東京都 ギャンブル等依存症 その理解と回復のために 東京都立(総合)精神保健福祉センター ギャンブル等依存症とは 「ギャンブル等依存症(ギャンブル障害)」という病気は、借金や生活困窮、対人関係の破綻など、生活に悪影響が生じても、ギャンブル等をやめられない状態をいいます。 ※ギャンブル等(法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為をいう)  国の研究(2017)では「ギャンブル等依存が疑われる者」の割合は成人の0.8%(約70万人)と推計されています。 ミニ知識〜ギャンブル等依存症と脳の機能異常〜  ギャンブル等依存症は、脳内の報酬系回路などの機能異常が要因の一つと考えられています。 脳内報酬系とは、欲求の満足やその期待に伴う快感や意欲に関わる脳の仕組み(報酬系回路)で、前頭葉や中脳などいくつかの部位が関係します。長期間にわたりギャンブルを繰り返すことで報酬系回路の機能が低下し、ギャンブル以外の刺激では快感を感じにくくなることが知られており、さらにギャンブルによる快感を求めるようになると考えられます。このようにギャンブル等依存症は、脳の機能異常を伴う精神疾患の一つといえます。 慢性・進行性の病気です 意志の弱さや性格が原因ではありません。 ◆ギャンブル等依存症は、気合いや根性、周囲からの叱責では治らない慢性、進行性の病気です。 ◆ギャンブルへの没頭が一時改善しても、ストレス等で再発の危険性があります。 「依存症」からの回復には治療が大切です。 ・依存対象はしばしば入れ替わります。 ゲーム、アルコール、ギャンブル ◆ギャンブル等依存症の治療として、集団や個人での心理療法などが用いられます。 ◆専門治療プログラムでは、ギャンブル等の引き金になる環境や思考を学び、ギャンブル等をしない新しい考え方や対処法を練習します。 ◆借金の整理や生活の再建など、法律家や福祉制度による支援がしばしば必要になります。 ◆同じ体験をもち回復を目指す人の集まり(自助グループ)への参加が役立ちます。 ギャンブル等をしないですむ、新しい生活習慣を身につけましょう。 ギャンブル依存症の症状とサイン ●ギャンブルで勝ったときの興奮を追い求めて、賭け金の額がどんどん増えてしまう ●ギャンブルを途中で中断したり、中止したりすると落ち着かなくなったり、イライラしてしまう ●ギャンブルをやめようと努力したことがある ●ふとギャンブルのことが頭をよぎる ●つらい気分を紛らわすためにギャンブルをする ●ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り戻そうとして、またギャンブルに戻ってしまう ●ギャンブルにはまっていることを隠すために嘘をつく ●ギャンブルで大切な人間関係を失ったことがある ●ギャンブルで借金をつくり、誰かに金を無心した 出典:アルコール健康障害・薬物依存症・ギャンブル依存症 依存症対策全国センターホームページより 家族の方へのアドバイス ◆依存症は本人が気づきにくい病気です ・依存症であることを本人が認めなくても、医療機関への受診を勧めてください。家族が同行することも有効です。 ◆家族からの相談もできます ・家族だけで解決するのは難しい病気です。 ・借金や嘘などの問題を感じたら、専門相談機関に相談しましょう。 ・専門的治療プログラムを受けられる機関もあります。 ◆治療には家族や友人の支えが重要です ・家族が正しい対応法を学ぶことは、本人の回復を助けるうえで重要です。例えば、家族が安易な金銭の提供や、借金の肩代わりをすると、多くの場合問題が深刻化します。 ◆家族自身への支援が必要なこともあります ・依存症による問題で、家族も疲弊しがちです。 ・公的な相談機関では家族のための相談ができます。 ・家族向けの自助グループもあります。 ◇公的な相談機関◇ ◆東京都立(総合)精神保健福祉センター 東京都立(総合)精神保健福祉センターでは、「東京都依存症相談拠点」として、アルコールや薬物、ギャンブル等の依存症などについて、ご本人やご家族等、あるいは関係機関からの相談を受けております。 ◎東京都立中部総合精神保健福祉センター 〒156-0057 世田谷区上北沢二丁目1番7号 相談電話:03-3302-7711(平日9時〜17時) 担当地域:港区、新宿区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区  ◎東京都立精神保健福祉センター 〒110-0004 台東区下谷一丁目1番3号 相談電話:03-3844-2212(平日9時〜17時) 担当地域:千代田区、中央区、文京区、台東区、 墨田区、江東区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区、島しょ地域 ◎東京都立多摩総合精神保健福祉センター 〒206-0036 多摩市中沢二丁目1番地3 相談電話:042-371-5560(平日9時〜17時) 担当地域:多摩地域全域 ◆保健所・保健センター等 都の保健所や区の保健センター等、お住まいの地域ごとに相談窓口があります。各保健所等にお問い合わせください。 令和元年11月発行 登録番号5