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心身の疲労を解消しましょう

よい睡眠のためのヒント

 心身の疲労回復には、なんといってもよい睡眠をとることが大切です。
 令和3年の東京都の調査によると、睡眠時間が「十分に足りている」「ほぼ足りている」人は、60.1%で、平成28年に比べて3.5ポイント低くなっています。

睡眠の充足感の推移

 また、不眠の状態が「頻繁にある」「ときどきある」と答えた人は51.1%と、20歳以上の半数近くが不眠を訴えています。

睡眠の質

 睡眠不足は疲労が解消されないばかりではなく、肥満や高血圧のリスクを高め、判断力を鈍らせて事故のリスクを高めるおそれがあります。特に、月80時間を超える超過勤務は、適切な休養を妨げて過労死などの深刻な事態を招くおそれもあるため、早めの対処が必要です。
 それでは「よい睡眠」をとるにはどうしたらよいのでしょうか。適切な睡眠時間には個人差がありますが、少なくとも疲労を蓄積しない程度の睡眠時間を確保するために、生活実態に合わせて就寝時間を決め、心身の調子や環境を整えておくことが必要です。また、時間的な長さだけでなく、睡眠の質を改善していくことがとても大事です。

睡眠のメカニズムを知ってよい睡眠を確保しましょう

① 体内時計と睡眠
 昼間は活動し、夜は眠るという活動と休息のリズムをコントロールしているのは、体内時計です。人間の体内時計は約24時間10分の周期にできていますが、朝起きて日光を浴びることで、この時計が自然とリセットされるようになっています。
 そのため、朝はなるべく同じ時間に起きるようにして、目覚めたらカーテンを開け、日の光を浴びて体内時計を整えましょう。
 また、テレビやパソコン、スマートフォンなどの強い光は、体内時計を遅らせたり、睡眠を促す物質であるメラトニンの分泌を阻害するおそれがあります。寝る前の使用は控えて、強い光を浴びないようにしましょう。睡眠前は暖色系の照明の部屋で過ごすとよいでしょう。

② 疲労と睡眠
 人間の体には、起きて活動をして疲れてくると睡眠を促す物質が脳内にたまり、睡眠中枢に働きかけ、眠くなるという機能が備わっています。
 コーヒーなどに含まれるカフェインは、こうした働きを妨げるため、夕方以降は控えましょう。タバコも興奮作用があるので、お勧めできません。
 一方、ストレッチやぬるめのお湯での入浴は、体をリラックスさせる効果があるので、睡眠の質をよくします。

③ 体温の変化と睡眠
 人の体は体温が低下すると眠気を感じます。1日のうちで体温が最も高いのは夕方から夜9時頃。その後は体温が徐々に下がり、夜明け前に最も低くなります。
 こうした体温の変化を利用して快適な睡眠につなげましょう。たとえば、体温の上がる激しい運動は夜9時以降は避ける、蒸し暑い夜は上手にエアコンを使う、冬場、電気毛布は寝る前に切るなどの工夫がお勧めです。
 また、眠る前にストレッチなどの軽い運動やぬるめのお湯で入浴をすると、その後の体温の低下とともに眠りやすくなります。

よい睡眠をとるための入浴方法

 具体的にはどのような入浴がよりよい眠りにつながるのでしょうか。
 すでにお伝えしたとおり、体温の変化と睡眠には密接な関係があります。就寝前の入浴によって一時的に体温を上げ、入浴後に再び体温が下がってくることを上手に利用して眠りにつくために、次のような工夫をしてみましょう。

① 入浴は就寝の1~2時間前までに
 朝や午後早い時間の入浴は、残念ながらよりよい眠りには直接的には役立ちません。過去の研究からは、就寝30分~6時間前の入浴による体温変化が、寝つきをよくしたり、深い睡眠を増加させるなど、「睡眠の質」を改善させることがわかっています。特に「深い睡眠」を得るためには、就寝直前の入浴が最も効果的であることが知られていますが、一方で、必ずしも「寝つき」をよくするタイミングとは言い切れないことに注意が必要です。
 「寝つき」と「深い睡眠」のバランスを考えると、就寝予定の1~2時間前をめやすに入浴を済ませるのがよいでしょう。


② 熱すぎないお湯に、ゆったりとつかる
 シャキッとしたいときに熱めのシャワーを浴びる人がいるように、42℃以上のお湯は交感神経を刺激し、心身を目覚めさせる方向に働くため、眠りにつく前に熱いお湯につかると、かえって眠りにくくなることがあります。適切なタイミングで、38~40℃程度の熱すぎないお湯にゆったりつかることが、心身のリラックス効果をもたらし、快眠につながります。
 もちろん、快適に感じる湯温や長さは、その人の好みやその日の体調、季節などによっても変わってくるものです。体温は0.5℃程度上がれば寝付きをよくするのに役立つとされていることから、あまり厳密に「あと何分は入っていなければ」などと考えずに、心身の緊張がほぐれ、体が心地よく温まったと思える入浴になるようにしましょう。
 お腹のあたりまでの低い水位で入浴する半身浴も寝付きをよくするのに役立ちます。40℃くらいの熱すぎないお湯で、30分程度をめやすに、ゆっくり体を温めましょう。半身浴は上半身に水圧がかからないことなどから、心臓や肺に負担をかけにくいというメリットもあります。自分の体調や好みに合った方法で、就寝前の入浴をリラックスタイムにできるとよいですね。

 また、入浴中は、発汗などにより思いのほか体から水分が失われていきます。入浴の前後には水分補給も忘れないようにしましょう。同様に、就寝前にもコップ1杯の水を飲むことは、就寝中の脱水を予防し、快適な睡眠の一助となります。



睡眠障害について

 睡眠障害には、「不眠」「過眠」「睡眠・覚醒リズムの問題」など、いくつかの種類があります。
 「不眠」の自覚症状としては、「なかなか寝付けない」「途中で起きてしまい、その後眠ることができない」「熟睡できない」などがあります。「過眠」というのは、「日中眠くて仕方がない」「ついつい居眠りしてしまう」などの症状です。適切な時間に眠りに入ることができず、希望する時間に起きられないのが、「睡眠・覚醒リズムの問題」です。さらに、脚がむずむずしたりほてったりして脚をじっとさせていられないなどの症状が、夕方以降に悪化するためによく眠れないという「就寝時の異常」も、睡眠障害の一つです。
 周囲の人が気付く睡眠障害の症状としては、「いびき」「寝言」「無呼吸」などがあります。
 睡眠障害には、うつ病や睡眠時無呼吸症候群といった病気が隠れている可能性もあります。気になる症状がある時は、疲労回復につながる適度な運動などをしたり、上記のような睡眠改善策を実践してみて、それでも改善しない場合には医療機関に相談してください。

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このページの担当は 保健政策部 健康推進課 健康推進担当 です。

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