ページの先頭です
ここから本文です
  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

お役立ちミニ情報

最終更新日:令和4年8月4日 | 公開日:令和2年4月3日

アレルギー疾患の検査や治療等に関する情報をコンパクトに掲載しています。

抗体検査で何が分かるの? 〜IgEとIgG〜

特異的IgE抗体

IgE抗体が抗原(アレルゲン)と結びつくと、アレルギー症状が引き起こされます。そのため、様々な抗原に対する特異的IgE抗体を調べることで、アレルギーの原因となり得る物質を知ることができます。
しかし検査でIgE抗体の存在が証明されても、抗原への「感作*」を示すものの、それが必ずしも発症に関っていることの証明にはなりません。このため、あくまでも食物アレルギーの診断の補助として参考にされています。

*感作:免疫の仕組みにより体内でIgE抗体が作られ、皮膚や粘膜にあるマスト細胞の表面にくっつき、ダニや花粉、食物などの抗原が再び入り込んでくるのを待ち構えている状態。

特異的IgG抗体

近年、インターネット等に、「簡単な血液検査でIgG抗体を有料で測定すると遅延型食物アレルギーを診断できる」「IgG抗体が陽性だった食品を除去するとダイエットに有効」といった情報が一部で掲載されています。
しかし、食物特異的IgG抗体は食物アレルギー症状のない方でも検出されるため、食物アレルギーの診断に用いることはできません。IgG抗体の結果を根拠に制限する食品が多品目に及ぶ場合は、栄養の偏りなどによる健康被害を招く恐れもあります。
欧米のアレルギー学会や日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会では、食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定しており、原因食品の診断法としては推奨していません。
(日本小児アレルギー学会「血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起」を参考に作成)

アレルゲン免疫療法ってどんな治療?

アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因物質(ダニやスギ花粉等)を少量から継続して患者さんに投与していくことで、原因物質にさらされた時に引き起こされる症状を緩和することを目指した治療です。
原因物質を投与する経路によって、皮下(注射による投与)、舌下、経口などの方法があります。
日本では皮下免疫療法が従来から行われてきましたが、最近ではダニとスギ花粉に対する舌下免疫療法がアレルギー性鼻炎患者さんを対象に保険診療で行えるようになりました。
ただし、この治療法はごくまれに、アナフィラキシーなどの重篤な副作用が起こる場合があるため、専門の医師のもとで行うことが必要です。

花粉症が治るって本当!?

花粉症を完全に治すために

毎年スギ花粉の飛散シーズンになると、くしゃみや鼻みずなどが続き、つらく憂鬱な毎日を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
症状の改善に加え、スギ花粉症を根本的に治すことが期待できる治療法として、アレルゲン免疫療法があります。日本では、以前から皮下注射法が実用化されていましたが、2年以上通院して何度も注射を打たなければならないなどの理由から、あまり普及しませんでした。
そこで、東京都ではもっと利用しやすい根本的な治療法の開発・普及を目指し、スギ花粉症の舌下免疫療法の臨床研究を行いました。

舌下免疫療法とは

東京都が行った研究の結果、症状が消失又は軽減した方は全体の約7割であり、この治療法の有効性が確認されました。平成26年には、「スギ花粉症の舌下免疫療法」が保険適用となり、多くの方がこの治療法を利用できるようになりました。
この治療法は、スギ花粉抗原を含んだ薬剤を舌の下に投与することにより、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげます。治療期間は2年以上かかるものの、皮下注射法に比べて通院回数が少なく、自宅で行え、苦痛や重大な副作用の少ないことが特徴です。
興味のある方は「舌下免疫療法」が可能な医療機関にご相談ください。

スキンケアでアレルギーが予防できるの?

正常な皮膚は、外からの細菌や刺激物などが体の中に入るのを防ぐ働き(バリア機能)をしていますが、乳幼児の皮膚は刺激に弱くデリケートな状態です。
皮膚が湿疹による掻き壊しで荒れていると、刺激物(ダニ、ほこり、カビ、汗、花粉、食べ物など)が皮膚の中にいる免疫細胞に取り込まれ、経皮感作※が起こることによって、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが発症する可能性があることがわかってきました。
アトピー性皮膚炎になりやすい乳幼児(家族にアレルギー疾患の方がいる、生まれつき乾燥しやすい体質など)は、保湿剤によるスキンケアを行うことをおすすめします。 乾燥や湿疹など皮膚の症状がある場合には、皮膚をよく泡立てた石鹸で丁寧に洗い、保湿剤を塗ってスキンケアを行いましょう。それでも改善しないときには、医療機関に相談しましょう。 具体的なスキンケア方法は以下を参考にしてください。

※感作:免疫の仕組みにより体内でIgE抗体が作られ、皮膚や粘膜にあるマスト細胞の表面にくっつき、ダニや
    花粉、食物などの抗原が再び入り込んでくるのを待ち構えている状態。

このページは東京都 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 環境情報担当が管理しています。

ページの終わりです
ページの先頭へ戻る