「なにごともない、明日を守る。」
私たちの仕事は都民の生命と健康を守ること。
行政としての仕組み作りなどを通して、
医師+αの力が引き出される場所です。
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わたしが
公衆衛生医師になったきっかけ

東京都で働く公衆衛生医師のバックグラウンドは多様です。
初期臨床研修終了直後に入職した医師もいれば、臨床経験を経て入職した医師もいます。
ここでは、5名の医師の、公衆衛生医師を志したきっかけをご紹介いたします。

  • 橋本 智央;イメージ

    橋本 智央

    課長代理級
    保健政策部 疾病対策課

     病気を正しく知り、正しく防ぐ、少しだけ生活習慣を変えることで多くの人が病気にならずにすみます。初期臨床研修を通じて、マクロな目で社会全体を見る医師の必要性を感じ、多くの人が病気にならない方向に力を尽くしたいと思ったことがきっかけです。また、公衆衛生医師はライフ・ワーク・バランスを保ちながら働き続けることができ、息の長い仕事で社会に貢献できると考えました。

  • 曾我 一將;イメージ

    曾我 一將

    課長代理級
    大田区保健所 感染症対策課

     これまで脳神経内科医として総合病院に勤務し、神経難病の診療にあたることがありました。難病の医療費助成の書類を作成することもありましたが、それがどのように審査・承認されているのかは実はよく知りませんでした。また、臨床医として患者さんと関わる中で、レスパイト入院、訪問診療、相談会など、様々な支援を東京都などの自治体が行っていることを知りました。このような難病対策に関わりたいと思い、東京都へ入職しました。

  • 堀 元海;イメージ

    堀 元海

    課長代理級
    墨田区保健所 保健予防課

     研修医時代は糖尿病・代謝内科医を志していました。糖尿病・代謝内科が主に専門とする疾患は生活習慣が大きく関与する疾患が多く、特に2型糖尿病の治療は食事療法や運動療法の生活改善が基本になります。ですが、外来や入院患者さんを診ていると、生活改善に積極的ではない患者さんが多く、また関われる時間も少ないため、根本的に生活習慣を改善するのは難しいと感じていました。そのような方々が、予防医療で無理なく生活改善できれば。その時の気持ちが公衆衛生医師になったきっかけです。

  • 深井 園子;イメージ

    深井 園子

    課長級
    多摩府中保健所 保健対策課

     臨床研修後大学で勤務したのち、東京都の公衆衛生医師として入職しました。祖母が開業医で、保健所の健診業務にも携わっていたこと、地域と結びつきながら医療に従事する姿を見てきたことが、興味を持つきっかけに大きく関係していると思います。
     実際に公衆衛生医師になり、まず地域の特徴を知ることは、様々な施策を進める上で重要だと実感しました。東京都内といっても地域によりそれぞれ違う特色がある中、様々な職種や関係機関と一緒に、地域住民の健康施策について検討し施策を進めていくことにやりがいを感じます。

  • 河合 江美;イメージ

    河合 江美

    部長級
    町田市保健所

     内科医として10年、多くの患者さんと接する中で、臨床医は、患者さんが病気になってから、もしくは医療にかかる患者さんのみにしか、生活習慣の改善を行えないという限界を感じていました。そのような時に、公衆衛生医師募集の広報を見かけ、正直、あまりよくわからずに「試しに」ふらっと入職してみたというのが実情です。いつの間にか、臨床医だった期間の倍の年数が経ってしまいました。

※医師の所属等は、掲載時点のものとなります。

若手医師から見た!
公衆衛生医師の世界

多様なバックグラウンドを経て公衆衛生医師のキャリアを選んだ若手医師に、
「実際に働いてみてどう?」を聞いてみました。
若手医師の目線から見た公衆衛生医師の世界をご紹介します。

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    井上 聖哉

    課長代理級
    保健政策部 健康推進課

    きっかけは? 初期臨床研修中に保健所研修を通じて公衆衛生医師の業務に携わりました。その経験から、多くの健康問題や疾病の背景には社会的課題が存在しており、そこに行政の立場から切り込んでいく公衆衛生医師の仕事に魅力とやりがいを感じたため、この道を志すようになりました。

    現在の業務 東京都が行うがん対策のうち、がん検診の精度管理事業を担当しています。科学的根拠に基づくがん検診が適切に行われるように、自治体関係者や検診実施機関に向けた講習会を開くとともに、自治体へ直接訪問して検診実施体制に関する助言等を行っています。

    発見!意外なやりがい 臨床と違って、行政では「医師にしかできない仕事」は少ないですが、「医師だからうまくできる仕事」はたくさんあります。臨床で培った医学的知識や経験を活かし、既存の事業や仕組みをより良い形へ変えられた時にやりがいを感じます。

    メッセージ 文字だけでは公衆衛生医師の業務や魅力はイメージしづらいかもしれません。まずは保健所業務説明会・見学会に参加することから始めてみませんか。

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    関口 郁

    課長代理級
    豊島区池袋保健所 保健予防課

    きっかけは? 初期研修終了後は血液内科に進みました。育児と臨床の両立が困難になり悩んでいたところ東京都公衆衛生医師を知りました。血液内科での感染症対策の経験を活かせると感じ、国際保健や母子保健にも関心があったため、応募しました。

    現在の業務 医療職や事務の方と協力し、感染症対策、予防接種、精神保健に携わっています。結核や精神疾患を持つ患者さんへの訪問や、感染症の施設内集団発生の調査などを行っています。

    私の職場では 1歳の娘がおり朝30分と夕1時間の部分休業を利用中です。行政の仕事は初めてですが、保健所内に他に2人の医師がいてすぐに相談でき、医師以外の職員からも経験知を伝授されています。課長代理級研修は年次の近い先輩との貴重な交流の場です。

    発見!意外なやりがい 思ったよりデスクワークが少なく地域に出かけていくことが多いのが意外でした。池袋保健所管内は若年の外国籍結核患者さんが多く、文化の違いや在留資格にも気を付ける必要があり、それが難しくもありやりがいにも感じます。

    メッセージ 公衆衛生医師になりまだ日が浅いですが、東京のことを日に日に深く理解していくことができる仕事だと感じています。

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    大島 悠輔

    課長代理級
    葛飾区保健所 保健予防課

    きっかけは? 臨床研修医として病院で働いているとき、生活に困窮している方、身近に支援してくれる家族がいない方など、難しい社会的背景を持った患者を多くみました。そのような方々が適切な医療、支援を受けることができるようにしたい、と思い公衆衛生医師を目指すようになりました。

    現在の業務 私は主に感染症対策を担当しています。感染症の発生届出があると、疫学調査や接触者に対して健康観察の実施、感染が拡大した場合は、病院や施設に訪問して調査することもあります。また結核患者が発生すると、結核の発病やまん延を防止するために、患者の接触範囲・状況から接触者検診の対象者を決めます。

    私の職場では 職場では、主に保健師の方々とともに、わからないことがあったときはお互いに相談して、助け合いながら業務に取り組んでいます。また、毎月専門研修があり、業務に関連した知識を得ることができるため、非常に助かっています。

    発見!意外なやりがい 公衆衛生医師は、臨床医と業務が大きく異なるため、最初は戸惑うことも多々ありましたが、様々な職種の方々や地域の病院と協力しながら、地域全体の健康を守っていく活動は日々やりがいを感じています。

※医師の所属や掲載内容は2024年3月時点のものになります。