平成14年2月
福祉局
「TOKYO 福祉改革 STEP2」の概要 −『地域での自立を支える新しい福祉』を目指して− I 大都市「東京」から発信する『地域での自立を支える 新しい福祉』 ○ 福祉改革の目的は、行き詰まりを見せている既存のしくみを根本から改め、利用者本位を徹底する新しいシステムを構築することです。 ○ 戦後構築されたわが国の福祉制度は、「限られた恵まれない人」を主に対象とし、行政が中心となり、「施設」を中心にサービスを一律に提供するしくみでした。 ○ 利用者のニーズが高度化していく中で、全国一律の基準に基づく、こうした現行の福祉システムが柔軟性や効率性などの面から行き詰まりを見せています。 ○ 利用者本位の観点から捉えると、高齢者や障害者などの自立を支えるため、家庭や地域の機能により近いスタイルでのサービス提供が望まれています。 ○ あわせて、利用者の選択を支えるに十分な判断材料が不足しているなど、新しいサービス利用のシステムを実現するためには、多くの課題があります。 ○ 東京のような大都市では、高い用地負担の課題がある反面、集積のメリットや市民活動も多様なことから、福祉サービス分野への企業やNPOなどの参入が期待できます。 ○ 利用者本位の新しい「福祉」を実現するために、都が大都市の特性に即した独自の施策展開を図ることにより、「東京」から先駆的に「福祉改革」を発信していきます。 II 福祉改革 STEP2 の必要性と意味 ○ 平成12年12月に策定した「東京都福祉改革推進プラン」において、利用者本位の新しい福祉の構築を目指す福祉改革の「基本理念」と「全体的な展望」を明示するとともに、認証保育所など都独自の「戦略プロジェクト」を提示し、実行してきました。 ○ この過程を通じて、状況・課題認識が以前にも増して一層明確になってきました。
○ 都が、大都市特性を踏まえながら、国の政策の不十分な点を補い、全国に先駆けて独自の展開を一層広げていくことが、重要になります。 ○ このような認識に基づき、福祉改革推進プランで示した改革のコンセプトをさらに 発展・具体化させ、「東京」に相応しい福祉サービスの内容や提供システムの改革の基本方針と目標を明らかにするため、福祉改革 STEP2 を策定し、施策と執行体 制の両面において、福祉改革を新たなステージに推し進めることとします。 III 地域での自立を支える 福祉改革 STEP2 の基本コンセプト
![]()
![]()
IV 地域での自立を支える新しい福祉の体系
〔子どもが地域で健やかに育つことのできる社会を築く〕 ○ 東京の保育を都市型サービスに転換させ、保育サービス総体をレベルアップ
○ 社会的養護のシステムを再構築、ケアの必要な子どもを家庭的な雰囲気の中で養護できる体制を整備
○ 子育てを地域の中でバックアップ、虐待等の深刻なケースにも速やかに適切に措置
〔障害をもつ人が可能な限り地域で自立して生活できる社会を築く〕 ○ 親元や入所施設から、地域で自立した生活に移行しようとする障害者へのサポートを充実
○ 生活寮等の大幅な増設と障害者の自立した地域生活を支えるネットワークの構築
〔高齢者が地域で安心して暮らし続けることのできる社会を築く〕 ○ 高齢者が価値観や生活スタイルに合わせて地域で暮らせる多様な住まいの整備
○ 高齢者が地域の中で生きがいをもって暮らし続けるしくみの充実
○ 都独自の「第三者サービス評価システム」の普及・定着
○ 福祉サービスに関する総合的な情報提供のしくみを構築
○ 福祉サービスへの苦情や相談等が身近な地域で気軽にできるしくみを構築
○ 福祉分野に多様な供給主体の新規参入を促進
○ 社会福祉法人によるサービス提供のあり方や行政の関わり方を改革
○ 公有地や民間未利用地等を有効活用して、地域で多様な住まい等を提供する基盤を築く
○ 都は、サービス提供者としての役割を、福祉サービスのインフラを整備していくことや、利用者保護のシステムを適正に維持していくことなどに重点を移行 ○ このような観点から、利用者が必要なサービスを自ら選択する「新しい福祉」の実現に合わせて、都立福祉施設の有り様を根本に立ち返って精査し、抜本的な改革を実行 ○ 改革は、
施策充実など環境整備を行った上で、各分野の特性を踏まえつつ、民間移譲等を視野に入れて、見直しを推進 |