、不当な差別的取扱いの禁止もしくは合理的配慮の主体として、都民等を含めることについて、どう考えるか。  都民の理解を促進するために、障害のある人自身やその家族が、自らの障害や、社会的障壁を取り除くための方法を伝え、理解を得るよう努めることについてどう考えるか、というこの4点を柱として立てさせていただきました。  続きまして、2つ目としては、事業者の責務の内容につきまして、今、お話をした都民等の責務の考え方を踏まえれば、事業者についても、「障害の社会モデル」を踏まえて障害及び障害者への理解を深めるように努めること及び、都や区市町村が実施する障害者差別解消のための施策に協力することが必要ではないか。  その上で、事業者による合理的配慮に関して、特に中小企業等の過重な負担に配慮しつつ、どのように位置づけるか、というようなこともご議論いただければと思います。  裏に行っていただきまして、大きな論点の2番目は、理解促進に向けた都の基本的役割でございます。こちらでは、都民や事業者等の責務を踏まえまして、都民や事業者の理解促進に向けた都の基本的役割として、どのような規定をしていくべきかというようなことをご議論いただきたいというふうに思っています。  ただ、このご議論の際に注意していただきたいことを2点ほど書かせていただいています。ここでは、具体的な広報手段ですとか施策の内容についての是非、要望などではなくて、条例の中で、ということで、都民や事業者の理解促進に向けて担うべき役割、基本方針という視点で、幅広の視点でご意見をいただければ幸いです。  また、ここでは都の基本的役割ということで、区市町村と東京都とは、対等・協力の関係にあるというようなことで、ぜひ今の場では、都の基本的な役割ということでのご意見をお願いしたいと思っております。  そうした視点で、理解促進に向けた東京都の基本的役割の内容としては、3点、今、挙げさせていただいております。  都は、障害を理由とする差別をなくすため、障害及び障害者への理解促進に向けた啓発や、障害のある人とない人との交流機会の提供に努めるべきではないか。  障害者差別の解消には教育における取り組みが重要であり、都は、学校において、児童や生徒に対する障害及び障害のある人への理解を深める教育を充実すべきではないか。  そして、合理的配慮が適切に提供されるよう、都は、関係機関や区市町村、事業者団体などと連携し、合理的配慮や環境の整備の好事例等の収集及び周知を積極的に行うべきではないかということで、論点として挙げさせていただきました。  なお、本日の検討範囲の確認ということで、1回目の会議のときに、検討事項として5点挙げさせていただいたものと、第1回の部会を踏まえた論点の中で、本日の検討事項がどこに位置づけされているのかということが、わかるようにということで、図を示させていただいておりますので、参考にごらんいただきながら議論していただけたらありがたいと思っております。  長くなりましたが、説明は以上でございます。 ○川内部会長 ありがとうございました。川内です。  きょうの主要議題ですけれども、資料3−1に、コンパクトにまとめてくださいました。  論点@としては、都民及び事業者の責務、それから、論点Aとしては、都の基本的な役割ということで、まずは、都民及び事業者の責務について、皆さんのご意見、ご質問をお伺いしたいと思うのですが、その前に、資料3−3で、よその条例では、3−3の真ん中にある表ですけれども、都民のみ規定、それから都民及び事業者について規定というのと、もう一つ、都民及び事業者に加え、障害者を特出しして規定というのがあります。  こちらの資料3−1、きょうの議題では、都民等の責務の内容についてという箱の一番下に、その障害者についての特出しの内容というか、障害のある方がどうするべきだということが書いてあるので、3−3のように、都民・事業者・障害者という3つを、それぞれの責務として書くのか、あるいは、都民及び事業者と書くのかというようなところも含めて、ご意見を伺えればと思います。  中島さん。 ○中島委員 慶應大学の中島です。よろしくお願いします。  私は、東京のような非常に高度な都市、あるいは都市社会ができているところというのは、事業も非常に多段階になっていると思っています。  具体的に言うと、配慮のレベルもそれによって当然変わってくる。例えば、簡単に言うと、インフラ系のサービスというのがあるのです。インフラ系のサービスというのは、決定的に配慮のレベルが要求されるのです。というのは、インフラが整っていないと、その先のサービスを受けられないのです。だから、電車に乗れないと行かれないという、行かれなければ店にも入れないという。バスに乗れなければ、目的地にたどり着けない。だからインフラ系はやはり最優先に高度なレベルの配慮が必要になる。そこをやっておかないと、その次に幾らお店とかホテルとか、そういうところが配慮しようとしても、まずお客さんが来ないので、配慮しても意味がなくなっちゃうのです。  そういう点でいくと、私は、事業者の中でもインフラ系、例えば不動産、これも暮らしができなければ、そもそも何も始まらないので、施設から出ることもできないわけじゃないですか。だから、不動産、交通、その次、多分、宿泊とかも入ってくるかもしれません。泊まらなければ、そこで滞在もできないし、買い物もできない。だからそういう多段階で事業者を選別し、それぞれにどのくらい配慮のレベルが必要かということをやはり考えていかないと、一律にただ配慮せよというだけでは、なかなかぴんとこないのではないかというふうに、僕は思っています。  それから、その上で、この都民の責務というのが入ってくるのですけれども、私、先ほど八王子市の話を伺って、いろいろなイベントとか、そういう人が集まるところで、市民に対して啓蒙活動って、私は余り効果がないと思います。というのは、やはりぴんとこないので、その配慮すべき場所で言わないと意味がない。  というのは、例えば鉄道事業者が配慮しようと思って、例えば階段に車椅子用の昇降機をつけるとするじゃないですか。ほとんどの人、利用しないわけですよ。なぜかというと、一般のお客さんがそこで利用しているのを見ると、迷惑そうな顔をするからです。何でこんな混雑時にリフトを使っているんだ、みたいな顔をして見るわけです。それがあると、車椅子の人って使えなくなっちゃうわけなのです。都民の人たちもどういうところで、ちょっとした配慮をすること、あるいは障害者理解をすることが、全体として多くの事業者の配慮をしやすくし、都民全体の暮らしがよくなるかというようなことを、ぴんとくるような形で、だから障害理解が必要なのだ、配慮が必要なのだということを伝えていく。そういう努力が必要だと思います。  なので、都としては、都の話は後にすべきかな。  だから、都民としては、そういうような、どこにどう配慮すること、あ、なるほど。そういうふうにすれば全体がよくなるのかとか、事業者が動きやすくなるのかというところがぴんとくるような形で、私は啓蒙活動をしていくのが、効果的なのではないかなというふうに思います。  そういう点でいくと、やはり東京というのは非常に忙しい都市ですし、みんなせかせかしているところなので、そういうところで配慮してもらうって、なかなか大変なことですよね。一人一人の都民がもう少し寛容になって、少しぐらいおくれてもいいやとか、もうちょっと自分が後回しになってもいいやぐらいの寛容さというのもあわせて啓蒙していかないと、なかなか難しいのかなという感じがいたしました。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございました。  インフラ系を取り上げられましたけれども、事業者の責務としても、重さがいろいろあるのではないか。特に重要に配慮を求めるところというのもあるのではないかということと、それから、生活の具体的な場面に応じて、具体的な事例、先ほどリフトということをおっしゃいましたけれども、そのようなことを用いて、そのときにどういうふうなことを周りの人が考えればいいかとか、あるいは、そういうふうにやらなくてはいけない背景の理由とか、そのようなものをきちんと説明するようなことが必要なのではないかというようなことだったろうと思います。  ほかにご意見ありませんか。  これは具体的な条文をつくる場ではありません。こういう理念を入れたいということですので、ご遠慮なくご発言いただければと思います。  越智さん。 ○越智委員 越智です。  「都民等」の定義について確認したいのですけれども、ほとんどの条例とか事業の対象者は、その地域に住んでいる、また、会社がある、お店がある事業者だと思うのです。  けれども、東京の場合は、住んでいる人というより、東京に用事があって来る人、仕事、観光で来る人が多いのではないかと思うのです。そういう方々に対して、この条例の中でどう対応していくのか。この「等」の中に含めるのか、そのあたりを確認したいのですが。 ○下川課長 ありがとうございます。  まさに、そこについても、この場で皆さんにご議論いただきたいことの一つかなというふうに思っています。  よろしくお願いいたします。 ○川内部会長 川内です。  まさに、今のがこの部会のあり方だと思うのです。事務局が特にこうするべきだという案を持っているわけではなくて、事務局に対して、こういう質疑をするというよりは、今の越智さんのご意見であるならば、例えば先ほどの中島さんのお話を使うならば、例えば駅のリフトを利用している、それを周りで見ている、周りの人がそれに冷ややかな目を向けている。そこの周りの人というのは、埼玉から勤めに来ている人もいるかもしれないし、そういうふうな都に住んでいる人以外も「等」という中に入れるべきだというふうなお考えならば、そう発言していただければいいし、「いやいや、都に住んでいる人間だけでいいんだよ」と思われるならば、そういう発言をしていただきたい。こういうものを入れるべきだということをどんどん言っていただければと思います。 ○佐々木委員 東盲協の佐々木です。  今、越智さんがおっしゃった言葉で言うと、東京、昼間の人口の方というのですか。東京都で生活している方という形で規定していただければありがたいのです。  私、提案というか、こういうのがいいのではないかと思うのがあって、これは多分、事務局で用意してくれた資料3にCというのがございますね。支援を受けやすい、宮崎県の例が書いてあると思います。(3)の具体例のCです。  いろいろな例を読んでいて、私、すごくいいなと思ったのが、こんなのが入るといいなと思って、この宮崎県の例は、まず、障害及び障害者への理解、その次が、障害のある人が、そういう合理的配慮の提案をしやすくするような社会を求める。この条文は3つ入っていて、3つ目が、これは県ですけれども、例えば都で行った、そういう啓発活動には積極的に参加するよう、全部、都民、この場合は県民ですけれども、都民に求めているようなものにしていただければいいなと思っております。  都民というのは、先ほど越智さん、懸念されたように、必ずしも都内の居住者だけではなくて、東京で生活する人全般ということも含めてのという意味なのですけれども、この3つの要素が入っているので非常に、宮崎県のはよくできていて、ただ、字句が変だなというところもありますけれども、こういうものを入れてくれるような都条例にしてくれればいいなと思っております。 ○川内部会長 川内です。  今、佐々木さんがおっしゃったのは、資料3−3の3ページのCに「支援を求めやすい社会環境への寄与」ということで、県民の役割として、宮崎県の例がある、このことでしょうか。 ○佐々木委員 はい。これがすごくいいなと思ったものですから。 ○川内部会長 わかりました。一つのモデルとして、理解促進と、それから周囲に障害のある方が、社会障壁を除去するようなことを伝えること、それを言いやすい環境をつくる、それから、差別解消の施策に積極的に協力するというような3点が入っているというところで、佐々木さんはこれをお勧めであるというふうにおっしゃったということですね。 ○佐々木委員 そうです。 ○川内部会長 ほかにありませんか。  個人的に申し上げると、どこの県とか条例にも、障害及び障害のある人に対する理解を深めるというふうにあるのですけれども、私はこれについてすごく疑問を持っています。  これだと何かすごく医学モデル的な、目の見えない人はこんなことですよというようなことになってしまって、むしろ、社会モデル的に、障害によって引き起こされている問題というのを伝えなくてはいけないし、それから、障害のある人の理解ではなくて、障害のある人が権利の主体である。障害のある人が社会に、平等に参加していく権利を持っているのだということをどうやって伝えるかということが重要なのではないか。  つまり、このもとは権利条約なのです。権利条約というのは、平等な社会参加ということをいっているのに、なぜか日本に入ってくると、気兼ねなく求めることができるというふうな、権利の主体ではないような書き方になっていく。これは―個人的にですよ。これは個人の意見として言わせていただいていますけれども―権利条約と質が変わっているものになっていないかというふうに思うのです。  ちょっと私は過激な人間なので、多少、皆さん割り引いてお聞きいただければと思いますけれども、そのような疑問は持っています。  森山さん。 ○森山委員 育成会の森山です。  私も、先ほどおっしゃったような、障害のある人にこういうことをやってもらいたい、というようなスタンスがどうしてもあるような気がするのです。やはり合理的配慮というものは、やはり共生社会の実現に向けてなされる、みんな平等である、そして、今、県民に、どういう人を対象にするかという部分の話だと思うのですが、その中でも障害者が障害の特性を訴えるとか理解を求める、それももちろん大事であるとは思うのですが、徳島に、「その多様な障がいの特性に応じ、自らの可能性を最大限に発揮し、地域における社会貢献活動をはじめとした活躍の場を広げていくことが共生社会の実現のために必要です」としっかり書いてあるんです。  なので、やはり共生社会のための実現ということを考えると、合理的配慮も大事だし、その特性を理解してもらうことも大事だけれども、やはり社会モデルということを考えたときには、本人も社会貢献する主体であるのだという価値観というか、ベースづくりというか、そういうところもすごく大事だろうなと思うのです。 ○川内部会長 今の徳島の例はどこから引かれましたか。 ○森山委員 この資料にはございません。徳島の「住みやすい徳島づくり」の条例についてというところがありまして、徳島の条例にはそういうことが書いてあったのです。この資料にはないと思いますが。 ○下川課長 すみません。事務局からちょっと補足させていただきたいと思います。  今の徳島の条例ですけれども、ピンク色のファイルの参考資料3−6ということで、インデックスがつけてあると思いますけれども、そこに徳島県の条例、そのまま全文掲載しています。  おっしゃられているのは、この前文のところの3パラグラフ目でよろしいでしょうか。そこに、特に「障がいのある人が、その多様な障がいの特性に応じ、自らの可能性を最大限に発揮し」云々、記載がございます。 ○川内部会長 ありがとうございます。これも一つお勧めの条文であるということですね。  ほかにありませんでしょうか。  秋山さん。 ○秋山委員 秋山です。  まず、責務のところで、都民と事業者の責務のところに、障害者の責務も入れるかについてですが、私はこれに反対です。  障害者は差別をされる側であるのに、なぜ差別される側に責任を負わせるのか、責務があるのかということが、やはり疑問に思います。  もちろん、自分の障害とか障害のことを社会に理解してもらうための啓発活動には、障害者を必要に、積極的に、中心で行っていく必要があると思いますが、差別をなくすために、自らが理解を求める働きをしないといけないとなると、言わなければ除去しなくてもいいという形になりがちに考えられます。  なので、都民と事業者の責務については、ここには、条文に必要だと思いますが、そこは必要ないと考えています。  基本的に合理的配慮は、やはり事業者の義務であってほしいと思っているのですが、合理的配慮というのは何かということをまた、もう少し、ここの皆さんとも理解を共有したいなと思うのですけれども、合理的配慮に関して、障害者が自ら申し出しなければ、合理的配慮をしなくてもいいとなると、それを言わなければしないという前提ではないはずなのです。  例えば、事前に社会的な環境やものを整理しておけば、合理的配慮をする必要がなくなるというところでは、その辺の理解をもう少し、条文の中に積極的に取り入れていければというふうに思っています。とりあえず。 ○川内部会長 ありがとうございます。  秋山さんに確認したいのですが、資料3−1のきょうの議題のところで、論点@の最初の箱に、都民等の責務の内容についてということの中に、一番下の丸です。障害のある人が理解を得るように努めることというようなことをどう考えるかというのがありますけれども、今の秋山さんのご意見だと、この障害のある人がどうしようということ自体を、障害のある方を特出しするというのは反対だとおっしゃいましたけれども、障害のある人が、都民との責務の中で、障害のある人も周りに伝えていくべきだということ自体も書く必要はないというふうなご意見と理解していいですか。 ○秋山委員 書き方自体を、少し気をつけないと、私自身は、全て障害者の責務という形でとられかねないので、入れる形としては気をつけるべきだと思っています。 ○川内部会長 では、川内ですが、特出しはしないけれども、都民等の責務の中に、障害のある方は、こういうふうに努めるというようなことは書いても、それはいいというお考えですか。 ○秋山委員 私自身は、ここには入れないほうがいいと思います。 ○川内部会長 入れないほうがいい。だから、全く入れないほうがいいということですか。 ○秋山委員 はい。 ○川内部会長 わかりました。ただ、合理的配慮については、差別解消法のほうでも、障害のある方からの、こうやってくれという意思表明があるということが、一つの合理的配慮の条件として書かれているので、それはやはり周りの人たちはわからないので、言わなくてはいけない。  ただし、秋山さんがおっしゃったように、障害のある方が、何々してくださいという立場ではなくて、対等な立場として、きちんと言えるような書き方というようなものは必要だろうと思いますが、意思表明というのは、やはり差別解消法のもとでつくられる条例として考えるならば、差別解消法の定義に従わなくてはいけないというふうに、私としては考えています。 ○川内部会長   時間がものすごく足りなくなっているのですけれども、越智さんと関哉さん、越智さん、手を挙げられましたね、今。まず越智さん、次、関哉さん。 ○越智委員 越智です。  当事者の責務については、私も配慮が必要だと思います。ただ、やはり言いやすい、訴えやすい環境というのが必要だと思いますので、そのあたりをきちんと文章の中に盛り込めればいいと思っています。  確認ですが、障害者当事者といえども、都民としての責任はありますので、当事者も対象になってくると思います。障害者同士でも、違う障害者に対して理解が足りない、差別が起こるということもあるわけです。そう考えると、当事者だからといって、都民の責務、対象外ではないということは、ここで確認したいと思います。  それとは別に、先ほどのお話ですが、東京に住んでいる方以外をどうするかというあたりについては、私としては、やはり東京都の状況を考えると、条例の影響を受ける人は、仕事、観光、いろいろあると思いますが、そういう方々に対しても当事者も含めて何らかの形での配慮または責務を入れていったほうがいいと考えます。他の県と東京は違うというところで、東京都に来た人に対する考え方をきちんと盛り込む必要があると思います。 ○関哉委員 弁護士の関哉です。  まず、理解の促進という意味では……ごめんなさい、責務という話になっていますけれども、この責務条項は、いわゆる法的な責務というよりは、どちらかというと理解の促進というところに焦点が当たっていますので、理解の促進だという側面に着目して、都民及び事業者という範囲にとどまらず、先ほど来、出ている東京都を利用する方にも範囲を広げるということは、構成としては可能なのかなと思います。  例えば書き方としては、都民等は、あるいは、東京都においてとか、書き方を変えて、対象者と地域という形で書いて、障害等に関する理解を深めるということを書けば、この条項の役割としては果たせるような気がしました。  一方で、都が実施する施策に協力するよう努めなければいけないと書いた場合に、東京都を旅行とかで利用している方が、都の施策を認知しているのかという問題があるので、啓発との関係が出てくるのかなと思います。  あとは、表現として「何人も」という表現をすることも可能かと思うのですが、後に議論するであろう合理的配慮の提供等に関してですが、そこでは「何人も」という書き方にするかどうかという議論が出てくるかと思います。  不当な差別的取扱いとか合理的配慮との関係で「何人も」と書く場合は、恐らく条例の性格上、どの範囲かというのが、「何人も」の定義として、ある程度、規定されてくると思うのですけれども、一方で、ここで書く「何人も」、ここも理解促進という、この場面で、「何人も」というのを使ってしまうと、義務規定と「何人も」と同じ範囲になってしまうので、それは避けて、あえてここの責務、責務条項、理解促進条項というか、ここの部分では、もう少し具体的な書き方をしたほうがいいのかなという気がしてお聞きしていました。  あと、障害のある方自身の責務として、茨城にあるような、「自らの障害特性等を伝え、理解を得るように努める」というのを書くかどうかという点ですけれども、やはり合理的配慮の前提として意思表明をするという場面とはまた別で、障害のある方当事者の努力義務というのを、理解促進の努力義務というのを書いてしまうと、どうしても伝えなかったことへの責任が出てくる側面があるかなと。  これは恐らく議論の経過の中で、これを入れたほうが恐らく事業者側等への理解も深まるとか、そういった議論の中で入ったものだと思うのですが、一方で、もしかしたら場面によっては、しっかり伝えなかった障害のある方の責任だというような言い方もされる可能性もあるので、それは本末転倒というか不本意だと思いますので、こういう障害のある方への責務を規定するのは、僕は、賛同しかねます。  以上です。 ○川内部会長 ありがとうございます。  今までのところだと、まず「都民等」というのについては、住民とかではなくて、先ほど関哉さんおっしゃったように、「東京都において」とかいうように、このエリアの中にある、現在いる人というような捉え方で、具体的な文章はこれから考えるとして、そのような大きなくくりで考えたいという意見が、どうも大勢を占めているようですが、そういう方向でよろしいですね。  皆さんうなずいていらっしゃるので、それということで、今、意見が分かれているのは、障害のある方の責務をここに書き込むか書き込まないか。関哉さんは一切書かないほうがいいというようなご意見だったように思います。  これについては、何か、時間もないのですが、かなり重要なことだろうと思いますので、ご意見を。 ○堀江委員 就業・生活支援センターウェルズトーキョーの堀江です。よろしくお願いします。  私は、企業就労の支援、それから、働く方の生活の支援をしている仕事をしているのですけれども、この合理的配慮という言葉を使おうと企業がされるときに、どうしても障害がある方たちが弱い立場になる場面をよく見かけます。伝えていなかったのではないかとか、あるいは、こちらから見ていますと、伝えるための教育の機会ですとか、今までの育ちの中で、そういったことを積み重ねてきているかというと、なかなかそういう機会が得られない方たちに対して、責務というのはなかなか厳しいのかなというふうに感じることが多いです。  なので、条件整備をきちんとして、障害がある方たちがみんな弱い人というような捉え方をされても困るというか、ちょっと語弊がある言い方かもしれませんが、全て配慮されなければいけない人というような見方が広がっていってしまうと、職場なんかでは、できることしかやらせてもらえないだとか、差別につながるような案件も出てきているので、その人たちがやはり主体者であるというようなことをきちんとうたい込みながら、その人たちが、責任が果たせるようなというような文言をつけ加えないと、対等であるという言葉がひとり歩きしてしまうと、非常につらい立場になられる方が多いのではないかなと、現場ではそのように感じます。 ○川内部会長 ありがとうございます。  堀江さんは、今、合理的配慮のところでも、なかなか主張ができない、弱い立場として見られることがあるというふうなことがありました。  先ほど秋山さんとか関哉さんがおっしゃっていたのは、合理的配慮については、法のもとでも自分の意思表明というのがあるけれども、それはそれとして、ほかの部分で障害のある方が常に周りに理解を得るように努めなくてはいけないというような規定はないほうがいいのではないかというような、関哉さんはそのようなご意見だったと思います。  それについては、堀江さんはどう思いますか。つまり合理的配慮の場面と、そうでなく、一般的な場面とを書き分けるというか、ということについては、どうお考えですか。 ○堀江委員 合理的配慮の場面においては、おっしゃることが、ご本人がきちんと理解され、私は知的障害の方や発達障害の方の支援をすることが多いものですから、どうしても認知面について配慮がされているかどうかというところに、どうしてもフォーカスしていってしまうのですけれども、意思を決定する場面のところにきちんとプロセスが踏まれているだとか、そういうことがあって、ちゃんと合理的配慮の場につけているかどうかという、そういう視点を持ってくださいというか、そういったものが書いていないと、恐らく表面上の配慮という言葉の中で、一応配慮しましたよというようなことで終わってしまうのではないかなという、そういう懸念があります。  書き分けていくかどうかということについては、私の見える範囲での話にしかならないので、ほかの委員の方や当事者の方、さまざまな障害の分野の方もいらっしゃるので、皆さんのご意見も聞いてみたいところです。 ○川内部会長 ありがとうございます。  川内ですが、もう少し私の説明がちょっと悪かったと思うのですが、合理的配慮のところでは、障害のある方の意思表明というのは、法的に合理的配慮の条件としてあります。ですから、これは特に条例で書く必要はない。条例としては、合理的配慮の場面でなくても、障害のある方が周りに対して自分はこういうことなんですということを、積極的に伝えていくように努めるということを書くべきか書かないべきかというところが、一つ論点としてあるのかなという感じがしています。  何かご意見は。佐々木さん、次、橋本さん、お願いします。 ○佐々木委員 東盲協の佐々木です。  私の考え方としては、やはり障害者の立場から合理的配慮の提供を求めるということを、ぜひ書き入れてもらいたいのです。あった場合には、合理的配慮の提供は必要だ。障害者差別解消法の中にも、多分、障害者の側の合理的配慮の提供を促す、求めるような条文があると思うのですけれども、それと同じで、多分この条例も、障害者の側が、積極的に言うような、あるいは意見を表明するような形を推奨してくれないと、せっかくの条例の将来性がちょっと危ぶまれちゃうかなと思っております。  ですから、ただ、義務という言葉にちょっと抵抗があるのは、私ども確かにこれは義務なのか、言わなきゃいけないのかとか、そういうことではないかと思うのですけれども、ぜひ障害者側からの合理的配慮の提供に対する、あるいは不当な差別に対する意見表明に対しては、社会がこれを聞かなければいけないというような、そういう条文は必要かなと思っております。 ○川内部会長 合理的配慮以外の場面では。 ○佐々木委員 合理的配慮以外の場面、例えば差別のことですか。不当な差別という意味ですか。 ○川内部会長 川内です。  つまり、今、実例が浮かばないので説明しにくいのですけれども、特に合理的配慮ということではないのですけれども、私はこういうことを困るので、その辺は理解してくださいというような、合理的配慮までいかないけれども、ちょっとわかってねというようなところについて、この条例の中で理解を得るように努めることというような書き方はするべきだとお考えですか。 ○佐々木委員 私は障害ゆえに起きている不便とか不都合は全て含めてほしいと思っています。 ○川内部会長 では、自分の考えを積極的に伝えることを努めることという文章を入れるべきだと。 ○佐々木委員 私はむしろ積極的に入れるべきだと思っています。 ○川内部会長 橋本さん。 ○橋本委員 東京都育成会の橋本です。  私たち知的障害者は、発言はしなさい、きょうは、私もようやくこういう場所に来られるようになって、自分の言葉で自分の気持ちを言えるようにはなったのですが、まだまだ自分のことを、意思の確認といいますか。皆さんおっしゃっているのですけれども、発言をするということもすごく難しい。知的障害者にそのバトンを渡して「あなた、発言をしなさい」と言われることがどんなに大変であるということ、それなのに、合理的配慮もしてくださるということなのですけれども、そういうこと自体もやはり、自分の言葉を伝えることの難しさもやはりあるので、そういうことのまず一歩目からして、何をしゃべりたいのかというよりも、その人の中に入っていかなければ、一歩目からして入って、実は私の今、グループホームに入ってきたのは、その一歩目から入れないのです。  だから「ご飯だよ」「ご飯だから来て」と言ってもなかなかそこまで、まだそこまで入れない、そういう人たちもいっぱいいるわけですので、そういう知的障害者のことも含めて、この中に、その人たちも都民の一人なのです。だから、そういう障害者もいっぱいいるということも含めていただかないと、今のお話を聞いていても、何かだんだん置いていかれているのかなという気がしています。  だから、そういうことも含めて、まだ急いで事をするのではなくて、また、そういう段階も含めていただきたいなと思います。 ○川内部会長 ありがとうございます。  つまり、積極的に言える人もいるし、言えない人もいるということなので、言える人については、言うようにということだし、言えない人については、周りが、言えない人もいるのだというようなことを、今の言葉としてちょっとネガティブに使われていますけれども、私はポジティブな意味で「忖度する」というか、そのような、相手の人の気持ちを推しはかるというようなことも必要だねということですね。  中島さん。 ○中島委員 僕は皆さん、同じようなことを考えているのではないかと思うのですけれども、この表現の中で「理解を得るように努める」というのがちょっときついという感じがします。  つまり、こうなるとうまく理解が進まないのは努力不足、当事者の、という印象が強く出ちゃうので、そこのところを変えればいいと思うのです。もうちょっとやわらかい表現にするというか、つまり例えば知的障害の方が、この資料の中にもあるけれども、何でこれ、全部振り仮名を振っているのかなというのもあるのだけれども、振り仮名を振れば内容がわかるのかというのがあって、配慮不足というような感じもあるのだけれども、でもその辺は、例えば知的障害の方が、こういうふうに書けばもっとわかるんだよみたいなことを伝えてほしいわけで、そうすると、伝えてもらえると、なるほど、こういうふうに表現すればいいのかみたいなこともわかってくるし、だから伝えていただきたいのだけれども、でも「理解を得るように努める」と書かれちゃうと、伝わらないのは努力不足ということになるから、そこは表現を変えて、伝えてもらったほうが、より理解が進むとか、望ましいとか、そういういろいろな書き方があると思うのですけれども、これはやはり加えたほうが僕はいいと思います。このあたり、表現がきついので。 ○川内部会長 ありがとうございます。  時間もなくなってきていて。強引にというか、もちろんこれで最終のまとめということではないのですけれども、今までの議論からすると、この障害のある方の責務として切り出すということはやらないほうがいいだろう。それで、都民等の責務の中に、障害のある方の役割というのも書いたほうがいいのではないか。ただし、書くとしても「努めること」というような書き方ではない、これ、でも難しいですね。難しいけれども、こういう障害のある方に責任があるのだよというような書き方ではない書き方として、ただ、障害のある方で自分から発言ができる方については、こういう役割もあるのだよというような書き方ができれば、それがいいのかなというふうなことを、今、受けとめていますが、おおよそそのような方向でよろしいでしょうか。  関哉さん、どうですか。 ○関哉委員 弁護士の関哉です。あとは書き方次第だと思うので、ここで余り賛成も反対もという部分はあるのですけれども、結局、合理的配慮の前提として、あるいは要件として、意思の表明を本当に必要とするのかという議論もあるので、そこも含めた、本当は検討課題かなとは思っています。 ○川内部会長 ありがとうございます。  これ、都にお聞きしたいのですが、これはこのような大枠を今、決める議論をしていて、それで、具体的な条文に落としていく。その具体的な条文の検討というのは、この部会のメンバーはかかわることができるのですか。 ○下川課長 事務局の下川です。  一応、条文の検討につきましては、この部会の後半で、まずは、条文の検討そのものというよりは、今、いろいろな形でご意見をいただいていますが、部会の後半で、一旦、まとめをしながら、これまでの議論で、こういうふうな方向性でどうだろうかというようなことをご議論する時間は持ちたいというふうに思っています。  その上で、条文の文章化については、事務局の方が作業することになりますが、できるだけ皆さんにご意見をいただく機会は設けられるように考えたいというふうには思っています。 ○川内部会長 川内です。  「書きぶりだね」というところがあって、きっとこの部分、「理解を得るように努める」ことというところの書きぶりについては、皆さんいろいろな意見があって、条文について目を通しておきたいということ、必ず出てくると思いますので、特にポイントになるところについては、皆さんの目に触れるようにお願いしたいと思います。  それでもう時間が来ちゃっていますので、実は、裏面の東京都の「理解促進に向けた都の基本的役割」ということについて、議論が全くできていません。先ほどから、私の個人的な意見でもあるし、多少の賛同も得られたと思っているのですけれども、ここに「理解促進に向けた都の基本的役割の内容について」という箱の中に、「障害及び障害者への理解」という言葉が書いてありますけれども、このことについては、これも書きぶりですけれども、社会に参加していく主体としてということ、あるいは社会モデルとの関係、社会モデルとして、社会の不備によってこういうふうな問題が起きているのだよということをきちんと理解、都民というか都民等に理解してもらうというのが、都の役割としてあるのだよというようなことは、きょうの議論で出てきたかなというふうに思います。  どうしますか。これ、もう延長できないのですよね。 ○下川課長 事務局、下川です。  すみません。会議の時間については、さまざま条件がありまして、延長が難しい状況でございます。  論点Aのところですけれども、まずは、この場で議論できなかったのは申しわけないのですけれども、事務局あてに個別のご意見として前回と同様に寄せいただければというふうに思います。  また、その後の議論については、この後の部会の中で、できるだけ時間を設けられるような工夫を、事務局のほうで考えたいと思いますので、そのような形でいかがでしょうか。 ○川内部会長 川内です。  今、論点Aというふうにおっしゃいました。論点@についても、まだ、これが発言できていないというようなことも含めて、まずは事務局のほうにお寄せいただきたいと思います。  これで、次の機会を、いろいろな議題が、毎回このような議論になるだろうと思っておりますので、常に時間切れという感じもあるのですけれども、どこかでこういう意見が出ましたということは、皆さんに周知して、方向性というのを決めていきたいと思います。  すみません。時間がもう来ていますので、事務局のほうにお返ししたいと思います。いろいろな活発なご意見をありがとうございました。 ○下川課長 それでは、事務局から、最後ですけれども、本当に今日は貴重なご意見をたくさんありがとうございました。  先ほどお話ししましたように、ご意見、追加のものがたくさんあろうかと思いますので、事務局まで、電話やメール、ファクスなどでお寄せいただければというふうに思っております。1週間ぐらいを目途にお願いしたいと思います。  次に、次回以降の条例検討部会ですけれども、日程のお知らせをしたいと思います。第3回の部会は5月26日金曜日の15時から17時まで、既にご案内済みですけれども確認です。第4回部会は6月30日金曜日の17時から19時までを予定しております。議事など詳細につきましては、確定次第またご連絡させていただきます。  なお、本日配布の資料のうち、ファイリングをしてあります参考資料、緑のものと赤いものとありますが、それについては、机上にそのまま残してください。あと、イエローカードについてもお残しください。そのほかの資料については、お持ち帰りいただいて結構でございます。また、資料のご郵送を希望の方がございましたら、事務局までお声がけください。  それでは、本日は本当にありがとうございました。本日の会議はこれにて終了させていただきます。  ありがとうございました。 午後6時03分 閉会