平成29年度 東京都障害者差別解消支援地域協議会(第4回) 平成29年12月18日(月) 東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課 午後1時00分 開会 ○高原部長 それでは、まだいらっしゃっていない委員の方もいらっしゃるようですけれども、定刻となりましたので、ただいまから第4回の東京都障害者差別解消支援地域協議会を開催させていただきたいと思います。  障害者施策推進部長の高原でございます。  委員の皆様方にはお忙しい中、本協議会に本日はお越しいただきまして、まことにありがとうございます。  ご存じのとおり、この協議会の目的は、障害者差別ないしは障害者差別解消に関する事例その他について関係者一同が情報共有することに目的がございます。本日は、さまざまな事例のほか、部会委員の皆様方には非常にご熱心にご検討いただいております条例検討の状況についても報告をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  まず、事務局のほうからお手元配付の資料、並びに委員の出欠状況のほうを報告させます。 ○島倉課長 障害者施策推進部共生社会推進担当課長の島倉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。着座にて失礼させていただきます。  それでは、本日お手元にお配りしております資料のほうを確認させていただきます。  まず1枚目、会議次第でございますが、その次でございます、資料1といたしまして東京都障害者差別解消支援地域協議会設置要綱。1枚おめくりいただきまして資料2−1です。東京都障害者差別解消支援地域協議会委員名簿。資料2−2、東京都障害者差別解消支援地域協議会幹事名簿。それから資料3、平成29年度の東京都障害者差別解消支援地域協議会の進め方について。それから資料4−1、東京都障害者権利擁護センターにおける相談受付状況について。資料4−2、内閣府障害者差別解消法に係る相談事例等に関する調査について。資料5、障害者差別解消法合理的配慮の提供等事例集の作成について(案)。それから別紙として冊子がついておりまして、その後、資料6−1です。東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(仮称)の概要(案)。資料6−2、パブリックコメントの実施について。資料6−3、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(仮称)の構成と基本的な考え方について。資料6−4、障害者への理解促進及び差別解消のための検討条例部会―これまでの議論詳細―。それから、参考資料のアといたしまして、障害者差別解消法の普及啓発について。参考資料イ、障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定に係る追加ヒアリングの結果についてとなっております。  また、今回もルビを振ったわかりやすい版資料もあわせて配付しておりますので、ご参考いただければと思います。また、前回同様、とじ込み資料として参考のファイルをご用意させていただいております。  資料は以上となっております。落丁等ございましたら事務局までお声かけをお願いいたします。  続きまして、本日の委員の出席状況でございますが、池原委員、斉藤委員、中島委員、田中委員からは所用によりご欠席の連絡をいただいております。そのほかまだおみえになられていない委員もおられるようですけれども、おいおい来られると思いますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、進行上のお願いを申し上げたいと思います。まず、どなたが発言されるのか確認できるよう、ご発言の前に所属及びお名前をお願いいたします。  次に、手話通訳を行うため、ご発言の際は少しゆっくりとお話しいただければと思っております。  また、本部会では皆様の前にイエローカードをご用意しております。これは議事の内容がわかりにくかったときなどに掲げていただくものです。このイエローカードの提示があった場合は、ご発言者はいま一度ゆっくり、わかりやすくご説明をお願いいたします。  最後に、本協議会は資料、議事録いずれも原則公開とさせていただきますので、ご発言に当たりましては個人情報などにご配慮いただければと思います。  また、本日、傍聴の方もいらっしゃいますので、ご承知おきいただければと思います。  それでは、今後の進行は小澤会長のほうにお願いいたしたいと思います。 ○小澤会長 そうしましたら、改めまして、本日、第4回の東京都障害者差別解消支援地域協議会ということで開催させていただきたいと思います。前回からしばし時間が空きましたけれども、その間、部会のほうで非常に検討を行っていただきまして、条例の制定にかかわる素案のようなものを含めて、本日検討したいというふうに思っております。  本日の議事は3点ほどあります。皆さんのお手元の次第というのをごらんになっていただきますと、まず1点目に関しましては、東京都の相談受付状況ということです。それから2点目が、普及啓発ということでの事項と。3点目が、実は本日一番大きなところはこの3点目でありまして、いわゆる条例制定にかかわる検討部会での検討状況と、それからパブリックコメントの実施ということがございますので、この3番目の議事の時間を本日はとりたいと思っております。したがいまして、1番目と2番目に関しましては、若干質疑が仮にあっても、場合によっては先に進めさせていただくという、そういう対応をさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  そうしましたら、時間が限られておりますので、早速議事の1番目に入っていきたいと思います。障害者差別解消法施行に伴う都の相談受付状況等についてということです。まず、事務局のご説明、よろしくお願いいたします。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  それでは、議事1につきまして資料3から順番にご説明をさせていただきたいと思います。資料3をごらんください。  こちらは本協議会の進め方ということで、ことし2月の第2回協議会からずっと使っている説明資料を時点修正したものでございます。上半分のところで、協議会の当面の検討事項といたしまして、左側の1番で普及啓発、それから右側の2番のところで条例の検討、それから3ということで法施行後の課題について検討していくということを当協議会の当面の検討事項とさせていただいております。  今年度のスケジュールは下の段で、真ん中、第4回目が本日でございます。今後の予定といたしましては、右下、第5回になりますが、平成30年3月中の開催を予定しており、ここではパブリックコメントの結果や条例策定に伴う普及啓発等課題という形で考えております。  全体については以上になります。  続いて、資料の4−1をごらんください。こちらが東京都障害者権利擁護センターにおける相談受付状況でございます。同センターは障害者虐待防止法に基づく機関でございますが、差別解消法の施行に伴い、平成28年4月からは差別解消法に係る相談なども同センターで受け付けております。前回7月の協議会では、平成28年度1年間分の相談件数等をお示ししておりましたけれども、今回、平成29年4月から11月末までの8カ月間の数字になりますが、ご報告させていただきたいと思います。なお、資料中、括弧書きの数字については、昨年度1年間のものになりますので、ご留意いただければと思います。  まず、真ん中下のところですが、相談件数の合計ですけれども、73件となっております。内訳で見ますと、不当な差別的取り扱いが17.8%で13件、合理的配慮の提供関係が27.4%で20件、その他が54.8%ということで40件となっておりまして、約半数が法の解釈ですとか窓口の案内、問い合わせ、苦情などというような、その他ということの内容になっており、こちら昨年度と同様な傾向となっています。  それから、相談者の分類を見ますと、約半数は当事者からの問い合わせという形になっておりまして、昨年度と比較すると行政機関の割合が少し減っているというような傾向がございます。  それから、分野の分類を見ますと、その他で分野不明とか個人的な私人関係のものなどが少し増えているというような傾向があります。  裏面にまいりまして、その中で不当な差別取り扱いに関する相談というのがこれまで13件ありますけれども、その内訳というものを上の半分のほう、それぞれ記載してございます。また、ページの下の半分については合理的配慮の提供に関する相談20件に関しての内訳を記載しております。ただ、いずれも母数のほうが少ないため、なかなか傾向を分析するというところまでいくのはなかなか難しく考えておりますので、参考程度に見ていただければというふうに思っております。  続きまして、資料4−2をごらんいただければと思います。こちらの資料につきましては、内閣府が地方自治体から差別解消法に係る相談事例の中で共有すべき事例というものを収集しておりまして、東京都もしくは都内の区市町村が把握した事例の中で、広く情報提供することが望ましいもの、あるいは特徴的なものといったものをまとめたものでございます。あくまでも全件調査ではないというところでご承知おきいただければというふうに思っております。  少し説明の順序が前後しますけれども、1枚おめくりいただいて、3ページの下の表をごらんください。トータルで76件の事例ということで内閣府に報告させていただいております。行政機関等による事例が47件、事業者における事例が29件という内訳となっております。なお、内閣府では数字については未公表ということでなっておりますので、ご承知おきいただければと思います。  続いて、1ページのほうにお戻りいただきまして、内閣府に報告した事例のうち、一部ということで事例のほうを具体的にご紹介させていただきたいと思います。下の1のところですけれども、不当な差別的取扱いの事例ということで、例1ですが、電動車椅子利用を理由として、複数のタクシー会社から乗車拒否を受けたという相談を行政機関の職員が受けたものとなっております。これについては、相談を受けた職員がタクシー会社へ法の趣旨と相談内容を伝えるとともに社内周知を依頼したところ、タクシー会社からは、ドライバーが高齢などで電動車椅子を持ち上げることが困難な場合、断ることがあるとのことだったため、法の理解を進めてもらうため、区市町村から周知のための案内を発送したというような事例となっております。  2ページ目でございますが、例2をごらんください。娯楽施設での事例となっております。アミューズメント施設を聴覚障害者が利用できないというのが不当な差別的取り扱いではないかという相談を行政職員が受けたものとなっております。これについては、相談を受けた職員が会社に連絡して、結果としては補助スタッフの追加配備により一層の配慮を行うことで施設内のアトラクション利用が可能になったというような事例となっております。  続いて、合理的配慮の提供関係の事例のほうに移りますが、例1、公立学校の事例ですけれども、保護者から、細かい文字を読むのが苦手なので、テスト用紙等の文字を拡大するなどの配慮が欲しいという相談を担任が受けたものでございます。これについては、本人の特徴を踏まえ、ルールなどを個別に紙に書いて渡す、あるいは色つきノートの使用を認める、課題によっては本人が答えやすい穴埋め問題を出すなどの配慮をすることになったという事例となっております。  続いて、例2の行政機関の事例でございますけれども、聴覚障害の方から、窓口で、話はできるが聞こえないということを訴えても話しかけてくる職員がいるというその一方で、筆談ボードで対応してくれる窓口もあり、全ての窓口で筆談ボード対応をお願いしたいというようなものでございます。これについては、当該行政機関では当該事例を職員に公表し、各窓口では筆談ボードの活用や、紙とペンで筆談するなど、来所者の状況に応じた対応をするよう周知し、筆談対応を強化したというような事例となっております。  次に3ページのほうをごらんください。こちらは環境の整備関係の相談事例となっております。例1の行政機関での事例でございますが、車椅子利用者が来庁時、道路と施設入り口に段差があるため、車椅子で容易に通行できないという申し出があったものとなります。これについては、申し出を受けた職員が道路を所管する部署へ相談し、所管部署が現地調査を実施した上で、段差解消の工事を実施することとなった事例でございます。  続いて例2、図書館での事例でございますが、車椅子の利用者から、階段では自力で移動できないため、2階、3階の本を手にとって読むことができないというような申し出があったものでございます。これについては、図書館では利用者の要望があった場合、車椅子を複数の職員で2階、3階に運ぶこととし、また今後、エレベーターを設置した新たな図書館の開館を目指して準備を進めているというような事例となっております。  相談受付状況等の説明は以上となります。 ○小澤会長 ありがとうございました。  ただいま議事の1番目で、いわゆる東京都における相談受付状況と、それからもう一つ、これは内閣府が行っている調査に東京都として情報を提供すると、そういうものがございまして、それのおおよその概要と、それから多分この事例というのは、都のほうでこういったものが代表的なものと判断されて、内閣府のほうにこういった報告を行ったと、こういう報告でありました。  まず、一応内容的には報告事項の審議という、意見交換というふうな位置づけで考えさせていただきたいんですけれども、まず、ただいまの報告に関しまして何かご質問とか、あるいは事実確認の質問とかございましたら承りたいと思うんですが、いかがでしょうか。どうぞ。 ○川内委員 東洋大学の川内です。  3ページの例2、図書館での事例で、車椅子を複数の職員で2階、3階に運ぶというのがありますけれども、もう既に図書の情報というのはほとんどオンライン化されていて、コンピュータの上で見えるはずなんです。ですから、運ぶ以前にそういう、運ばなくても済む方法というのをまず考えるべきではないかと。運ぶというのはよく言われることですけれども、例えば電動の方にはとても無理ですし、それから本人もとても嫌なものなんです。ですから、運ぶ職員も負担が大きいですし、ですから、いきなり運ぶというような解決方法ではないだろうというふうに思います。  以上です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  ただいまのようなご意見というか、多分こういう事例なんかを見ていくと、いろいろな別の考え方とか、さまざまな、もうちょっとよりよい対処法があるのではないかと、当然こちらの委員の皆様におかれましては、その領域のかなり専門性の高い委員の方々が多いですから、そういったことに関して東京都のほうで、例えば一応受け付けていただいて、場合によっては内閣府に、こういった今回取り上げた事例に関しては、例えば別途こういった形での対応を行うことが望ましいみたいな、そんなような扱いというのはでき得るんでしょうか。 ○島倉課長 事務局の島倉です。ご意見ありがとうございます。  今回は事例を収集していることになるので、現実はこういう対応だったということでの報告には基本的にはなりますので、報告としてはこういった事例でしたということでの報告をさせていただくんですが、関係しているところについては、今いただいたような貴重なご意見についてはフィードバックして、今後の対応については、そういったことも踏まえて現実的には対応をいろいろ考えていただくということで進めさせていただければなというふうに思います。 ○小澤会長 ありがとうございました。  非常にこういうことに関しましては、それぞれ造詣の深い委員の方がたくさんいらっしゃると思いますので、場合によっては内閣府に出すだけでなく、東京都のほうでも知見の蓄積ということをしていただくと、この委員会としては非常にありがたいなというふうに思っておりますけれども、よろしいでしょうか。  ほかにいかがでしょうか、ご質問あるいは事実確認のことがあれば承りますけれども。よろしいでしょうか。  そうしましたら、あとこれは事前に委員の方からご意見をいただいていることが1点ありまして、こういういろいろな調査とか東京都の収集というのがあるんですけれども、例えば委員の方がいろいろな所属している場所とか団体、あるいはかかわっている現場から、例えばこういった事例があったとか、あるいはこういったことで、こういった事例を対応したとか、そういった知見、つまり委員の方が提案とか提出する場合は、例えば事務局に相談事例等というところで出すような扱いというのは大丈夫でしょうか。  どういうことかというと、こういった審議の場で、いや、実はそういった事例がありますとか、あるいはこういったことが所属団体では出ておりますということを一つ一つ出し始めると、かなり大変なことかなというふうに思っておりまして、例えばそういったことに関しては事務局に出していただいて、場合によってはこういう、今回は資料4−2のような形での出し方になっていますけれども、いろいろこちらの委員会としての共有すべき課題であるならば、例えば次回の委員会の中で、そういったことがありましたというような報告、審議ができるようなスタイルというのがあると望ましいのではないかなというのは、ちょっとこの開始前にいろいろと委員の方からご意見いただいているんですが、それはいかがでしょうか。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  もともと内閣府の調査自体が、広く情報提供することが望ましい特徴的なものを報告するといった調査になっておりますので、必ずしも全件報告しているものではないんですけれども、各委員の皆様方が相談を受けているようなもので、例えばそういった特徴的なものだったりとか、広く共有しておいたほうがいいといったものについては事務局のほうまでお寄せいただければ、事務局のほうでそれをまたお話聞かせていただいて、それを相談の件数というような形で捉えて報告するということは、普通に対応することができるものと思っております。 ○小澤会長 ありがとうございました。  そうしましたら、委員の皆様におかれましては、お立場に応じていろんな情報とか、あるいは対応したこととかというのも当然お持ちの委員の方もいらっしゃると思いますので、そういったことがありましたら事務局のほうに出していただきまして、例えば事務局のほうで、この協議会で共有したほうが望ましいと判断されるものとか、あるいは非常に重要な事例であると判断された場合とかは、こういった協議会の中でも場合によっては共有させていただくと。そのような扱いを考えたいと思いますので、本日は資料4−2ということで、内閣府に対しての提供する情報ということで扱われていますけれども、都のほうにもそんな形で出していただくとありがたいということでよろしいでしょうか。  では、そのような扱いをさせていただきたいと思いますので、ぜひ委員の皆様におかれましては、そういったことがありましたら、東京都の事務局のほうにお出ししていただくと大変ありがたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。  そうしましたら、1番目の議事に関しましては、もし後で3番目の議事まで終わりまして、後で気がついてこういったことを質問したいということがありましたら、時間が許せば当然承りたいと思います。1番目に関しては以上という形にさせていただきたいと思います。  そうしましたら、議事の2番目になります。障害者差別解消法の普及啓発についてということです。事務局のほう、よろしくお願いいたします。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  それでは、資料5をごらんください。こちらは前回の第3回の協議会でご提案いたしました今年度の障害者差別解消法の普及啓発の1つの取り組みである合理的配慮の提供等事例集の作成についてとなっております。  3の(1)のところでございますけれども、場面別、ストーリー的に掲載するということをご了承いただいておりまして、その後、3の(2)にあるとおり、事務局案をたたき台として作成し、各委員の皆様にメール等でご意見を頂戴しながら原稿案のほうを作成させていただいております。  (3)でございますが、作成スケジュールといたしましては、きょうの原稿案について改めて個別に見ていただいて、意見をいただいて、次回の第5回協議会において完成版のほうを報告させていただければと考えております。  原稿案については次ページ以降、別紙としてつけておりますが、表紙をめくっていただいて、1ページの下のほうをごらんください。事例集の活用に当たってというところで記載しておりますけれども、事例については、都の各局や区市町村、障害者団体等から寄せられたものを掲載しておりますが、ご提供いただいた方々にご迷惑がかからないよう、一部改編した上で掲載することとしております。  それから、全体の構成でございますが、続いて2ページのところ、目次にありますとおり、最初に障害者差別解消法の概要から始まりまして、合理的配慮の提供等事例を7つの場面ごとに掲載しております。また、表中にそれぞれの場面ごとに、右から2列目ですけれども、事例のテーマや気付きに当たるポイントというものを示しておりまして、それが以降の各事例においてワンポイントアドバイスとかの欄の中では、関連する部分がわかるようにアンダーラインを引くというような工夫等をさせていただいております。  なお、これまで委員の皆様と調整しながら作成してきておりまして、お時間の関係上、全ての事例の説明というのは省略させていただきますが、幾つか事例のほう、この後ご紹介させていただきたいと思います。  まず、6ページをお開きください。こちらは小売店での相談事例で、知的障害をお持ちの方の家族からの申し出でございます。愛の手帳3度を所持している家族がスーパーで買い物をした際、今まで使用していたポイントカードから新しいカードへの変更手続というのが理解できず、更新しないまま帰ってきてしまったと。本人が理解できない場合、手続を簡略化できないかというようなものでございます。  これについては店舗スタッフが本部へ連絡して対応を検討し、下のほうになりますが、来店時にはゆっくりと話す、わかりやすい言葉に置きかえる、ルビを振るなどの対応を行いました。また今回は、家族からご本人のポイントカードの更新の意思が確認できたため、代筆にて更新を完了し、今回の件を踏まえ、柔軟な対応というものを社内全体へ周知したというようなことを合理的配慮の提供ということでしております。  次の7ページ目でございますが、ワンポイントアドバイスのほうでは、下線部分でございますが、一人一人個別性があって、わかりやすい対応をすることが大切であると。また、さらに一歩進んだ例として、研修で障害の擬似体験をして障害理解を深めたり、手続をわかりやすく伝えるための絵などによる説明ボードを用意したりするなどの取り組みといったものも紹介させていただいております。  続きまして、12ページをお開きください。こちらは病院のほうの事例となっておりますが、身体障害をお持ちの方からの申し出で、足に障害を抱えていて杖を使っていて、受付や会計の際、窓口に行くまで時間がかかってしまうと。自分自身は行動が遅いことにいらいらするし、周りの患者さんにも迷惑をかけているのではないかということが気になって、病院に行くことがとても負担に感じてしまうというようなものでございます。  これについては、受付職員が上司に相談し、呼び出し方法の工夫等を検討し、患者様の呼び出しの際、アナウンスとともに待合室の椅子の患者様のところまで職員が行って用件を伝えたり、書類をお持ちするようにしましたと。また、院内の情報システムで歩行が困難な方などの情報を共有し、必要に応じて職員が患者様のところへ伺うようマニュアルの変更もしたということをしております。  1ページおめくりいただきまして、13ページですけれども、ワンポイントアドバイスでは3行目で、マニュアルを変更したほうが結果として診察がスムーズに進むことが予想されるというようなことに触れた上で、職員一人一人が患者のもとへ伺う合理的配慮の提供をするというだけではなくて、マニュアルを変更するという環境の整備が行われた事例として、組織的な体制づくりが望まれるというようなことを一番下、下線で引いているところでございますが、記載のほうをさせていただいております。  また、病院によっては、待合室に優先席を確保するというような病院もありまして、優先席の確保は病院に限らず、店舗やホールなどでも応用できる環境の整備であるというようなことも文中に紹介のほうをさせていただいております。  続いての事例でございますが、15ページをお開きください。こちらは鉄道の駅での事例となっております。視覚障害者からの申し出ということで、ふだん使いなれていないA駅を使うことになり、駅構内のガイドを窓口でお願いしたというものでございます。  視覚障害のある方の案内は、どの駅でも対応しているんですけれども、今回は女性からの申し出だったので、お手洗いの案内というようなことも配慮し、女性の駅員が対応したということを合理的配慮の提供というふうにしております。  右側16ページですけれども、ワンポイントアドバイスでは、障害者への合理的配慮に加え、女性に対してより細やかな配慮が必要となる場合があり、障害のある女性は複合差別も経験することがあることなどを紹介しています。  簡単ではございますが、以上で合理的配慮等の好事例集についての説明を終わらせていただきます。改めて冊子を見ていただいて、細かい表現など何かお気づきの点があれば、個別に事務局のほうまでメール等でご連絡いただければというふうに考えております。  それから、今年度の障害者差別解消法の普及啓発の取り組みといたしましては、今の好事例集のほか、参考資料のアでございますけれども、簡単に実施報告だけさせていただきます。参考資料のアですが、今年度、初めて障害者差別解消法シンポジウムというものを12月8日に開催いたしました。合理的配慮の提供ということをテーマにいたしまして、基調講演や実演を行ったほか、委員の方にもご参加いただきまして、パネルディスカッションを行いました。300人定員の会場で263人の参加ということで、盛況に終えることができたというふうに考えております。  そのほか、都民向けの普及啓発事業については下の2番のほうで記載しておりますが、例えば電車内での動画掲出など、こちらについてはさせていただいているところでございます。  説明としては以上となります。 ○小澤会長 ありがとうございました。  ただいま2番目の普及啓発についてという議題でございまして、大きくは資料5、合理的配慮の提供等の事例集ということで、一応案ということで、多分、各委員の皆様におかれましては事前に素案というのを送っていただいて、その上でいろんな形でのご意見を受けて、最終的に、最終とは言いませんけれども、少なくとも本日提示したような形での意見集約を踏まえて事例集をつくるという形になったということであります。  最終的には、今度の年度末完成版を予定ということを目指しておりますので、本日、場合によっては幾つかご意見をいただいた上で、また本日以降でもまだ時間的余力があればご意見をいただいた上で、最終的な完成版を目指すということで進めさせていただくということであります。  あとちょっと本日、私も事前に見ていたんですけれども、モノクロの印刷でありますので、本来的に言うと色刷りが入るというふうに聞いておりますので、多分色が入るとイメージがもう少し変わるかなというのが1つです。あと、委員会の開始前に1点だけ私のほうで文言で少しお願い事をしておるのがありまして、というのは2ページ、好事例集という絵の表紙のところの2ページのところに、いわゆるアンダーラインとかそれぞれの事例でちょっと留意していただきたいということで、ポイントが書かれている2ページの第2というところがあるんですけれども、合理的配慮等の提供等事例、4ページからという、そのタイトルです。これの一番上の欄なんですけれども、事例のテーマ、「気付き」というのは表現的にどうかなということで、「留意点」というふうに変えていただいたらいいのではないかというのを、先ほど意見を申し上げたばかりですので、場合によっては、ここのところを「留意点」という表現に変えていただく形になるのかなと思っております。  それ以外のところは、基本的には打ち合わせしたものと全く同じですので、この場でもし何かご意見がございましたらいただいた上で、多分これ、改めてまた委員の皆様が読んでいただいたりとか、実際問題、わかりやすいかどうかというのも実は意見の中にやっぱり必要かと思いますので、場合によってはこの協議会以降、何かありましたら事務局のほうに、こういう点をもうちょっと変えてみたらどうかとか、あるいはこういう点でわかりやすい表現がより望ましいのではないかということがありましたら、本日いきなり意見を言うのが難しい場合は、そういう扱いをさせていただきたいと思います。  とりあえずこの時点で何かご質問とかご意見があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。 ○高見委員 東難連の高見です。よろしくお願いします。  今の事例集のことについてですが、この厚い中でいろいろ事例を報告されて書いてありますけれども、障害者の差別解消法の合理的配慮の中でいろいろ配慮していかなきゃいけないということはあるんですが、わかっているんですが、僕は東難連としてのことをちょっとお話ししたいと思います。  この中で、難病の人たちも大変な苦労をされながら生活を続けられているということは、部会でもお話ししたと思います。それで事例集についてはいろいろ配慮をお願いしたいなというふうにお話ししたかと思うんですが、これを調べてみたら、難病という文言が1カ所しかないんです。1つしか出ていなかったです。ただ難病という表記だけで、その難病の人たちが本当にこういうものを見て、いろいろな事例を見て、事業者の人たちが見て、本当に配慮につながっていくのかなというのはちょっと思いました。  それで、ワンポイントアドバイスのところで少しでも難病のことの、こういうところが不便だよということの言葉がちょっと入っているといいのかなというふうに感じました。ただただ難病の人たちも配慮してくださいよといっても、外見的にはなかなか見てもわからない方々もおられるので、その辺はちょっと検討していただきたいなというふうに思うんですが、どうでしょうか。 ○小澤会長 ありがとうございました。  この事例集の中で難病という文言が余り出てこないという観点と、それから多分、どういうような配慮が必要かというところをもうちょっと留意していただきたいということだったかと思いますけれども、これに関しましては、ちょっと今、事務局のほうの答弁の前に、難病もいろいろと、例えば視覚障害が発生する難病だとか、あるいは運動、肢体不自由系の難病とか、いろいろなバリエーションがあるかと思いますので、そういったあたりに関しましては、例えば難病団体のほうで、こういう点が大事じゃないかという、逆に申し出とか提案をするのも1つかなと思って聞いていたんですが、いかがでしょうか。 ○高見委員 今、言われた指定難病であったりとかということからすれば、難病によって肢体不自由なこと、いろいろな手帳を持っておられる方がほとんどおられると思うんです。それ以外の方も、なかなか表面化しないような人たちもおられるので、そういう人たちが困らないような形であればいいなというふうには考えています。 ○小澤会長 ちょっと私のほうで一部引き取っていましたが、事務局のほう、いかがでしょうか。今のご要望というんでしょうか、ご提案だと思いますけれども。よろしくお願いします。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  難病のほう、また個別にちょっとやりとりしながら、どういった形で入れられるかというのを調整していきたいと思いますので、できれば一番わかりやすい事例みたいなものがあると、こちらとしても確かに入れやすいところもあったりするので、そこはまた個別にご相談させていただいて、進めさせていただければと思います。よろしくお願いします。 ○高見委員 よろしくお願いします。 ○小澤会長 ありがとうございました。  場合によっては今のような形で、委員の皆様と個別に少し打ち合わせて、さらに表現とか中身に追加をさせていただくということもあり得るかと思いますけれども、その場合はぜひご協力をよろしくお願いしたいと思いますが、ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○佐々木委員 東京都盲人福祉協会の佐々木です。  恐らくこの事例集も音声ファイルというか、CDという形になるかわかりませんが、音声化のものを出すと思うんですけれども、そのときにちょっと気をつけていただきたいのは、ただ読むだけではなくて、例えば先ほど会長がおっしゃったように、表紙にはこういう表紙だとか、表紙についての説明を入れるとか、そういうガイドがあるといいなと思いますので、ぜひ音声化のときには当事者に、こんな表現でどうでしょうかという形で一声かけていただけるといいなと思っていますが、その点いかがでしょうか。 ○小澤会長 ありがとうございました。  これは事務局のほう、よろしいでしょうか。よろしくお願いします。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  またそこも個別にご相談させていただきながらつくらせていただければと思いますので、よろしくお願いします。 ○佐々木委員 お願いいたします。 ○小澤会長 非常に大事な点だと思って聞いていました。内容的なことに対してそれぞれの委員の皆様からのご意見をいただくというのが1つと、もう一つはこれを仮に普及するに当たって、どういう点に留意しないと普及しづらいかという話も極めて重要な話ですので、そのことに関しましても、かかわりの深い団体の委員の皆様におかれましては、また個別相談に乗っていただけたら大変ありがたいと思いますし、私はちょっと、知的障害の方がもしお読みになったらどういうふうに理解を深めるかというのも、もう一点必要なことかと思いますので、普及啓発のときに。そういったことも委員の皆様でそういう団体の委員の皆様におかれましては、また同じようにいろいろご意見を聞いて、最終的にはどうやって広めるかというところもご意見いただく形になるかと思います。よろしいでしょうか。  私のほうで一部引き取りましたけれども、事務局のほうはそういうことでよろしいでしょうか。  内容以外でも普及啓発のほうでちょっとご相談もあるということで、よろしくお願いしたいと思います。  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○秋山委員 4ページの冒頭なんですが、文章の冒頭の4行目に「事例から私たちひとり一人ができることについて考えていきましょう」とあるんです。もちろんこれが、現場で障害者と出会った人がその場でどう考えるかというのが大事なので、多分この言葉になったのかと思うんですが、合理的配慮を考えるときに、個人が何とかするというだけではなくて、さっきの事例の中にもあったように、例えばルールを変更するとか、事業所がどう考えるかということも大事なので、この冒頭の部分のこの言葉には、こうなるのかなとも思うんですが、もう少し個人ではなくて、個人だけがそのことに対応して考えることだけではないということをどこかに入れていただけたらなというふうに思っています。 ○小澤会長 ありがとうございました。  これは確かに、この表現とか中身を一部、今のようなことも含めてというご要望ですが、場合によってはどういうのが望ましいかということもちょっと検討するかもしれないですね。事務局のほう、いかがでしょうか。多分もっと大きなことも含めて例として入れたらというか、表現として入れられるかという、そういうことだったかと思うんですけれども。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  この事例集、ほかにもいっぱい表現で気になるところとかあると思いますので、そちらについてはご意見をいろいろいただいた上で、ここの場ではなくて、別のところで個別にやりとりしながら、よりよい表現になるように努めていきたいと思いますので、ご意見のほうを寄せていただければというふうに思っております。 ○小澤会長 ありがとうございました。  あとちょっと今のやりとりで確認なんですけれども、これの読者層というのは原則、いわゆるイメージとしては、事業者とか行政の方というのが想定されるような読者層という、そんな想定でもよろしいでしょうか。一般的に考えると、そういう感じの例が流れているなという印象を持っておりますので、そこのいわゆる読者層は、もっと幅広い都民全般と言えばそうかもしれないですけれども、どのあたりに力点を置いているかによって、ちょっと表現の仕方とか、あるいは例の出し方も変わってくるかなと思っていたんですが。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  事例集の配付先なんですけれども、事業者ですとか、公共交通機関、教育機関、行政機関、当事者団体等という形で、一個人という形ではないんですけれども、そういった機関に配付するということで、数としては2万部刷るということで考えております。 ○小澤会長 そういうことですので、今、委員の方から表現的なことや、表現以上に中身にも入っている部分もあったかと思うんですけれども、そういう観点で一度また改めて見ていただいて、こういったところをこういう表現のほうがいい、あるいはこういうようなワンポイントのところはこんなふうなポイントを入れたほうがいいのではないかとかということがございましたら、最終的には、決めなきゃいけないことは、多分いつまでにそういったやりとりが可能かというのが一番重要な話だろうと思うんです。最終的に印刷物として出すわけですので、当然いつまでにというのを決めれば、委員の皆様もいつまでにという気持ちで、本日の委員会はあくまで、いきなりこの場でいろんな細かいことは普通に指摘するのは難しいかと思いますので、見ていただいて、期日を決めればそれまでには、大幅な変更ではなくて、そういった表現とか、あるいは入れられるものは入れられますというような期日が示されると、非常に具体的になるかなと思うんですが、それはどんな感じでしょうか。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  お忙しい中恐縮なんですけれども、できますれば年内ぐらいでいただけると非常に助かります。すみません、よろしくお願いいたします。 ○小澤会長 年内というと、普通は御用納めを考えるので12月28日、そんな感じでよろしいですか。 ○島倉課長 はい。来年になっても、だから対応しないというわけではもちろんありませんので、できるだけ早くいただけると、こちらとしては助かりますということでのお願いとさせていただきたいと思います。 ○小澤会長 そうしましたら、一応年内ということですので、常識的な意味合いで言うと12月28日、東京都庁のお仕事の日ぐらいまでということで、あと場合によってはそれ以降でも当然、受け付けることは受け付けますということではあるんですけれども、そのぐらいまで出していただくと、都の皆さんもちょっとは仕事が楽になるかなということですので、よろしくお願いしたいと思います。  本日以降、そんな形で見ていただきまして、内容的なこと、あと啓発に必要なこととかというのも、いろんなノウハウをお持ちの委員もいらっしゃると思いますので、こういった留意点に配慮したほうがいわゆる啓発の上でもいいというようなことも含めてご意見、ご要望があれば、12月28日ということでよろしくお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。  議題の2に関しましては、以上のような形で扱わせていただきます。また後で、3まで扱いまして、もし時間が許せば、気づいた質問とかご意見は承りたいと思います。  そうしましたら、本日、実は一番時間をとって審議しなければいけないことがございまして、これは冒頭申し上げましたように、議題の3番目になります。これは障害者への理解促進及び差別解消のための条例制定にかかわる検討部会というところでの検討の状況と、それからいわゆるパブリックコメントにかける素案というものも本日出されておりますので、それに関して審議を行うということであります。本日の委員会以降、パブリックコメントまでの時間が実はそんなにないというのが気になってはいるんですけれども、いずれにしても、これは非常に重要な審議事項ですので、およそ残りの時間のほとんどをこの議題3に費やしたいなというふうに思っております。  そうしましたら、まず事務局のほうの説明ということで、説明のほうをよろしくお願いしたいと思います。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  それでは、資料6−1から順番にご説明させていただきたいと思います。資料6−1をごらんください。これまでの条例検討部会での検討状況を、こちらで概要ということで簡単にご説明させていただきます。  まず一番上、目的でございますが、東京2020大会を見据え、都民及び事業者が障害者への理解を深め、障害者差別を解消するための取り組みを進めることで、障害の有無によって分け隔てられることのない、共生社会、ダイバーシティの実現を目指すということで、条例の概要でございますが、ポイントを4点挙げております。  1つ目は、事業者による「合理的配慮の提供」の義務化です。差別解消法は、こちらは努力義務としておりますが、そもそも合理的配慮は過重な負担のない範囲で個別に対応するというものでありますので、事業者に過重な負担を求めるものではなく、都条例では事業者に対する合理的配慮の提供を明確に義務と位置付けることとしております。  続いて2つ目でございますが、情報保障の推進、言語としての手話の普及でございます。情報保障を推進するとともに、手話は言語であるという認識に基づきまして、手話の普及に努めることとしております。  それから右上、3つ目でございますが、専門相談体制の整備でございます。都に専門相談機関(広域支援相談員)を設け、障害者、事業者双方からの相談を受け付け、助言、調整をすることとしております。  4つ目は、紛争解決の仕組みの整備でございます。紛争事案を解決するために、第三者機関としての調整委員会というものを設け、あっせんの手続を設けることとしております。また、あっせん案に従わず、特に悪質と認められるような場合については、知事は勧告のほか、罰則的な意味合いを持つ公表もできるということとしております。  これまでの部会における検討状況でございますが、左下の囲みにあるとおり、検討部会のほうを8回開催し、当事者団体や事業者団体のヒアリング、また個別のヒアリングということで、多くのさまざまな立場の方からのご意見をいただいて、概要案ということで示させていただいているところでございます。  それから、右下のほうでございますが、この後のスケジュールといたしまして、パブリックコメントを実施し、来年6月の第2回都議会定例会に条例案を提案し、10月の施行を目指しているところでございます。  ここでポイントの1つ目の、事業者による「合理的配慮の提供」を義務化とした経緯について少し補足で説明させていただきたいと思います。ちょっと飛びますが、資料6−4の参考資料、条例検討部会におけるこれまでの議論詳細の12ページの一番下、こちらをごらんいただければと思います。  12ページの一番下でございますが、事業者の合理的配慮の義務化に関する検討を行った際のご意見ということで、事業者による合理的配慮の提供を義務とすべきという立場の主な意見を一番下のほうに載せております。例えば、法は上乗せ、横出し規定を妨げないとしており、多くの自治体が義務化している中で、都も義務とすべきであるとか、次の13ページにいきますが、義務化しても、事業者の規模等も踏まえ「過重な負担のない範囲」での対応を求めるものであり、中小企業にも配慮はされている。「過重な負担のない範囲」かつ「努力義務」という法の規定はわかりづらく、事業者の理解、取り組みが進まない要因になっているというようなことが挙げられております。  一方で、その下、事業者による合理的配慮の提供を努力義務とすべきという立場の意見では、施設・設備の改修等を求められた場合、物理的に難しい場合や費用負担が重過ぎる場合があるため、義務とすべきではないであるとか、業種・規模等による違いがあるほか、混雑時等の状況によっても対応が難しい場合があるため、一律に義務化には反対であるとか、過重な負担の判断基準は不明確であり、事業者にとって負担となるなど、意見が分かれたところでございます。  これらの議論を踏まえた考え方が、14ページの「不当な差別的取扱いの禁止」及び「合理的配慮の提供を」の適用についてというところのA番になりますが、事業者による合理的配慮の提供の義務化については、東京2020大会に向けて事業者の取り組みを進めていくということが重要であり、差別の解消に向けた実効性ある条例とするため、事業者の負担、不安に対する措置を講じつつ、義務化することを検討するというふうにいたしております。  コメ印の部分で、事業者の不安解消に向けた啓発、理解促進といたしまして、1で、「合理的配慮の提供」は、不特定多数に向けたハード整備ということではなく、ソフト面を想定した個別的な対応であることとか、2、企業規模や混雑時等の状況によらずに一律の対応を求めるものではなくて、個々の状況に応じた過重な負担のない範囲での対応であることについて、都が理解促進や啓発を進めていくこととしております。  それから、コメ印の2つ目ですけれども、事業者の負担軽減に向けた相談体制の整備ということで、現に事業者が障害者への「過重な負担」の説明やその判断に困った際、適時助言等を行う相談体制を整備し、広く事業者に対しても周知していくということで、事業者の不安、負担に対する措置を講じていくということを考えております。  以上が、事業者の合理的配慮の提供を義務化した経緯でございます。  なお、この資料6−4全体は、第8回までの部会でさまざまご議論いただいた各論点について出された意見の概要と、あと議論を踏まえた考え方についてまとめた資料でございますので、お時間の関係上、ほかの部分の説明というのは省略させていただきますが、適宜ご参照いただければというふうに考えております。  それでは、資料6−2に戻らせていただきます。6−2をごらんください。パブリックコメントの実施についてということで、これまでの議論を踏まえて検討してきた条例の構成概要について、広く都民に公開し、意見を聴取することを目的として、パブリックコメントを実施していきます。  パブリックコメントの対象といたしましては、後で説明する資料6−3、条例の構成と基本的な考え方というものになりますが、実施の期間といたしましては、真ん中左側ですが、12月20日から1月18日までの30日間ということで考えております。  実施の方法といたしましては、プレス発表やホームページ等で広く都民に対して周知して、郵送、メール、ファクスにて意見を受理することを想定しております。なお、点字資料等については個別に対応するということで考えております。  結果については、平成30年2月ごろに都の考え方をホームページに公開するとともに、30年3月予定の次回協議会において結果を報告する予定でございます。  なお、本日の協議会でいただくご意見につきましても、パブリックコメントの結果とあわせて整理して、次回の部会と協議会で報告させていただきたいと思っております。  それでは最後、資料6−3をお開きください。パブリックコメントの対象となる条例の構成と基本的な考え方について、ざっと説明していきたいと思います。  なお、パブリックコメントは、これまでの議論を踏まえた構成や考え方について意見をもらうものであって、今後、条文としての詳細を検討する中では法令所管課等とのさまざまな調整が入るということについては、あらかじめご理解いただきますようお願いいたしたいと思います。  それでは、まず目的、定義、基本理念等についてでございます。  1の目的規定といたしましては、2つ目の丸ですが、差別の解消と共生社会を目指すということで目的としています。  それから、2の定義でございますが、障害、障害者、社会的障壁、共生社会、障害の社会モデルについて定義していくこととしています。  3の基本理念ですが、障害者の人権、社会参加の促進、情報保障の推進、障害及び障害者への理解、女性であること等性別、年齢等による複合差別への配慮について規定するとしております。  4、都の責務ですが、1つ目の丸が、相談、紛争解決のための体制整備に対する責務。2つ目の丸が、理解促進に向けた啓発の責務ということを書いてございます。  それから5番ですが、都民及び事業者の責務としては、障害、障害者、障害の社会モデルについて、みずから積極的に関心と理解を深め、都の施策に協力するよう努めるとしています。  それから6、区市町村との連携ということで、都が体制整備や啓発を行うに当たっては、区市町村と連携するとともに、情報提供、技術的助言等を行うよう努めるとしております。  2ページをごらんください。  障害を理由とする差別に関する相談及び紛争の解決のための体制についてということでございますが、7、障害を理由とする差別の禁止としては、1つ目の丸で、不当な差別的取り扱いを禁止すると。2つ目の丸ですが、都及び事業者は、障害当事者から社会的障壁の除去の意思の表明があった場合に、建設的な対話を行い、その実施に伴う負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をしなければならないということで、都及び事業者の合理的配慮の提供を義務というふうにしております。  8、障害者を理由とする差別に関する相談体制については、都に広域支援相談員を置くこと。広域支援相談員は知識や経験を有する者とすること。広域支援相談員の役割として、区市町村への支援として助言、調整を行うこととか、また本人のほか、家族や関係者が都に直接相談できるものとして助言や調整を行うとしております。なお、こちら記載のとおり、事業者からの相談についても受け付けることとしております。  9で、紛争解決のための体制整備でございますが、まず調整委員会について、公正中立な判断をするための第三者機関として設けると。調整委員会を構成する委員についても公正かつ中立な判断が求められることや、秘密保持に関する規定ということをまとめています。  次に、あっせんの求めですが、都の広域支援相談員が対応しても、なお解決が見込めない事案について、当事者の意に反する場合等を除き、あっせんを求めることができるということで考えています。あっせんを求められた知事は、事実関係を踏まえて、必要な場合に調整委員会にあっせんを行うよう求め、調整委員会は知事の求めに応じてあっせんを行うとしています。また、あっせんは問題が解決された場合のほか、解決の見込みがない場合に終了するとしています。  3ページのほうでございますが、勧告についてということで、こちらはあっせん案を正当な理由なく受け入れない等の場合において、調整委員会が知事に対して必要な措置を勧告するよう求め、知事名で勧告できるということを記載しています。  それから、公表についてですが、事業者にとって非常に影響が大きい規定ではあるんですが、条例の実効性を担保するために、関係者の意見陳述等の機会を十分に確保した上で公表できるということを規定しています。  それから、共生社会実現のための基本的施策というところでございますが、10、情報保障の推進では、情報保障は障害当事者だけでなく、障害のない人にとっても必要であるという認識に基づき、手話、筆談、点字、拡大文字、読み上げ、わかりやすい表現等により、障害者がわかりやすく利用しやすい方法での情報提供が普及するよう、必要な施策に努めるとしています。  11で、言語としての手話の普及では、独自の文法を持つ手話は1つの言語であるという認識に基づき、その認識を広めるとともに、手話の利用が普及するよう必要な施策を講ずるよう努めるとしています。  12、教育の推進では、都は障害、障害者、障害の社会モデルに関する正しい知識を持つための教育が行われるよう努めることとしています。  4ページの13ですが、交流の推進では、障害及び障害者への理解促進に当たっては、障害の有無にかかわらず交流することが重要であるということを踏まえ、交流の促進に努めるとしています。  14、事業者による取り組み支援については、都として事業者の自主的な取り組みを促進するため、情報提供や助言、連携の促進等に努めるとしております。  少し長くなりましたが、以上をパブリックコメントの対象としていくということで考えております。  説明は以上です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  ただいまのご説明にありましたとおり、資料6−3、1から14までの、これは項目と言っておきましょうか、まだ条例そのものではないので、それを一応パブリックコメントにかけるものの素案ということであります。したがいまして、かなり細かい点は今後さらに詰めていかなければいけないことはたくさんあるということを前提の上で、この資料の6−3をパブリックコメントにかけるということですので、本日はこの資料6−3をめぐって、いろいろとご意見をいただくことが一番重要事項と考えています。もちろんそれ以外のところでもご質問、ご意見は当然あるだろうと思いますけれども、それはまたそれに加えて出していただくのは構わないかと思います。  あともう一つ、ちょっと確認すべきことは、実はパブリックコメントが、ただいま今後のスケジュールというところで見ていきますと、本日が12月18日でありますので、12月20日からパブリックコメントになるということは、本日の委員会でどこまでご意見をいただき、またその上でそれをパブリックコメントにどの程度修正できるかというのは、極めて時間的に難しいなというふうに思えるところもありますので、場合によっては、これは多分、委員からのご意見ということで、パブリックコメント期間であっても別途受け付けていただくような形というのは、これはよろしいでしょうか。  要するに12月20日からはパブリックコメント1本かという、仮に委員が意見を出すにしても、それはパブリックコメントになるのかどうかという、委員は委員として別途、事務局に直接ご意見あるいはご要望が出せるという、そういう扱いはよろしいでしょうか。ちょっとそれは確認しておきたいなと思ったんですが。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  個別にご意見いただいて構いません。パブリックコメントとしては6−3の形で出していきたいというところでご理解いただければと考えております。その後いただいた意見につきましても、パブリックコメントの意見も踏まえた上で、その後整理については考えさせていただきたいということでお願いしたいと思います。 ○小澤会長 ということで、ちょっと確認させていただいたのは、一般的に考えますと、きょういただいた意見を踏まえて、若干必要に応じて修正されたものがパブリックコメントにかかるという、そういった流れが一番ベストなんですが、この日付を見ますと、それは非常に困難な可能性があるということで、一応意見をきょういただきまして、場合によっては、それが時間的に修正がかからない状態でのパブリックコメントもあり得るということで、その場合は委員の皆様におかれましては、直接パブリックコメント期間中であっても、場合によっては事務局にご意見、ご要望を出していただくという、そんなことを確認させていただいたのですが、よろしいでしょうか、そういう形で。  ということですので、以下は、基本的にはこのパブリックコメントにかける条例の構成と基本的な考え方ということに関してのご質問、ご意見、場合によっては、必要に応じて参考資料も含めてご質問、ご意見いただいて構わないかと思います。よろしくお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。  そうしたら、部会長である川内先生のほうからちょっと発言していただきたいと思うんですが。 ○川内委員 部会長を承りました東洋大学の川内です。  部会の中でいろいろ議論したんですが、まだ十分煮え切っていないところも正直言ってあります。それで、最大の論点は義務化だったわけですけれども、事業者のほうからはすごく懸念が表明されました。ですから、それについては、資料6−3で言うと、1ページの4番です。都の責務として「都民及び事業者の関心と理解を深め」とか、それから4ページの14番です。「事業者による取組支援」とか、こういうふうなところをしっかりやることによって疑念を払拭していく。つまり、事業者はまだ合理的配慮というのを十分理解できていなくて、過重な負担というのも十分できていないような意見が多かったので、そのことをきちんと理解していただく施策とセットで義務化するということになっています。  それから、部会で意見が出たのは13番、4ページですが、交流の推進で、「都は、全ての都民が障害の有無に関わらず交流することを推進し、その相互理解を促進」というと、あたかも都民が障害のある方とない方の2グループに分かれていて、それが交流するような書きぶりになっていると。この書き方は、わざと分割させるような意識に刷り込むような書き方ではないかというような指摘があって、これは部会の中でも多くの方がうなずいていらっしゃったというふうな印象があります。これは個人的な意見になるかもしれませんが、1ページの5番に都民及び事業者の責務として「障害、障害者及び障害の社会モデルに対する関心と理解を自ら積極的に深めるとともに」云々というのがあって、ここでもういいのではないかというふうに思っています。  それから、都のやることというのがたくさんあるんですけれども、例えば3ページの10番あたりから、都のやることというのが基本施策としていろいろ書いてあるんですけども、実は全部「努めるもの」となっているんです。「努めるもの」ではなくて、「講ずる」というふうに、きちんとはっきり意見表明すべきではないかというような意見があって、これも部会の中では多く理解を得た意見でした。  それから、最後ですが、2ページの8番の3つ目の丸の2つ目のポツに「障害者、その家族、その他の関係者」というのがあります。それから、9番の2つ目の丸のあっせんの求めについての1つ目のポツでも「障害者、その家族、その他の関係者」というのがあって、これを「法定代理人」とかというふうに狭めるべきではないかというような意見もありましたけれども、例えば視覚障害のある方が何かに入ろうとして、そのお店の人が視覚障害の方を排除する意図でドアを閉めたとしても、視覚障害のある方にはドアが閉められたことが見えないというようなことがあるので、差別を受けたかどうかがわからないということになるので、「その他の関係者」としては、そこでの目撃者なども含めるべきであるというような意見が出て、これはもうちょっと広く捉えようということで「その他の関係者」という表現で、このままいこうというようなことになりました。  おおよそ以上です。 ○小澤会長 補足ありがとうございました。  当然、部会の中でも相当に議論が積み重ねられて、それぞれの論点におかれましてはさまざまな角度で、場合によっては異なる意見も少なからずあったかと思いますけれども、最終的には一応この資料6−3のような形でのパブリックコメントという形をとったということと、それからあと、部会長としての発言のみならず、個人的なご意見も入っておりまして、これも非常に審議には参考になるご意見だったかなと思って聞かせていただきました。  そうしましたら、以上、事務局説明と、あと部会長からの補足説明というのを受けまして、あとは委員の皆さんのほうからのご意見、ご発言をというふうに考えております。ただ、部会の中で相当審議されたというふうに聞いておりますので、場合によっては部会以外の委員の方から、本日こういった資料6−3をごらんになっていて、どういう点を考えなければいけないか、あるいはちょっと表現的な課題はあるのかどうか、あるいは場合によってはさまざまな質問的な課題、それも含めて、とりあえず私のほうの議事進行としましては、部会以外の委員の先生方からのご発言を先に承りまして、その上で部会委員の先生方のご発言というふうに考えているんですけれども、よろしいでしょうか、そんな進め方で。  私の手元に部会委員以外の委員の方のお名前を控えたものがございまして、その流れでお名前をご指名させていただいて、場合によっては、ご意見がなければ特になしで結構でございますけど、とりあえずそういった方向で、幅広くご意見を承りたいと思っております。  一番最初、吉川先生のお名前が載っておりますので、すみませんけど、よろしくお願いします。 ○吉川副会長 明星大学の吉川です。どうぞよろしくお願いいたします。  努力義務ではなく義務にしたというのは、非常に一歩踏み込んで、高く評価できる点ではないかなというふうに思いながらお聞きいたしました。  私、立川市のほうでも条例に携わらせていただいた関係で、定義が今ちょっと気になっていて、都民と事業者を定義しなくてよいのだろうかということをちょっと感じました。部会の議論の中でもどの範囲を含めるかというのは多分出ていたのではないかと思って今、確認をしていたところなんですが、必要ではないかなと思ったのが1点です。  とりあえずそれでよろしいでしょうか。 ○小澤会長 ありがとうございました。  ただいまのはパブリックコメントにかけるに当たって、資料6−3で言いますと2番の定義というところに、定義するということへのパブコメであって、この中身を示したほうがパブコメとしてもいいのではないか、そういうご意見が出ていますけれども、これはどうしましょうか。意見という形で承る形でよろしいでしょうか。事務局のほうで、そういった意見を含めてどうお考えになるかということも、場合によっては、もし事務局のほうで何かそれに対してのコメントとか何かありましたらご発言も構わないと思いますが、事務局、今の話はいかがでしょうか。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  部会の検討の中でも、都民の定義というようなお話はあったと記憶しております。ただ、都民という言葉を幅広く捉えて、例えば訪問してくる旅行者ですとか、そういった幅広く捉えるかどうかというようなお話もあったとは思いますが、都民を具体的にどう定義するかというのは、あと法令所管課との調整というようなところもありますので、その調整の中で基本的には進めていくことになるのかなというふうに事務局としては考えているところでございます。 ○小澤会長 というようなことですが、よろしいでしょうか。またちょっと今後のことも含めて対応していただけたらと思いますけれども、そうしましたら、私のほうの今の冒頭申し上げたような流れでいきますと、次は医療領域から勝俣先生、よろしいでしょうか。よろしくお願いします。 ○勝俣委員 この後の参考資料で6−4です。議論の詳細というのを先ほど見て、やはり気になるのは、事業者として義務化する、結構なんですけれど、施設とかそういうものの整備に関してはやはりすごくプレッシャーがあるんだろうなということは感じるんですけれど、私も開業医ですので、玄関から入ってきて、段差があるんです。そこを、皆さん大体知っている人なので、来るのがわかっていますから、いらしたら私が出て行って段差を持ち上げるというようなことをするんですけれど、もしかしたらそこのところは本来ですとスロープを設置しなきゃいけないのかなと。昔の診療室ですので、なかなかそこまではいかないというようなことで、そういう意味のプレッシャーはすごく感じる部分があります。それだけです。 ○小澤会長 ありがとうございました。  基本的には義務化ということをめぐって、事業者としてのさまざまな対応ということを考えると、結構懸念というんでしょうか、課題もあるのかなというご発言でありまして、これに関しましては先ほど事務局説明の中にも、資料6−4の説明の中にも、そのあたりは相当に部会の中でも結構意見がいろいろと出たということでご紹介もしていただきまして、最終的には過重な負担のない範囲というあたりの扱いとか、それからあと、これは先ほど川内部会長のほうからのご説明にありましたとおり、都の責務というのも結構重くなっているというあたりで、一応対応というんでしょうか、考え方としては整理させていただいているという、そういったご意見もありましたけど、これに関しましては、パブリックコメントをされても、同じようなご意見が出てくる可能性もあるかなと思って聞いていたんですが、これは事務局としては一定程度、これまでの議論の中でこういった考え方の整理がついているのでという、そんな形で進めていくということでよろしいですか。  では、部会長の川内先生のほうに渡します。 ○川内委員 部会長の川内です。  今、勝俣委員からのご懸念というのは、簡単に言うとバリアフリーのハードの設備にまで求められるのかということですけれどもバリアフリーのハードの設備はバリアフリー法で規定しています。小規模の診療所なんか2,000平方メートルよりも小さいものについては、国のレベルですね、都のレベルは多少違いますけれども、について、特に既存のものについては、すぐにつけなさいというような義務化はされておりません。  この条例が、バリアフリー法の上にさらにハードの面で乗せるということはない、そういうことは検討していません。ですから、今、勝俣委員が日常の業務の中でお手伝いされているような範囲でも十分なわけです。ですから、その辺が事業者の方々も非常に大きな懸念を持たれていると思いますけれども、決してハードを、エレベーターをつけてくださいとか、そういうふうなことが出てくるわけではないということはご理解いただきたいと思います。 ○小澤会長 ありがとうございました。  そういったことも含めて、普及の啓発が必要なところがあるかなと。ちょっと私もいろいろな懸念がやっぱり、この資料6−4を見ながら思っていましたので、必ずしもそういうことにはならないということも、これは、都の責務みたいなところできっちりとそれを説明し、事業者の理解を進めていくと、そんなような形での対応が考えられると、そんな形でよろしいですか。  まだまだそういった関連のご意見が仮にあっても、多分パブリックコメントでも結構そのようなご意見が出る可能性がありますので、その意味で、その後の対応を、そういったご意見に対する対応をぜひよろしくお願いしたいと思います。  そうしましたら、あとは教育領域になるかと思うんですが、石橋先生、いかがでしょうか。 ○石橋委員 武蔵野東学園の石橋と申します。  教育の部分で言うと、特別支援教育というものが義務化されてきて、義務にしたことによって、いろいろな部分が大きく進展したというふうには思っています。今回の条例の義務というものに関しても、義務にすることによって進むのではないかなというふうに思います。ただ、義務にしたことによって、東京都が、例えば先ほど意見としてもあったように、補助をしていく必要があるとか、予算的な措置とか、そういったものもやはり教育の部分でも考えてもらいたいという声は出てくるだろうなというふうには思いました。  以上です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  義務という点の非常に重要性というんでしょうか、現実に事態を動かすに当たっての、やっぱりかなり大きな意味づけと東京都の責務という、今回資料の6−3にも東京都の責務が少なからず出ておりますので、そのあたりも十分検討していただけたらということが意見の中に入っていたかと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。  そうしましたら、次は、今度は法曹領域という形になるんですけれども、関戸先生、いかがでしょうか。 ○関戸委員 すみません、何でしたか。 ○小澤会長 この資料6−3というところの、これからパブリックコメントにかかるものに関する、もしご意見があればというところで、今、特に部会の委員以外の先生方からのご発言を先にということで、お話をお伺いしようかと思っていた次第なんですけれども。 ○関戸委員 もろもろの措置を講ずるといって、措置を例えば講じた、あるいは講じないということに対する、簡単に言えば、義務化といっても、具体的に義務化というふうにいったとしても、それが法的に実効性を持つようなものになるような規定はないのではないかというふうに思いました。だからといって、例えば刑事罰なんていうのは到底、確かにこの性質上、難しさはわかりますけれども、法的効果が伴うような条文がないので、この点は何かできないものかなというふうに思った次第です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  これは先ほど川内部会長のほうから、幾つか部会の中でも、特にこの10番以降のところで、最後の文言が「努めるものとする」というところを、場合によっては「講ずるものとする」というような表現のあり方はどうかというのも部会の中で検討され、かつ意見が大分出ていたというお話を聞きましたけれども、今のお話だと、例えば義務化をして、かつ一定程度、強制力というんでしょうか、そういったことを考えると、例えば部会の中では「講ずるものとする」みたいな表現に変えることによって、そのあたりの強制力というのはやや増すのではないかということで意見交換がなされたのですが、それに関しましてはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。そういった表現のありようによって、ただいま必ずしもこういったことが義務化されても、強制力は特段発生しないのではないかというご意見だったんですけれども。そこはいかがでしょうか。発生しないほうが望ましいという意見もあるでしょうし、発生したほうが望ましいという意見もあるかと思うんですけれども。 ○関戸委員 「講ずる」というふうに言ったほうがより明確になると思います。だけど、その場合でも結局、それを講じなかった場合の法的効果というのは何もないことになるのかどうかです。 ○小澤会長 これに関しましては多分、この資料6−3からは明確にあれですけれども、当初、説明がありましたように、場合によってはかなり知事のほうからの勧告とか公表とかという、かなりな取り組みを行うという、そういったところが発生するという、そんなところが1つ、罰というわけじゃないんですけれども、そんな可能性もあるという説明がありましたけれども、そんなところでよろしいでしょうか。  表現的に言うと、やっぱり「講ずる」になると、結構それなりの義務的な要素も、結構強制力の発生が起こりやすい表現になるのではないかなという、そんなことでご意見が出ていたかと思いますが、よろしいでしょうか。  そうしましたら、引き続きでよろしいでしょうか。私の手元ですと、中村先生のほうで何かご意見があれば承りたいと思います。 ○中村委員 私、1点あります。都の責務が当然あると思うんですけれども、それと同時に、一定の事業者の責務というのは当然出てきますね。それに並行するような形で都民の責務というのがあるのが、これについてはちょっと、都、事業者、そして都民の責務というふうに並行的に言えるのかなと、ちょっと疑問なところがあります。  以上です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  都民の責務というところが、都の責務と、番号で言いますと4番、5番あたりが並びになっていますよね。5番のところが都民及び事業者の責務ということになっていて、都民の責務というものの扱いということでよろしいでしょうか。かなり同列に扱われているけれども、場合によっては必ずしもそうではないのではないかという、そんなことが含まれているご意見かと思いますけれども、このあたりに関しましては、部会は余り都民の責務というか、都民に関してはどんなような議論がなされたか、もしご紹介できるものが。 ○川内委員 余り議論には。 ○小澤会長 よろしいですか。ということで、余りそこはそれほど掘り下げてはいなかったということで。 ○川内委員 部会長の川内です。  これは先ほど議論に出ていた定義、都民とか事業者の定義というところにもありますけれども、都民という定義は属地主義をとろうということで、特に住民登録している人だけではなくて、そこに昼間流入している人とか、そういうふうな方も含んでいこうというような話になっていて、これは先ほど事務局のほうから定義の中で、文章化の議論の中で入れられるように検討していきたいというようなことがありましたけれども、その定義のところまでです、議論としては。それ以上、特に都民の責務がここに書かれているけれども、それについてはどうかというようなことについては、余り議論はありませんでした。 ○小澤会長 ありがとうございました。  ちょっとこのあたりをどう見るかは、また検討させていただく形になるか、あるいは事務局的にはどう考えるかというのは意見として出ていたのかなと思いました。よろしいでしょうか。  そうしましたら、引き続きまして、今度は福祉事業関係ということで、笹生先生、いかがでしょうか。 ○笹生委員 ありがとうございます。社会福祉法人原町成年寮の笹生です。  この間、ずっと義務化の話が出ていましたけれども、私としては非常に前向きに捉えたいというふうに考えております。私ども福祉の事業者としても、この義務化についていろいろこれから検討しなければいけないだろうなと思っています。多分いろんな事例の積み上げの中で、よりよいものになっていくんだろうというように考えております。  以上です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  基本的には非常に前向きに受けとめていただいたご発言だと思いますので、こういう中で、実際問題はこれから個々の課題とか、個々の事例とか、あるいは今後、資料6−3をベースにして本当の意味での条例の細かい内容とか、あるいは運用上の規定などが整備されていくということだと思いますので、その上でまた取り組みがさらに深まっていくというようなことも含めて、前向きなご意見ありがとうございました。  そうしましたら、私の手元では、今度は事業者のほうのお立場ということで、穂岐山先生、いかがでしょうか。 ○穂岐山委員 2点ほど意見を申し上げたいと申します。中小企業団体中央会の穂岐山と申します。  まず、合理的配慮という相対的かつ曖昧な概念を義務化するということに、私どもとしては違和感を感じざるを得ないということでございます。特に案のように、罰則に準ずるような公表制度を前提とするならば、なおさらであるというふうに考えております。  合理的配慮というのは、事業者の規模とか業務実態、さらには同じ事業者でも例えば繁忙期と閑散期等によっても大きく変わるものであり、二重の意味においても相対的かつ曖昧な概念であります。これを事業者、特に小規模事業者に一義的に判断を委ねるとなると、事業者の負担は大きいものと考えます。そして、仮に義務化するとしても合理的配慮を欠いていないことの挙証責任は依然として事業者に残る以上、これを紛争処理機関のあっせんの対象とすると、濫訴の問題も含め、対応する側の事業者の負担は極めて過大なものとなるというふうに考えます。  合理的配慮につきましては、仮に義務化するとしても、相互の話し合いや相談等の中で解決すべき問題であるというふうに私どもは考えております。これが1点でございます。  それから、先ほど来、補助の問題で、過重な負担を求めるものではないので、普及啓発に専念すべしというような話があったんですけれども、ハードの問題はともかくとして、さまざまな助成の仕方、支援の仕方というのはあろうかというふうに考えております。東京都が率先して上乗せ条例を制定し、これを積極的に推進しようとするなら、それなりの支援、特に中小、零細企業者に対し支援を行うべきものであるというふうに考えます。  ハードに限らず、従業員の研修経費など、企業のさまざまな自発的取り組みを促進するという観点からも、中小に対する助成等の支援は必要であるというふうに考えます。公的助成制度を創設することにより、合理的配慮のレベルの底上げ自体も大いに期待できるというふうに考えますので、よろしくご検討のほどお願いしたいと思います。  なお、東商の杉崎さんのほうから事業者として補足したいというお話がありますので、よろしいでしょうか。 ○杉崎委員 手短に申し上げます。商工会議所、杉崎でございます。  さきの検討部会でも、この義務化について、東京都のほうで実効性ある条例とするためという理由でもって、義務化の方向性が打ち出されましたが、非常にこの点については困惑しております。  また、これまで事業者ヒアリングにおいても、義務化に反対であるということが多く声として出されまして、あと企業規模ですとか業種・業態による特性も十分に考慮しなければならない旨も申し上げてまいりました。しかし、今日に至ってこの点は全く考慮されておりません。  あと、穂岐山委員からもただいまご発言がありました補助制度、これはハード、ソフト両面の補助制度が考えられると思います。この点についても前回の検討部会で、その必要性を申し上げましたが、本日の会議においてもこの点は打ち出されておりません。  周知につきましても、この点については、今回の条例を周知していくことも非常に大事かと思いますが、周知自体も東京都さんのほうで主体的かつ責任を持って取り組んでいただきたいということで、意見は以上でございます。 ○小澤会長 ありがとうございました。大きく2つほどのご指摘だったかと思います。  1点目は、非常に合理的配慮をめぐって、極めて曖昧な概念というふうに考えたときに、それをめぐっての、それの義務化をめぐって、またさまざまな基本的な対応、企業として、あるいは中小企業としての対応に関しての責任の所在やその他、さまざまな懸念があるというのが1点目のことだったかと思います。これに関しましては、多分部会でもほぼかなりそのあたりの議論が積み重ねられたのではないかなと推測していますので、また部会長からのご意見を承った上で、場合によっては事務局からのご意見も承りたいと思います。  2点目は、これは事務局、特に東京都をめぐってのご意見だと思います。仮にそういった取り組みをするにしても、ハードだけじゃなくて、結構ソフトな面も含めてのコストがかかる可能性が非常に高いと。そのあたりの考え方に関しての一定の見解が必要というようなことが入っていたかと思いますので、1点目に関しましては部会での議論もかなりかかわっていましたので、とりあえず部会長から何かありますでしょうか。よろしくお願いします。 ○川内委員 部会長の川内です。  まず、罰則に近い公表のようなものまで用意されているのであれば、義務化というのはきつ過ぎるのではないかというようなご意見だったと思いますが、そのシステムは資料6−4の一番後ろ、15ページに相談とか紛争解決の仕組みのイメージというのがあります。この条例の資料6−3で示されているものというのは、読んでいくと確かに勧告とか公表とかというのがあるんですけれども、これはよほど悪質な場合でないと行かないようになっています。そもそももともとの差別解消法というのが建設的対話というのを基本にしていて、対立的にやって法廷に持ち込むぞとか、そういうふうなことを想定している法律ではないわけです。それをあえて事業者のほうでそういうふうに持ち込まれると困るというふうに懸念されるということが、ちょっと疑心暗鬼かなというふうに感じています。  6−3の2ページには、そのようなことも含めて事務局のほうでお考えになったんだと思いますけれども、7番の2つ目の丸で、3行目にわざわざ「建設的な対話を行い」というふうに言っているんです。つまり対立的な対話ではだめですよと。建設的にやってくださいねということをわざわざくぎを刺しているわけです。それで、どうしてもというときに相談者が6−4のチャートのように相談機関に持ち込んで、そこからも丁寧に丁寧にやっていって、それでもどうしてもというところなので、最後の公表までいくというのはほとんどあり得ないだろうというふうに考えています。  以上です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  多分、ご懸念もある話と、それから実際のこういう今後組み立てるシステムというんでしょうか、紛争や相談の仕組みによれば、場合によってはそういった状況には非常になりにくいのではないかというご意見だったかと思いますが、私のほうで今のお話を引き取るとすれば、ほかの自治体で義務化されているところは、多分東京都はそこを参考にしながらおつくりになっているのではないかなと推測しますので、そこで一定程度、場合によっては既に条例を運用していて、どのような知見があったのかというのも結構参考例になるのかなと。  例えばその懸念は余りそんなに深刻に捉えなくても大丈夫な状態なのか、あるいはやっぱりかなりな懸念に該当するような事態が発生していたのかどうかというのは、ちょっともし可能であれば、他の既に取り組んでいる自治体の情報があると、場合によってはその議論のある程度見通しも立ちやすくなるかなと思って聞いてみました。これをもし事務局のほうでお調べになっていただければありがたいと思って聞いてみました。  それから、2点目のほうですけれども、これは過重の負担及び東京都の取り組みです。先ほどハードのことに関しましては、場合によってはそういったところはそれほど義務というわけではないという話も出ておりましたので、ソフトなことも含めてそれなりに、そう言われてみましたら、確かに職員研修だとか職員の方が接し方を理解するだとか、いろいろなコストがかかる可能性は高いと思いますので、これに関しましては、もし都のほうで一定程度何かお考えがあれば、それを示していただいたほうが安心感を生み出すのではないかなと思いましたが、いかがでしょうか。 ○高原部長 障害者施策推進部長の高原でございます。  今のお話でございます。まず、他県の状況ですが、大体今、全47都道府県のうち、25の道府県が差別解消にかかわる条例を設置済みで、そのうち約半分の13が何らかの形で義務化を規定しています。そのほとんどが「県民は」とか「何人も」という形で、ある意味、個人も含めての義務化を規定されているというふうに承知しています。  ほとんどがこういった紛争解決だとか相談に関する仕組みを持っておられて、承知している範囲では、紛争解決に至ったところというのはほとんどないという状況と聞いています。ただ、これは法の施行により状況は変わってきていますので、その辺のところはまだ今後変わってくる可能性なあるのかなというふうに思います。  あと、補助の話も含め、都の施策対応に関してでございますけれども、先ほど「努めるべき」を「講ずる」といった、こういったご意見はまだまだパブリックコメントをいただいた上で、我々としては十分検討していかなければならないかなというふうには思いますけれども、ただ、個個の企業、これは中小であれ零細であれ同じですけれども、補助することで差別解消の取り組みを進めるというよりも、やはりご懸念なところがある、十分な周知がなされていない、あるいは理解が十分でないというところを、これは研修的な意味を含めてですけれども、やはり全体、都民も含め、事業者を中心に、都としてさまざまな普及啓発に関する事業を都としての予算を使って実施していくということが、やはり広く効果的な普及啓発の手法だというふうに考えております。  また、障害者雇用促進法のほうでは、合理的配慮の提供は事業者の義務に既になっていますので、障害者配慮の理解という点においては、お金を出してやるものではないというふうに東京都としては理解をしております。ただ、もちろん研修的なところで負担がかかるところについては、そういった形で都の施策として代替することによって、広く普及啓発を図ってまいりたいと、かようなふうに考えてございます。 ○小澤会長 というところでありまして、ちょっと他の自治体の状況に関しましては、一定程度、もう既に取り組んでいるところの情報も含めて、さらに調べていただくと、さらにこちらとしても審議がしやすくなるかなと思って聞いておりました。  あと2点目に関しましては、これは資料6−3以降の細かい課題を詰めていくに当たって、場合によってはそういった研修やその他、普及啓発やそういったこととどういうふうに関連させていくのかとか、実際の運用をしていくに当たっての細かい事項にも入り込んでくるような可能性もありますので、とりあえずパブリックコメントにかける資料に関しましては、資料6−3で示しているもの、場合によってはここに今のようなご意見をどう踏まえるかというのも、時間的なこともありますけれども、考えられることがあるかどうかというのも今後、少し検討していただけたらと思って聞いておりました。  そうしましたら、あと予想どおりというんでしょうか、非常にご意見がいろいろ出るなと思って聞かせていただきましたので、あともうわずか10分か15分程度でありまして、実は先に部会の委員以外の委員の先生からお話を聞きましたので、部会委員としてまたご発言、要するにそのとき部会に入っていらっしゃる委員の方も含めて、もしご発言や追加コメント、あるいはご質問があれば承りたいと思うんですが、いかがでしょうか。どうぞ。 ○山鼻委員 東京経営者協会の山鼻と申します。  資料6−4の14ページ、マル2の1に「『合理的配慮の提供』は、不特定多数に向けたハード整備ではなく、ソフト面を想定した個別対応であること」というふうにありますけれども、この合理的配慮に関しまして、先ほど出された障害者雇用促進法、またこちらの参考資料にあります障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針、及び参考資料で入っていますハンドブックに関しましても、このような定義づけというものが全くなされてなく、こちらのほうではハード面だけではなくソフト面というふうな形で、どちらかというとハード中心でソフトもやりますよみたいな書かれ方をされております。  それが、こちらのほうの資料の6−4では全く逆のような定義づけをされていまして、合理的配慮に関する二重の定義のような感触を受けるので、こちらのほうが、どのような経緯でこの表現ぶりになったのかというところと、こちらはどのように捉えたらいいのかを教えていただければと存じます。 ○小澤会長 ありがとうございました。  いろいろと普及啓発における資料や内容と、それから今回こちらのほうで条例を検討するための検討部会での審議、最終的には資料6−3のようにパブリックコメントにかける資料、それぞれちょっと合理的配慮に関する扱い方が異になっている可能性があるのではないかと、そういうご意見とご指摘でありまして、これはご質問的な要素も入っていましたので、事務局のほうで何かご回答がありますでしょうか。  もし部会のほうでの追加コメントがあれば、またそちらからのご意見をいただきたいと思うんですが。川内部会長のほう、よろしくお願いします。 ○川内委員 山鼻さん、今おっしゃった、こちらの参考資料のほうでは、ハードが中心だよというふうに書いてあるというのは、どこに書いてありますか。 ○山鼻委員 例えばなんですが、ハンドブック、3ページと書いてあるところ、3番のところのハンドブックの30ページ、環境の整備の括弧の中に「環境の整備にはハード面だけでなく」というふうな、「職員対応等のソフト面」というふうな書かれ方、また、2番のところにあります基本方針の5ページ、一番最後の下のエのところでは、「合理的配慮は障害者等の利用を想定して事前に行われるバリアフリー等」ということで、こちらのほうでもやっぱりハード面のほうが言及されておりますけれども、6−4のところでは「ハード面ではなく」というふうになっている感を受けるんですけれども。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  まず、ハンドブックのほうの30ページのところについては、合理的配慮の話ではなくて、ここは環境の整備のところでのお話になりますので、そういったところでご理解いただきたい。ハード面についての整備というのは環境の整備になりますので、合理的配慮を義務にしたからといって、その環境の整備を求めるというものではないので、そこはご理解いただきたいなというところが1つあります。  それから、基本方針のところの5ページですか、こちらも環境の整備に触れた記述はありますけれども、環境整備の状況によって合理的配慮の内容が異なったりというような記述だと思いますので、決して過重な負担のない範囲での合理的配慮を提供するというところの説明とは矛盾する話ではありません。の辺りは難しい面もありますので、やはり理解の促進が大事ということになるとおもいますので、そういったところも含めて普及啓発を頑張っていきたいと思っております。 ○川内委員 すみません、川内ですが、ちょっと引き取らせていただきます。  今のハンドブックの30ページの環境の整備の箱ですけれども、その上の文を読んでいただきたいんです。「その都度の合理的配慮の提供ではなく、環境の整備を考慮に入れることにより」、つまり環境の整備と合理的配慮は別物です。 ○小澤会長 どうもありがとうございました。  いずれにしても今のような流れをどこかできっちりと説明するようなデザインにしたほうがいいかもしれないですね。 ○山鼻委員 確認ですけれども、合理的配慮の中にはハード面は含まれないというふうな形で今回は議論が進んでいるということでよろしいのでしょうか。 ○川内委員 私のほうを向かれていたので川内が答えますが、例えば先ほどの配付資料の2番の5ページには、携帯スロープというようなものがあって、携帯スロープはハードと言えばハードなんですけれども、その程度の軽微なものとしてはハード面というのはあるかもしれません。例えばそこのラーメン屋さんに入ってラーメンを食べたいといっているときに、コンクリートでスロープをつくってくれという話にはならないはずなんです。  以上です。 ○小澤会長 そうしましたら、私のほうは今のような、例えば合理的配慮をめぐって、一般的な理解をするのがちょっと難しい部分が実は潜んでいるのも確かなので、例えば今回、資料6−3のところに立ち返って考えますと、例えば定義というところで、これは権利条約だとか、その他いろいろな障害者基本法だとか、合理的配慮ということに関してはあることはあるんですが、改めてここで定義というところで、項目としてはありませんけれども、合理的配慮というのを追加しておいたほうがよろしいのではないかなというのは、私がまとめ役として引き取るとしたら、そこのところで、場合によっては、ただいまご説明やご意見がありましたような形で、この条例として考えるべき合理的配慮というのは以下のような中身であるということをはっきり示すのも非常に重要かなと思いました。  多分パブリックコメントの場合は、ここで定義するまでしか書いていないので、内容に関しては今後詰めなきゃいけないんですけれども、一応定義する項目の中に合理的配慮と入れていただいたほうがいいかなというふうに思いましたけれども、それはよろしいでしょうか。理解が異なったまま仮に行くと、これは結構重要なところですよね、合理的配慮は。かなめと言ってもいいぐらいですので、そこのところに、資料6−3の2番に合理的配慮について定義するというのを入れていただくといいのかなと思ったんですが、事務局的にはどうでしょうか。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  ここはあくまでも条例の検討をしている場面であって、例えば細かくラーメン屋でのスロープの事例とか、細かいことをやっぱりいっぱい積み重ねた上で初めて理解が促進されるものだと思っているので、ここの中で幾ら言葉を連ねてもなかなか理解が進まないというところは、それはそのとおりかなとは思っていて、普及啓発について事例集等々を含めて、また工夫は考えなきゃいけないかなとは思っているところですけれども、条例の中の言葉でそれをどういうふうに表現するかというところについては、ちょうど今、合理的配慮のところについては2ページの7の2つ目の丸で、過重な負担のない範囲というところとか、建設的な対応を行いというようなところも踏まえて今、こういった形で割と細か目には書いているところではあるかなというところでは考えておりますので、ご理解いただければというふうに思っております。 ○小澤会長 ありがとうございました。  例えば資料6−4の先ほど来ちょっと議論になった場所は、14ページの「○『不当な差別的取扱いの禁止』及び『合理的配慮の提供』の適用について」というところの、例えばマル2の1番ですか、「『合理的配慮の提供』は不特定多数に向けたハードの整備ではなく、ソフト面を想定した個別対応であること」というようなことを、仮に今回、資料6−3は合理的配慮の中身まで書く必要はないんですけれども、一応そのぐらいのどこかでそのような意味合いが入っているということを示さないとなかなか難しいのではないか。  私も障害者権利条約は大分読んでいるほうなんですが、読み方によってはいろいろな読み方も一部あったりしますし、また一般的な理解になると多分、ちゃんと読むと確かに一般的に言う環境改善とは絶対に違う概念だとわかるんですけれども、あくまで都民向けなので、かなりそこはきっちり示しておいたほうがいいのではないかなというのは、先ほど来のやりとりで思った次第なんですけれども、その意味で考えると、例えば定義のところにそういった言葉を、定義といってもそんな学術的な定義というよりも、この条例においてはという意味合いの定義をしておいたほうがいいのではないかなというのが、私の最終的な座長としての意見であります。いかがですか。事務局ご判断もそれは結構なんですけれども。 ○島倉課長 事務局の島倉です。  いろいろ意見のあるところでもありますので、パブコメの意見等も踏まえた上で、また対応については検討していきたいと思っております。 ○小澤会長 というところで、時間も押してしまいました。  ちょっと論点として、かなり理解が異なる場所とか、あるいはかなり意見の異なる場所に関しましては、場合によっては説明を丁寧にする必要があるのかなと思って聞かせていただきました。今回はこれで、冒頭申し上げましたように、本日が18日でして、20日がパブリックコメントのスケジュールとなっておりますので、本日やっぱり意見をいろいろと出したい委員の方もたくさんいらっしゃると思いますし、もちろん部会で審議された上で、さらにもう少し審議というか、検討とか、いろいろなお考えがあるかと思いますので、それに関しましては委員からのご意見ということで、パブコメで出されてもいいですけれども、直接的に委員としてのご意見を事務局のほうにお寄せいただくのも一つだと思いますので、そのような扱い、冒頭ご了解いただきましたので、そういうような扱いをさせていただきたいと思います。  川内先生、どうぞ。 ○川内委員 最後に、部会の先ほどのご報告のときは申しませんでしたけれども、これ、文書課のほうと協議されるときに、ぜひ入れていただきたい。部会でも意見が出ていたんですけれども、見直し規定です。何年後かに見直しするという、今は法律でもありますね。そういうふうなものを入れることによって、きょう議論になったような煮詰まっていないところとか、条例が動き始めたときに見えてくる問題というのを吸収できるだろうと思いますので、見直し規定というのもご検討いただければと思います。  以上です。 ○小澤会長 ありがとうございました。  非常に重要事項だと思いますので、これはぜひ入れていただいたほうがいいと思います。確かに絶えず検討すべき事項は、実際運用すると発生することはあると思いますので、場合によっては15番あたりにそういったことを入れていただくのが望ましいということでしたけれども、よろしいでしょうか。  時間の関係でここまでにしたいのですが、ぜひということがあれば、よろしいでしょうか。あとは事務局のほうにご意見をお寄せいただくと。委員としての扱いですので、通常のパブコメではないということで扱っていただきたいと思うんですけれども、よろしいでしょうか。  そうしましたら、以上で用意した議題はここまでになります。あとはその他事項でしょうか。事務局のほうにお戻しします。事務局のほうで何か連絡事項がありましたらよろしくお願いいたします。 ○島倉課長 事務局の島倉です。本日は貴重なご意見ありがとうございました。  次回の協議会ですけれども、先ほどご説明させていただいたとおりですが、30年3月ということで開催を予定しております。開催日につきましては改めて調整させていただきたいと思います。  本日配付の資料のうち、ファイリングしております参考資料については、そのまま机上にお残しいただきますようお願いいたします。そのほかの資料についてはお持ち帰りいただいて構いません。なお、郵送ご希望の方は封筒に資料を入れて机上にお残しいただければと思います。あと、お車でいらっしゃった方、駐車券をお渡ししますので、受付までお声がけをお願いいたします。  それでは本日の会議は以上で終了とさせていただきます。ありがとうございました。 午後3時02分 閉会 −36−