介護予防・フレイル予防って何?

フレイルは、高齢期に病気や老化などによる影響を受けて、心身の活力(筋力や認知機能など)を含む生活機能が低下し、将来要介護状態となる危険性が高い状態です。この状態は、図1にあるように、生活機能の自立度が高い「健康」と日常生活動作に障害がある「要介護状態」との間に位置しています。したがって、フレイル予防は、より早期からの介護予防(=要介護状態の予防)を意味しており、従来の介護予防をさらに進めた考え方といえます。また、介護予防・フレイル予防は、認知症予防に資する可能性があります。

フレイルと要介護状態、健康余命との関係/加齢が進むと体力や気力が弱まり始める。生活機能も低下することで、健康からフレイル、フレイルから要介護の危険性が高い状態が進む(葛谷:日老医誌(2009)の図をもとに北村・新開らが改変)

図1.フレイルと要介護状態との関係

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原稿作成:
新開 省二((地独)東京都健康長寿医療センター研究所 副所長)

参考文献:
1. 葛谷雅文.老年医学におけるSarcopenia & Frailtyの重要性.日本老年医学会雑誌 2009; 46: 279-285.
2. 東京都健康長寿医療センター研究所.フレイル.健康長寿新ガイドライン エビデンスブック.東京: 社会保険出版社. 2017; 84-95.
3. 北村明彦ら. フレイルの概念について~公衆衛生学的視点から~. 特集「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施に向けて」. 地域保健 2019; 50(6): 34-39.