介護保険制度パンフレット 高齢者が尊厳を保ちながら、その有する能力に応じ自立した日常生活を送ることができるよう、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指します。 令和3年4月 東京都 なお、本パンフレットは全てのページに音声コードがあります。 都庁のほか、区市町村の介護保険課などで配布しています。 ページ1 介護保険制度のあらまし 東京都の高齢者人口は増加を続け、今後、4人に1人が高齢者になると見込まれています。 このような高齢社会の介護問題に適切に対応し、介護を必要とするかたを社会全体で支えるための社会保険制度として、平成12年4月から介護保険制度が開始されました。その後、在宅で受けるサービスを中心にサービス利用が急速に拡大するなど、老後の安心を支える制度として定着してきました。 介護保険制度は、加齢に伴う病気等により介護を必要とする状態になっても、尊厳を保持し、できる限り自立した日常生活を送れるよう、利用者の選択に基づいて、必要なサービスを総合的かつ一体的に提供する仕組みです。 制度の運営主体(保険者)は、住民に身近な区市町村です。国・東京都は、事業が円滑に行われるよう運営を支援しています。 ページ2 目次 介護保険制度のあらまし 1ページ 目次 2ページ 介護保険制度改正のポイント 3ページ 介護サービスの利用に係る流れ 4ページ  サービス利用の手続き 5ページから6ページ 保険料 7ページから9ページ 介護サービスの利用者負担 10ページ 利用者負担の軽減制度 11ページ 介護サービスの選択にあたって 12ページ 利用出来るサービス 13ページから22ページ 相談窓口 23ページ ページ3 介護保険制度改正のポイント(令和3年度) 令和3年4月から 65歳以上のかたの保険料段階を判定する基準が一部変わりました 保険料の段階の第7段階から第8段階を区分する基準所得金額が210万円に、第8段階と第9段階を区分する基準所得金額が320万円になりました。 また、保険料の段階を判定する基準として、合計所得金額から控除する長期譲渡所得に係る特別控除額に、低未利用土地等を譲渡した場合の特別控除が加わりました。 令和3年8月から 施設サービスや短期入所サービスを利用する低所得者の食費・居住費(滞在費)の利用者負担段階区分、食費の負担限度額及び預貯金等の資産要件が一部変わります。 施設サービスや短期入所サービスを利用する低所得のかたは、申請して認められた場合、食費・居住費(滞在費)は所得等の段階(第1段階から第3段階まで)に応じて負担限度額までの支払いとなる負担軽減の制度がありますが、8月から利用者負担段階の第3段階が細分化されます。また、食費の負担限度額と、負担軽減が受けられる低所得者の資産要件(預貯金等の額)が一部変わります。 介護サービスの利用者負担上限額が一部変わります。 1か月の介護サービスの利用者負担については、所得等に応じて決められた一定の上限額までを負担し、上限額を超えた場合は、超えた分について「高額介護サービス費」として保険給付が支給されますが、8月から現役並み所得相当のかたの負担上限額の区分が細分化され、上限額が一部変わります。 利用者負担の軽減制度について、詳細は11ページを参照してください。 ページ4 介護サービスの利用に係る流れ ここでは、一般的な介護保険の利用の手順をお示ししています。 まずは、区市町村又は地域包括支援センターの窓口に相談してください。 ページ5 サービス利用の手続き 介護保険のサービスの利用にあたっては、各区市町村に要介護(要支援)認定を申請し、認定を受けた後、介護支援専門員(ケアマネジャー)などと相談して作成するケアプランに基づきサービスを利用します。 なお、介護予防・日常生活支援総合事業において、区市町村の相談窓口で基本チェックリストを受けていただき、一定の基準に該当する場合に、訪問型サービス・通所型サービス等をご利用いただくことが可能です。 1.申請                                 本人や家族が、直接、区市町村へ申請します。 65歳以上のかたの場合、介護が必要になった原因を問わず、給付対象となります。 40〜64歳の医療保険に加入するかたの場合、16ある特定疾病が原因で介護が必要になった場合に給付の対象となります。 2.要介護(要支援)認定                          介護や支援の必要な度合いを判定します。 @訪問調査 申請後、認定調査員が家庭、施設等を訪問し、心身の状態や日常生活の状況等について聞き取り調査を行います。 A一次判定 訪問調査の結果と主治医意見書の内容の一部をコンピューター処理し、得られたデータをもとに、保健・医療・福祉の専門家による介護認定審査会が一次判定を修正・確定します。 B二次判定  一次判定の結果と主治医意見書をもとに、介護認定審査会が総合的に判断して、二次判定を行います。 C結果の通知  二次判定の結果に基づき、区市町村が要介護(要支援)認定区分等を決定し、申請者に通知します。 ページ6 3.ケアプランの作成                              介護保険のサービスを利用するときは、自立した日常生活を送るため、必要性に応じてサービスを組み合わせたケアプランを介護支援専門員(ケアマネジャー)とともに作成します。 【要介護1〜5と認定されたかた】 ケアプランは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに作成を依頼することができます。自分で作成することも可能です。 【要支援1・2と認定されたかた】 ケアプランは、地域包括支援センターに作成を依頼することができます。自分で作成することも可能です。 要介護(要支援)認定の区分によって、介護保険で利用できるサービス費用の上限(支給限度基準額)は異なります。 施設に入所する場合は、入所を希望する施設へ申し込み、入所した施設でケアプランを作成します 4.サービスの利用                           ケアプランに基づいて、サービス提供事業者や介護保険施設と契約を結び、サービスを利用します。 契約時に、サービス時間、料金、内容、キャンセル時の取扱い、苦情への対応などを確認しましょう。 サービスにかかる費用の1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)は、利用者負担となります。ただし、支給限度基準額を超えた利用部分は、全額利用者負担となります。 要介護(要支援)認定で非該当と認定されたかたでも、地域支援事業で生活機能を維持するためのサービスを利用できる場合があります。最寄りの地域包括支援センターにご相談ください。 支給限度基準額及びサービス利用時の利用者負担については、10ページを参照してください。 サービスの利用を目標にせず、サービスを利用して自分らしい生活を作っていくことを目標にしましょう。 ページ7 保険料 1. 65歳以上のかた(第1号被保険者)の保険料 65歳以上のかたの保険料は、3年ごとに各区市町村が定める基準額に、所得段階に応じた割合を乗じて決定され、その額は区市町村によって異なります。 介護保険料の標準的な段階設定はつぎのページのとおりですが、あなたの保険料がいくらになるかは、お住まいの区市町村の介護保険担当課へお問合わせ下さい。 【保険料の納め方】 介護保険料の納め方には、年金から自動的に徴収される「特別徴収」と、金融機関等に納めていただく「普通徴収」があります。特別徴収は、老齢退職年金、遺族年金又は障害年金を年額18万円以上受給しているかたが対象で、年金の定期支払(年6回)の際に保険料が差し引かれます。普通徴収の支払時期や回数は区市町村によって異なります。 2. 40〜64歳のかた(第2号被保険者)の保険料 40〜64歳のかたの保険料は別途定められ、医療保険の保険料の一部として徴収されます。保険料の額等は医療保険により異なります。 保険料を納めないと、様々な制約が課せられます 介護保険は、介護や支援を要する高齢者等を社会全体で支えあう制度です。そのため、保険料は必ず納めていただく必要があります。 保険料を納めていないかたには、サービスの利用時に次のような措置がとられます。 まるいち 1年以上納めていないとき 支払方法の変更 自己負担分だけでなく、サービスの費用全額を一旦利用者が負担することになります。後日、申請により保険給付分が支払われます。 まるに 1年6か月以上納めていないとき 保険給付の一時差止め 保険給付の一部又は全部が一時的に支払われなくなります。支払われなかった保険給付費を滞納保険料に充当する場合もあります。  まるさん 2年以上納めていないとき 給付額の減額 保険料は2年以上納めていないと時効となりますが、サービス利用時に時効となった未納保険料がある場合は、一定期間、本来は1割又は2割の利用者負担のかたは3割(3割の利用者負担のかたは4割)となり、高額介護サービス費及び特定入所者介護サービス費等が支払われなくなります。 ページ8 ここでは、介護保険料の標準的な段階設定をお示ししています。 ご自分の保険料がいくらになるかは、お住まいの区市町村の介護保険担当課へお問合せください。 ページ9 3.介護保険の財源構成 グラフで、訪問介護等の在宅系のサービスの財源を示しています。 第1号被保険者の保険料23%、第2号被保険者の保険料27%、合わせて保険料50%となります。 公費は、国25%、都12.5%、区市町村12.5%、合わせて50%となります。 介護保険施設・特定施設の給付費については、国が20%、都が17.5%となります。 国負担分のうち5%については、調整交付金として、被保険者の状況に応じて配分されるため、区市町村ごとに交付率は異なります。 4.介護保険給付の伸びと保険料の推移 ここでは、各年度の、総給付費と都内区市町村の平均基準月額保険料の推移を示しています。 総給付費及び保険料月額ともに、増加しています。 ページ10 介護サービスの利用者負担 介護サービスを利用する場合は、所得等に応じて、サービスにかかる費用の9割〜7割が介護保険から支給され、残りの1割〜3割を利用者が負担します。 ただし、居住介護支援、介護予防支援については、利用者負担はありません。 在宅で受けるサービスの支給限度基準額 在宅で受けるサービスについては、要介護ごとに、介護保険で利用出来るサービス費用の上限(支給限度基準額)が定められています。 上限を超えてサービスを利用する場合は、上限を超える分の全額が利用者負担となります。 ページ11 利用者負担の軽減制度 介護保険サービス等の利用者負担には、以下のような軽減制度が設けられています。 高額(医療合算)介護サービス費 1か月の介護サービスの利用者負担額の合計が一定の上限額を超えた場合は、超えた分が支給されます。また、1年間の医療保険と介護保険の利用者負担額の合計が著しく高額になった場合は、一定の額が「高額医療合算介護サービス費」として給付されます。 なお、令和3年8月利用分からは、現役並み所得者の区分が細分化され、上限額が一部変わります。 食費・居住費(滞在費)の自己負担と軽減制度 特定入居者介護サービス費(補足給付) 施設などで生活しながらサービスを受ける場合や、通所介護(デイサービス)や短期入所(ショートステイ)など、施設などに出掛けてサービスを受ける場合は、かかった食費、こうねつすい費などの居住費(滞在費)、その他の日常生活費などが利用者負担となります。 施設サービスや短期入所サービスにおけるこれらの負担額は、利用者と事業者との契約により決められますが、所得が低いかたについては、所得に応じて食費・居住費(滞在費)の負担額が、軽減される制度があります。 ただし配偶者が区市町村民税課税者であるかたや、預貯金等の額が一定額を超えるかたは、食費・居住費(滞在費)の軽減の対象外となります。 生計困難者等に対する利用者負担額軽減制度 区市町村が、「生計が困難である」と認めた利用者については、介護サービスの1割負担や食費、居住費(滞在費)の自己負担を、約4分の3に軽減する仕組みがあります。 利用者負担の各軽減制度の詳細は、お住まいの各区市町村へお問い合わせください。 ページ12 介護サービスの選択にあたって 介護保険は、利用者が事業者を選択して介護サービスを利用する仕組みです。どのようなサービスを、どの事業者から受けるか迷ったら、まず、お住まいの区市町村の窓口や地域包括支援センターに相談しましょう。 既に介護支援専門員(ケアマネジャー)が決まっている場合は、介護支援専門員に相談しながら、サービスを選択していきましょう。 介護サービスについては、自分に合った、より良い事業者を選択できるよう、以下のような情報提供の仕組みが設けられています。 介護サービス情報の公表制度 インターネットを通じて、事業所が提供するサービスの内容や運営状況などの情報を、いつでも誰でも簡単に調べることができます。 福祉サービス第三者評価制度 事業者でも利用者でもない第三者の評価機関が、利用者の意向や満足度を把握する「利用者調査」と、職員の自己評価や事業所への訪問調査等をもとに、サービスの内容や質、組織マネジメント力を評価する「事業評価」を合わせて実施します。 結果は、インターネットで公表しています。また、事業者の理念・方針や事業者が特に力を入れている取組等も掲載していますので、事業所を選択する際に活用することができます。 介護サービス情報の公表制度と福祉サービス第三者評価制度については、「とうきょう福祉ナビゲーション」http コロン // www ドット f u k u n a v i ドット o r ドット jpからご覧いただけます。