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がんを予防するためには

科学的根拠に基づくがん予防とは

 現代は情報があふれていますので、多くの情報を容易に手に入れることができます。科学的根拠に基づく情報もあれば、そうではないものも少なくないなかで、科学的な根拠の有無や程度を見極めて、確かな情報を選んでいくことが大切です。

◎科学的な根拠のある予防を生活に取り入れる

 がんの発生は生活習慣と深いかかわりがあるので、がんのリスクを下げるためには現在の生活習慣を見直すことが重要です。
 たとえば、食生活。栄養のバランスのよい食事をとるというのが原則です。医師の指導がない限り、特定の食品を食べ続けたり、特殊な食べ方をすることは必要ないばかりか、栄養の偏りを招きます。また、がん予防になるからと、普段運動習慣のない人が突然激しい運動をし始めるのは禁物です。少しずつ時間を増やして、慣らしていきましょう。
 また、禁煙をしようと思っても、自己流ではなかなか禁煙が続けられなくなることもありますので、禁煙希望者は、医療機関でカウンセリングや禁煙補助剤を活用することも検討してみましょう。
 がん予防の生活習慣は、生活のなかで無理なく段階的に組み入れ、地道な積み重ねを続けていくことが大切です。

日本人のためのがん予防法

 国立がん研究センターの研究班は、日本特有の生活習慣、さらにはウイルスや細菌の感染への配慮を踏まえて、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」を提案しています。
 2022年8月改訂版では、「喫煙」「飲酒」「食事」「身体活動」「体形」「感染」の6項目についての予防法が示されています。

 表:現状において日本人に推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法

喫煙 たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける。
飲酒 飲むなら、節度のある飲酒をする。
食事 食事は偏らずバランスよくとる。
* 塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にする。
* 野菜や果物不足にならない。
* 飲食物を熱い状態でとらない。
身体活動 日常生活を活動的に。
体形 適正な範囲に。
感染 肝炎ウイルス感染検査と適切な措置を。機会があればピロリ菌感染検査を。
該当する年齢の人は、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の定期接種を。

 出典:国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」

◎喫煙 たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける。

 喫煙はがんだけでなく、循環器疾患をはじめさまざまな病気のリスクとなります。たばこを吸っている人は禁煙をしましょう。また、たばこの煙は喫煙者自身だけでなく周りの人にも健康影響を及ぼしますので、十分な注意が必要です。

◎飲酒 飲むなら、節度のある飲酒をする。

 飲酒は、大腸がんをはじめとするがんのリスクとなります。そのため、普段飲まない人や飲めない人は、無理に飲まないようにしましょう。
 飲む場合には、節度ある適度な飲酒が大切です。日本酒なら1日1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウィスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度の量にとどめるようにしましょう。

◎食事 食事は偏らずバランスよくとる。

 現時点では、がんを確実に防ぐ単一の食品や栄養素はありません。逆に、とり過ぎるとがんのリスクを上げる可能性のある食品などもあり、そうしたリスクを分散させるためにも、まずは偏りなくバランスのよい食事をとることが基本となります。
 特に、塩分を控えめにすることは、胃がんや高血圧の予防や、循環器疾患のリスクの減らすのに効果的と考えられます。男性は1日8g未満、女性は1日7g未満を食塩量の目安にしましょう。特に、塩辛や練りうになどの高塩分食品は週1回以内にとどめるようにしましょう。
 また、野菜や果物不足は、脳卒中や心筋梗塞をはじめ、さまざまな生活習慣病のリスクを高めますので、要注意です。1日当たり野菜を350g以上とるように心がけましょう。
 さらに、食道がんのリスクとなる熱い食べ物や飲みものは、少し冷ましてから口にするようにしましょう。

◎身体活動 日常生活を活動的に。

 身体活動量が高いと、がんだけでなく心疾患による死亡のリスクも低くなるため、死亡全体のリスクが低くなると考えられています。
 ほとんど座って仕事をしている人なら、毎日合計60分程度の歩行などの身体活動と、それに加えて、週1回程度は活発な運動を行いましょう。活発な運動とは、たとえば早歩きなら60分程度、ランニングなら30分程度が目安です。

◎体形 成人期での体重を適正な範囲に。

 日本人の場合は、欧米人ほど肥満ががんに結びつかないことがわかっています。むしろやせによる栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こすなどのリスクもあるので、適正体重を保つことが重要です。
 適正体重は、身長と体重から計算されるBMI(肥満指数)という数値でわかります。BMIは次の計算式で計算できます。
 BMI=体重(kg)÷身長(m)2
 厚生労働省では、中高年(50歳~69歳)について20.0~24.9を目標のBMIとしています。
 糖尿病や高血圧、高脂血症などは、やせるほどリスクが低下しますが、がんを予防するためには、太り過ぎないこととともに、やせすぎないことも大切です。

◎感染 肝炎ウイルス検査と適切な措置を。機会があればピロリ菌感染検査を。
該当する年齢の人は、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の定期接種を。

 がんのリスクとしてたばこに次いで大きいのが、ウイルスや細菌への感染です。たとえば、肝がんの原因となるB・C型肝炎ウイルスや子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)などがあります。特に肝炎ウイルスは、検査を受けて感染の有無を知り、もし感染している場合はその治療を行うことが重要です。
 また、ヘリコバクターピロリ菌の感染は胃がんの原因となることがあるため、機会があればピロリ菌の検査を受けましょう。感染している場合は禁煙する、塩や高塩分食品の取りすぎに注意する、野菜・果物が不足しないようにするなどの胃がんに関係の深い生活習慣に注意し、定期的に胃の検診を受けるとともに、症状や胃の詳しい検査をもとに主治医に相談しましょう。
 子宮頸がんはその他のがんと異なり若い世代に多く見られます。定期接種に該当する年齢(小学校6年から高校1年相当)の場合はワクチンを接種するとともに子宮頸がん検診を定期的に受診することが、子宮頸がんの予防と早期治療のために有効です。

 以上の項目を、それぞれの生活に無理ない方法で取り入れて生活することこそ、科学的根拠に基づく現代のがん予防です。もちろん、今後の研究によって、項目や内容が追加されたり、変更されていきますので、情報に関心をもつことが大切です。

参考URL:国立がん研究センター 「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」

(このページは国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」ホームページを参考に作成いたしました)

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このページの担当は 保健政策部 健康推進課 成人保健担当 です。

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