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カンピロバクター・ジェジュニ/コリ

菌の特徴は

写真:カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 古くは牛や羊の流産の病原菌として知られ、人との関わりについては、血液から本菌がまれに検出されてはいましたが、ほとんど注目されていませんでした。
 その後、1973年にベルギーのプッツェルらは下痢患者の糞便から初めて本菌を分離し、本菌の腸炎起病性を示唆し、1977年にイギリスのスキローらが下痢患者から本菌を分離し、その重要性を指摘しました。また、1978年には、アメリカにおいて水系感染により住民約2,000名が本菌に感染した例により世界的に知られるようになりました。
 一方、わが国では伊藤らが1979年に保育園での集団下痢症状例から初めて本菌を検出し、これ以後、わが国でも本菌は食中毒菌として位置づけられるようになりました。
カンピロパクター属は、家畜、家禽、ペット、野生動物、野鳥等の動物の腸内に分布しています。トリ、ウシでは、カンピロバクター・ジェジュニの保菌率が高く、ブタでは、カンピロバクター・コリの保菌率が高くなっています。
 家畜や家禽が高率にこの菌を保菌しているため、と畜場、食肉処理場、食肉販売業での処理過程での汚染により、市販生肉からも本菌が検出されています。
 この菌は、らせん状をしたグラム陰性の細菌で、好気的には発育しないし、嫌気的にもほとんど発育せず、酸素が5〜15%程度含まれる微好気的条件で良く発育します。
 なお、本菌の食中毒発症に必要な菌数は100個前後です。

どんな食品が原因となりますか

 肉の生食や加熱不十分、食肉からの二次汚染、動物(鳥類など)のふんによる汚染により、次のような食品が原因や汚染源となります。
 食肉(特に鶏肉)、飲料水、サラダなど

どんな症状ですか

  潜伏時間は、1〜7日で潜伏期間が長いのが特徴です。
 腹痛、下痢、発熱が主症状で通常、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛等の前駆症状があり、次いで吐き気、腹痛が見られます。下痢は1日10回以上に及ぶ場合もあります。発熱は多くの場合37℃から38℃台です。

予防のポイントを教えて下さい

  1. 熱や乾燥に弱いので、調理器具は使用後に良く洗浄し、熱湯消毒・乾燥すること。
  2. 加熱不十分な食肉やその臓器あるいは食肉等の生食を避けること。
  3. 食肉からサラダ等への二次汚染を防ぐため、以下の点に気をつけること。
    • (1)生肉を取り扱う調理台と完成した料理を置く調理台を離して設置すること。
    • (2)生肉を取り扱った後は、十分に手指を洗浄すること。
    • (3)盛りつけ作業には、使い捨て手袋を使用すること。
    • (4)相互汚染を防止するため生肉は専用の蓋付きの容器に入れるかラップを掛けること。
  4. 未殺菌の飲料水、野生動物の糞等で汚染された貯水槽水・井戸水・沢水を飲まない。必ず塩素消毒や煮沸消毒をすること。
  5. 未殺菌の牛乳を飲まないこと。
  6. 小児ではイヌやネコなどペットからの感染に注意すること。
  7. ビルやマンションの貯水槽は周辺を清潔にし、野鳥などの糞が入らないよう衛生管理に注意すること。

参考資料

  1. 食品安全委員会ホームページ
    ファクトシート「カンピロバクター」(PDF)

このページは東京都保健医療局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当が管理しています。


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