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胃がん

1 胃がんとは?

 胃がんは、胃の粘膜にできる悪性腫瘍(悪性のできもの)です。胃の壁は内側から、大きく分けて粘膜層と筋層からできています。がんが粘膜層にとどまっているものを「早期胃がん」、がんが筋層以上に深く進んだものを「進行胃がん」と呼んでいます。
 50歳代後半から60歳代の男性に多く見られますが、最近では検査・治療の進歩により、死亡率は減少傾向にあります。
 早期胃がんは無症状のこともありますが、進行胃がんになると、食欲不振が進み、衰弱が目立ち、おなかが張る、胃が痛む、血を吐く(血液は胃液でコーヒー色に変化することもあります)、下血(肛門から出血すること、血液は胃液で黒くなり、便も黒くなります)などの症状が現れるようになります。
 特殊な胃がんとしては、粘膜表面にあまり変化を起こさずに進行する悪性度の高いスキルス胃がんがあります。スキルス胃がんは胃部エックス線検査や内視鏡検査でも発見が難しく、胃壁全体が硬くなった状態で発見されることの多いタイプです。

2 胃がんのリスクファクター(危険因子)

 喫煙や、塩分を多くとることで、胃がんの発生リスク(危険)が高くなるといわれています。 また、胃粘膜に生息する細菌として知られているヘリコバクターピロリ菌(ピロリ菌)が、胃がんと関連することがわかってきました。ピロリ菌の感染が持続すると胃粘膜に炎症が起こり、萎縮性胃炎と呼ばれる状態になります。この萎縮性胃炎が、胃がんの発生にかかわってくると考えられています。
(ピロリ菌に感染している人は、抗生物質を内服して除菌することはできます。しかし、ピロリ菌を除菌することによる胃がんの予防効果については、まだ評価が定まっておらず、また、副作用も出ることがありますので、除菌を希望される場合は、主治医とよくご相談ください。)

3 胃がんの予防方法

 胃がんにかからないようにするには、危険因子(喫煙、塩分を多くとるなど)を避けることが大切です。つまり、たばこを吸わないこと、塩分をとりすぎないことなどが、胃がん発生の予防に役立ちます。
 なお、ピロリ菌について、現時点では除菌が胃がんの予防になるか否か明確になっておらず、国は今後、除菌の有用性について国内・国外の知見をもとに検討することとしています。ピロリ菌を除菌したい場合は、お近くの医療機関にご相談ください。
 胃がんの予防には、危険因子を避けるとともに、野菜を増やしてバランスよく栄養をとるなど、生活習慣について関心を持つことも大切です。
 また、胃がんは、早期発見・早期治療によって、90%以上の人が治るといわれています。そのため、定期的に胃がん検診を受けることがとても大切です。男女ともに50歳以上の人は、2年に1回、胃がん検診を受けましょう。要精密検査となった場合は、必ず精密検査を受診してください。

4 胃がん検診の実施内容等

 胃がん検診は、問診、胃部エックス線検査または胃内視鏡検査のいずれかを行います。
 胃部エックス線検査は、バリウムと胃を膨らませる発泡剤を飲んでエックス線を撮り、胃の大きさや形、胃壁の変化などを観察する検査です。
 胃内視鏡検査は、口または鼻から内視鏡を挿入して、胃の中を直接観察する検査です。検査の前処置として、のどや鼻の麻酔などが必要です。
 早期胃がんの5年生存率(診断から5年後に生存している割合)は90%以上で、現在は早期発見・早期治療により治る可能性の高いがんになりました。2cmまでの大きさの早期がんで発見できれば、内視鏡治療が可能な場合があります。お腹を切る必要もなく、胃の大きさも変わりませんので、後遺症はほとんどありません。

5 胃がん検診受診時の注意点

 検診では、これまでかかった病気や、家族歴(血縁者で胃がんになった人の有無)について聞かれますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
 原則として前日の21時(検査開始予定時刻の12時間前)以降、食事を取ることはできません。検査当日は飲み物だけでなく、たばこ、ガムなども避けてください。
 胃部エックス線検査は、バリウムと胃をふくらませる発泡剤を飲んで胃の中の粘膜を観察する検査です。検査中はゲップを出さないように注意し、バリウムを飲むときは気管に入り込まないように焦らずに飲んで下さい。
 検査後は、便秘にならないように、下剤を服用して、水分をやや多めに取るように心がけましょう。
 胃内視鏡検査では、検査後1時間程度は水分や食事を摂らないようにしてください。
 胃の粘膜の一部を切り取る生検を受けた場合は、当日の食事は、やわらかく消化の良いものとし、過度の運動などは避けましょう。
 「胃がん検診体験記」はこちら

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このページの担当は 保健政策部 健康推進課 成人保健担当 です。

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