東京都 気分(感情)障害 〜うつ病や躁うつ病を知ろう〜 東京都立(総合)精神保健福祉センター 気分(感情)障害とは 気分(感情)障害は、気分あるいは感情の変化を特徴とするもので、うつ状態が持続するものを「うつ病」、躁状態が持続するものを「躁病」、躁状態とうつ状態の両方のエピソードがおこるものを「双極性感情障害(躁うつ病)」と言います。 日本では、うつ病は約7%、躁病は0.8%程度の人が発症すると言われています。 うつ病(うつ状態) 以下の様なうつ症状が、少なくとも2 週間、持続します。うつ状態が反復する場合もあります。 こころの症状として  憂うつ、不安、イライラ、気力・集中力の低下、興味や喜びの喪失、活力の減退、活動性の低下、疲労感の増加、自殺念慮など からだの症状として  不眠、過眠、食欲の低下、頭重、頭痛、肩こり、だるさ、便秘や下痢、月経不順、めまい、動悸など 症状の変動について  症状は朝に重く午後から夜にかけて徐々に改善します。これは日内変動と呼ばれています。 *ストレスや過労などに関係することが多くみられます。 *精神症状に気づかず、食欲低下や睡眠障害などの身体の不調が主訴となることもあります。 *思春期及び青年期では、怠学や非行などの問題が症状としてみられる場合があります。 躁病(躁状態) 高揚した気分や身体的、精神的な活動性が高くなり、少なくとも数日以上、ほぼ毎日1日の大半において持続します。 ○過度になれなれしい。社交性が増大する。 ○楽しくて仕方がない。(気分の高揚) ○何事も上手くいく気持ちになり楽観的になる。 ○攻撃的な発言がみられる。 ○話し続ける(多弁)、浪費を重ねる。 ○眠らずに夜遅くまで活動する。朝早く起きだして活動する。 ○実現不可能な途方もない計画に熱中する。 ○被害的、誇大的な妄想などがある。 双極性感情障害(躁うつ病) *双極性感情障害(躁うつ病)は、躁状態とうつ状態の時期がみられます。躁状態は目立たないこともあります。 *躁状態またはうつ状態のエピソード(1回の症状がある時期)は、2週間から6カ月間続きます。躁状態に比べてうつ状態のエピソードが長い傾向があります。 *エピソードの回数は、生涯に数回のみの人もいれば、年に数回以上みられる人もいます。 周囲の方も本人も早期に気づき、早期に受診しましょう。(早期受診・早期治療が予後を良くします) ・うつ状態などは、自然に回復することもありますが、様子を見ていた結果、重症化することもあるので、「ただの疲れ」「寝れば治る」などと自分だけで判断せず、医療機関に受診しましょう。 ・躁状態が軽度の場合は、本人も自覚しにくく、周囲の方も発見や対応が遅れることがあるので注意しましょう。 ・本人の生活が普段と比べて違っているかを、把握することが重要です。 ・自殺企図や強い焦燥感、破天荒な行動、怒りっぽさが目立つときなどは、入院治療が必要な場合があります。 ・身体不調に苦しんだり、不安や恐怖を過剰に感じて自殺のリスクが高くなることがあるので注意が必要です。 ・本人が受診をためらう場合は、周囲の方から受診を勧めることも大切です。家族など周囲の方が医療機関や相談機関に相談しましょう。 気分(感情)障害の治療 * 医療機関にて、精神療法(認知行動療法など)、薬物療法などの治療を受けるとともに、必要な休養をとり、家庭や職場などの環境を調整することが大切です。 * 治療については、主治医とよく相談していくことが重要です。  家族や周囲の方の関わりのポイント ・治療は長期になる場合があります。主治医と相談しながら、治療が継続できるように、見守ることが大切です。 ・重要な決定は回復するまで保留にするなど、本人の状況に合わせて待つことが重要です。うつ状態では自殺企図に注意する必要があります。  ・安易な励ましは避けましょう。 ・復職などについては、病状の回復に応じて、段階的に準備していけるよう主治医と相談していきましょう。 利用できるサービス 社会生活を維持していく上で、利用できるサービスの紹介です。 ●相談支援  企業の健康管理室、心療内科や精神科などの医療機関、地域産業保健センター、保健所・保健センター、精神保健福祉センターなど ●経済的支援 〇自立支援医療(精神通院医療)制度  指定医療機関(病院・薬局・デイケアなど)における精神疾患の通院医療費の軽減(所得・疾病などに応じて月額自己負担上限額の設定あり) 〇精神障害者保健福祉手帳  税金や公共料金の減免、都立施設の入場料免除、都営交通乗車証の発行、都内の路線バスの運賃半額割引など 〇その他、障害年金や生活保護など ●社会復帰支援 〇就労支援  東京障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、障害者就労支援センターなど 〇通所支援  地域活動支援センター、デイケアなど 〇その他  各種障害福祉サービス、家族会、自助グループなど ※サービスを受けるための詳細については、お住いの区市町村窓口でお尋ねください。 相談機関(プライバシーは厳守します) ◆保健所・保健センター  お住まいの地域を管轄する保健所や保健センターなどで、ご相談に対応しています。 ◆東京都立( 総合) 精神保健福祉センター 東京都立中部総合精神保健福祉センター 〒156-0057 東京都世田谷区上北沢2-1-7 相談電話:03-3302-7711(平日9時〜17時) 担当地域:港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区 東京都立精神保健福祉センター 〒110-0004 東京都台東区下谷1-1-3 相談電話:03-3844-2212(平日9時〜17時)  担当地域:千代田区、中央区、文京区、台東区、墨田区、江東区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区、島しょ地域 東京都立多摩総合精神保健福祉センター 〒206-0036 東京都多摩市中沢2-1-3 相談電話:042-371-5560(平日9時〜17時) 担当地域:多摩地域全域 東京都夜間こころの電話相談  03-5155-5028 17時〜 22時(受付は21時30分まで) 東京都こころといのちのホットライン  0570-087478 年中無休 14時〜翌朝5時30分 (*0570で始まるナビダイヤルは、携帯電話の無料通話やかけ放題プラン等の対象外です。) 令和3年3月発行 登録番号(2)9