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食物アレルギー

最終更新日:令和3年3月31日 | 公開日:平成29年4月21日

質問する男性イラスト

Q1
食物アレルギーと思ったら、どうしたらよいでしょうか。医療機関のかかり方についても教えてください。
A1
食物アレルギーの症状かなと思ったら、まず身近な医療機関であるかかりつけ医に相談しましょう。
かかりつけ医は、病状を説明し、必要に応じ別の医療機関を紹介する役割を担っています。診断や治療方針(専門的な検査や治療を行う医療機関にかかった方がよいか等)について、よく相談しましょう。
的確な診断と治療を受けるためには、事前に症状の経過や変化(何を、どれくらい食べたら、どれくらい後に、どんな症状が現れたか)を整理したり、知りたいことや疑問点を書き出しておいたりする等の準備をし、医師に要点を正確に伝えることも受診時に大切です。
  • 一般社団法人日本アレルギー学会の専門医制度で認定された医師が、自分の居住地域にいるかどうかを知ることができます。
Q2
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係について教えてください。
A2
食物が原因で、乳児期にアトピー性皮膚炎症状が悪化するものとして、「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」があります。すべての乳児期のアトピー性皮膚炎が食物に関与しているのではなく、約50-70%の患者に食物が関与していると言われています。このため、皮疹があってもすぐに食物アレルギーと判断せずに、まずは適切なスキンケア、軟膏療法をしっかり行い皮膚症状の改善に努めます。それでも皮膚症状が改善しない場合には食物アレルギーの関与を調べることになります。
Q3
食物アレルギーがある場合、どの位の頻度で検査を受けるのが望ましいでしょうか。
A3
乳幼児期に発症する頻度の多い鶏卵、牛乳、小麦、大豆は3歳までに約50%、6歳までに約80%が食べられるようになります。このため診断は定期的に見直しを行い、可能な限り早期に除去終了を目指します。前記した解除が進む傾向の強い食物アレルギーの場合は、およそ6か月毎に最新の検査結果を参照して診断を見直し、食物経口負荷試験の実施を検討します。
Q4
アレルギーの抗体検査(特異的IgE抗体検査*)をしたところ、複数の食物が陽性と判定されました。すべて、除去した方がよいでしょうか。
A4
特異的IgE抗体検査で陽性となっても食物アレルギーの症状が出るとは限らず、陽性となった食物のすべてを除去するようなことにはなりません。検査結果が陽性であることは、原因である可能性を示すまでであり、実際に除去する食物については、医師と十分に相談しましょう。
*特異的IgE抗体検査:アレルゲン(アレルギーの原因となっている食物)に対して、血液中にIgE抗体(即時型アレルギーの発症に関係する物質)がどのくらいできているかを調べる検査
Q5
鶏卵アレルギーと牛乳アレルギーがあります。この場合は、鶏肉や牛肉も除去した方がよいでしょうか。
A5
鶏肉・魚卵は、鶏卵アレルギーの原因にはなりませんので、基本的に除去する必要はありません。牛肉も、牛乳アレルギーの原因にはならないので、同様に除去する必要はありません。最新の情報に基づいた主治医の指示に従って、食べて症状がでる必要最小限の原因食物だけを除去しましょう。
Q6
小麦アレルギーでも麦茶は飲ませてもよいでしょうか。
A6
麦茶は煎じた大麦の種子から水で成分を抽出して作られた飲み物であり、小麦と直接関係はなく、飲用できます。しかし、重症小麦アレルギー患者の中に麦類全般の除去指導をされる場合があり、この場合に麦茶の除去が必要な場合があります。
Q7
加熱や発酵によってアレルゲンは変化しますか。
A7
一般的にアレルゲンのアレルギーの起こしやすさは、加熱や発酵の影響を受けません。例外的に鶏卵は、加熱によってアレルギーを起こす力が弱くなります。このため加熱卵が食べられるようになっても、生卵や半熟卵には注意が必要です。果物・野菜もその傾向があります。一方で牛乳・乳製品は、加熱や発酵処理をしてもアレルギーを起こす力はほとんど変わりません。
それぞれの食品の特徴を知り、主治医の指示に従って、食べて症状が出る必要最小限の食物だけを除去しましょう。
Q8
除去した食品の栄養補給の方法等を教えてください(乳禁・鶏卵禁の場合)。
A8
原因食物を除去することにより、栄養が偏らないよう、代替えの食品を上手に利用しましょう。

鶏卵を除去する場合
鶏卵はタンパク質を多く含む食品ですので、タンパク質の不足を補うと良いでしょう。タンパク質を豊富に含む魚介類、肉類、大豆製品、牛乳・乳製品類を利用しましょう。

牛乳を除去する場合
牛乳は良質なカルシウム摂取源です。アレルギー用粉ミルクや大豆製品を中心に小魚や海藻を積極的に食べましょう。小松菜、水菜、チンゲン菜などにもカルシウムは豊富に含まれています。
Q9
容器に入ったり包装されたりした加工食品に「本製品の製造ラインでは○○(例:エビ)を使用した製品を製造しています」などと表示されている場合がありますが、表示されている原材料にアレルギーがある場合、その食品は食べない方がよいでしょうか。
A9
加工食品では、原材料としては使用していないが、同じ施設内でアレルギー物質を含む食品を製造または使用しており、混入しないよう十分に対策の徹底を図ってもなおその可能性が排除できない場合、原材料表示の枠外に以下の注意喚起の表示を行うことが認められています。基本的にはその加工食品には含まれないので除去の必要はありませんが、重症者は主治医に確認しましょう。
Q10
牛乳アレルギーがある場合に、「乳酸菌」など乳の文字等を含む食品は食べられないでしょうか。
A10
牛乳は加工食品のアレルギー表示が義務付けられていますが、名称上の「乳」という文字の有無だけでは、一概に食べられるかどうかを判断できません。
「全粉乳」「脱脂粉乳」「練乳」「乳酸菌飲料」「発酵乳」などの加工食品には牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの患者さんは食べられません。
また「乳糖」は重症患者が大量に食べなければ、ほとんどの場合問題になりません。重症者は主治医に確認しましょう。
「乳化剤」「乳酸菌」「乳酸カルシウム」「乳酸ナトリウム」「カカオバター」「アーモンドミルク」はその名前から、乳製品と誤解されやすいのですが、牛乳とは関係なく、牛乳アレルギー患者でも食べられます。
Q11
食物アレルギーがある場合、保育所に通うに当たって、園にお願いすべき注意事項はありますか。また、どのようなことを注意しておけばよいでしょうか?
A11
まず、通園先の保育所でどのような食物アレルギー対応をしているのかを把握することから始めます。厚生労働省は、保育所向けにアレルギー対応ガイドラインを発出しており、多くの保育所がガイドラインに基づいた対応を行っています。
保育所給食でアレルギー対応を依頼する場合は、「保育所におけるアレルギー生活管理指導表」(厚生労働省作成)を提出する必要があり、これは医師が記入します。入所前には指導表に基づいた面談が行われます。管理職、保育士、看護師、栄養士などと十分に情報交換をして、連携をはかりましょう。 保育所における食物アレルギー対応は、安心安全を最優先とするため、基本的に患児ごとの細やかな段階的対応はしてもらえず、完全除去か解除かの二者択一を求められます。これは事故予防のための方針であり、保護者らは希望を通すのではなく、ガイドラインに沿った保育所の方針に理解を示す必要があります。ガイドラインは厚生労働省のホームページからも入手することができます。
重症な子供なら、特に保育所におけるアナフィラキシー対応は大事です。エピペン管理を含めて、日頃の対応から緊急時対応まで綿密に入所前に連携をしておきましょう。
Q12
アレルギーのある子供の予防接種はどのように考えたらよいでしょうか。
A12
食物アレルギー、ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などアレルギー体質といわれているだけでは、接種不適当者にはなりません。主治医と相談し、予防接種は該当する年齢で体調の良い時に積極的に受けるようにしましょう。
予防接種においてアレルギーと関連すると報告されているのは、ワクチンの安定剤、防腐剤や抗菌薬、ワクチン菌体成分そのものなどに対しての反応です。最近のワクチンでは、ゼラチンは黄熱ワクチン(任意接種)に使用されていますが、含有量は微量です。防腐剤や抗菌剤に対するアレルギーの発症率は極めて低く、通常心配する必要はありません。
インフルエンザワクチンには鶏卵成分が含まれますが、極めて微量であり、基本的には鶏卵アレルギーでもインフルエンザワクチンは接種できます。保護者に強い不安がある時は、主治医又は接種医とよく相談しましょう。
Q13
アレルギーマーチとは何ですか。
A13
アトピー素因(アレルギー体質)があると、同一患者が乳児期の食物アレルギーやアトピー性皮膚炎に始まり、幼児期以降にぜん息、アレルギー性鼻炎と、成長とともに症状が移り変わったり又は積み上がったりする傾向がみられます。反応するアレルゲン(アレルギー物質)も、成長とともに食物抗原から吸入抗原(ダニ・ネコ・イヌ・花粉・カビなど)に変化します。この傾向をアレルギーマーチと呼んでいます。
(独立行政法人環境再生保全機構「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック」より引用・一部改変)
Q14
子供が食物アレルギーですが、災害時に備えてどのような準備をしたらよいですか。
A14
災害には自助(個人で準備すること)が大切です。
災害時に起こりうるリスクとしては、I.アレルギー対応食品の不足、II.炊き出し時におけるアレルゲンの誤食、III.アナフィラキシー時の対応の遅れ、IV.食物アレルギーに対する周囲の理解の不足が考えられます。
これらのリスクに対する自助的準備として、災害に備えた必要物品として、①誤食時の緊急薬、②7日分以上(少なくとも3日分以上)保存可能な安全に食べられる食品、③アレルギー対応食品が備蓄されている場所の地図と連絡先、④アレルギーの情報や緊急連絡先を記入したサインプレートや緊急カードを準備します。
また、災害時に不要な苦労をしないために日頃から食物アレルギーの正確な診断を受けて、本当に必要な食品だけを除去するように心がけるべきです。「念のため」に避けている食べ物があると、被災時の不安や不便は一層高まります。
食品は、1週間分(少なくとも3日分)を目安に備蓄し、賞味期限が切れる前に入れ替えます。入れ替え時に食べて慣れておくとよいでしょう。
Q15
授乳中の子供に食物アレルギーがある場合、母親もその食材を除去した方がよいでしょうか。母乳とアレルギーの関係について教えてください。
A15
基本的に食物アレルギーがあるお子さんの母乳育児を止める必要はありません。また、アレルギー疾患の発症予防のために授乳中の母親に食物除去は勧められません。
Q16
妊娠中から、食物制限をすれば、生まれてくる子供が食物アレルギーになることを防げますか。
A16
妊娠中に母親が食物除去を行うことによって子供のアレルギー疾患の発症を予防できるという科学的な証拠は示されていません。したがって、アレルギー疾患の発症予防のために妊娠中の母親に対して食物除去は勧められません。
Q17
離乳食を始める子供がいますが、兄に食物アレルギーがあります。食物アレルギーを防ぐために離乳食を遅らせたり、食物除去をしたりしたほうがよいでしょうか。
A17
離乳食を開始する時期や食物種については、標準的な時期と食物種で始めましょう。予防的な食物除去は必要ありませんし、最近の研究ではむしろアレルギーの発症予防のために、早期からアレルギーになりやすい食物を食べさせたほうが良いとする成果も出ています。
Q18
子供の即時型食物アレルギーと大人の即時型食物アレルギーの違いについて教えてください。
A18
乳幼児の場合、鶏卵・牛乳・小麦が多く、これらは加齢とともに食べられるようになることが多いです(3歳までに50%、6歳までに約80%)。学童期以降から発症の場合、果物、甲殻類、木の実類、小麦、魚類、ピーナッツが多く、また乳幼児期発症に比べて治りにくく、長期間、時に生涯にわたる除去を必要とすることがあります。
思春期以降の成人では小児と比較して、原因食物の摂取だけで発症する食物アレルギーに加えて、食後の運動の負荷が加わることで発症するFDEIAの症例が目立ってきます。アナフィラキシーなどの即時型アレルギー反応を増強・誘発させる因子(危険因子、増悪因子、Co-Factorなどとも呼ばれる)が原因食物の摂取前後に併存することが成人では比較的多く、問診の際に医師がそれらについて上手く聞き出すことが重要です。医療機関に受診する際に、即時型アレルギー反応が生じた際の状況や環境を事細かに医師に伝えられるように準備しておきましょう。
欧米の調査報告では、成人の12%が食物摂取後のアレルギー症状を経験したことがあると申告していますが、真のアレルギーによる病態かどうかははっきりしません。実際に負荷試験を行った対象をもとに調べた研究では2~5%と推定されています。この数値は決して少ないとは言えません。小児期の即時型食物アレルギーが改善しないまま、思春期~成人と移行する症例も近年増加傾向にあり、学童期以降の食物アレルギーを専門的に診療する医療機関の整備を、との声が医療従事者、患者の双方から聞かれます。
Q19
大人や高齢者になってからも食物アレルギーを発症することはあるのですか?
A19
あります。我が国全体の正確な疫学調査が存在しないため、成人人口のうちどのくらいの割合で食物アレルギーを発症しているのか分かっていませんが、70歳代~80歳代で初めて食物アレルギーを発症したケースが報告されています。臓器移植や造血幹細胞移植などを契機に食物アレルギーを新規に発症した報告もあり、小児とは異なるメカニズムで発症しているケースの存在も考えられます。発症した後の経過についても十分なデータがなく、原因食物の種類や病型にもよりますが、治癒や寛解は難しいと考えられています。
Q20
知り合いで魚介類を食べたあとにアニサキスアレルギーを発症したひとがいました。アニサキスアレルギーとはどんな病気でしょうか?
A20
アニサキスAnisakisは魚介類に寄生する寄生虫(線虫)の総称です。最終宿主はクジラやイルカなどの海産大型哺乳動物であるが、それらが捕食する中間宿主(サバ、サンマ、アジなど)にもアニサキスは寄生しており、アニサキスに汚染された食品として口にすることで、ヒト体内にアニサキスが侵入・曝露します。アニサキスの虫体、嚢包、卵、唾液など分泌物、排泄物、砕片に含まれるアレルゲンにより感作されたヒトの体内に、再度、同アレルゲンが曝露した場合に生じる即時型アレルギー症状のことをアニサキスアレルギーと呼びます。アナフィラキシーを発症することが多く、寿司や刺身など生の魚介類を摂取したあとに生じやすいですが、加熱した魚介類を食べたあとでも発症することがあります。また、食事のあと半日ほど経過してから発症することもあり、原因が不明なアナフィラキシーやじんましんとして治療されているケースも見かけます。



監修:今井孝成先生(昭和大学医学部小児科学講座教授/昭和大学病院 小児医療センター センター長)
   鈴木慎太郎先生(昭和大学病院 呼吸器・アレルギー内科 講師・診療科長補佐)

このページは東京都 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当が管理しています。

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