みんなで取り組むことの大切さ

ご近所どうしの信頼感とフレイル

ご近所どうしの信頼感が高い地域ほど、フレイルの該当率が低いことがわかりました。例えばチームスポーツの場面では、チームワークの良好なチームほどその強さを発揮しやすい傾向にあります。健康づくりの場面でも、住民どうしの信頼関係や協力関係が、住んでいる人の健康にも影響することがわかっています。

都内で行われた調査では、同一区内(市内)であっても、男女ともフレイルの該当率には地域差があることがわかりました(図1)。また、近隣の方同士の信頼感が高い地域ほどフレイルの該当率が低いこともわかりました(図2)。このような格差を縮小するには個人の努力も必要ですが、それだけでは不十分で多機関連携によって地域全体で取り組むという機運の醸成や、社会環境の整備が必要です。

※ヒトの行動や生活に直接的または間接的に影響を与える社会的諸条件(組織、制度、構造、慣習や文化など)を指します。

同じ区内(市内)でも、小地域間でフレイル該当率は異なる/地区ごとのフレイル該当率は、男性で最大1.9倍の差があり、女性で最大2.0倍の差がある。

図1.地区ごとのフレイル該当率

近隣の方同士の信頼感が高い地域ほどフレイル該当率が低い/男性・女性ともに「近隣の人は信頼できる」と回答した人の割合が高いほど、フレイル該当率が低い。/丸は、地区の平均値を表す

図2.ご近所どうしの信頼感とフレイル該当率との関係