本文へ移動

区市町村から届く
がん検診のお知らせについて

コラム2022.10.19

このページをシェアする!

現在、日本人の2人に1人が生涯のうちにがんになると言われています。がんは早期の段階では症状がほとんどないことが多く、知らないうちに進行していることもあります。本人の自覚症状なしに進行するがんを早期に発見するための手段が、がん検診です。がん検診を受診して、がんの早期発見・早期治療ができれば、多くの方の命が助かります。
だからこそ、対象年齢になったらがん検診を定期的に受診することが大切です。
東京都内の区市町村では、都民の皆さんの健康を守るために、各種のがん検診を実施しています。皆さんのところにも、がん検診のお知らせや、がん検診を無料で受けられるクーポン券などが届いていませんか。

がん検診のお知らせは、こんな「ハガキ」などで届きます。

がん検診のお知らせは、あなたがお住まいの区市町村から届きます。
これは、40歳以上の女性を対象にした「乳がん検診」のお知らせ(見本)です。表面だけチラッと見て、うっかりそのままにしていることはありませんか?中面を開いて目を通してみると、大切な情報がギュッと詰まっています。

たとえば見本のハガキでは、40歳以上になると乳がんになる確率がグンと高まること、早期発見がいかに大切かなど、乳がんについての基本知識が簡潔にまとめられています。そのほか、検診の申し込みから受診までの流れや、検診がどのように行われるのかなどもこのハガキで知ることができ、がん検診をイメージできるようになっています。

乳がん圧着ハガキ

また、多くの方にがん検診を受けていただくために、無料で受けられるクーポン券をハガキと一緒に配布している自治体もあります。
このクーポン券を利用すると、たとえば乳がん検診なら、助成がない場合は通常1万円を超えることもある高価な検査が、無料で受けられることになります。なお、無料のクーポン券がなくても、区市町村のがん検診は自己負担が無料~2,000円程度で受けることができます。

ハガキなどによるお知らせが届いても、「毎回同じ内容だから」、「忙しかったから」など、ついついそのままにしてしまう理由はいろいろでしょう。
そんなあなたも、まずはお知らせの内容を確認してみてください。がん検診について、そして自分の健康について改めて考える機会になるはずです。

検診無料クーポン券

そもそも、がん検診はどこで受ければ良いの?

がん検診は、お住まいの区市町村で実施しています。各区市町村が指定する検診機関や医療機関などで受診することができます。
その他に、職場や医療機関が提供するがん検診もありますが、これらはいずれも任意で提供される医療サービスです。費用は職場などから助成が出ることもありますが、基本的には全額自己負担です。これらの検診を受診する場合は、次に紹介する国が推奨するがん検診の内容(表)を参考にしましょう。

国が推奨するがん検診は5種類

区市町村が実施するがん検診は、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」に基づき、死亡率減少効果が認められた方法で実施することになっています。検診対象となるがんは、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの5種類。表は、それぞれの対象者、受診間隔、検査方法をまとめたものです。

検診内容をマンガでイメージ体験

胃がん検診

問診に続いて、「胃部エックス線検査」または「胃内視鏡検査」のいずれかを行います。早期に胃がんを発見した場合の5年生存率は90%以上で、現在では早期発見・早期治療により助かる可能性の高いがんになりました。2cmまでの大きさの早期がんで発見できれば、内視鏡治療が可能な場合があります。

解説マンガを見る

肺がん検診

質問(問診)と胸部エックス線検査を行います。喫煙の習慣がある方(※)には、喀痰細胞診を併せて行います。肺がんの最大の危険因子は喫煙です。ただし、たばこが原因とはいえない肺がんもあり、非喫煙者であっても注意が必要です。特に肺の奥にできるがんは、咳やたんなどの症状が出にくく発見が遅れやすいので、定期的に検診を受診することが大切です。
※原則として、50歳以上で「1日に吸うたばこの本数✕喫煙年数」が600以上の方。

解説マンガを見る

大腸がん検診

問診と便潜血検査を行います。便潜血検査は、便を採取するだけでよく、簡単なのに有効な検査です。大腸がんは、早期発見・早期治療による5年生存率が95%を超えるがんです。ごく早期の大腸がんであれば、内視鏡による切除手術が可能なケースも多く、また最近では、腹部に小さな穴を開け腹腔鏡によって大腸の一部を切除するなど、患者さんへの負担を軽くする手術法も積極的に起用されるようになっています。

解説マンガを見る

子宮頸がん検診

問診、視診、内診のほか、医師が採取した細胞による「細胞診検査」を行います。細胞診検査は、子宮頸部から専用のヘラなどで採取した細胞を顕微鏡で調べる検査で、早期がんやCIN(がんになる前の状態)で発見することができます。近年、20歳代・30歳代の若い世代の子宮頸がんが増えています。CIN段階で発見し、適切なタイミングで治療を行った場合、子宮を残し、妊娠や出産が可能な状態で治療することもできます。

解説マンガを見る

乳がん検診

質問(問診)とマンモグラフィ検査を行います。マンモグラフィは乳房専用のエックス線装置です。乳がんは、自分で乳房をチェックすることで気付く場合もありますが、小さながんはセルフチェックではなかなか気付きにくいものです。乳がんは早期のうちに治療すれば、10年生存率が90%以上と言われています。自覚症状がなくても、定期的に検診を受診することが大切です。

解説マンガを見る

がん検診の結果が「要精密検査」だった場合は、必ず精密検査を受けましょう。

がん検診(一次検診)では、がんの疑いがあるか、精密検査が不要かを判定します。「要精密検査」と判定された場合には、精密検査で詳しくがんの有無を確認する必要があります。「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受診しましょう。
また、がん検診の結果が「精密検査不要」であったり、精密検査の結果が「異常なし」であっても、今後も決められた間隔で定期的に検診を受診しましょう。
もしも自覚症状がある場合は、次回のがん検診を待たずに速やかに医療機関を受診してください。

もっと知りたくなったら
都内区市町村で実施するがん検診のお知らせ

他のテーマも読む!

Part1 まだ早いって思ってない? 子宮頸がんのこと
Part2 自分でチェック、始めよう 乳がんのこと
Part3 忘れてはいけない、女性に関係のあるがん 大腸がんのこと
Part4 自分の適量、知ってますか? お酒のこと
Part5 ついおろそかにしちゃう!でも! 食生活のこと
Part6 思春期から更年期まで。こころにも、ケアが大切です。 こころの健康のこと
Part7 自分にだけ、じゃない喫煙の健康被害。知っておこう。 喫煙のこと