東京都 職場のメンタルヘルス 知っておきたい4つのこと 東京都立(総合)精神保健福祉センター その1 労働者自身が対処する「セルフケア」 ストレスに気づきましょう ストレスの原因は、仕事、職業生活、家庭などにあります。 職場要因 人間関係(ハラスメントを含む)、長時間労働、働きがいなど 個人要因 疾病、家庭不和、育児・介護、生活環境の変化、経済的な問題など   ●職場で行われる「ストレスチェック」の結果を活用し、自らのストレスの程度と原因を考えてみましょう。     ストレスを受け続けると、さまざまな症状や問題がでてきます 精神的な不調(不安・焦燥感、意欲や集中力の低下、抑うつ気分、不眠など) 身体的な不調(肩こり、頭痛、高血圧、消化管潰瘍、吐き気、めまいなど) 不適切な行動(過度の飲酒、過食、遅刻や当日欠勤) 職場で問題となる行動(仕事が滞る、ミスが増える、他人とのトラブルが増えるなど) ●ストレスが原因の場合、ストレス要因が解決できるとこれらの症状は軽快します。 ●心身の状況が不調なときは、受診や休業することも必要です。 「職場要因」のストレスを解決するために ●自分の働き方を見直してみましょう。 ●コミュニケーションの方法を考えてみましょう。 ●自分だけで解決が難しい場合には、上司や同僚に相談してみましょう。 ●職場内産業保健スタッフ(産業医、保健師、心理職など)への相談や、職場外の相談機関等の利用も考えましょう。 ●「ストレスチェック」で高ストレスと判定された場合は、産業医との面接を申し出ましょう。 ●ハラスメントが疑われる場合は、職場所定の相談窓口・人事労務担当などに相談してみましょう。 「個人要因」のストレスを解決するために ●自己要因なのか、他者要因なのかを考えてみましょう。 ●自己要因の場合は、相談・医療機関を利用して問題の解決を図りましょう。 ●他者要因の場合は、問題の種類に応じて、行政機関窓口や福祉や司法などの専門家へ相談しましょう。 その2 管理監督者が取組む「ラインケア」 職場内の健康管理を行ううえで、職場の特徴やストレス要因を知る管理監督者の役割は重要です。安全配慮義務も求められます。 ●職員のいつもと違う行動や不調に早めに気づき、対応しましょう。 ●相談を受けた場合は、丁寧に話を聴きましょう。 ●職場内産業保健スタッフにつないだり、相談機関の利用や医療機関の受診を勧めましょう。 ●長時間労働者は、医師による面接指導を受けるよう促しましょう。 ●人事労務担当などと相談し、職場要因のストレスの軽減を図るなど、健康や安全に配慮しましょう。 ●職場復帰支援は、職場内産業保健スタッフとともに段階的に進めましょう。 ●休業中の職員のケアや職場復帰後の職員のフォローも必要です。 ●個人情報の保護に配慮しましょう。 職場環境を改善するためには ●管理監督者が些細な兆候を見逃さずに対応できる環境を、整備しましょう。 ●労働者自身が職場内産業保健スタッフに安心して相談できる環境を、整備しましょう。 ●年代ごと、職務内容ごとのきめ細かい対応をしましょう。 ●管理監督者、職場内産業保健スタッフ、人事労務担当が一体となって進めましょう。 ●安全衛生委員会等で十分調査・審議しましょう。 ●状況に応じて「心の健康づくり計画(労働安全衛生法等)」を改定しましょう。 ●ストレスチェックの集団分析結果を活用し、職場におけるストレス要因を評価して職場環境の改善に努めましょう。 ●職場のメンタルヘルスについての知識を身に付けましょう。 その3 職場復帰支援機関の活用と職場復帰 職場復帰支援機関とは こころの健康問題により数カ月間にわたって休職していた人が職場復帰するためには、リハビリテーションが必要です。 〇復職準備性の確認、病状の管理、再燃予防対処法を学び、実践することによって、確実に復職し、再休職を予防することを目指します。 〇医療機関や精神保健福祉センター、地域障害者職業センター、福祉施設等、企業等で行われています。  ※施設により特徴・費用が異なります。確認してから利用することが重要です。 職場復帰の前には、自主的訓練や職場復帰訓練の活用を 自主的訓練:通勤経路を使って職場の近くまで行ってみる通勤訓練       定時に図書館などに通い一定時間過ごしてみる模擬出勤 復帰訓練:隔日勤務や短時間勤務で、業務は行わず身辺整理や簡単な資料に目を通す段階から開始し、少しずつ職場環境に慣れ、周囲の人とのコミュニケーションがとれるようになることを目指します。      復職当初は、時間外労働は避け、ストレスのかかる本来業務の制限や勤務軽減制度を活用するなど、負荷をかけないようにします。 ●職場内産業保健スタッフとの定期的な面談で、自己の身体や心の状況を確認すること、不安の軽減を図ることが再休職を防ぐためにも重要です。 その4 テレワーク環境でのメンタルヘルスケア 脳を疲れさせないようにしましょう 通勤や職場内での移動がなくなることや、太陽光を浴びる時間が減ることなどで、「不眠」「イライラ」「ちょっとしたことに極端に反応する」「警戒心が強くなる」などの症状が出たりします。さらに、思った通りにコミュニケーションがとれないことが加わり、次第に脳が疲労していきます。脳が疲労することで、抑うつ気分や意欲の減退感が現れたり、衝動的・感情的な行動が生じたりします。  ●業務とプライベートを切り分け、生活リズムを保ちましょう 就業時間は守り、勤務開始時と終了時に連絡する。昼休みは、軽い散歩や外出の機会に充てるなど、通勤に代わる運動をする。オフィス勤務時と同様に、毎朝の身支度はきちんと行う。育児や介護などとの“ながら仕事”は避ける。など ●コミュニケーションを積極的にとりましょう 電話会議や Web会議ツールを利用する。メールだけではなく電話も活用し、なるべく生のコミュニケーションを図る。Web懇親会を実施する。など ●テレビや業務以外でのインターネットなどに接する時間を制限しましょう 身体症状は危険信号のサインです 脳の過覚醒状態が継続すると、動悸、肩こり、頭痛、下痢や便秘などの身体症状が出現します。今までに無かった複数の身体症状が出てきたら、それは脳が疲れているサインかもしれません。 抑うつ状態や不眠などの症状が2週間以上続くなら、精神科を受診しましょう。 テレワークのメリットと限界を、職場内で共有しましょう ・テレワークとオフィス勤務では、目標設定を変えましょう。 ・オフィス勤務時と全く同じレベルのアウトプットを求めないことも必要です。 ・オフィス勤務でしかできないことは、集まるチャンスを確実に活かしましょう。 ・チームを意識して情報を共有し、レスポンスは早めにしましょう。 東京都立(総合)精神保健福祉センター ◎東京都立中部総合精神保健福祉センター 〒156-0057 世田谷区上北沢2-1-7  相談電話:03-3302-7711(平日9時〜17時) 担当地域:港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区 ◎東京都立精神保健福祉センター 〒110-0004 台東区下谷1-1-3 相談電話:03-3844-2212(平日9時〜17時) 担当地域:千代田区、中央区、文京区、台東区、墨田区、江東区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区、島しょ地域 ◎東京都立多摩総合精神保健福祉センター 〒206-0036 多摩市中沢2-1-3 相談電話:042-371-5560(平日9時〜17時) 担当地域:多摩地域全域 令和3年3月発行  登録番号(2)8