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ヒスタミンによる食中毒

魚を食べたら、舌が「ピリピリ」したり、顔が赤くなったり、じんましんが出たりしたことはありませんか?
食物アレルギーでなければ、それはヒスタミンという化学物質による食中毒かもしれません。


1 ヒスタミン食中毒とは

症状

多くの場合、食べた直後から1時間以内に、顔面、特に口の周りや耳たぶが赤くなったり、じんましん、頭痛、おう吐、下痢などの症状が出ます。重症の場合は、呼吸困難や意識不明になることもありますが、死亡事例はありません。

図:頭痛を訴える女性

原因食品

原因となる食品は、ヒスチジンというアミノ酸が多く含まれる赤身魚とその加工品がほとんどです。平成24年から令和3年までに都内で起こった事例では、ブリが原因となった事例が最も多く、イワシ、シイラ、サンマがそれに続いています。
海外では鶏肉、ハム、チェダーチーズが原因となったこともあります。


実際の食中毒事例を知りたい方はこちらへ

2 食中毒予防のポイント

一度生成されたヒスタミンは、調理時の加熱等では分解されません。
そのため、ヒスタミン産生菌の増殖と酵素作用を抑えてヒスタミンを生成させないようにすることが大切です。原材料(魚の場合には死んだ瞬間から)から最終製品を食べるまでの一貫した温度管理が重要です。


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消費者の皆様へ

  1. 生魚は常温で放置せず、速やかに冷蔵庫で保管しましょう。
  2. ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去しましょう。
  3. 冷蔵の場合でも、できるだけ早く食べましょう。
  4. 鮮度が低下したおそれのある魚は食べないようにしましょう。
  5. 赤身魚の干物など加工品も、低温保存しましょう。
  6. 冷凍した赤身魚を解凍する時は、冷蔵庫で解凍するなど、可能な限り低温で短時間のうちに解凍しましょう。凍結と解凍の繰り返しは避けましょう。
  7. ヒスタミンが大量にできていると、食べたときに舌が「ピリピリ」することがあります。香辛料によるものでなければ、食べるのをやめてください。
  8. くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じた場合は、食べずに処分して下さい。

事業者の皆様へ

  ヒスタミンによる食中毒を防止するために、下記の衛生管理を徹底して下さい。
 
  1. 魚を生のまま保存する場合は、すみやかに冷蔵、冷凍すること。
  2. 解凍や加工においては、魚の低温管理を徹底すること。
  3. 鮮度が低下した魚は使用しないこと。
  4. 信頼できる業者から原材料を仕入れるなど、適切な温度管理がされている原料を使用すること。

3 食物アレルギーとの違い

ヒスタミンによる食中毒もアレルギーと同じような症状が出ますが、食品中にできたヒスタミンを食べたことが原因なので、アレルギー体質とは関係ありません。ヒスタミン食中毒は、誰にでも起こる可能性があります。


4 ヒスタミン産生菌について

赤身魚(マグロ、ブリ、サンマ、サバ、イワシ等)に多く含まれるヒスチジンは、ヒスタミン産生菌が産生する酵素の働きで、ヒスタミンになります。ヒスタミンとして100ミリグラム以上食べると、食中毒を発症するとされています。 ヒスタミン産生菌の中には、海水中に存在して漁獲時にすでに魚に付着している可能性があるものがあります。


図
図 ヒスタミンの生成機構


ヒスタミン産生菌には、いろいろな種類がありますが、次のような特徴があります。


大きく分けると、海水中にいる海洋性細菌と、人や動物の腸管内にいる腸内細菌科の細菌の2種類があります。
海洋性ヒスタミン産生菌は、漁獲時にすでに魚に付着している可能性があります。
Photobacterium phosphoreumP.damselae 等
腸内細菌科のヒスタミン産生菌は、漁獲後に魚を下処理する時などに、魚に付着してしまうことがあります。
Morganella morganii(モルガン菌)、Raoultella planticola 等
発育しやすい温度は、菌の種類により異なり、25℃〜40℃で発育する菌(中温細菌)と、0℃〜10℃でも発育する菌(低温細菌)があります。
低温細菌は冷蔵していても増えるため、生の赤身魚や赤身魚の干物などを長期間保存すると、その間にヒスタミンができる可能性があります。

参考

  1. 食中毒予防必携第2版(社団法人日本食品衛生協会)
  2. 厚生労働省ホームページ 「ヒスタミンによる食中毒について」

このページは東京都福祉保健局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当が管理しています。