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栄養科の紹介

栄養科では利用者の皆様お一人お一人を栄養面から支え、健康維持に貢献するとともに、医療的介護が必要になった場合にもその治療効果が得られるよう栄養管理に日々努力しています。

▼目次

  (2)通園の食事※リンク無

1 府中療育センターのお食事

当院では美味しく食べやすい利用者の皆さんに喜んでいただける食事提供に力を入れています。安全・安心な食事提供を目指し、食材料を厳選し、各食事形態別の調理方法については関係各所と連携しながら研究してまいりました。
また、ひなまつり、七夕、センター祭など季節や行事にちなんだ料理など、毎日の生活に温かみと安らぎが感じられるような食事サービスを心がけています。

(1) 長期入所・短期入所・通所の食事

利用者の方の年齢、体格、活動量、病状等に応じた栄養量で提供できるよう、1日の食事のエネルギー基準量を900キロカロリー、1200キロカロリー、1500キロカロリーの3段階とし調製しています。さらに、合併症を抱え栄養量の調整が必要な利用者の方に対する特別治療食や食物アレルギーに対応した除去食の提供も行っています。また、食事形態については摂食・嚥下機能に合わせて、普通食・一口大(きざみ含む)食・やわらか食・ペースト食・ミキサー食の5段階としています。この内、ミキサー食は胃瘻注入可能な形態となっています。 
なお、通所部門への食事提供は平日の昼食のみとなっています。

<食事形態別の献立例>

┗A:普通食==========================================
 普通の食事。

(メニュー)

  • ごはん

  • えびフライ

  • くし型レモン

  • 茹でキャベツ

  • 小松菜・人参の辛子和え

  • フルーツ(洋梨缶)

★献立の特徴

  • 基本の主食のご飯は、通常米の重量1に対し、水1.5倍で炊飯するが、当センターでは水1.8~2倍で炊飯しており、若干やわらかめです。

┗B:一口大食==========================================
 噛み切らないで食べられる形態。一口で口に入る大きさのもの。基本主食は軟飯。

(メニュー)

  • 軟飯

  • えびフライ

  • くし型レモン

  • 茹でキャベツ

  • 小松菜・人参の辛子和え

  • フルーツ(洋梨缶)

★献立の特徴

  • 軟飯は米の重量1に対し水2~2.5倍で炊飯しています。
  • 野菜は1センチメートル角程度の大きさに切って調理しています。

┗C:やわらか食=========================================
 舌と上顎で押しつぶせる形態。形はあっても柔らかく容易につぶせる状態のもの。基本主食は全粥。

(メニュー)

  • かゆ

  • えび真薯あんかけ

  • ポテトの煮付け

  • 小松菜とキャベツの浸し

  • フルーツ(洋梨缶)

★写真の献立の特徴

  • 真薯とは、肉や魚を生の状態で塩とともにミキサーにかけ、つなぎのやまと芋や野菜、卵を加えて良く練り、蒸しあげたものです。まず塩を加えてしっかりミキサーにかけることで、材料を加えても分離せず、なめらかでやわらかい真薯に仕上がります。
  • じゃが芋は、繊維を崩して食べやすくするため、前日に茹でこぼして冷凍する下処理をしています。人参は圧力鍋で加熱しやわらかくしています。下処理したじゃが芋と人参を合わせて調理します。
  • お浸しは、小松菜とキャベツをペースト状にしてから、ゼリー状に固め、しょうゆあんをかけています。寒天より強度が低くゼラチンに近い物性ですが、常温では溶けず、安定した状態になっています。
  • フルーツはミキサーにかけペースト状にしています。

┗D:ペースト食=========================================
 咀嚼も押しつぶしもしないで食べられる形態。食品をクリーム状にしたもの。基本主食はパン粥。 

(メニュー)

  • パン粥

  • えび真薯あんかけ

  • ポテトの煮付け

  • 小松菜とキャベツの浸し

  • フルーツ(洋梨缶)

★写真の献立の特徴

  • なめらかに仕上げるため、やわらか食の真薯をミキサーにかけてペースト状にしています。
  • ペースト用にカットした野菜を合わせて調理し、ミキサーにかけています。

┗E:ミキサー食==========================================
 ペースト食をミキサーにかけて裏ごしし、さらに滑らかにしたもの。胃瘻注入も可能。基本主食はパン粥ミキサー。

(メニュー)

  • パン粥ミキサー

  • えび真薯あんかけ

  • ポテトの煮付け

  • 小松菜とキャベツの浸し

  • フルーツ(洋梨缶)

令和2年6月より多摩療育園と一体化したことから通園食の提供を始めました。
就学前のお子さんを対象として、年齢や障害の特性・発達段階に合わせて3段階の栄養量を基本に設定しており、食べられる量に応じた個別の調整もしています。食事形態については6段階用意し、経口摂取のほか、鼻腔からの注入を想定した形態もあります。その他、食物アレルギーの除去食や代謝異常等の疾病により栄養量の調整が必要な食事についても医師の指示に基づき対応しています。昼食に加え、おやつの提供も行っていますが、栄養だけでなく食事の楽しさも感じていただけるよう取り組んでいます。
また、通園で定期的に開催される保護者勉強会の場などを利用し、「幼児期の栄養」や調理師による実演も交えた「家庭でも実践できる調理・加工のポイント」などの講和を行い、ご家庭での食事の実践にお役立ていただいております。

<通園食の献立例>

一つの共通献立から各食形態の特徴に合わせて再加工することでそれぞれの食事を調整していきます。
以下に献立例と各食形態への展開例をお示しします。
(メニュー)

  • ごはん

  • 卵豆腐(人参の飾り)

  • なす肉味噌炒め

  • ほうれん草のごまあんけ

  • キウイフルーツ

  • ヨーグルト

=展開例========================================


A:幼児食                幼児でも少し力を入れると咀嚼できるもの。魚は粗くほぐしたり、茹でた野菜は子どもの一口大程度に切ったりするなどしています。


B:後期食                弱い力でも咀嚼できるもの。通園食の基準となる食形態で、肉や根菜類は、圧力なべを用いて、適切な柔らかさになるように工夫しています。

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C:中期食                口の中で押しつぶすことができ、まとまりやすいもの。粒のないマッシュ状のもの。主食は押しつぶしが可能な「全がゆ」になります。押しつぶしが難しい副食はフードプロセッサーを用いたり包丁で丁寧にたたいたりするなど、口当たりのよいマッシュ状態に仕上げます。再加工前の料理を柔らかく、そして水分を少なく仕上げるのがポイントです。


D:初期食                粒のない均一な状態、マヨネーズ状のもの。主食は「全がゆ」に酵素を加えて攪拌することで、粘りを取り除いたやわらかいゼリー状の粥「酵素がゆ(酵素2%)」に仕上げます。副食はミキサーを用いて粒のないペースト状に加工します。必要以上の水分は加えず、かさが増えないように気を配ります。

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E:流動食                初期食よりも柔らかく、流動性の高いもの。主食は「酵素がゆ(酵素2%)」よりも柔らかい「酵素がゆ(酵素1%)」に仕上げます。副食も、初期食よりも流動性が高く、口から取り込んだ際に口腔内をゆっくりと広がるように調整します。


F:経管食                極細目の網で裏ごしし、8フレンチのチューブを通りやすいように調整したもの。主食は注入の抵抗が少ない「酵素がゆ(酵素1%)」になります。副食も流動食と同様に必要最低限の水分調整を行います。注入するペーストの硬さを調整可能な「野菜スープ」が付きます。

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(3)行事食の紹介

(4)レシピ集「家族といっしょに嚥下食」

当院の献立からご自宅でも作りやすい料理の作り方を紹介しています。
当院の食事は普通食もやわらかく食べやすくなっています。普通食をさらにペースト状などに加工する方法を紹介していますので、ご家族で同じものを召し上っていただけます。

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(5) 安全と衛生

安全で安心な食事提供のために、厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」に準拠した「東京都府中療育センター衛生管理マニュアル」を作成し、このマニュアルに基づいて、衛生管理の徹底に努めながら食事を調製しています。

2 臨床栄養管理

管理栄養士は医師、看護師その他医療従事者と共同して、栄養評価を行い、お一人お一人の栄養状態、摂食嚥下機能及び食事形態を考慮した栄養管理計画を作成しています。
また、食事摂取量が減っている場合などは、管理栄養士がベッドサイドにて利用者の方の食欲などを確認し、担当医師や看護師と相談の上、食事内容の調整を行い、栄養状態を改善させ、早期回復につながるよう努めています。なお、当院では調理師も定期的に病棟・通所・通園の訪問を行っており、喫食状況を確認することにより、より良い食事作りに役立てています。
その他、栄養科では栄養支援チーム(NST)の事務局を務めるとともに、摂食・嚥下ワーキンググループ、経管・経腸ワーキンググループ、褥瘡対策チーム、緩和ケアチーム(PCT)、院内感染制御チーム(ICT)の各医療チームに参画し様々な角度から利用者の方の栄養を支えています。

3 栄養食事指導

令和2年6月より外来部門が設置されたことにより、外来栄養食事指導も開始しました。摂食嚥下機能に障害がある方に対し安全で食べやすい食事作りの工夫点や、体重増加不良あるいは肥満等の課題に対し、患者さんとご家族の方から日頃の食生活等をお聞きし、無理のない取り組みやすい方法を考えながら指導を行っています。

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お問い合わせ

このページの担当は 府中療育センター 事務室 です。

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